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『プリズム』

『プリズム』26*G・Wの再会ー27

(まさかこんな所に居ようとは)
「周防さん? なにか気になることでも? 」
「あ、いや」
そのだ、と己の注意を引く単語が聞こえたようで視線を巡らせ、見つけた。唇が歪むのを黒岩の問いかけで押しとどめる。
「黒岩さん、あの一角は? 」
「ああ、あそこは周防さんのビルに入っている・・、確か三十階~四十階のエリアです。」少し伸びあがるようにしてグループ分けされた番号を読み取り、黒岩が答える。
「そうですか」
いやあ、私も番号を書いておかないと分からなくなりましてねえ、ところで、と黒岩が続けて話し出したのに適当に応えながらその情報を頭に刻み、周防は体の向きを変えた。


「収穫、って言っていいのかな・・? 」
「そうなるかな」
俺もひろさんも手に袋を下げている。これは、

「やっぱり残っちゃった。あ、新井くん、苑田さん、入れ物もらってくるから待ってて」
と先輩の奥さんから持たされたBBQの残りだ。
「次から次から焼いていくから、どうするんだろうと思っていたら」
クス、とひろさんが笑う。
「『生だとコワイから、全部火を通す』んだ・・、って」
俺も口調を真似して笑う。
「先輩は、『どうだ、一食どころか明日の分まで浮いただろ?』 なんて言ってたし」
「違いない」

・・で、結局焼き肉やら焼きそばやらの手土産を持って、俺たちはそれぞれお互い実家へ帰ることになってしまった。
「俺の部屋へ帰るはずだったのに」
「はは、予定なんてそう上手くいかないさ。じゃあな」
電車を乗り換え、別々のホームへ向かう。ひろさんは、ひらりと手を振るとそのまま・・。

「そうだ。荷物置いた、切りだし明日にでも寄るから」
ホームへ上がる階段の途中、振り向いて言う。
「電話くれる? 」
見上げて、’お願い‘してみた。
「メールじゃ駄目か? 」
「声が聞きたい」
目を見開いたあと、ぷい、と横を向いて、
「・・・分かった」
声だけ投げて、そそくさと上がって行った。





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 遭いたくない出会いが・・!?
ビルのオーナーとはっ。 周防氏、オカネモチだったのですね・・・。 婿養子だったと思うのですが(今初めて知った)。
楽しかったはずのBBQ 。知らないところで嵐発生・・・。

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コメント

No title

うぅぅぅ・・・
絡みつく大島ビル関連・・・
ビルのオーナーだったらオーナー室に籠って
ペントハウスから下を眺めてればいいのにぃ!←偏見?
エリア情報は頭に刻まなくていいよ~
東証の情報を頭に刻んでればいいじゃない~~
も~平穏な日々を壊さないで欲しいよ~~
(でもチョット香川さんが出て来るのでは?と期待も)
苑田君の知らぬ所で目が光っているのが怖い…

あーーっ!やっぱりどうにかコネを見つけて
中に入り込んでズーズーしいオバちゃんパワー発揮して
視界から外すように仕向けたかった~~(T_T)

Re: No title

うさメリさま。 ようこそ。


> ビルのオーナーだったらオーナー室に籠って
> ペントハウスから下を眺めてればいいのにぃ!←偏見?

あは、うさメリさま済みませんでした。一応開会の挨拶なんていうのがあるんです~。それだけで帰るハズだったんですが、黒岩さんがね・・。
そして鳴和先輩のbadタイミング。 見つかっちゃいました(あ~あ)。


> (でもチョット香川さんが出て来るのでは?と期待も)

・・うさメリさま、レーダーお持ちですかっ?! まさか香川さんメール入れたとか・・。
「(フッ)さあな。俺は知らん」
「おっ、なんだまた買い替えたのかスマホ。へェ、画面でかいな」
「あんまり覗くな高松(ゲシッ)」
「痛ってーー!」
高松さーん、あんまりちょっかい出さないでください。聞きそこなったじゃないですか。


> 苑田君の知らぬ所で目が光っているのが怖い…

オーナー・周防クドそうですからねー、性格が。この方、大島ビルに入れなかったんです。
だから苑田に執着してるのかも(ため息)。 



ありがとうございました。
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