FC2ブログ

『プリズム』

『プリズム』7*呼び出しー3

苑田さんに唐突な終わりかたをされ、仕事がノらない。ふと、時計を見たら、
「う・わ。こんな時間?!」
二十一時半。残っているのは俺だけだ。急いで片付けPCを閉じ・・。

「あ・・・、メール」
苑田さんが指定していたのは二十一時。三〇分以上も前だ。  迷って・・・。



「間・・間にあった――――。」
とうとう駅から走って来て、営業していた店に駆け込んだ。
「いらっさいませー。」
出迎えてくれたのは日本語がちょっとなまってる女の子。中国のコかな?韓国とかかな?
「あ・の・・、ここに・・・、苑田さん・・・、て人・・」
ハアハアしながら聞くと、
「ああ、いるね。そこいく?」
「いるの?」

とっくに帰ったと思ったのに。

「うん、行く。」
つい同じような言葉遣いで答えてしまう。
「こっちね。」
案内されたのは、個室だった。
「来たな。」
部屋に入った俺を、苑田さんは笑顔で迎えてくれた。
「あの・・、遅くなって、すみません。」
「いいさ。まあ、座れ。」
小さくなって謝る俺に何も言わず椅子を指さす。テーブルの上はきれいで、苑田さんはもう食事が終わったらしい。

「さっきは悪かったな、途中で放り出して。」
「いいえ。俺もいきなり行ったから・・・」
「それで、今から続きをしようと思うんだ。」
「は・い?」
「ムラタ文具、どうなってる?」
聞かれて必死になって思い出す。
「あそこは、確か・・」
矢継ぎ早の質問に答えていると汗が出てきた。
「うん、まあまあだな。」
やっと終わった、と、ホッとする間もなく、
「じゃあ、廣済堂。」
また質問。その後は、元や。

「よーし、それくらい頭に入っていれば大丈夫だ。ねえ、中島先輩?」
「な・中島主任?!」

「おう。やるじゃないか新井。・・・ところで、ラストオーダーかかったから、適当に頼んだぞ。」
衝立の蔭から出てきた主任は、手に春巻きの皿を持っている。
「ああ、すみません。もうそんな時間でしたか。」
「代金はおまえ持ちだから高価(たか)そうなの頼んどいた。」
「ええ?今日、財布軽いんですよ。」
どれだけ頼んだんですか?って笑いながら聞く苑田さんに、思わず尋ねてしまった。
「ラストオーダー・・て、苑田さん食事・・・」
「うん、俺たちもまだ。一緒に食べようと思ってたから。」
「腹ペコなんだ。」
空いていた椅子にどっかり座りながら、主任は皿をテーブルに乗せた。

「どんどん来るからな。ほら。」
最初に来た取り皿に春巻きを乗せ、箸と一緒に渡される。
「い・・いただきます・・。」
次々料理が運ばれてきて、ターンテーブルが一杯になる。あれもこれもと皿にとっては食べていると、
「なぁ、新井。よく取引先の部課長の趣味まで覚えたな。」
主任が、紹興酒を飲みながら振ってくる。
「・・・、ふォれは・・・っ」
熱いものを口に入れた時に聞かれ、返事が・・・。
「・・っ、それは、苑田さん、が」
「苑田が?」
「あの・・、メールで・・」
「俺はヒントを与えただけです。あとは、本人が自分で答えを探し出してました。」
飲み込んで答えかけたのを、途中で苑田さんに持っていかれる。
「ほう、そこまで出来るようになったのか。」
主任は感心してくれたけど。そんなことない。苑田さんが、俺が自分で答えを見つけられるように教えてくれたからで・・・。

「それじゃ、おまえの割り当てもう少し増やそうか?新井。」
「え??だめです!頭がパンクします!」
即答に、二人同時にハハハハ・・、と笑いだす。
スポンサーサイト



『プリズム』

『プリズム』7*呼び出しー4

閉店までの短い時間だったけど、美味しい料理をたらふく詰め込んで店を出る。

「俺はこっちだ。」
おやすみ、と帰っていく主任。俺と苑田さんは同じ方向だ。


「よくがんばって覚えたな、崇。」

歩きながらポツリ・・、と、苑・・範裕さんが、誉めてくれた。顔が、赤くなるのが分かる。
名前を呼んでくれるのは、今がプライベートだからなんだろう。
「そんなこと、無いです。俺、全然分かってなくて」
そう、範裕さんが俺に教えてくれていたのは、どういうふうに考えればいいのか、筋道立ててやればいいのか、と言う事だ。
「今日は・・、すいませんでした。北森に、範裕さんに質問したらすぐ答えもらえた、って聞いて」
押しかけた。
「範裕さんも仕事だったのに。・・迷惑だった?」
「いや、急に来られて驚いただけだ。」
けど、いきなり終わりにされた。納得いかない顔をしていたのが見えたのか、、
「・・・・あの時、マナーモードが鳴ったんだ。プライベート用の。」
「そうですか・・」
範裕さんらしくない、目を逸らしながらの言い方に変だな、とは思ったけど、訳を打ち明けられてほっとする。
「え?じゃ、範裕さん、二台も持ってるんですか?」
仕事用と間違えないのか、って聞いたら、
「あ・ああ。プライベートは、直通、みたいなものだから。」
何故か狼狽えたそぶりで答えが返ってきた。


理由は、ずい分後になって理解る。それは進藤部長の呼び出し専用だったんだ。


「じゃあな。」
「はい。今日はありがとうございました。それと、ご馳走様でした。」

駅は同じでも乗る線は違うから改札で別れる。頭を下げた俺に、
「崇のしょげた顔、初めて見たな。」
笑いを含んだ声で範裕さんが言う。
「っ、それはないでしょう?あの時はほんとにへこんだんですから。」
むくれて頬を膨らませると、クスッと笑って、ぎゅう、とハグされ・・た。

え?・・・え?

さらに耳元で、
「頑張ったご褒美。」
ちゅ、と小さな音を立ててキスされる。

「の・範裕さんっ!?」
・・・・・酔っぱらってるのか?

キスされた方の耳を押さえてまっ赤になった俺に手を振り、範裕さんは自分の乗る電車のホームへ歩いていってしまった。



電車に揺られながら、つい範裕さんの事を考えていた。
最初に会った時から、俺にはいつも笑顔を見せてくれる。でも、周りにいる主任や、北森、課のひとたちの評価や噂はまちまちだ。
いったい、どれが本当の範裕さんなんだろう・・・。



 ~~苑田はホームで歩みを止めた。 マナーモードが鳴ったのだ。
さっきまでの楽しい気分が一瞬で霧散する。

進藤からのコールに、携帯を取り出し耳に当てた。
― おまえの後輩でもないのに、新井をずい分可愛がっているみたいだな」
「・・そんなことは、ない。」
いきなり出た新井の名前を唇を噛んで聞いたあと、言葉を押し出すように答える。
くっくっく・・・、と冷笑した進藤は、
― メールを添付しておいた。」
それだけ言ってプツッと切る。
「メール・・・・?」
操作すれば、たしかに三通受信していた。初めての事に嫌な予感を覚えながら開ける。

「―――― っつ!?」
車内で、新井と会話している写真。
二人で会話し、質問に答えている時のものだ。

もうひとつは。

全身に冷水を浴びせられたような悪寒が走った。

『プリズム』

『プリズム』7*呼び出しー5

ふざけて新井に抱きついた自分が、写っている。
近くに進藤がいたのだ。
ハッとして辺りを見回したが、あの男がいつまでもこの場にいるわけがない。
(見られていた・・・・・)

社内では、進藤の視線に気づいた時、すぐ話を打ち切って新井を遠ざけた。なのにこんな所にまで来て、しかもあの場面を撮られていたとは。
(まさか?!)
会社から追いかけてきた? 俺と新井を結びつけて?

ぶるりと体が震えた。


崇は、巻き込みたくない。



 死んだ兄に似た雰囲気の、真っ直ぐな新井。
そばにいると気が休まるのを感じていた。中島の言うとおりそう簡単には諦めない強さも持っている。進藤の道具にはさせたくなかった。
指先が震えるのをこらえ、最後のメールを開ける。
::明後日、京都に行く。::
一行の文と予定表、旅館らしき名前が記されている。行かなければならなかった。


当日の木曜。憂鬱な気持ちで乗り込んだ新幹線で、さらに気を重くする事になる。
途中から乗って来た、隣の通路側の客が苑田を見てヌタッと笑ったのだ。
脂ぎった男だ。
ジロジロあからさまに苑田を眺め、わざと足を組む。
席にいてもその男を避けなばならず、用があって席を離れる時には声をかけて前を通らねばならず、うんざりした。

鞄を取り、降りる振りをして昇降口まで行き、ホッとしていると、脂男までやって来る。
「やあ、君もここかね?偶然だ。」
粘りつくような声と上下する視線に鳥肌が立ち、
「ええ。」
とだけ答えて後は無視する。やがて後ろに人が並び、どうでも一度降りなければならなくなった。
どこへ行くのか、なんの仕事かと張りついてくる男の言葉を聞き流し、外へ出る。隣の車両へ乗ろうと足早に移動しながらふと眼をやれば、自分の座っていた席が見え。

「あ!」

身を翻し昇降口へ走り込んだ。
その動きに脂男は付いてこられない。そのまま駅に置き去りにして列車は出発する。
それにも気付かず急いで座席に戻り、
「あった・・・。」
安堵の声が出る。いつ外したのか覚えていなかったが愛用の時計が、窓際で苑田を待っていた。

(兄さん)
そっと撫でながら呼ぶ。
兄からの、最後の誕生日プレゼントになった腕時計。何度も電池を変えながら使っている物だった。
ふと気付けばあの男がいない。

「あ・・、駅で降りたんだっけ。」
振り切れたのだ、と分かり笑みがこぼれる。

それからは快適で、京都に着くまで寝ることさえ出来た。


 駅近くのビジネスホテルへチェックインし、予定表を確かめる。
軽食をとっていると電話が鳴り、進藤から時間を指定された。

ホテルで場所を聞き目的地へ行けば、郊外にある老舗旅館だ。外観は昔ながらの純日本風だが、内装はモダンで目を楽しませてくれる。

「君、苑田くん?」
フロントへ行く前に和服の男に声をかけられた。

『プリズム』

『プリズム』7*呼び出しー6

  今日からしばらくRが続きます。18歳未満のかた、苦手な方はどうぞご遠慮ください。 大丈夫な方のみスクロールして、どうぞ。





















旅館の人間とは違うようだが、と思いながら頷くと、
「待ってたんだ、あんたが来るって言われて。案内するよ。」
「案内?」
「そ。こっち。」
言うなり歩き出す。どうやら別館があるらしい。

「あんた一人で入ったらビックリするだろうし。」
「びっくり?」
「ああ。」

確かに、驚いた。
広間のドアを開けて中に入って見たのは、着物しか着ていない男女の集団だったのだ。
「今日は、発案者の意向で和服パーティになったんだ。」
歩みを止めない彼の口調はどこか自慢げで、関わりのある様子が伝わってくる。
「どこへ行く?」
「決まってるじゃないか。あんたが行くのはあそこ。」
指差された場所に、顔が険しくなる。階段がついた、ステージが設けられていた。
「ステージで、踊れとでも?」
「近いけど、違う。あんたがするのは余興だ。とにかく上がって。もう時間になる。」
「それは俺に関係ない。」
「ある。進藤さんのご指名がね。」
進藤。
その名前にぐっと息がつまり立ち止まってしまう。
「俺は」
「早く。自分で上がる方がいいと思うけどな?」
意味ありげに顎をしゃくる。目をやると、ボディガード風の男が立っていた。
「ぐずると彼が来るよ。どうする?」
「・・・・」
言葉を飲み込み、目の前にある階段を上がった。

「これに着替えて。」
半円形にせりだしがあるステージ上で、すでに用意されていた着物一揃いがワゴンごと苑田の前に置かれる。
「ここで?」
「そう。」
衝立何もない場所で着替えろと?
無言で睨んでも、相手は、
「皆さん待ちかねてるんだ。手を焼かせるなよ。」
平然としている。
「進藤さんに言われて来てるんだろ?」
「・・・好きで来た訳じゃない。」
「あんたの理由(わけ)なぞ知るもんか。ここに来る奴は誰だって訳ありだ。あの子もね。」
あの子?と苑田が聞く前に男は指を鳴らし、その合図に苑田の左手側のカーテンがするする引き上げられていく。

「な・・・」
そこには、両手を差し上げ脚をM字に開かされ、何も隠せない裸の少女が吊るされていた。
その下には、ガラスで出来た巨大な壺があり、中には、蛇がいる。

「あの子に・・、何をさせる気だ?」
「単なる入浴。これからあの壺に入って、お湯が入れられる。ただ、蛇は熱くなったらあの子の足の間に入りたがるだろうねぇ。」
聞こえた少女は真っ青になってもがきはじめた。
悲鳴が聞こえないのは、赤い布で猿轡をされているからだ。
「あんたとあの子。どっちが先でもいいんだ。・・・どうする?」
言いながらゆっくり手を上げていく。
ウィィィ・・・、と機械音がし、少女が下がり始め。
「やめろ!」
苑田の叫びにピタリと止まる。

「着替えるんだね?」
男の言葉に無言でスーツを脱ぎ出す。客席のライトが暗くなり、苑田にスポットライトが落ちた。

「靴も。全部だよ。」
Yシャツまで脱いだところで、靴と靴下を脱ぎ捨てる。

雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その10

   ここしばらく、こちらでは風の強い日が続いています。

晴れていれば、乾いた、陽気で爽やかな風が。雨が降りそうな時は、水気を含んだ、重ための風が。


 帰りたい。  と思った事があります。

還る、ではなく。
ちょうどこんな季節、仕事場の2階の窓から外を見降ろし。
目の前は田んぼで、稲の葉が強い風に波打っているのを見たときでした。
何年前になるのか。


’帰りたい あの場所へ’


唐突に心に浮かんだ文字。  草の海を吹きすぎる風に乗れば 必ず帰れる。
そんな風に強烈に思い、思った自分に笑いました。



帰る、って、何処へ?
今住んでいる場所が戻ってくる場所なのに。

住めば都、と言います。私はそれに頷く派。 年をとったら故郷や実家に帰りたいと思うかもしれませんが、
万まんが一、今までの全てを放り投げて行くほどの情熱を傾けられるものが出来たとしても、それは’帰る’
とは言わないだろうし。


それでも、思いだすんです。
風に攫われてみたいけど、部屋を片付けてないしなぁ。
この体重じゃ、無理。
って現実を見ては言い訳してるんですけどね。


風は、好きです。
空気を感じられるようで。
そして強い風に吹きあおられると、自分にこびりついている何かが剥がれて飛んでいってしまうようで。
台風みたいな横殴りの雨風や吹雪はちょっと勘弁して欲しいけど。



皆さま、風は、好きですか?

『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』#叔父さんと友人たちー5

「なあ、また泊めてくれよー。」
帰りがけ、電車の中で内海が言いだす。
「また?俺ん家、ホテルじゃないんだぜ。」
「いいじゃないか、俺とおまえの仲なんだからさー。いっそシェアするか?」
「やだ」
「何で?」
「彼女出来ても呼べないじゃないか。」
「・・・・ごもっとも。
ちぇっ、帰ろ。」
じゃあな、と、内海は自分のアパートの最寄り駅で降りて行った。


夏休みが近付き、掲示板に張り出される紙が増え、バイトもゼミも賑やかだ。
「どれにしよっかなー。」
「あ、この先生の講義、出たい。」
「お、この時間のバイトもらいっ」
紙を剥がしていくやつもいる。

「わー、そんなに書いてる?」
「智、おまえそんなにメモって、全部出る気なのか?」
「あ、内海。涼二。」
全部見てからピックアップしたのをノートに写していると、内海と涼二が横からノートを
見てビックリする。
「別に。全部受ける訳じゃないけどさ、面白そうなのあるから。」
「ふーん。ま、俺達との予定が先だろ?」
「そうそう。花火大会だってある。」
「ってか、何でノート?これに入れればいいのに。」
でなければこっち。ひょい、とi・padをかざす和泉。それ、最新型?
「ノートの方が後で書き込みしやすいんだ。キカイって面倒くさくって。」
「・・それはあるな。時々せっかく書いた文全消ししちゃって泣きそうになった事ある。」
「・・俺もある。」
「おいおい。今は休み中の‘楽しい相談会’じゃなかった?まずは涼しいとこ行ってから
にしようぜ。」
「賛成。」
陽に焼けると赤くなる涼二が真っ先に歩き出す。


「なぁ智、まだ出掛けてんの?」
氷を齧りながら内海が聞く。
「あ・・、うん。」
「六日だっけ?」
「‘六’のつく日。」
「この間は来たんじゃなかった?」
思い出したように和泉が聞くから、
「うん、雨降ったし。」
と答える。
「外で何か観察してるのか?」
「・・・そんなとこ。」
事実は言えない。絶対。
「それより予定。バイト休みつき合わせしようぜ。」
「そうそう。イベント行くのに一人じゃつまらないもんな。」


「疲(つ)っかれた~~。」
部屋に戻って、先ずベッドにダイブ。今日はバイト先で仕事が途切れずほとんど休憩無し
だったんだ。
「眠い・・けど・・、シャワー浴びたい・・・」
汗かいてるし、明日は朝から講義あるからさっぱりしたいんだけど、眠気が・・・。

ふ・・ッと意識が戻る。何でだろう?と思って体を動かすと、
「・・・痛っ、いたた・・・」
左手を枕にしていたらしい。その下にはスマホがあって、どうも角が腕の下にあったらし
い。痺れが切れてじんじんしている状態。
「そもそも何時・・?」
時計のライトをつけると、
「げ。二時一八分?!・・・あー、でも・・。ちぇっ、起きたし、シャワー浴びよう。」
すっきりして二度寝出来たから、よかったのか?
翌日だか当日だかは、講義もすっと頭に入った。

『プリズム』

『プリズム』7*呼び出しー7

  プリズムは、予告通りしばらくRが続きます。今日はまだソフトですが18才未満の方、苦手な方はどうかご遠慮ください。大丈夫な方のみ、スクロールしてどうぞ。



























裸足で床を踏んだ時、ふと顔を上げてみれば、少女はまだ吊るされている。
「あの子は」
「気になる?彼女だって覚悟はしてきているはずだけど。ま、あんた次第、ってとこかな?」
後は含みを持たせて黙る男へ奥歯を噛み、ベルトを抜きボトムと下着を脚から抜いて全身を晒した。

「・・・・ふうん、まあまあだね。それくらいなら着痩せしないだろ。」
不躾な品定めの視線を感じながら、
「それを着ればいいんだろう?寄こせ。」
手を伸ばす。
が、
「だめだ。これはショーなんだから。やり方があるのさ。」
すっとワゴンを引かれる。
「ちょっと待ってな。」
どういう仕組みになっているのか、男がワゴンをいじると一部が広がり、苑田の前にもっていくと脱ぎ散らされた衣類を手早くたたみだす。その手つきが鮮やかで目を奪われていると、男の手がふと止まった。
「ブラックブラウンのストレートチップ、ね。良い趣味の靴だ。ずい分大切に履いてるんだね、あんた。」
そして懐から布のようなものを取り出すと、丁寧に靴の汚れを取って片付ける。
いつの間にかもう一人の男が踏み台を持って来ていた。衣類をきちんと畳み、ワゴンの上に重ねて動かせば、すかさず男が踏み台を苑田の前に置き立ち去っていく。

「ここに足を乗せて。」

足袋を持った男の次の指示に、唇を噛んで従う。
片足づつ踏み台に乗せ、足袋を履かされる間中、無防備に股間が開いて見物客の視線が集まる。
両足に足袋を履いただけの姿に、ため息をもらす者さえいるのが聞こえ、深呼吸を繰り返し、見世物にされている屈辱の思いを逃がした。

「じゃ、着物。右手、横に上げて。」
肌襦袢、着物と着せられる。
「う・・ん、似合うね。上出来。一周して見てもらうといいよ。」
着付けし終えた男が二・三歩離れて苑田を眺めたあとそう評し、手を大きく振った。

肩のあたりは濃い藤色で下におりるに従い色が薄くなる、地紋の入った袷(あわせ。5月末くらいまで着る、裏地のある着物の事です)には、裾から菖蒲のような葉を持つ草が群生している。
襟もとと裾からのぞく八掛けには牡丹色が使われ、苑田が歩くたびにこぼれ出るのが何とも言えない色香を見せていた。
帯は生成りの白地に着物と同じ深緑色の縞が入り全体を引き締めている。

会場から、ほおっと称賛の声があがった。

「お人形さんのようですわ。きれいなこと。」
「気に入ったのでしたら味見なさいますか?佳奈子さん。」
「まぁ・・、ほほ。私の好みは良積さん、貴方だと何度も申し上げているでしょう?一日千秋の思いで待っているのに冷たいこと仰って。」

ステージの端まで行き、折り返した時すぐそばで聞こえた会話の声に耳を疑った。
足下に向けていた視線を走らせれば、すぐそばの暗がりに背中を向けた着物姿の進藤が、辟易した様子で目立つ柄の着物を着た女の相手をしている。
佳奈子、と呼ばれた女の目がこちらを向きかけたので慌てて視線を反らし、移動した。
中央に戻ると、先ほどのとは別の男がマイクを持って立っている。
苑田に近付き、腕をとると、
「それではこれよりお楽しみの時間となります!籤に当たった皆さまはどうぞこちらへ!」
張りあげた声がマイク越しに響き、会場がざわめきだした。

苑田が着く前に何か抽選があったらしい。男女が何人かステージへと上がり、椅子やソファーが並べられ、4畳半ほどの小上がり(組み立て式、30㎝ほどの高さのある、畳敷きのお座敷)まで用意される。

「今回の‘景品’は素晴らしいと聞いていたが、これほどとは思わなかったよ。」
「はい、ご参加いただきましてありがとうございます、タイラさま。私どもとしましても精一杯務めさせていただきますので、どうぞお楽しみを。」
ステージに上がって来たなかの一人がマイクを持った男にそう話しかけ、意味ありげに苑田を見る。
(俺が、景品?)
初めて呼びつけられた意味を理解し、苑田は、手を、白くなるほど力を入れて握りしめた。

『プリズム』

『プリズム』7*呼び出しー8

 


 R・・まだソフト、かな?ですが、18才未満の方、苦手な方はどうぞご遠慮ください。大丈夫な方は、スクロールしてどうぞ。
























「ご当選の皆様、ようこそこのステージへ。
そして会場の皆様、ただ今より無礼講となります!何事も今宵限り、夢の中のこととご了承くださいますよう。」
司会者の口上に笑い声が上がる。
過去にも何度も行われている会合なのだろう、場の雰囲気が熟れすぎた果実のようなものへ変わりだした。

苑田はそれより、自分の衣類の方が気になって周囲を見回す。
(あった)
ステージの端、あの少女のいる場所の反対側にポツンとワゴンが置かれている。そしてほっとしたことに、少女の下に置かれていたガラス壺はなくなり、彼女自身も、拘束されてはいたが足が床に着いていた。



「・・・っん、ぅ・・・」
不意に一人の男に顎を取られ、口移しに何かを飲まされる。
鼻に抜ける匂いと喉から胃へ焼けるような熱いものが落ちていくので強い酒を飲まされたのだと分かった。
「私の前でほかに気を取られるとはね。今日は君が来ると言うので皆がそわそわしていた事を知らないのかい?」
言いながら男は、無抵抗の苑田にさらに口移しで酒を飲ませる。
口を離され、少し噎せながら‘そんな事は知らない’とばかりに目の前の男を睨むと、
「いけないな、そんな目は。仕置きされるよ?」
と楽しげに言って目配せした。
その言葉に応えるように苑田の腕を背中から羽交い締めにする者がいる。腕をとられる痛みに眉が寄り苦痛の表情が浮かんだが、見せたくないと横を向き、声を喉へ押し込んだ。

「いいな。とてもいい。付き合わされて渋々行った東京で耳にした評判通りだ。君を引き当てられた私は運がいいということだね。」
茶金の着物に麻の葉を織りだした帯を締めた男の腕が伸びて苑田の顎を捕え、正面に向かせる。そのまま指先で頬を撫でたあとゆっくり首筋を下りていく。

ぞくり、と肌が粟立ちぎゅっと目を閉じる。

手が合わせに差し込まれ、襟元を押し広げながら胸元へ辿りつく。
「・・・・っ、ぁ」
手の平を回しながら小さな粒を愛撫され、声が出てしまう。

「その声が鳴き声に変わるのを早く聞きたいね。」
男はきれいに着付けられていた着物を乱しながら胸をはだけ、肉粒に口ひげを擦りながら舌を這わせた。

「・・んっ・・・・」
思わず上がった声に、反応してしまう自分の体への恨めしさが滲む。だが、指と口で愛撫が加えられ、フェロモンが溢れはじめる気配に、腕をとっている男がごくりと喉を鳴らした。

「あ・・・っ、やめ・・」
残りの手が裾を割って入り込み、腰を引こうとしたのを引き戻される。そして男は苑田の着物の裾を引き開け、両端を帯に挟み込んだ。
肩幅ほどに足を開いて立っている苑田の僅かな肌色が足袋の上から見えるのが何ともエロチックだ。
「・・むら様、とても良い眺めですわ。」
ギャラリーの中の一人の女が吐息とともに声をかける。 欲情が透ける声に、
「お気に召しましたか?テイさん。」
ここでの呼び名なのだろうか、変わった名前が呼びかわされる。にこりと笑った男は、次に生成りの艶やかな肌襦袢に指を入れた。

「君は我慢強いと聞いている。今日はどこまで耐えるのか見せてもらおう。」
言いながら少し膝を落として内腿に触れ、身震いする苑田へ薄く笑って、遮る物の無い雄を探り当てる。
ビク、と身を強張らせ反応すると、
「着物は汚さないように。君の年収と同じくらいかもしれないからね。」
「・・・そ・・」
「うん?」
「そんなの・・、こんな所で、使うな・・・」
「けど、似合っているよ、とても。それに、汚さないようにするのは簡単だ。君が耐えればいいんだから。」
苑田の講義をあっさり聞き流し、むら、と呼ばれた男は苑田の雄を握って楽しげに含み笑いする。
息を止めて耐える苑田の顔を覗きこみ。
「いい顔だ。君らしくて。」
まだ硬くもなっていないそれを、強弱をつけながら握って、離す事を繰り返す。















『プリズム』

『プリズム』7*呼び出しー9

 今日も苑田は責められています・・。Rなので18歳未満の方、苦手な方は遠慮してくださいネ。
大丈夫な方のみ、スクロールしてどうぞ。
































やがて、刺激が馴染みのある快感に、変わりだす。

「・・・ぁ・・あっ」
「・・成る程、反応が早い。こちらも触って欲しいと誘っているようだね。」
欲情を露わにした声で言い、むらはまだ隠れている胸を撫で、見当をつけて強く摘まんだ。

「んぅ・・・っ」
息が、乱れ始める。
むらは、先ほどの刺激ですでに立ち上がっている方へ歯を立て、さらに声を上げさせようとする。
「あ・・あっ。・・・ぁう・・、・・っ、ん・・」
胸と雄の二か所を責められ、声をころしていられなくなる。

「ほう、きれいな色だ。着物によく映える。」
ひと息入れ苑田の上気した頬を指で軽く突いて笑う。その間もいつのまにかこぼれ出した苑田自身の透明な蜜を、纏わせるように片手をスライドさせる。

「う・・・くぅ・・」
波のように快感が押し寄せてきた。
今はまだ耐えられるが、結局は果てさせられるのだろう。
それを裏付けるかのように、むらの手管は苑田を翻弄させた。

「どうしたね?さっきまでの勢いは。」
からかう声に目だけは抵抗を見せたものの、声と喘ぎが途切れることなくこぼれ、身体中がどこも疼いている。
限界が近づいていた。

「・・・っ!」
「ふふ。限界、のようだね。」
状態を察したむらが愛撫を止め、片膝をついてかがみこむと肌襦袢を引き開けた。
隠されていた股間が彼の視界に入り、満足げな笑いを浮かべたあと着物同様たくし上げる。
「少なくとも汚れる範囲は減る。」
口調を変えずに続け、張り詰めている雄の先端を摘まんでのけ反る苑田から蜜を溢れさせ、周囲のギャラリーに見えるよう横へ移動する。

「ほおぅ」
「まあぁ・・」
「これは・・何とも。」
いくつも声が投げられ、透明な蜜が糸を引く雄に視線が集中した。さらに、
「贅沢な‘景品’ですな・・」
「一番手のむらさんが羨ましい。」
と、苑田を無視した感想が続く。全身が熱くなり、顔をそむけた。

「では、よろしいですかな?皆さま。」
「もちろんです。」
「籤は平等でしたもの。しかたありませんわ。」
やり取りのあと、むらは袂から避妊具を取り出し、苑田の目の前で振る。
「これを君に着けてあげよう。遠慮しなくてもよくなるからね。」
「・・・・やめろ・・」
「おや?汚したくないのだろう?」
視線を浴びながらそれを着けさせられ、吐精しなければならないのか。
まだ自由な足で抗おうとしたが、さらに腕を捩上げられ、
「あぅ・・」
苦痛の声しか出せない。

「・・・・似合うが、卑猥な眺めだ。」
ゴムを着けた姿も見せものにされてから、むらの追い上げが始まった。

「あ・あぁっ・・・、や・・やめ・・、はンッ・・」

片手で双球を包んで揉みこんだり、薄い膜越しの肉幹を先端から根元まで何度も扱く。
顔は、顎を押さえられたまま耳朶をねぶられ、舌が差し込まれ、耳の中でぴちゃ・・、と音が響き、苑田の羞恥を煽ってくる。
「・・んんっ・・・・」
刺激から逃げようと腰を後ろに引き、ギクリ、と身を強張らせた。
後ろで苑田を束縛している男が、熱く硬いモノで背後をついていたのだ。


『プリズム』

『プリズム』7*呼び出しー10


Rです。18歳未満の方、苦手な方はどうそご遠慮ください。 大丈夫な方のみ、スクロールしてどうぞ。

























苑田の反応に、むらはクスッと笑う。
「後ろの彼も、君が欲しくなったようだよ?直接の相手は私だけど、彼も手で奉仕されたら喜ぶだろうね。」
ねえ、とその男に声をかける。
「なっ・・・断わ・・・・んぁっ」
苑田の拒絶は、男に首筋を舐め上げられ消えてしまった。
「無理だな。むら様が許しを与えてくだされば断れない。それに俺は、あの方の影のようなものだからな。」
背後から囁きかけは、だが、今の苑田に理解出来なかった。

「もういいかい?そろそろ気をやって見せてもらいたいのだが。」
「はい、むら様。」
「嫌だ・・・、あ、っ、やめ・・・っ、あ・・、あァッ!」
張り詰めた中芯の先端をぐりぐりと指先で抉られ、肉幹を強くスライドされ、目の前が霞んでいく。駈け上る射精感をとめられず、内股に震えが走った。

「ま」
「ほほぅ・・」
「――― ふむ」

あっという間に栗の花の匂いの白蜜を膜の内側にまき散らし、果ててしまう。その状態もまた、周囲の視線が見つめていた。

誰かの、ごくりと喉を鳴らす音を聞きながら、苑田は忙しなく不規則な呼吸を繰り返す。
むらが、確かめるように萎えた雄を摘まんでくる。
「ゃ・・」
達ッたばかりの、自身の吐き出したものにまみれている雄に、間接的とはいえ触れられたくない。が、
「気持ち悪いだろう?外してあげるから動かないことだ。」
むらは唇を舐めながら猫なで声で言って片手で雄を伸ばすように持ち、もう片手で根元まではめられたそれを、く、と剥がしていく。
「・・・・っう・・・」
腰から崩れそうになった。
じりじり、と柔らかな雄の形をなぞりながら外されていくのが奇妙な快感を呼び、また、熱が溜まりだす。

(・・いやだ。誰か・・・・。たか・・し・・・?!)

逃げられない場所で、目を伏せ、唇を強く噛んで声が出そうに鳴るのを耐えながらせめて心の逃げ場所を求めて呼んだ名前に、ぎくりと思考が固まった。

「おや? どうしたんだい?」
むらに覗きこまれ、慌てて打ち消す。
「私では物足りないかい?また何か、思っていたね?」
揶揄する言葉に嫉妬が混じる。
「いけない、と言ったはずだけど?」
カリまで引き上げられていた避妊具を、そこで、きゅうっと摘まみあげ、強い刺激を与える。その行為に、どくん、と体が脈打ち、雄が残っていた蜜を吐き出しながらゆっくり首をもたげ、顎が上がった。
「・・・・ぅ、くぅ・・っ」
「うん。いい声だ。」
つるりと外したそれの口を固く縛って苑田の目の前で一度揺らしたあと、黒塗りの小箱に投げ入れる。
そして、
「その声をもっと聞かせてもらう。」
喘いでいる唇を指先で撫でて重ねるだけのキスをして、
「手を放してあげなさい。あ・・、片袖を抜いてから。」
「はい。」
自分で’影‘と言った男が、むらの言葉通り苑田の左腕を着物から抜いて、解放する。
「・・・思った以上の、桜色だ。」
「はな・・・っ、・・・ゃ・め・・」
苑田の胸でしこっている粒が、興奮を誘ったらしい。
両腕で苑田を抱え込むと、そこを舌先で潰し、吸い上げる。
「・・・っあ」
突き放そうとした手が、逆にむらの着物を掴んでいた。

「ひ・・っ」
カリ・・、と歯を立てられ、くにゅうにゅと舌でねぶられ、立っていられなくなる。
「・・・おっと。」
乱れた息で揺れた体を、まだ後ろにいた‘影’が支え、小上がりへ引き上げた。

雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その11

  髪の毛を寄付する。

初めて見たのはマンガでした。あるカップル(あ、男女の、です)の彼女が、彼氏に好きな人が出来たのを知り、別れを決断します。元々親同士が決めた婚約でした。

そこで彼女が新しく出発する為に長い髪を切る・・・。
よくある話ですよね。
その時、ヘアサロンの美容師さんが「髪の毛は寄付できるんですよ。」  と話していたのが印象に残りました。


切った髪の行先。私は針山の中へ入れる、くらいしか思いつきません。あとは自分のためのウイッグとか。
寄付できるんならやってみようかな・・・。
そう思ったのは良かったのですが、そのころPCで探す、などという事が出来るはずもなく(持っていなかったのも一因です)。


本格的に探し始めたのは2年くらい前。
最初は海外しか見つからず、英語で記入して発送・・、に挫折。 でも、諦めきれずたまに思い出して探して。


み・つ・け・ま・し・た。


ジャパンヘアードネーション(Japan Hiar Donation)というNPO法人です。
特に、医療用ウイッグとして需要があるそう。でも、全体を人毛で作ると数十万かかるとか。
こちらの法人は出来るだけ価格を抑えて提供するよう努力しているそうです。

毛髪を提供する条件としては、31cm以上の長さ。・・・これにはちょっと驚きましたが、そこからカットするそうで、それなら・・、と納得。
おかっぱさんとか、ボブとか、希望はありますものね。


詳しくは   http://www.jhdac.org/  のURLへどうぞ。


ワタシ、ダンナ様の好みでロング。今、肩甲骨のあたりまで伸ばしています。
夏はあッついのでいつも切っていたのですが、今回31cmを目標に頑張っています。

こんな人助けも、いいですね。




『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』#叔父さんと友人たちー6

「やったー。明日から、夏休み!」
ファイルケースを投げ上げた涼二が、受け止めながら嬉しそうに言う。
「来年は就活してるだろうし、今年が遊べる最後だもんな。楽しもうぜ。」
「海に花火に、盆踊り。そして・・バイト。」
内海が言えば、
「ああ。バイトの合間に彼女もゲットしたいし。」
俺もそんな答えを返す。
「いいなー、俺なんか親戚がしょっちゅう来るからどこにも行けない。」
和泉が拗ねて口を尖らす。
「いいじゃん?女の子いれば誘って連れてこいよ。」
「花火なんか盛り上がるぜー。」
「海もいいな・・・。」
涼二は彼女とどうにか上手く言っているらしく、何か想像してポワンとしている。からか
おうと思ったら、着信音がした。画面を見ると家からだ。

「もしもし。」
少し離れて通話に出た。
::あ、出た。・・・智?学校いつから休みなの?まさか夏休み中家に帰って来ないなんて、無いでしょうね?」
母さんだ。
::分かってるって。帰るよ。」
::お盆は絶対だからね?みんな集まるんだし。」
::はいはい。・・あ、叔父さんは?」
::和弘・・叔父さん?来るわよ、お盆以外にも時々。・・智、笑わないの。」

母さんは、いつも叔父さんを‘和弘さん’って呼んでるから、俺が‘叔父さん’呼びする
と慌ててあとから‘叔父さん’付けをする。

::笑ってないって。・・・呼ばれてるし、行くね。帰る前には連絡入れる。」
::ちゃんと入れてよ?」
::うん。じゃ。」


待ってる三人の方へ戻ると、一人足りない。
「実家からか?」
「まあね。内海は?」
「あいつも電話。なんか呼び出されたみたいでさ、切るなりぶつぶつ言いながら行ったよ。」
「ふーん。」
「予定は聞いといたから大丈夫。智はどうなってる?」
「ああ、今出す。」


予定とゼミで隙間なく夏休みが埋まり、毎日が過ぎていく。
「明日は、無理かな」
天気予報は‘所によりにわか雨’・・・。せっかくの六の日なんだけどなあ。でも、無理し
たら元も子もないし、疑われたらOUTだ。
二十才だって過ぎてる。まさかの職質とかされようものなら・・・。想像してブルッと震
えがくる。
「やーめやめ。次回に持ち越し。」
自分で言って、気持ちを切り替えた。


8月に入り、外出が増える。海にも行ったし、花火大会も。でも、どちらも楽しんだだけ
で彼女をゲットする事は出来ず・・。ちょっと落ち込んだまま実家へ帰る。

「ただーいまー」
「お帰り。」
「あれ?姉さんだけ?」
出迎えてくれたのは姉の彩香。
「母さんは?」
「買い物行ったわ。明日のために。」
「明日?何かあるの?」
何気なく聞いただけなのに、姉貴の顔が赤くなる。
「べ・別に。何にもないわよ。・・あ、れ・い蔵庫に西瓜冷えてるからっ。」
言うだけ言って、すぐパタパタと自分の部屋へ上がってしまった。
「・・・ 変なの。」

『プリズム』

『プリズム』7*呼び出しー11

今日も続いてます。R・・・。18歳未満の方、苦手な方はスル―してくださいネ。大丈夫な方、スクロールして、どうぞ。

























「ああ、そしたら手と膝をつけさせて。おまえは前に回るといい。きれいな口を譲ってあげよう。」
「・・ありがとうございます。」
むらの指示に、男は苑田を四つ這いにさせようとする。
「・・・っ、ゃ・だ・・・はな・・」
「何を言って。まだ始まってもいないよ?」
ここまで注目され、抱かれることの無かった苑田が這わされた姿勢で逃げようとする。その腰を掴んで引き戻したむらは、着物たくし上げると白い双丘を晒し自分の指を舐めて菊座へ押し当てた。
どれほど心が拒んでも、覚え込まされた感覚に体が反応する。ひくりと動いた蕾に、
「・・・なかなか。
君のココは待ち焦がれているようだよ?正直だ。」
柔やわと指で押し回しながら含み笑う。
返事が無い事に顔を上げ、はっきり声を出して笑った。
「彼にもう可愛がってもらっているのかい?」


(・・・苦しい・・・。いき、が・・)
一度果てさせられ、畳の上にあげられ、呼吸も整わない中四つ這いにされて息を吐いた口に、男のモノが押し込まれる。硬く長い雄に奥まで突かれ、呻いた。
膝立ちで苑田の口腔を犯した彼は、性急に、無理強いに責めることはなかったが、拒否を許さず腰を押しつけ、奉仕を促してくる。
硬く目を閉じ、むらより若いだろう雄の、苦い滴を押し出してくるサオに舌を這わせた。
「ん・・んっ。・・・ンッ・・ふ・・、んんんっ・・」
意識のバランスが前方に多く傾いた時を狙ってか、蕾を解していた指がぬるりと二本押し込まれる。背中を撓らせ、異物感と侵入してくる圧迫感に耐えた。

前後に挿入され、声を出すことも、首を振って嫌だと言うことも出来ず、涙がこぼれる。それを見たのか、男が、
「泣かなくていい、苛めたい訳じゃないんだ。俺を満足させてくれ。」
濡れた声で言いながら少しかがんで、指で流れた滴を掬い、剥き出しになった片腕を取る。
「・・・この方が少しは楽だろう?」
自分の雄の根元を苑田に握らせ、続けてくれ、とばかりに背中を撫でた。
「んぅ・・っ、・・・・っ、・・・ふ・っく・・・・、ぁ」
黒地に白い流星群を思わせる筋が幾つも入る着物の男に手と口で奉仕する苑田の様子が映え、周囲の興奮も高まっていく。

「そちらのお陰でこっちも反応しているよ、影。・・・こうすると、どうかな?」
むらも、中に潜らせた指で内側を擦り、抉るようにかきまぜる。
「んんっ・・、ん・・・んっ。・・・・、んぅっ・・」
ポイントを掠めながら動く指に、咥えている喉の奥から声が漏れてしまう。指にも力が入って、口の中の雄が体積を増した。
「・・・・っぐ・・ぅ・・っ」
さらに深く押し込まれ噎せそうになる。そこへ、
「この辺りだったね?」
むらの指がその場所を二本の指で挟みこみぐっと力を入れる。
「んぐうぅぅッ」
びくびくっと全身が跳ね、柔らかだった前も、くん、と立ち上がりだす。

「く・・・ぁ・・・・・」
その刺激に達きそうになったのか、影が体に力を入れて耐える。むらも、
「・・・いい、締まりだ。」
指に感じる締め付けに我慢できなくなったのだろう、指を開きながら引き抜いた。
「・・っは、あ・ぅ・・・っ」
口が開き、声が上がる。
「まだ、だ。」
硬さを増した雄が、口腔をかき回す。
「私も混ぜてもらおうか。」
こく、と喉を鳴らしたむらの雄が、解された襞を押し広げながらぐうっと入って来た。
「んんん―――っ、ぁあ!」
腰を捻りながら挿入したらしく、抉りこまれる感覚に意識を攫われそうになって高く鳴く。

「く、、これは」
むらの声にわずかに焦りが混じり、苑田の体が強張る。その隙を狙ったように前の男が苑田の髪を掴み、頭を揺らす勢いで腰を動かしはじめた。
「んっう・・、ふぅっ・・、っぅく・・・ッ」
律動がむらの突き上げに乱され、苑田の体全体が不規則に揺れ動く。
「・・・・おぅ、・・・噂・・以上・だ・・・っ、絡みつい、て・・・・」
むらの言葉に周囲も煽られ誰も席を立てない。

「・・・ぅおうっ・・!」

先に限界を越えた彼が腰を引き、苑田の顔に精を迸らせた。
「ぐっ・・、く・・・・、けほっ・・、・・っあ、・・・あ・ふっ・・」
匂いに噎せながらも体奥を着く動きに、顎から滴る白濁の上に声を落とす。目が、開けられない。

『プリズム』

『プリズム』7*呼び出しー12

R,一人目が終わりました。  18歳未満の方、苦手な方はどうかご遠慮ください。 大丈夫な方のみ、スクロールしてどうぞ。



































匂いに噎せながらも体奥を着く動きに、顎から滴る白濁の上に声を落とす。目が、開けられない。

「ふふ・・・。随分良かったようだね?影」
「・・申し訳ありません」
彼の果てる様子を見、腰の動きを緩めたむらがそう訊ね、’影’が詫びる。
「いいよ。彼を清めてあげたら手伝いなさい。」
「はい。」
男が懐から手拭いを取り出し、ざっと苑田の顔を拭う。
「・・・ぃやだ・・、っぁあ・・っ、」
「・・おや、まだそんな抵抗をする?」
いやいやと首を振って逃げようとする苑田へ言い、むらは手を張り詰める雄へ滑らせた。
「ひぁ・・ぁっ・・・」
「こちらはシて欲しい、と泣いているよ」
残った片袖と、帯で体に残る着物が目隠しのようにそこを隠し、蠢く手を遮っていて、湿った水音だけを聞かされる。
快楽が急流になってくるのに抗い続ける苑田の顎を静かにとったのは、’影’だった。
「もう、流されろ。」
温かい湯に濡らした別の手拭いを使って、自分の情慾の痕を丁寧に落としていく。
けれど、苑田は抵抗をやめようとしない。
「責めがいのある男だ。・・・・それとも、そうやって私を焦らしているのか?」
むらは、くく、と含み笑い、鈴口から糸を引いて畳に小さな染みを作った雄を強く扱き、ひと声高く啼かせた。

「むら様。終わりました。」
「うん。・・・じゃあ、起してやって」
「はい」
「ゃ・・、な・何・・を、す・・・っ、ぁ・・・あああッッ」
‘影’が手拭いを帯に挟むと膝をつき、苑田の両腕を掴んで持ちあげ、膝立ちの姿勢にする。
体位を変えられたことで、むらの剛直が一層奥へめり込んで悲鳴に似た声を上げ、支えを求めた苑田は、喘ぎながら’影’にしがみついていた。

「あぁ・・、いい。・・・っ、・・ふ、うっ。・・影、胸を・・、触ってあげ・・・」
「はい」
「や・・ああっ。・・あ・・・・あ・あ・・・っ」
揺さぶられ、男たちの間で揉まれるように刺激を与えられ、二度目の絶頂へ押し上げられていく。
息遣いの変わった苑田へ、むらが動きを速めた。
「もう・・・少し、・・待ちなさい・・っ・・・、」
「あ・・ゃあ・・・っ、やめ・・・っ、ぇ。・・・っだ、いや・・・・」
指先で摘まれ、弄られて敏感になった胸の粒をさらに舌で転がされ、髪を乱して‘影’の背中に爪を立てる。
体が前のめりになり、触れ合った雄同士が擦れ、熱を持つのに体を震わせる苑田。
「・・っ、・・・・っは・・んっ・・・、」
視界がぼやけ、意識が乱れていく。

(崇・・・、たか・・し。・・・・嫌だ。・・・・助け・・・・、崇・・っ)

何も見たくないと閉じた目の闇の中、透かすようにして、新井の笑った顔を思い出していた。

「・・むら様?」
「あぁ、・・私も、そろそろ・・・。そちらは・・、任せる・・っ」
察した‘影’が、帯に挟んでいた先ほどの手拭いで自分と苑田の滑りを纏う雄を包み、その上からジワリと握る。
「あ・や・・っ、ゃああ・・・っ!」
「 ――― っっ」
「く・・・・んんッッ」
苑田と’影‘が二度めの、むらが一度目の精を、ほぼ同時に放っていた。


しばらくして息を整えたむらが、ふうっと熱い息を吐いた。
苑田はもう、支えが無いと崩れ落ちんばかりだ。喘いで波打つ体の汗が照明に光っている。
「このままもう一度味わいたいが・・・。残念だ。」
淡紅色に染まった体をじっくり眺め、むらは最後に背中に痕の残る口付けを一つおとして腰を引いた。
「はぅ・・っ、ん・んん・・っ」
抜け出ていく感覚にぶるっと体が震えるが、続いて残滓が零れ落ちると恥ずかしさに耳まで熱くなる。
「残ったら、君が辛いだろう。」
「ぁ・・そ・・、うぁあ・・っ、んくっ」
むらの指が再び差し込まれ、中をぐるりと回って出ていく。
ああ、と息を吐いて、’影‘に腕を回したままのけ反り身悶え、むらの、残りの白濁を両足の間にパタパタと落とすしかない苑田。

情事の後の色香にも、ただため息ばかりのギャラリーだったが、身じまいを整えるむらたちを見ながら、一人がすい、と立ち上がった。

『プリズム』

『プリズム』7*呼び出しー13

今回は女性と。籤は平等に男女各1名に当たりました。 大丈夫そうなので、そのままどうぞ。




「・・むら様。ようございますか?」
声をかけたのは落ち着いた色香を漂わせる女性。彼女の後ろにも年若い女性がついている。
「これはしず様。貴女も籤を?」
軽い驚きをこめて彼女を見るむら。
「はい。年がいもなく。
この方と夢を見られるなら、と参加しましたの。ですが、さすがはむら様。堪能させていただきましたわ。」
ふふふ、と広げた扇子の影で楽しげに笑うしづ。
「・・いいえ、まだまだです。・・・少し疲れさせましたが、よろしいのですか?」
苑田を見やり、苦笑しながら答えるむらに、
「ええ。私は逃げようとするこの方を追う体力がありませんもの。それに・・・」
同じく苑田を見て、
「あれほどの匂いを引き出してくださったむら様のお陰で、私もすぐ楽しめます。」
優雅に頭をさげ、ほほ、と品よく笑う。


むらに合図され、行為の後片づけをしていた’影‘が、しづについていた女性と位置を変わった。

苑田より明らかに年下の彼女は、寝かされている苑田の頭近くに座って、気配に薄く目を開けた苑田を見おろした。
「しづ様が、あなたと情を交わしたいとお望みです。」
葡萄のような色合いの唇を動かしてにこ、と笑う。
「・・・・どうとでも・・・」
ようやく答えた声が掠れていた。
聞いた彼女の顔がしかめっ面になり、大人びていた雰囲気が可愛らしくなる。
その落差に思わず笑うと、彼女はぽっと頬を染めた。
「りん、どうしました?」
「あ、はい。しづ様。この方の声が掠れています。」
「隅に盆が置いてあるでしょう?そこに何かあるはずです。見てごらんなさい。」
しづは帯を解きながら指図する。
「しづ様?」
「今日の着物は汚せないの。ああ、そのかたが飲めないようなら口移しなさいね。」
「はい。」
見回すりんに、大きめの盆と、水差しなどが目に入る。
立ち上がり、必要と思われるものを取って戻ってくる足さばきが自然で、着慣れている事を窺わせた。

「もし、起き上がれますか?」
呼びかけに首を横に振る。
「・・では、失礼します。」
慣れた様子で苑田の体の下に手を入れ、上半身を起こすりん。器用に体を支えながら、水の入ったグラスを差し出した。
「お水をどうぞ」
欲しいが持つと零しそうで、無理だ、とまた首を横に振れば、そっと口元に押し当てられる。
「これで、飲めますか?」
喉が渇いていたのは本当なので、用心深く口を付ける。
(うまい・・)
苑田に合わせ、グラスの傾きを調節していた‘りん’と呼ばれる彼女へ、もう少し、目で訴えると、
「こちらを。」
きれいに剥かれたオレンジの一房を出される。素直に口を開け、もうひとつ、あと一つ、とねだる。
食べながら、不思議な気分になった。
「なぜ・・・」
「はい?」
「きみは・・、何とも、思わないの、か?・・・こんな事・・・」
つい問いかける。自分より年下だと思うのに、場慣れしている様子が気になった。
「・・・しづ様は、私を助けてくださった方です。ですから私はしづ様のおそばで、一生お仕えすると決めました。・・・・それだけです。」
主人のいく所へ行き、あれは「黒」だと言えば苺でも黒。言い切るりんの横顔は静かだ。
そこへ、
「仲の良いこと。妬けてしまうわ。」
「しづ様!」
しづが、襦袢姿でりんの横へ座った。





雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その12

 ひさしぶりに、かさぶたを作りました。

ちょっとざらざらした感じの壁に、肘をこすって5mm程度の擦り傷。その時は気付きませんでしたが、あとからひりひりしてきて、鏡で確認したら、あらまあ・・・。

それが大体一週間くらい前のこと。
次第に治ってきて、悪いクセが頭をもたげてきたんです。 気付いた方、もしやオトモダチ?
・・・・むしりたくなったんです。かさぶたを。

もう少し待てばキレイにはがれるのに、端の方に爪が入る程度の隙間が出来てくる状態になると、むず痒くなるんですよねー。
「がまんだぞー。待ちましょうね―。」
と自分に言い聞かせ、それでも痒いし触りたいし。。
結局、自分に負けて、これッくらいなら平気だよね、と・・・。


結果、残り15%が治りきっていなくて、また小さなかさぶたができました。 凹み。

今も我慢の日々です。

『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』#夏休みの出会い

「ただいまー。智、居るんなら手伝ってー。」
「お帰り。」
母さんの声に部屋から降りて玄関へ行くと、大荷物。
「どしたの?これ。」
「お客さんが来るからそれも含めた買い出し。今日はポイントが付くのよ。」
「ふーん。台所持っていけばいいの?」
「そうね・・。一度全部持っていこうかな。・・お願いね。」
はいはい。

片付けを手伝い、西瓜にありついていたらもう夕方だ。忙しく料理を作っている母さんの
後ろ姿を見ながら聞く。
「そうだ母さん、明日、なんかあるの?」
「まーね。・・・彩香、話した?」
「別に。明日何かあるみたいなことはちらっと言ってたけど。」
「なら、明日になれば分かるんだしいいじゃない。出かけるの?」
「・・予定はないけど。」
「和弘さんも来るわよ。」
「え?・・それなら」
母さん、クスクス笑いながら、
「智って、ほんと和弘さん好きね。恋人みたい。」
「そ・・そんなんじゃないって!」
俺は母さんの例えに赤くなりながら食べ終えた西瓜の皮を流しに入れ、部屋へ逃げた。


「でも、何なんだろ?和叔父さん以外にも来そうだし・・・。」
夕食の時だって何も話題にならず、姉貴は母さんと喋りながら笑っている。俺と父さんは
ついていけず早々に部屋へ。そして夜遅くまで台所から音がしていた。


翌朝。
九時過ぎくらいに叔父さんが来る。

「お早う。」
「お早う、和叔父さん。どうしたの?こんな早く」
「ああ、ちょっとね。・・・お早う、彩香ちゃん。こんな格好で大丈夫かい?」
「お早うございます、叔父さん。うん、すっごくダンディー。章雄さん(ふみお)さんだ
って驚くわ。」

え?

「姉貴、章雄さんって、誰?」
知らない名前が出て、聞いたら、
「あ・・。」
なぜか赤くなる姉貴。そして和叔父さんが、
「知らないのかい?智。今日は・・」
「駄目っ、叔父さん、言っちゃダメッ。」
慌てて叔父さんの口を塞ぐ素振りをしてからぱっと向きを変えて、
「お母さん!叔父さん来たわ!」
奥へ駆け込む。 

『プリズム』

『プリズム』7*呼び出しー14

今日でRはひと段落。しづ様、お上品に苑田を楽しみました。  一応、Rですので、18歳未満、苦手な方はご遠慮ください。 大丈夫な方のみ、スクロールしてどうぞ。



































先ほどまで着ていた、手描きの、花の吹き寄せを描いた着物の下は、所どころぼかしの入った桜色の襦袢だった。
膝を崩した姿に、熟女のフェロモンが匂う。
しづの、家事をしたことの無いだろう白魚の指が、すう、と伸びて苑田に触れる。ぴく、と反応したのを感じた指先が動きを愛撫に変え、はだけられている胸をゆっくりなぞっていく。

「・・・ぁ・・」
「よいお声。」
うっとり呟き、身体を寄せる。
「りん。あとは私ひとりでします。」
「はい。しづ様。」
りんを下がらせ、仰向けに寝かされた苑田へ、
「くださいませ、あなたの熱い情を。この時ばかりは私のため。・・・・どうか。」
蕩けそうな睦言を囁き、足を絡ませながら苑田の雄を腿ですりあげる。
「・・う・・っ・・・」
女の、熱を持った肌が、苑田の体に火をおこし、声を出させた。
「お疲れなのでしょう?私に、させてください・・ね?」

しずは、苑田の反応を見ながら巧みに全身に愛撫を施し、味わっていく。やがて昂ぶってきた雄に、朱唇を添わせ、舌と手でそそり立たせた。
「・・・っあ、・・・くぅ、」
「すてき、ですわ・・・・。」
潤んだ目で一度苑田の表情を流し見、そろりと胴をまたいで片手で熱幹を支え、静かに腰を沈めていく。
「・・・・ぁ・・ああ・・。いィ、ですわ・・・。ん・・、熱くて、硬い・・」
広がったしづの襦袢が二人の結合を隠していたが、音は筒抜けだ。
肌が密着し、ほう、と大きく息を吐くと、しづは、もどかしげに胸の合わせを緩め、身体を前に倒した。
「キスを、くださいませ、貴方。そしてどうか私にも・・触ってくださいな。」
誘導され、唇を重ねながら、しづの小ぶりな、けれど整った形の胸へ手をやり愛撫する。
「あ・・んっ。・・はっぁ・・。い・・ィイ・・、あ・・、ぁあっ、んぁっ」
腰が揺れ動き、手をついて背中を反らせ、極みを目指す姿に苑田もまた兆して・・・・。


「・・・今日は、参加して・・ようございました。あなた様の思いと情、確かにいただきましたわ。
りん、手を貸して。」
「はい。」
高みから下りてきた女主人の声に、控えていた彼女がそばへ来る。
しづが乱れた髪を直し、着物を着付けている間、りんは甲斐がいしく苑田の世話をし、体を清めた。

「ではね。」
最後にしづが苑田の横に膝をつき、頬を撫で口付けて別れを告げる。
立ち上がった後に続こうとしたりんの着物の裾が、くい、と引っぱられた。
「・・あ」
「りん?どうしました」
「しづ様。少々お待ちいただけますか?」
頷くしづに頭を下げてから苑田を見る。彼の手が、りんを止めていた。


・・せめて一言、礼が言いたくて、彼女を引き止めた。
疲れた体を、まして情交の後を女性の手に委ねるのは恥ずかしい限りだったが、彼女はそれを俺に意識させないようにしてくれたから。

「なんでしょうか」
声が普通に出るか自信が無く、ようやく動く手で掴んだ着物の裾を再び引っ張ると、察してくれた様子で膝をつき、顔を寄せてくれる。
「・・ありが・とう・・。」
「・・・いいえ、私は出来ることをしただけです。」
それでも、笑顔を見せ、おれの手をぎゅっと握ってくれたのは・・・嬉しかった。

しづとりんが、ギャラリーともどもステージか下りかけた時、騒ぎが起こった。
「何事です」
余韻に浸っていたらしいしづが眉をひそめてそちらを見る。


「だから金を払えばいいんだろうと言ってるんだ!おまえなんぞじゃ話にならん、責任者を出せ!」

この場に、あまりふさわしくなさそうな声に、苑田も気になって肘をつき顔を上げて怒鳴り声の主を探す。

『プリズム』

『プリズム』7*呼び出しー15

さて、脂男の再登場となりました。 苑田も脂氏もまだ気付いてません。



「お客様、先ほどのステージは抽選でして、籤に当たった方のみ参加できる・・」
「うるさい!ワシだって客だ!客の言うことは聞くもんだろうが!」
「ですが・・」
「いくら出せばいいのか聞いて来い!」
声の主を宥めているらしいスタッフとのやり取りに、金の力で世の中を渡り歩いてきた人間特有の傲慢さが出る。
いつの間にか周囲の人が引き、空間が出来ている。そこへ、
「ここでそのような話は無粋になりますよ。」
話しかける者がいた。

進藤だ。

「ここは会員制の集まりです。が・・・、そちらさまは初めてのようですな。」
「ふん。それがどうした。」
「会員以外の方でももちろんお楽しみいただくことは出来ます。が、その場合参加費が必要なのですが」
「だからさっきから言ってるだろう!いくらだ!」
「一億。」
「な・・に・・・?」
「どうしても、と仰る方も時におられますので、即金で一億支払われた方のみ特別考慮いたしております。
ああそれから、会員までご希望でしたら、入会金三億、年会費一億、・・・計五億になりますが?」
白地に清流と青葉のもみじを描いた着物。りゅうとした物腰に気圧され、成金男は押し黙った。だがすぐ、
「い・・・一億ならある!」
進藤の売り言葉に乗って胸を張り、ふんぞり返った。
せり出た腹を膨らませたのか着物の合わせが緩んでだらしなくなり、その姿に侮蔑と憐みの視線が幾つも投げられる。


離れた場所でそれを見ながら、苑田は、よくもまあそこまで言う、と内心呆れていた。
この場の雰囲気と、人々から、恐らくは上流階級の一部の人間達で作られている秘密倶楽部だろうと想像がつく。となれば、あの男など、どう転んでも入会出来る訳が無いのだ。


「どうしたあんた?俺は嘘は言わん。ちゃあんと車に積んであるんだ。そいつを持ってくれば文句は無いはずだな?!」
「そう、ですね・・・・」
高をくくって言ったことばを逆手に取られ、言い淀む進藤。その時、
「分かりましたわ。」
進藤にしなだれかかってついて歩いていた佳奈子が、会話を引き取った。
「参加費をお持ちでしたらこちらに不満はございません。どうぞお持ちになって参加なさってくださいな。ただし」
美女に認められ、小躍りしながら金を取りに行こうとする男に、
「この部屋を出たら二度と入れませんのよ。」
冷酷な一言が突き付ける。
「なっ・・・、じゃ、じゃあどうしろって言うんだ!」
「車の鍵を、彼にお渡しになってお待ちなさいませ。」
ね、と妖しく毒のある微笑みで男に秋波を送る。
「お・・、おお。」
あっという間に打ちのめされた男は、佳奈子の言うまま手にしていたセカンドバッグから車のキーを摘まみだす。
「分かりました。では早速。」
受け取った進藤もニヤリと笑い、すぐ出て行った。

佳奈子が男にさらに酒を飲ませているうちに、ジュラルミンケースを提げて戻ってくる。
「おう、ちゃんと持ってきたな。こっちだ。」
酔ってさらに横柄になった男の周囲には冷気まで流れているが、男は全く気付いていない。
「そのテーブルに置いて、皆さんにお見せしろ。そうすりゃ文句ないんだろうて。」
顎で示して進藤を使う。
使い走りの扱いに、進藤の顔が一瞬、どす黒くなった。佳奈子も毒婦の表情になる。が、
「かしこまりました。」
慇懃無礼の物腰になって、わざとらしい手つきで蓋を開けた。

『プリズム』

『プリズム』7*呼び出しー16

 多分大丈夫だと思うので・・・、R無しです。


確かに中身は札束が並んでいる。男は『どうだ』とばかりに鼻を膨らませた。
「間違いないようですね・・・・。皆さま、よろしいで・・・」
「結構よ。早く片付けて。・・では、ステージへ上がっていただきましょう。
あ、あなた、こちらを案内して。」
進藤の言葉をさえぎり、佳奈子がまた話を横取りして進め、指名されたスタッフの一人が渋々歩み寄る。

「・・・・さて、みなさま。興醒させたアレのために、‘入れ札’をいたしませんか?」
男をステージへ追い払い、一同を見回した佳奈子がある提案をする。
驚きのさざ波が走ったあと、面白げな笑いが続いた。
「よろしいでしょう。わたしは参加します。」
真っ先に名乗りを上げたのは、むら。

早々に箱が持ち込まれ、配られた札が次々投げ入れられる。
箱のそばで笑みを浮かべながら見ていた佳奈子は、近付いてくる一人の女性に目を見張って、声をかけた。

「しづ様。貴女も参加されるのですか?」
見返す彼女はめったに見せない怒りの表情で、
「ええ。あの汚らわしい(けがらわしい)ものは、排除するべきです。」
黒い木の札を入れると佳奈子の横に立たされている進藤を見た。
「あなた。ここの警備もなさってましたね?」
「・・はい。全部ではありませんが」
「言い訳は結構。二度とあのようなもの、入れないでください。不愉快です。」
いつものしづらしくない切り口上で言い放って背を向ける。

「・・・怖いこと。良積さん、お気をつけて。あの方に睨まれたら、本当にここに出入りできなくなってしまうわ。」
しづが会場の遠くの席に座るのを見てから、佳奈子は小声で進藤に耳打ちする。
「そんな大物ですか?あの女性は。」
「しっ。そんな口をきいてはダメ。聞こえたら大変なの。」
媚を見せながら忠告する佳奈子を冷笑でかわしながら、内心うんざりしている進藤は、乗り換えるならあの女か、と遠くの彼女を眺めた。

一方苑田も眉を顰めながら成り行きを見守っていた。
しづの言ったように不愉快な思いがこみ上げるが、どこか聞き覚えのある声に漠然とした不安が起きる。

「ぐふふ・・。あの女を犯っていいのか?」
ステージに上がった男の目は、あの少女に向けられている。
「あんたの好きな方にしな。ただし、一人だけだ。
むこうは生娘(きむすめ。つまりバージン・さん、ですね)、こっちは男もいける。」
案内係に素っ気なく言われ、男はちらっと苑田を見てすぐ向こうを向き・・、もう一度振り返る。
目をこすって、眇(すが)めるように見て首を傾げ、どすどすと近付いた。

「・・・放せっ!」
「やっぱり、あんただ。・・・・新幹線の横にいた」
ぐいと腕を掴まれ、顔を覗きこまれて酒臭い息を浴びせられた苑田は、それを聞いてゾッとした。
「くく・・・っ。そうか、あんた、こんな事もするんだ。なるほどねえ。」
下卑た笑いで舌舐めずりする。
「やめろ。・・・触るな」
「じゃあ、あっちの女にするか。」
振り払った苑田から目を外し、わざとらしく少女を見た。
「あっちも未通娘(おぼこ)だってんなら犯りがいがあるしなあ。」
ぎく、と苑田の体が強張る。
「・・・・やめろ・・・」
「どっちをだ?」
なかなか答えないのに焦れた男が、おまえはやめだというそぶりを見せ、離れようとする。
「・・あの娘(こ)には・・・」
一歩踏み出した男に、震える声がかかった。
「はぁ?聞こえねえなあ?」
わざと耳に手を当てる男へ、
「あの娘には・・手を出すな。抱きたいなら・・・・、俺にしろ・・・」
さっきより大きな声は案内係にも聞こえたようで、彼は小さく口笛を吹いた。
男が一層ニヤつく顔になり、
「あんたは、ワシに、お願いする立場なんだろ?」
自分から膝を折れ、と、強要する。





『プリズム』

『プリズム』7*呼び出しー17

数行ですが、R,入ります。15歳未満の方、苦手な方はご遠慮ください。大丈夫な方のみ、スクロールしてどうぞ。

































「・・お・・・俺を・・・、抱いて、くれ・・・」
「っへははっ。そーかそうか、抱いて欲しいか。そんならあんたにしてやっかなあ。」
顔を背けながら途切れ途切れに口にした苑田を視線で舐め、ずり、と畳ににじり上がり、
「・・・二丁目でもこんな格好で男を誘う奴ぁいなかったぜ。」
いやらしく唇を舐め、鼻息を荒くする。言われてはっと気付いた苑田。
体はきれいにされたが、着物は・・、片袖を抜き、裾をまくりあげ、腿まで出した半裸の姿のままだ。
「・・っ」
「おお・・っと、見せろや。減るもんじゃねえだろうが。」
酒で本性が現れたのか着物を引き寄せた苑田の肩を突き倒し、仰向けにして恫喝する。
「色が白いな、にいさん。こりゃあ楽しみだ。」
肌が粟立っていくのにも構わず胸を撫で、その肌触りに目を細めた男が、隅にある盆に気付いた。

「・・・いいもんがあるじゃねえか。・・、おい、おまえ、そこにある紐、持って来い。」
もう用は済んだ、とばかりに男を置き去りにステージを下りかけていた案内係が、チ、と舌打ちして嫌々戻ってくる。
「何の用だ。」
「その紐でこいつの足を縛れ。わかめ酒、するんだ。」

半分くらいしか意味が分からなかったが、束縛されると聞いた苑田が抗おうとした。それを、着物を踏みつけて封じた脂男が懐から札束を出し、案内係に投げる。
「それだけあれば足りるだろ?さっさとしろ」
さすがにキッとして断ろうとする。しかし、
「やりなさい」
見ていた佳奈子の声が飛んで、出来なくなった。

「やめてくれ・・・っ」
「うるせェ。おとなしくしてろ。」
もがいた苑田だったが脂男に剥き出しの内腿を抓られ苦痛の声を上げる。その様子に男は興奮し、生唾を飲んだ。



「・・・・佳奈子さんも酷いことをさせる。」
会場の一角で、むらがステージを見ながら呟いた。
「はい。・・・手を出せないのが・・・・」
‘影’も同意する。どうやら彼らは苑田を気に入ったようだ。
「口惜しいとは思うが、『入れ札』であのヒキガエルの処分は決まった。彼に、耐えてもらうしかない。」
ふう、と息を吐いた。


「・・・・しづ・様・・・・・」
「我慢しなくてもよいのですよ、りん。控えの間に行っていなさい。」
ステージから遠い席で、涙のたまった目で主人に訴えた彼女に、しづが答える。

ステージの一部始終は左右の壁のスクリーンに投影され、どこでも不自由なく見られたが、今、見入る者はいない。

りんは、首を横に振ってここに居ると言ったが、肩が震えていた。
「あの方は同じステージにいる娘を庇って身を差し出されたのです。こらえなさるでしょうが・・・・。
悪趣味な。」
最後の言葉に、え?とりんが目を上げれば、苑田が庇った少女に進藤が近づいていくのが見えた。
「あれは」
思わず非難の声になる。
「佳奈子さんの悪食にも困ったものですね。」
嘆かわしそうに、しづも呟いていた。



雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その13

 うなぎパイ。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、これは静岡県浜松市の’春華堂’と言うお菓子屋さんのパイ菓子です。

URLはこちら http://www.shunkado.co.jp/aboutus/
(まだ上手く出来ないので飛べるかどうか心配・・・)


このお菓子、実家の父が出張した時の帰りなどにお土産に買って来てくれたもので、その頃(小・中学生)は贅沢なお菓子でした。
身近に感じるようになったのは結婚して10年ちょっとしたくらいでしょうか。
’全国銘菓展’などで見かけるようになったんです。もちろん、お財布事情が許せば購入(笑)。
そして、ここ2・3年(?)土用の丑の日に、見かけるようになりました!

’うなぎ’つながりなんですね~~。   思いついた人がエライッ!!

本物の鰻が丸ごと入っている訳ではないのですが、出汁の粉末を使っているとかでほのかに匂いが。。
実物のかば焼きを食べそこなったので、22日はこのお菓子を食べました(あはは)。

次回の8/3はちゃんと魚の鰻を買って食べようと思っています。


皆さまには’買う機会があったら’是非買って食べたい! と思う食べ物、ありますか?


『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』#夏休みの出会いー2


「姉貴・・、どうしちゃったの?」
瞬きを、五・六回繰り返し唖然として和叔父さんを見る。
「さあ?だけど彩香ちゃんが‘言うな’と言ってるんだから智くんにはまだ内緒にしてお
く。」
「ええ?そんな意地悪しないで教えてよ?
誰なのさ、章雄さんって」
「名前を知っているんなら、それでいいじゃないか。・・・・・ところで智、今身長いくつくらい?」
「身長?しばらく測ってないけど・・、一七〇くらい?」
「そうか。ありがとう。」
「和叔父さん?」
叔父さんは、俺にしつこく聞かれると思ったのか、すっと居間へいってしまう。慌てて後
を追った。

居間の手前にある台所を覗くと、いつになく料理がたくさん並んでいる。そしてめったに
出てこない食器もある。
母さんまで、よそいきの服を着ていて。

(誰か、来るんだ。)
ようやく思い至る。多分それが‘章雄さん’だ。・・・でも、親戚にそんな名前の人、いた
っけ?


「ねえ母さん、親戚に‘章雄’さんって、いた?」
姉貴はどうやら自分の部屋へ行ったらしい。いない間に、とおふくろに聞くと、
「居ないわねぇ。でも、これから出来るかもよ、章雄さんって親戚が。」
「は?これから出来る?」
「そう。お昼一緒に食べるから、ちゃんと挨拶してね。」
手は休めず続ける。
「・・だからこんなご馳走なの?」
「当たり前でしょう?和弘、さんだけならもっと楽。」
「あー、言ってやろ。」
お菓子の皿を取り、居間へむかう。
「ちょっと、智。」


居間へ入るとなぜか父さんもYシャツを着てネクタイしている。
「父さん、今日、‘章雄さんって親戚になるかもしれない人’が来るんだって。知ってた?」
菓子皿を座卓に置き、俺も横に座りこむ。
「彩香に聞いた。」
「ふーん」
聞かされてなかったのは俺だけか。
「まだそうなるか分からんのに、母さんも彩香もウキウキそわそわして・・。」
「初めてなんだからしょうがないよ、兄さん。」
「初めて来る人?」
「あ・・、うん。」
和叔父さんなら教えてくれそうだと思って、また聞いてみる。
「それってさ、姉貴の知り合い?」
「まあね」
「そっか、だから俺知らないんだ。」
「だけど、智君の、一番近い親戚になるかも知れないひとだよ。ね、兄さん。」
「俺はまだ顔も見てない。」
妙に不機嫌な父さんがぶすっとして言う。
「そりゃあ兄さんは彩香ちゃんに過保護だから。」
くすくす笑う和叔父さん。
「当たり前だ。彩香は俺の大事な娘だぞ。」
言って、菓子皿の中の煎餅を取りバリバリ噛みはじめる父さん。和叔父さんはまだ笑いな
がら、
「でもちゃんと紹介してくれるんだから、きっといい彼・・・・、あ」
慌てて口を押さえたけど、聞こえちゃったもんね。
「もうじき来るのって、姉貴の彼氏?」
思いッきり喰いつく。
「そうみたいだよ。」
和叔父さん、苦笑いしながら教えてくれた。

『プリズム』

『プリズム』7*呼び出しー18

R、入ります。身代わりになった苑田、しばらく耐えることが続きます。 18才未満、苦手な方はご遠慮ください。大丈夫な方はスクロールして、どうぞ。





























これも宮仕えか、と諦めたらしい案内係が、盆の中から取りあげた腰ひもを手に苑田に近付く。
「そこ、どいてくれ。邪魔になる。」
「・・・。さっさとしろよ。」
邪険にされたヒキガエルが文句を言いながら後ろに下がる。
「しばらく我慢しろ。」
男は、唇を噛む苑田に事務的に言い、抵抗しようにも思うように体に力の入らない足を揃え膝を曲げさせ、手早く縛り上げていく。

すぐそばでヒキガエルはニタニタ笑いながら盆に乗っていた銚子を取りあげ、直飲みしながら
「くぅーっ、美味い酒だ。」
とやっていた。


「終わったぞ。もう用は無いな。」
「ああ、要らん。・・・・・ほ」
紫色の腰紐で足を括られ、向こうをむいて観念した様子で手足を投げ出す姿に、嗜虐心を倍加させたヒキガエルが、銚子を持ったまま胡坐をかいて横へ座る。
「いい眺めだ・・。けど、ちょいと色気が足りねぇ。まず、あんたを入れ物にこいつを飲ませてもらおうか。」
手にした銚子を振って中身を確かめ、トクトクッと閉じた股間へ注ぐ。
「・・・っ、ひあっ」
温かな液体を肌に感じて、体にぎゅっと力が入った。
「くっくっく・・。女なら赤貝だが、あんたはナマコが泳いでんな。」
酒を溜めた場所をそう言われ、背けた顔が、かあ、と赤くなる。

「それじゃあ、味見といくか。」
「ぅ・・あ!」
ヒキガエルの顔が苑田の盃になった場所へかぶさり、ずず、と酒をすする。わざと舌で周囲を舐め回し、べちゃべちゃ音を立てて雄まで嬲る。
「・・・・、っは・・、・・・んっ」
「でかくなってきたぜ。頭があがってる。」
刺激に、否応なく反応し立ち上がってきたそこを揶揄し、残っている分にまた吸いつく。
「く・・っ、んっ」
背中が浮き、掴む物の無い手が畳をがりっと引っかく。
ヒキガエルの指が、双球を摘まみ揉みしたのだ。
「・・ぷはァ・・っ。やらしい眺めだ。」
雄と二つのふぐりを玩(もてあそ)び、ようやく顔を上げて言う言葉に、苑田は喘いで答えられない。
酒の匂いと肌から吸収したアルコール、そして刺激に、身体が熱を帯びてきていた。

刺激を与えられた雄は硬さを増し、先端から露を溢れさせながら濡れている。ぐふ、と嗤ってそこを扱き、体をくねらせて反応したのへまたしゃっくりをして、
「今度はこっちを拝ませてもらおうか。」
縛られた膝を押し倒した。
「あっ」
正座したまま横倒しにされた姿で、背中と臀部(でんぶ・・お尻です)がヒキガエルの視線に晒される。
狭間は、むらが一度押し拓いただけなので、またしっかり窄まっていた。
「ふん。・・・お上品なおちょぼ口してやがる。見てろ」
不自由な体勢では振り向くのも一苦労で、努力してもなかなか体が言う事を聞いてくれない。結局男のいる背後を見ることは出来ず、思った以上の体力の消耗を思い知る苑田。
衣擦れの音でヒキガエルが移動したのを知った。
「へへへ、こいつにしとくか。」
声が少しだけ遠くなる。訝っていたら、
「・・・・んっ、はあぁあ・・っ!」
ぬめりを持つ何かが力任せに後孔へ押し込まれた。
「はは、似合うぜ、にいさん。まだほんのちょっとだ。全部入れたら動かしてやっから、いい声だせよ。」
男が苑田の腰を押さえつけ、さらに奥へ入れていく。
「ぁ・・あ・あっ。・・・っ、は・・ぅ・・」
ぐいぐいと中へ入れられるのは数珠つなぎのような形のディルドウ。そして、解しもしない挿入に苦しい声を上げていた苑田が
「や・・・っ、そこはっ・・・・」
「・・ここか。見つけたぜ。」
前立腺を抉られ、のけ反る。
弾みでヒキガエルを蹴りつけていた。
「・・・(痛)ってえじゃねえか!蹴飛ばすんじゃねぇ。」
言われたところで聞けるはずもない。
また押し込まれ、悶える苑田に足をぶつけられ、ようやく足の拘束を解くこ
とに思い至った。

『プリズム』

『プリズム』7*呼び出しー19

ヒキガエルとRになりなした。 18歳未満の方、苦手な方は必ずご遠慮ください。 大丈夫な方のみ、スクロールして、どうぞ。




































「おい・・・」
後ろを向いて先ほどの男を呼びつけようとしたが、すでにいない。ステージには苑田と自分だけだ。
会場へ声をかけようともしたが顔を覚えている訳でもないので、しょうがねえ、と忌々しく呟き、立ち上がりかけた。
「・・っつ」
足が痺れていてドタッと転がる。聞えよがしのくすくす笑いが起き、ヒキガエルはカッと怒りで目を剥いた。

(畜生、今に見てろ!)
ここに入って俺を笑った奴ら、金の力でひれ伏させてやる。

今は我慢だと成り上がりの遠吠えを胸に溜めこみ、ジンジンする足をゆっくり動かして起き上がる。盆にあった鋏を取りあげた。

責めがいきなり止んで、肩で息をしている苑田の顔の前に、どす・と、鈍い音がして鋏が突き立てられ、
「足の紐、切ってやるから動くんじゃねえぞ。動いたら傷ができるからな。」
言いながらゆっくり引きだす。笑われた八つ当たりに、わざと刃物の音をさせて、その音に息を詰め、身体を硬くする苑田を見ながら足と腰ひもの間に鋏を入れる。
もったいをつけて切り放した。

安堵の息を吐いて体を緩める苑田。それを見たヒキガエルはさらに、
「これも邪魔だ。」
と帯を引っ張る。
「ぐへへ、ご開帳・・だ。」
再び体を竦ませる苑田をにんまり眺め、じゃき、と美しい帯が切り落とす。
体に残っていた着物が帯に続いてはらりと畳に落ち、偶然見ていた者たち全てが息を呑んだ。

僅かに片袖だけを纏う肌は上気し、全身にうっすら汗を浮かべている。喘ぐ息が色香を霞(かすみ)のように立ちのぼらせ、触れてくれとばかりに手を誘う。
ヒキガエルの鼻息が荒くなった。

「へっへへ、誘ってやがる。」
まずは、と押し込んだディルドウの根元を捩じり、スイッチをONにする。
「ああっ」
ビクン、と体が跳ねた。
時間が経って、馴染んだそれが苑田の内部を掻き回し、電流が走ったような快感を引き起こす。
「ぁ・・・あ、ああぅ・・・っ」
「おっと、こいつは止めとかないとな。勝手にイかれちゃつまらん。」
両腕で体を抱き快感に耐える苑田の、なかば勃ちはじめた雄に気付いたヒキガエルが切った紫の腰ひもの一部を取りあげくるくるとそこへ巻き付けた。
「さ・・触る、な・・・・っ」
「うるせえ」
は、と、喘ぎと拒否の声を一緒に吐き出し身体を動かそうとしたが、容赦ない手に胸の尖りを捻りあげられ、悲鳴を上げる。
が、それも、動いたせいで向きを変えたディルドウが苑田を責めたので立ち消えてしまう。

「あふ・・・くぅ・・っ、・・・・っぅあ・・あ・・あぁっ」
引き起こされる刺激に、びく、びく、とあちこちが跳ねる。
「いいぞ。もっと鳴け。」
自由になった足を大きく広げさせ、その様を眺めながらときに抓りあげ、肌に赤い痕を付けるヒキガエル。自身の雄も固く張っていた。
「そろそろわしのも入れてやろうかい。ほかの奴らとは違うシロモンだから、涎こぼすんじゃねえぞ。」
我慢できなくなってきたようだ。銚子に残っていた酒を呷って立ち上がると、ごそごそと下着を脱ぎ落とした。
ド派手な柄の着物をまくり、帯に挟む。その間から、たるんだ尻と、いびつな一物が露わになる。
所どころにいぼのような丸い膨らみがあるそれを自分の手で扱いてさらに立たせ、わざわざ苑田の顔のそばまで回って見せつけた。
「にいさん、よぉく見とけ。コイツはな、小っさい真珠をいくつも埋め込んである。女も男もコイツで擦るとヒィヒィ言ってよがったもんだ。
今日はあんたにぶち込んでやっから、喜べよ。」
大口を開けて笑い、糸を引くそれを持ちながら背後へ戻る。
「ホンモノを入れてやっからな」
ずるる、と、まだ動いているディルドウを一気に引き抜いた。

「あアァ・・・・ッ!」
最後に、菊座を捏ねまわされるようにして抜かれ、引き攣られる感覚に声を放つ苑田。直後、
「それい!」
腰を鷲掴みにしたヒキガエルが剛直をねじ込んだ。


『プリズム』

『プリズム』7*呼び出しー20

 苑田、心ならずも身体を好きにさせていますが・・・。Rが続いています。18才未満の方、苦手な方はご遠慮ください。 大丈夫!な方のみ、スクロールしてどうぞ。



































「ぁ・・ひ・・ぁああ――・・っ!」
経験したことの無い挿入感に恐怖が湧き、拒もうと力が入る。だが、先に一度ディルドウを入れられたそこは綻んでいて、先が丸くぬめった雄を、受け入れてしまう。
ぐり、ずりっと内壁を縦に擦られ、
「い・・・ゃああっ。・・あ・・・ぁあっ、・・・あ・・ぅあ・・っ」
突き抜けていく悦味に喉を絞る。
さらに前後に動かされ、無理やり拡げられる苦痛の涙で視界がぼやけていく。

「っへへ、言ったそばから声上げやがって。まだこれからだぜ」
「・・・っ、・・はァウッ、・・・っぁ・・あ・・、んぅっ」
ヒキガエルの思いのまま蹂躙され、声を上げ続ける苑田。手折られ、散らされる風情の責められかたに、前の二人とは違う色が滲みだしてくる。


会場もまた、妖しい空気が流れだす。
固唾をのんで見守っている者。興奮して赤くなる者。この場限りの相手を求め隣に手を伸ばす者。
苑田の上げる声につられスクリーンを見てしまい、動きが止まる者までいた

「・・・。やれやれ、責め手でこんなに違うとは。だからといって、あんなカエルと張り合う気もないが。」
一隅で見ていたむらが、苑田の乱れるさまに苦笑交じりにぼやく。その横で、‘影‘が手にしていた琥珀の液体ぐい、とひと息に飲む。
「おや。どうしたんだい?珍しいね、そう言う飲み方をするのは。」
おまえも当てられたか、と言いながら、する、と‘影’の着物の合わせに手を滑らせるむら。
「・・・むら様・・。」
「ふふ。大丈夫。彼と比べたりしないよ。」
楽しそうに笑った横を、スタッフの一人が通りかかる。
「あ、君。」
「はい。」
「ステージにいる彼、なんであそこにいるのか知っているかい?」
呼びとめたのは、進藤がステージに上がっていたからだった。
「・・申し訳ありません。私は・・・」
「ああそう。」
「むら様。私、知っていましてよ。」
頭を下げて謝るスタッフのそばから声がかかった。
「・・テイ女(ていじょ)さん。・・教えていただけますか?」
「ええ。こちらの方の唇と引き換えなら。」
熱い目で’影‘を見上げる彼女に、
「どうぞ。」
にこやかに笑って少し下がる。

小柄な熟女と長身の男のキスシーンに立ち会ったあと、
「あの方・・、今佳奈子さんのお気に入りで、今回佳奈子さんはあの娘(こ)の権利を競り落とした方に頼みこんで、譲ってもらったようでしたわ。」
ごちそうさま、と含み笑いしながら答を残して立ち去るテイ女に聞こえないよう、クスリと笑う。
「おまえも、人気者だな。」
おかげで助かった、また頼む。と言いつなぐ主人へ、
「お断りします。」
紅の付いた唇を懐紙で拭き取りながら憮然と答える。
はっきり声に出して笑ったむらだった。


「佳奈子さん、ねえ・・。蟷螂女(とうろうおんな)だとばかり思っていたが。」
「蟷螂・・・、カマキリですか?」
「うん。男を食って養分にする雌カマキリ。・・あの男は気に入ったんだ?」
「いつまで持ちますやら。」
「ふぅん、おまえはそう見るんだ。」
ステージで少女を慰み始めた進藤を一瞥し、むらは食事の皿を手に取った。



苑田は、快楽の淵でもがかされていた。堰き止められた雄が、食い込む紐に痛みを訴え解放されない熱は逆流して突き上げてくる快感を増幅させる。
‘嫌だ’と首を振ってもどうにもならず、初めての形状の雄の責めになす術もなく反応していた。
「・・っ、あっ・・・、あぅ・・っ、ん・・んっ、・・・・んああっ」
汗で濡れた髪が額に、首筋に張り付く。
いつの間にか仰向けにされ、足を抱え上げられて突き上げるヒキガエルの背中で、足袋の足が淫らに揺れる。
「・・っくおぅっ、たまんねぇ・・!・・もっと締めろっ」
「ひ・・っ、んぅぅっ・・、あァ・・・ッ」
グチュ、と音を立てて引いた肉棒を強引に呑み込ませ悦に入った声で喚く。
がくがくと揺すられ、嬌声が次第に細く、高くなっていく苑田。

(だめだ・・・・。もう・・・)

体が意思を離れて快感を追いはじめ、抵抗を手放しそうになる。追い打ちをかけるように、
「・・っどうだ・・・、どうだっ!」
限界に近付いたヒキガエルが汗を散らしてスパートをかけはじめた。
「あ。。・・・っあ」
畳に立てた指先まで力を失くして擦られ、もうどうにでもなれと目を閉じた瞬間。


「いやあああっ!」

悲鳴が響いた。

プロフィール

ますみ

Author:ますみ
FC2ブログへようこそ!
BLと、雑談をしています。週末オープン。

最新トラックバック
フリーエリア
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR
ようこそいらっしゃいました!
よろしければポチっとしてください(ペコ)。

Page Top