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『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』*頼みごとー3

時代劇の格好は、内海くんだけではありませんでしたー。




「なあ、おまえの叔父さん、かっこいいな。」
時間になってブースへ行くと内海がそう言ってきた。昼はこの格好で食べに行き、ついで
に宣伝もしたと言う。


「だろー。頭もいいんだ。ここのアイディアも和叔父さんがヒントくれてさ。」
「・・ふーん。」
「あ・・、今の内緒な。和叔父さんが気にするんだ。余計な口出ししたかもしれないって。そうそう、内海よく似合ってた、ってさ。思わず立ち止ったって笑ってた。」
「んなことないけど。
『俺の出した案で上手く行ったんなら何か寄こせ』 なんて言うのとは大違いだ。」
「あー、柏田ね。でもあいつが探してきたんじゃないか?それ」

江戸時代と現代の比較・・、は和叔父さんのヒント。
「現在の状況だけじゃなく、過去の、例えば江戸時代の環境と比較して・・、と言うのも面白いと思うよ。」
俺が文化祭の事でぼやいていたらそう教えてくれて。ミーティングの時出したらとんとん拍子に決まった。
「それなら誰か、江戸時代のカッコ、させようぜ。」
これは柏田。面白がるのが好きで何かしら言いだす。今回は全員一致で賛成し、結果内海がこうしてる。

「俺はおまえのが見たかったな―。」
内海が言う。
「俺?だめだめ、おまえほど厚みがない。案山子に着物着せたみたいになるから。」
「そおかあ?柏田より似合うと思うけど」
「俺が何だってー?」
「っわ、いて、痛てっ、放せよ・・っ」
噂をすれば何とやら。柏田が交替しにやってきたところだった。
「俺だってイケてるんだよ。」
内海の両耳を引っ張ってるのは読み売りや、の扮装をした柏田。

「時代劇でさ、あの、『さあさあ皆の衆、鼠小僧がまたやってくれたよッ』とか言いながら号外みたいなの売ってるじゃん。あれ、やりたいんだよね、俺。」
と言っていた通りなりきっていて、ついでにブースの宣伝のビラ配りもしていた。
「写メだって撮られたんだぜ。」
「よかったな。」

1日目が終わりざっと片付けているとメールが来た。
「優奈ちゃん。・・・えー」
「智、どうかしたのか?」
「あ、別に。」
ようやく着替えた内海に答えながらちょっと落ち込む。メールは、

::能見さん、せっかく誘ってくれたのに、ごめんなさい。明日、親戚が来ることになって、行けなくなりました。」

だった。
(しょうがないか。来年もあるし)




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『プリズム』

『プリズム』16*悩みは、いろいろ-3

高輪くんの悩みは、解決するのでしょうか・・・。そして丸林くんは?





俺と丸林くんが思いがけない言葉にかたまる。

「俺を・・、高輪が?」

なかば呆然と高輪くんを見る丸林くんにつられて俺まで高輪くんに視線がいくと、範裕さんが吹き出した。
「くくっ・・。よく似てる。
 高輪くん、君も崇を見てそう思った?」
「・・そうですね。雰囲気が似てて安心できる、って言うか。」

俺が?丸林くんと、似てる?

今度は二人で見合ってしまう。
それを見た高輪くんまでクスクス笑い出す。

「丸林くん、君はどう?」
「どう、って言われても・・・。こいつは俺より出来るやつで」
高輪くんの横顔を見たまま丸林くんが言うと、
「俺は、一つの事をこつこつ出来るおまえが羨ましかったよ。」
丸林くんの方を向いて、真面目に答える高輪くん。
「高輪・・・、急に、そんなこと言うなよ・・」
困ってしまって赤くなる丸林くんだったけど、嬉しそうだ。


「あの、こちら、お下げしていいでしょうか?」
ウエイトレスさんが来て、空になったお皿などを持っていく。

「さて、仕切り直ししようか。」
範裕さんがカップを持って立ち上がり、俺たちも続いてドリンクバーでそれぞれ飲みものを取って来て座りなおした。

「高輪くん、丸林くんの誤解もとけたようだから改めて聞くけど、仕事は嫌いじゃないんだね?」
「はい。どの部署でも、行った当初は‘よし、ここで頑張るぞ’って取り組むんですけど、ある程度一人で出来るようになると、何か違う気がして・・」
「でも苑田さん、高輪、ほんとに出来るんです。同期の中で最初に肩書き付くの、こいつだろうってみんな噂してて。」
丸林くんがフォローに回った。
「そんなことない。」
「あるさ。だっておまえ管理部も行ってたろ?あそこの課長変人なのに、誉められてたじゃないか。」
「こだわりはある人だったけど、変人じゃなかったよ。」
いつの間にか息が合ってきている。

「それなら、高輪くんがやったことないの、社長だけか。」

はい?・・・範裕さん、いま、なんて言ったんだ?
「社長・・・・ですか?」
「苑田さん・・。」

二人もびっくりしてる。

「違うかい?」
「違いません・・けど」

戸惑う俺たちにこう続ける。
「考えてみたら?気持ちが前向きになるかもしれないよ。」


範裕さん、って、時々ポン、と飛んでいく。


俺たちと、丸林・高輪くんの間に不思議な気持ちを残して食事が終わる。
高輪くんは、明るくなっていた。
丸林くんも笑顔だ。そして範裕さんの言った通り、二人の間に友情らしきものが芽生えはじめていた。

「じゃあ、丸林くん、お大事に。」
「はい。苑田さん、今日はありがとうございました。」
「苑田さん、俺も。本当にありがとうございました。来てよかったです。」
二人の挨拶に俺は内心自慢する。

そうだろう?範裕さんは、すごいんだ。

『プリズム』

『プリズム』16*悩みは、いろいろ-4

 今日はいい日になったかな?




すると、肩を並べて歩き出した丸林くんが振り返り、
「そう言えばおふたりって、名前で呼び合ってるんですね?」
ふと思い出した感じで、口にする。
「そっ、それは」
「ああ。崇は一番の後輩なんだ。」
慌てる俺に涼しい顔で重ねる範裕さん。

一番の・・後輩・・・。

そう表現するしかない俺たちの関係。範裕さんが笑っているから俺も笑って、
「そう、です。仲良くて色々教わってるんです。」
わざと腕を絡ませて続ける。
「いいなあ、新井さん。・・あ、でも高輪がいるか。なあ」
「俺は苑田さんみたいになれないけどな。」
「拗ねるなよ。」
「別に。それじゃ、新井さん、会社に来たら俺のとこにも顔出してください。」
「あっ、おい、待ってくれよ」
軽く頭を下げて挨拶し、行ってしまう高輪くんを、丸林くんが追いかけていく。
その様子に、悪いと思ったけど吹き出していた。

「崇、もういいか?」
「あ、ごめんひろさん。」
ひろさんの腕を掴んだまま、肩に頭をつけて笑っていたから、少ししてひろさんが困ったように腕を動かす。しかたない、手を離した。
「俺たちも帰ろう。」
「ああ。」
「・・・・ひろさん、今日、行ってもいい?」


~~崇を、傷つけたかもしれない。
丸林くんの問いかけに答えたあと、甘えるような仕草をする崇に、気付かれないようため息をつく。
男同士の恋愛はこうなると、隆裕で知っていたのに。

公言できない関係。
知られれば、好奇の目とぶつけられるマイナスの感情。あからさまに避けられたり、拒絶されたりする。中傷が家族に及ぶ事もある。

知り尽くしたはずなのに、選んでしまった―――崇を。
俺は、おまえを守れるだろうか。
守ってやりたい。 せめて、おまえだけでも。 ~~


久しぶりのひろさんの部屋。
今日はすぐ本棚の前に立った。
「崇?」
「俺も何か本が欲しい。」
途中のスーパーで買った物をテーブルに乗せてるひろさんにねだってみる。
「それは、いいが」

上から順にタイトルを読んで・・・、
「あれ?」
思わず声が出た。
(日本百名山データBOOK?)
他に二冊ほど‘山’とつく名前の本がある。これ、前に見た時は無かった本だ。

「崇、あったのか?」
「わっ!・・あ、ひろさん」
急に横から声が聞こえてビックリする。
「何を見てたんだ?」
「・・ね、ひろさん。山の本なんて・・・買ったの?」
「それか。 ・・おまえが、一緒に山に行こう、なんて言ってたから・・・」
ひろさん?赤くなってない?



『プリズム』

『プリズム』16*悩みは、いろいろ-5

あれやこれやで新井くん、気分が急上昇。そして、緩くRに入るので、年齢に達していないかた、苦手な方はご遠慮ください。大丈夫な方、スクロールして、どうぞ。































「俺・・そんなこと言った?」
「子湖塚のバーで酔っぱらって、俺がここへ連れてきた時・・だ。あとで中島さんにも聞いて、興味がわいた、から」
「買ってくれた・・・?」
頷くひろさんに嬉しくなって、
「ありがとうひろさん!すっごく嬉しい」
抱きつく。
「ま、まだ眺めてるだけだ。ちゃんと読んでな・・・」
目の前で動く唇にぞく、としてそのままキスをする。不意打ちに驚いて体に力の入ったひろさんの腰と後頭部に手を回した。
「ん・・っ、ん・ん・・・っ、ふ・ぁ」
「ひろさん・・、好きだよ。」
「・・・崇」
「いつか行こう、絶対。ね、ひろさん」
角度を変えて唇を重ね、舌を差し入れて絡ませ。腕の中で、ひろさんが小さく身震いした。
それに反応して、俺の雄が形を持ちはじめる。さらに舌で口の中を愛撫すると俺のシャツの背中がぎゅっと握られた。
「・・っ。」
ひろさんの膝が抜けて顔が離れる。唾液が糸のように引いてフッと切れ、ほとんど同時に俺の何かが切れて、ひろさんを押し倒していた。

「欲しいよ、ひろさん。」
「・・ぁ、崇」
夕方だけどまだ明るい部屋の中、キスで濡れた唇が俺の名前を呼ぶ。もう一度キスして、耳たぶを甘噛みする。
「や・・っぁ、たか、し、ぃ・・んっ」
隙間を作った腰に手を入れ前を触ると、ひろさんのそこもはっきり分かる。
「触・・る・な・・っ」
恥ずかしいのか、俺の肩を押して離そうとする。だから、わざと腰を押しつけた。
「俺だって、こんなになってる。いいだろ?」
「や・・だ」
首を横に振って逃げようとするから意地になった。

「あ・・!」
布越しの雄を強く握って体重をかける。痛みに声をあげてひろさんは動かなくなる。
「嫌だ、って言ってないよ、ここは。」
「や・・・」
「なんで?」
「・・・・・るい・・」
「え?なに?」
イヤイヤをしながら言った言葉の意味が判らなくて、体を起こし、片手で上体を支えながら顔をのぞく。
「ひろさん?なんて言ったの?」
「・・・・明るいから、嫌だ・・って言ったんだ」
馬鹿、と呟いて目元を赤くして俺を睨む。 興奮度が一気に上がった。
「・・だめだよひろさん、そんなことしたら俺、とまらない」
「あ、や・・、崇っ」
ひろさんのベルトに手をかけて外し、ボトムの裾からシャツを引き出し捲りあげた。

本文

『プリズム』16*悩みは、いろいろ-6

少しだけ苑田視点が入ります。~~ から ~~の間ですね。そして今日から本格Rに入るので、年齢に達しないかた、苦手な方はご遠慮ください。大丈夫な方は、スクロールしてどうぞ。






























~~まだ明るい時間だから嫌だと言ったのに、逆効果になってしまった。

部屋へ来てすぐ、本を見ている。
崇と一緒に出かけたい、と思って買った山の本を入れるスペースが無くて、抜き出した本の何冊かを丸林くんに渡した。それを気にしているようだ、と気付き、声をかけたら。

『ありがとうひろさん!すっごく嬉しい』
喜びで目を輝かせて抱きついて・・・。

崇の捻挫が治るまでしばらく触れ合っていなかったせいだろうか、キスだけでも体が反応する。
敏感になっているのを知られたくなくて嫌だと言ったのに、
「あ・あっ・・」
シャツを捲りあげた指が胸の粒をこすり、声が出てしまった。 ~~


ひろさんのエロい声に、下着の中で痛いくらい雄が張り詰める。偶然あたった指先に感じたのは、そこにあるのがはっきり分かる胸の、小さな・・、
「は・・んっ」
目の前にあるそこに吸いつけば、のけぞって、声を放つ。
「た・・たか・しっ、ぁ・・そ・・」
もう片方も指で摘むように挟むと、びくりと体が揺れる。
舌で舐め上げつついたり指で押し回したりすると、俺の肩を強く握って、
「ゃあっ、そ・・れ、やぁ、たか・・っ、だめ・・、」
「・・・ひろさん、腰、揺れてる」
頬を染める。
「ここがだめなら、ほかのとこ触ってあげる。服、脱いじゃおうよ。」
「な・何言って・・・、あ、崇」
一度体を離して起きて、ひろさんのシャツを引っ張り上げ、抵抗しそこなって伸ばした腕と頭抜いてしまう。そして、思わずじっと見てしまった。
「何見てるんだ・・」
「だって、ひろさんのそんな顔見るの、初めてだ」

少し汗ばんで上気した肌。潤んだ目が色っぽくて、何度もキスした唇が赤くて。
ごく、と唾を飲んだ。

「見るな。」
恥ずかしくなったのか、ひろさんは両腕で顔を隠す。
「やだ。見せて」
「嫌だ」
隠しきれない顎へ唇を擦りつけて。
「見せてよ、ひろさん。・・・俺だけに。」
頼んでみる。

雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その42

 つい足を運んでしまうものの一つに、ポイントがあります。


シールだったり、スタンプだったり、カードで貯まっていくものだったり。ちょっと違うけど「○○円以上買うとおまけが付きます。」とか。
たいがいはそのお店だけの金券になる。のでまた通うことに。
「いっぱいになりましたね。おめでとうございます。」  にこにこ言われて小さな達成感。内緒で好きなもの買える~。うふふ。

でもねえ。
面倒くさくなる時、ありませんか?

行く店、行く店で「カードはお持ちですか?」「お作りしましょうか?」。
増えるし、無期限有効はないし、時々しか行かないお店で「あと一つで満杯」てウキウキ行ったら、が―ン!つぶれてるしー。

あ、誰か笑いました?
わりとショックなんですよ、そういうの。


巷にはネットなどでしか使えないお金、のようなものもありますが、私は触る事の出来る方が好き。何となく安心できる、のが理由かなあ。

話が逸れましたネ。

使えなくなったカードたちに「ごめんねー。さようなら。」 とお別れして(ゴミにして。笑)からは、必要ないと思った場合、
「カードは?」に、「ありません。要りません。」と言えるようになりました。

次はダイレクトメールだー、うん。




『耳から始まる恋愛』

耳から始まる恋4

智くんはまだらぶらぶ。 周囲の状況の微妙な変化に気付きません。






文化祭が終わると後期試験までの間、ゼミやらバイトに励む奴やらで、別の意味で忙しくなる。
俺もご多分にもれず時間に追われる毎日。癒しはもちろん優奈ちゃんだ。

「クリスマスは平日だけど、会いに行くくらいはできそう。」
「智、顔が崩れてる。」
学食でスマホを取り出し、カレンダーを眺めながら予定を確かめていると内海が呆れた声を出す。
「いーじゃんか。あ、なぁ内海、聞いていい?女の子に初めてプレゼントするのって何がいいんだろ?」
「・・・知らん。」
「え、何で?おまえ付き合ってる彼女に買ってやってるんじゃなかったっけ?」
「あいつらは『わー、これいいなぁ。私好き。』だとか『あ、これ、私の気に入ってるシリーズなんだ。』とかデートの時にアピってくるんだよ。そんなの買って渡すだけだ。」
「夢が無いなあ」
「おまえの方は?言ってこないのか?」
「優奈ちゃんはそんなこと言いませーん。だから悩むんじゃないか。」
「そうか、頑張れよ。」
ぷいと席を立って行ってしまう内海。
「変な奴。」


夜、部屋で待っていると着信音が鳴る。 来た。急いでスマホを取って、
― もしもしっ。」
― そんなに焦らなくても。どうしたの?相談って」
和叔父さんが電話の向こうで笑ってる。

内海が行ってしまってから相談相手もいなくて、和叔父さんにSMS。時間を決めて電話
してもらっている。

― あのさ、優奈ちゃんのことなんだけど。」
― ・・僕より友達の方が良いんじゃないかい?年が違いすぎる。」
― したけど、『頑張れよ』って相談にも乗ってくれなくってさぁ。和叔父さんだけなんだ
  よ、頼れるの。」
― ・・・分かった。何の相談?」
― プレゼント。全然分かんなくってさ。値段とかも分からないし・・・」
今度はため息が聞こえた。
― 和叔父さーん、お願い。」
― 十二月二十日くらいに時間が取れる日、あるかい?」
― え、と、、今すぐは分かんない。」
― じゃあ、日にちとか連絡して。一緒に探しに行くから。」
― ほんと?よかったー。ありがと。」
飛びあがらんばかりにして喜ぶ俺のはしゃぐ様子が伝わったのか。和叔父さん、
― あんまりはしゃぐと、部屋が揺れるよ。」
笑いを滲ませながらそう言った。




『プリズム』

『プリズム』16*悩みは、いろいろー7

今日もRです。年齢に達しないかた、苦手な方はスル―してください。大丈夫な方、スクロールしてどうぞ。
新井くん、ちょっと横道に逸れました(笑)。


































ひろさんがふと動きを止め、息を吐いた。そのままじっとしてる。
「ひろさん?」
そっと片方の腕に手を伸ばして動かすと素直に動く。白い腕の内側が指先にしっとりと吸いついて、何だか美味しそうなチーズみたいで、ハク、と口に入れて舐めてみた。
「ぁ・・んっ。た・崇っ」
躰がびくんと撥ねて、耳のすぐそばで声がする。
「だって、美味しそうだったから」
「・・俺は、はんぺんじゃない」

はんぺん?

ひろさんのセリフに、脳内に、座布団並みの、さらにフライパンで焼き目をつけた特大はんぺんがドンと落ちてきて、思わず吹き出す。

「・・っ、笑うな」
「ごめん・・・。はんぺんよりチーズだと思ったんだ、俺。
けど、もしひろさんが布団みたいなはんぺんでも、誰にも分けないで全部食べるから安心して。」
「・・おまえは」
くくっと笑って顔を見せてくれる。目が合うと、唇を綻ばせて微笑い、俺の首に両腕をかけて引き寄せ、キスしてくれた。
「今だけだからな。」
「うん。」

邪魔な服を全部脱いで、ひろさんの下も・・、脱ぐのを手伝う。
少し静かになったけどしっかり起きてる雄を隠したいのか、ひろさんはもぞもぞ横を向こうとしたから、
「だめ。今はいいって言ったんだからこっち向いてよ。手伝うし」
「あっ、やめっ、放・・、んァ」
そうはさせない、と押さえようとしたひろさんより先に、浮いた腰からズボンと下着を一緒くたに引き下ろす。

薄い桜色をした肌があらわれ、濡れて脚の合わせめに貼りついたアンダーヘアとそこを濡らしている雄が解放されて揺れた。

「ひろさん、これ、やらしい。」
つう、と指で撫で下ろす。
「さわ、るな・・ぁ」
膝上で止まってる服のせいで身動きとれないひろさんが顔を赤くして逃げようとする。
無理なんだけど。
「ひろさん、足動かすと、脱げないよ。じっとしてて。」
むっとして黙ったひろさんに、自分の顔を見られないよう俯く。
子供みたいな態度に顔がにやけてるのが分かるんだ。見られたらきっと何か文句言う。
でも・・、脱がすのって、いいかも。
「さっさとしろ」
はーい。

改めて、肌を合わせて最初から。
体重をかけないようにひろさんの上に乗り、キスして、ゆっくりおりていく。
鎖骨を舌でなぞり、人から見られない所を強く吸う。
「ぁ・・、崇・・」
「ここなら、いいよね?」
反対にもつけて胸元へ。待っていたのか、もう立ち上がってる小さな粒へ息をかけ。
喉を反らして反応し、持ち上がったそこを唇で挟んで、きゅ、と噛んで。
「あ・・ぁっ!・・はっぁ・・、んぅっ」
もう片方は手の平で擦り回す。
「ゃだ、たかし・・、そっれ・・は、っ」
(もっと。もっと感じてよ、ひろさん。そして見せて。俺だけに)

『プリズム』

『プリズム』16*悩みは、いろいろー8

さて、まだ続いてます。と言うか、これから本番?もちろんR(多分R18)なので、年齢に達しないかた、苦手な方はスル―してください。大丈夫ん方、スクロ-ルして、どうぞ。




































俺とシている時、ひろさんの‘やだ’は、嫌いのいや、じゃない。感じてしまって、どうしていいのか判らなくて言ってしまうらしい。
それが理解できてから、何度でも聞きたくなった。

「ひろさん、どこが嫌?これ?」
「ぁ・・んっ。ゃ・・あっ」
胸を弄るのをやめた手で脇腹を滑るように撫で、一番弱い腰骨のあたりへ潜らせる。
音を立てて息を吸い、体を跳ねさせるひろさん。雄同士が強く押しつけられ、
「ぅあ・・っ」
その刺激に俺も声が出て、先端から溢れるのが分かった。
「あ・・ぁっ」
ひろさんの声が一段高くなる。その色香に危うく暴発しそうになりぐうっと奥歯を噛む。

「・・たかし・・?」
「ひろさん、どうしてそんなにエロくなる?」
呼びかけられ、上半身を離して手をつき覗き込むと、
「俺に・・分かる訳、ないだ・・、っく」
雄を握られて眉を寄せる。
「でも、もっと知りたい。ひろさんの、イク顔も。」
俺のより透明な液を纏って、硬い、どくどく脈打ってる雄を包み、手を上下に動かす。ニチャにちゃと動きに合わせて粘る水音が俺たちをまた興奮させて、ひろさんは一気に駆け上る。

「や・やぁっ、た・・・しっ、あ・・だ、め、んっ。・・ぁ、も・・・」
「すご・・。また、硬くなっておおき・・・」
「聞・・かせ・・・な、って、い・・・ひぅっっ!」
先端の鈴口を親指でくるくるやると、限界が来たのか背中と顎を反らし快感を解き放った。

手に受け止めきれなかった分が胸や腹に飛ぶ。
達して、肩で息をするひろさんの脚を大きくひらいて体を入れ、
「ひろさん、今度は俺ので感じて?」
尻の狭間に手の中の白い体液をこすりつけた。そのまま押し広げるように指を、入れる。
ぎゅっと締まった入口がすぐ緩まり、ゆっくり受け入れて、呑み込んでいく。
「・・熱くなってる」
「・・、い、ちいち、言うな・・・」

そんなこと言わないでよ、と言う代わりに、入れた指をグルと回した。

『プリズム』

『プリズム』16*悩みは、いろいろ-9

今日でやっと合体。 Rなので年齢に達しないかた、苦手な方はスル―してください。大丈夫な方、スクロールして、どうぞ。






















「や!・・・ぁあっ、・・っぁ、ふあ、」
抜き差しし、覚えた小さなしこりのある場所を押し回すと、びく、びく、と反応する。何度目かに指を増やし中で別々に動かせば、
「たか・・っ、ぃ、んぁっ、ゃめ・・ぇっ。んぅっ」
「ひろさん、頭、ぶつける」
背中を反らしてにじり上がる。そのすぐそばにソファがあって、頭がぶつかりそうになった。
指を抜き、両手で腰を掴んで引き戻す。
「あぁ、ん・・ッ」
髪を乱してラグに爪を立て、乱れるひろさんが視覚から腰を直撃する。

も・・、限界。

本当はもう少し柔らかくなってから、の方がいいって分かってるんだけどもう駄目だ。
「ひろさんゴメンっ」
膝裏を押し上げ秘部を上向きにして、自分の、張り詰め切った雄を握って固定し腰ごと押し込んだ。
「――・・・っ、」
指二本は受け入れたそこがいきなり拡げられ、ひろさんが息を吸って強張る。は、はっ、と声もなく喘ぎながら体の力を抜こうとしてくれる、表情に一瞬、目が釘づけになった。
(なんて・・顔)
「はぅ・・んんっ!」
「・・くっ・・う」
抜意識に腰を入れたようだった。
一番張った部分が狭門を突きぬけ、ズルル・・、と根元まで埋まっていく。
「・・ぁぁ、ぁあ・・、あ・・っ・・」
「・・・った・・。ひろさん・・、全部、入った、よ・・」
密着した場所をさらに押し付けると身震いした。
「・・痛かっ、た・・・?」
勢いがついてやってしまったけど、ひろさんが痛いんなら止めようと思って小さな声で聞く。
ゆっくり腕が伸びて俺の背中を押した。逆らわず体を前に倒し顔を近付ける。
「痛い。・・・だから、少しの、間、・・う・ごくな」
「うん・・」
俺の肉棒を押し込まれたひろさんの内側もぎっちり固くくっついて何もできない。

胸を合わせて、しばらくじっとしていると、ほう、とため息が聞こえた。その息が耳を擽って首が縮む。
くす、と笑われた。

(あ・・)
ひろさんの中が柔らかくなる。
「・・動いても、いい?」
「ああ」


『プリズム』

『プリズム』16*悩みは、いろいろ-10

本棚の前の合体は、どうやら佳境です(笑)。R18、続いていますので、年齢に達しないかた、苦手な方はスル―してください。大丈夫な方、スクロールして、どうぞ。
























そろそろと腰を引いて、ゆっくり入れる。
「ん・・っ」
「ひろ、さん?」
身じろぎに止まった俺に、背中を撫でて‘大丈夫’と伝えてくれた。ホッとして、さっきより大きく。小刻みに揺らしてリズムを変えて。絡みついてくる内壁を擦りあげる。

「ぁ・・た、かし・・っ。・・は、ぁ・・。んっぁ」
声がまた艶めいてきて、腹に擦れるひろさんの雄も勃ち始めてる感触。
ひろさんが、感じてる。

今、どんな顔をしてるんだろう?

覗きたいけど耳元で聞こえる声と息遣いがすごく良くて。
「あぁあ・・っ、やあっ、そ、擦・・、ひァッ!」
カリで狙ってあのポイントを引っかける。揺さぶられて、背中から落ちそうなひろさんの手が、爪を立ててきた。キリッと走る痛みにうれしくなる。
「ひろさん・・・、イイ?・・」
「・・ぃ、い・・んっ、たか・・ぁ・はぁっ・・」
横目に見えた反らした首の、喉仏が動く。ぞくりとして誘われるように唇をつけた。
「・・っ」
キュウ、と雄の根元が締めつけられ、動けなくなる。いきなりだったから危うく達きそうになって奥歯を噛んだ。
「・・た・・し、痕、つけ・・・」
気付いたひろさんが喘ぎながら、痕をつけるなと怒る。
「分かってる」
こんなとこ、バンドエイド貼ったら何言われるか。 だからそこはペロリと舐めて終わりにして、人から見られない所へ紅い痣をつける。
「あっ・・、崇っ。」
「ここは、大丈夫、・・・だよね?」
「そ・・で、も、・・っ」
体をよじらせて逃げようとしたから、ぐいっと奥を突く。
「んあぁっ」
「逃げないで、もっと俺のこと・・っ、感じて、、よっ」
「あ、ぁあっ、・・っく、は・、い・・」
半身を起して腰を捕まえ、結合部から音が立つほど何度もストロークする。
「ゃ、あ、・・し、たか・・しっ、も・・もぅ」
見おろす顔がいやいやと横に振られ、眉を寄せて耐えている。閉じる事を忘れた唇の間から舌がのぞき、頬も染まって。

それ以上に、俺の突き入れに合わせて揺れる、濡れた雄がヒワイで、腰を動かしたまま手を伸ばした。

「やぁんんっ!」
握られ、全身を突っ張らせて高く啼くひろさんに自分の雄がぐん、と容積を増すのを自覚する。
「ひろさ・・、イク?俺も、限界・・」
扱くスピードを腰に合わせていた手をぐっと根元までおろし力を入れ、ほぼ同時に奥深くへと腰を入れる。
「く・・・、も、ィ・・っ、あ・あ・・たかしっ、ぁ、くぅっッ――!」
「ひろ・さ・・んうっ!」
俺はひろさんの中に、ひろさんは俺の手に、熱い体液を迸らせていた。


荒い呼吸を繰り返しながら、周囲が薄暗くなっていることに気付く。

精を吐き出し、またキスをしてひろさんを抱きしめた。でも、俺の全体重をひろさんにかける事は出来ないから、残念だけど腰を引いて離れ、すぐ横に寝転がっていた。

「何でそんなもの使うんだ」
って怒られたのは、俺のシャツで、体の汗やなんかを拭いたから。
「・・体、べとべとで気持ち悪かったし。」
「そういう問題じゃない。」
さらに赤くなったのは、ぷい、と背中を向けたひろさんの内腿に、溢れて筋になった白いのを見つけた俺がシャツで押さえた時だった。
「・・たかしっ」
「ごめんなさい・・っ」

雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その43

行ってきました    ・・ライブへ。

イル・ディーヴォ、という男性4人のグル^プ。とあるTV番組で特集をやっていたのを見たんです。
番組名も覚えてませんが、彼らは強烈な印象でした。 そして、いつかコンサートに行ってみたいと思ったんです。

まあ、夢として。



そうしたら。。来たんです、地元に! 新聞広告やラジオで見聞きして、これはもう行くしかない!! と。

勢いで申し込むのってオソロシイですね。S席、とっちゃいました~。


当日は家族に少々張り込んだお弁当用意して、車でビューン。 なにしろ16時開場、17時開演です。も、焦って。
結局遅刻で会場入り。
でも。

身動きもせずにただ歌を聞く、経験出来ました。
声が複雑に絡み合って、波打って届く。甘く豊かで、優しい力強さで、私を包んで通り過ぎる。


CDでは絶対伝わらないものを体感。 良かった・・・・(ため息)。
帰り道は余韻に浸りながら購入したCD聞きながら帰りましたケド(苦笑)。

残念だったのは、アンコールを聞けなかった事。あの、’花は咲く’の英語バージョンしたんじゃないかと思うんですよねぇ。


『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』*頼みごとー5

最後に智くんが頼るのはやっぱり・・・。



「ごめん、和・叔父さん・・、待った?」
「走って来なくてもいいのに。」

待ち合わせたのは祝日の夕方。俺は夏休みから始めた仕分けのバイトで貯めたお金をおろしてきた。
和叔父さんは仕事帰り。社会人になるとこんな日も仕事なんだと改めて思う。

「も、最悪。キャッシュコーナーで前の前の人がもたもたしててさ・・」
「智くん。」
「あ?・・うん」
「他の人のせいにしているように聞こえる。よくないよ。」
「・・はい。」
確かにそうだ、としぼむと、
「じゃ、行こうか。」
ぽんと肩を叩かれる。和叔父さん、やっぱり大人だ。

僕もあまり詳しくないけど、と言う和叔父さんと一緒に、初めて女性の品物のあるコーナーへ足を踏み入れる。
「どんなものがいいんだい?」
「・・・わかんない。」
「その・・、ゆうな・ちゃん、の、好みは?」
「好み・・・」
「智くん・・。」
途方に暮れる俺に和叔父さんもため息をつく。
「ちょっと、そこで休憩しようか。」
自販機のある休憩コーナーで座って、缶を開けた。

「智、ちょっと練習しようか?」
飲み終えて、へこんだ気分が浮上する。そんな俺の顔を見ていた和叔父さんが言う。
「練習?」
「そう。智にも何かクリスマスプレゼントをあげたいから、それで。」
それで? 何が言いたいんだろう和叔父さん。
「確か紳士服は上の階だったね。行こうか。」
意味が呑み込めない俺に笑って立ち上がる。
「待ってよ、和叔父さん。」

「・・・ネクタイ・・」
男物のフロアで和叔父さんが足を止めたのは、ズラッとネクタイが並ぶ一角。
「うん。智もそろそろ必要だろう?スーツやワイシャツは体型に合わせないといけないから時間もかかるしね。一番選びやすいんだ。
それで、何色が好きなんだい?」
「あ・・、緑」
和叔父さん、ちょっと目を瞠った。
「僕も好きな色だ。」
ふっと笑う。

そっか、和叔父さん、俺と好みが似てるんだ。

『プリズム』

『プリズム』16*悩みは、いろいろ-11

さて、べたべたになった体はもちろん、きれいにしないといけません。 で、ゆるーくRになります。
微妙ですが年齢に達しない方(R15?)、苦手な方はスル―してください。大丈夫な方、スクロールして、どうぞ。

















「・・・あのさ、ひろさん」
怒っている背中に呼びかける。
「なんだ」
「・・・・シャワー、浴びよう?」
「・・。おまえが先に浴びて来い。」

そうだね、ひろさん後からの方がいいんだっけ。
「うん、そうする。」

どうせだからと湯船にお湯を落とし、溜めながらシャワーを浴びる。
体を洗い終わって一度入るが、まだ膝の上あたり。多分、浴槽に浸かっても肩が出てしまうだろう。
「もうちょっとだなー。」
呟いて立ち上がる。すると、
「崇、何やって・・・」
風呂場の引き戸を開けたひろさんとご対面。
お互いマッパだし、今まで抱き合っていたのにひろさんは見る間に赤くなって、
「まさか、湯あたりしたんじゃないか・・と思っただけだ。別に、覗きたいとかじゃ、無いからなっ」
着替え持ってきただけだ。背中を向けながら言うのがたまらない。
バシャッと音を立てて浴槽を跨いで、引き戸を閉めようとしたひろさんの腕を取って、
「一緒に、入ろ。」
「・・いい」
「ひろさんだって早く体洗いたいだろ?」
「おまえが、すぐに出れば済む・・っ、」
「そんなこと言わないで、さ」
じり、じり、と後ずさり、横向きのひろさんと浴室へ逆戻りする。
「あ、お湯」
連れ込むことに集中してるうちにあふれそうになってた。

湯を何度もかける音がする。
ひろさんが俺を湯船に追いやって、頭と全身を洗う音だ。
男二人が洗い場に、は流石に無理があるので大人しく、足だけ浸かっている。まだお湯が多すぎて中に入れないんだ。
「それで?おまえはもう洗い終わったのか?」
「頭がまだ」
問いかけに、背中に答える。ここまできてもむこうをむいているんだ、ひろさん。
「しょうがないな・・。交替だ。」
やっとこっちを向いてくれる。
「うん」
ただいるだけなら何とかなるので、湯船を出て洗い場に立つ。すぐにひろさんが中へ。
「流してやるから。」
「ありがと」

・・あれ、こんな事前にも。。  そうだ、事故の当日。
あの時は全部してもらって、それから。

デジャヴの感覚に思い出して雄がくん、と反応する。頭の泡を流していくお湯に体がジンジンしてくる。
「もう一回流せば終わるから。」
ひろさんの声にほぼ完勃ちになった。ひろさんは・・・怒らないかな?

『プリズム』

『プリズム』16*悩みは、いろいろ-12

お風呂場では、我慢しないといけない事が多すぎます。ね?
引き続きRなので、年齢に達しない方、苦手な方はご遠慮ください。 大丈夫な方はスクロールしてどうぞ。

























「・・・ねえ、ひろさん・・」
「んー?」
「覚えて・・・」
ザーッと湯が頭を濡らす。顔の方まで来て顎の先から落ちていくから、目は開けられないし喋れない。
「あとは自分で出来るな?俺は少し浸かってからあがる」
お湯の入った洗面器が足元に置かれ、ひろさんが湯船に体を沈めていく気配がする。
急いで顔の泡を落として立ち上がり、
「ひろさん、覚えてる?俺が・・・っっぷ」
「・・・(い)きなり、そんなもの見せるな」
捻挫した日の事を言おうとしたら、ばしゃっとお湯をかけられた。

「酷いよひろさん、目にも入った・・」
顔を両手で拭いながら見おろすと、
「ひどいのはどっちだ。」
赤い顔で湯船の奥で言い返す。
「俺、ひどいことなんか」
「じゃあそれを、顔の前に突き出すのはひどくないのか?」
指さされ、下を向く。立派に起き上がってて準備万端の俺のが。・・えーと。
「ひどくはない、と、思うけど・・。ごめん。でも、捻挫して、ひろさんと風呂に入った時のこと思い出して」
「あれは。。思い出さなくても、いい・・」
「思い出さないから、触って。」
身を乗り出してひろさんの手首を掴んで引き寄せ、触れさせる。

「・・・っ」
ひろさんの指が硬く熱い雄に触れる。ひろさんと俺が、ほぼ同時に息を吐いた。
「たかし・・・」
ひろさんの声が掠れて、手の中に収まった俺の分身が膨張する。ゆっくり、手が動いた。
「ぅ・・」
それだけで絶頂感が押し寄せてくる。
「声・・、出すなよ。音が、響くんだから・・・」
(そんな・・、言われたって・・・)
「う・あ・・。ひ、ろさ」
「だめだ」
「・・って、でっ」
ザ・・ッとひろさんが立ちあがる。

「んああっ・・、ひろ・・んっむ」
雄を握っていない手が俺の後頭部に回され、唇が押しあてられ塞がれる。
胸と腹がくっつき、支えを求めて俺もひろさんの腰に手を回す。
「・・ん・・むっぅ・・」
腰骨の弱い所に、手が当たったらしい。ひろさんが身震いして、ひろさんの雄が俺の腿と腹に揺れて当たる。

(ひろさんも興奮してる・・・)

二人で腰を揺らし合い口を塞ぐように、息継ぎをしながら何度もキスをして昂ぶっていく。
そして。

「んん・・ん――っッ」
「・・・ん・は――ぁッ」
支え合いながら達して、二人分の白濁が腹の間から迸り、溢れだした。

『プリズム』

『プリズム』16*悩みは、いろいろ-13

流石に一晩でスリ―マッチはできなかったようです。 翌日が日曜でよかったですね。  え?残念?




ひろさんの機嫌が悪い。

風呂場で盛ってしまって、お湯を全部抜かなければならなくなったのが原因。
ひろさんだって俺と一緒に出したんだけどな。

「こっちへ来るな。」
「ひろさんーー」
一緒のベッドに入ろうとしたら軽くだけど、蹴られる。
「そんなこと言わないでさー、入れてよ。」
「布団があるだろ。」
確かに布団は敷いてあるけど、横に寝たいんだ。
「電気消す。」
「あ」
ベッドを下りたひろさんが豆電球を消してしまって部屋の中が暗くなる。うっかり動くと足とか踏んでしまいそうでじっとしてたら、ベッドが小さく軋んだ。
「おやすみ。」

えー・・・。

布団に胡坐をかいて座って悩むうち、寝息が聞こえてきた。
そーーっと入れば大丈夫かな・・。

決行。

ひろさんの髪から杏の匂いがかすかにして、じわっと感じるものがある。
「好きだよ・・、ひろさん。 おやすみなさい。」



翌朝、体の一部が変な動き方をした気がして、意識が半分くらい目覚める。
「ん・・、んん~・・、」
「崇、腕が重いからどけろ。」
は?
次に、腕がグイッと押しのけられ、すぐそばで、声。
「な、なにっ?・・・っわ」
「動くなよ。動いたら踏むからな」
寝ぼけまなこで見上げる先に、寝癖がついた頭のひろさん。
「おはよ・・」
咄嗟に出た言葉に目を丸くして吹き出しそうな顔で、
「お早う。いつ潜り込んだ?」
言って立ち上がり、俺を乗り越える。
「ちゃんと目が覚めたら聞かせてもらうからな。」

久しぶりに見た、うっすらひげが伸びていた朝の顔。男の色気、みたいなのがあって、ドキッとした。


日曜はのんびりする日だ。
だから、服が乾くまでベッドでごろごろ・・させてもらった。
ひろさんの匂いのするベッドは居心地良すぎて、離れたくなくなる。

『プリズム』

『プリズム』16*悩みは、いろいろ-14

苑田の部屋に、新井くんの痕跡?が増えます。




午前中に自分の服を着て、ひろさんと近くのスーパーへ出掛ける。

「これは?ひ・・範裕さん」
「おまえにはこっちが似合うと思うけど。」
「そぅかなあ」
範裕さんの選んだ物と俺が手に取ったのを持って試着室へ。
「・・・いいかも。」
自分が着たことの無い襟付きのシャツだったけど、着心地も良くて、少しだけイケメンに見える。カーテンの外から、
「どうだった?」
範裕さんに聞かれ、
「どう?」
見てもらう。
「うん、いいんじゃないか。」

そうたくさんは要らないだろうと一揃いだけ買って、遅めの昼食を食べて別れる。服は、範裕さんに持って帰ってもらう。
俺の私物が範裕さんの部屋に置かれる。もっと増えれば、また行く事が出来る。そう思った。

(俺の部屋に、ひろさんの物も置いて欲しい・・。)


翌週はいつもと変わらない仕事。
次の日曜が来た時、ひろさんに電話した。

― もしもし。ひろさん、今、大丈夫?」
― ああ。何だ?」
― ひろさんて、ベッドと布団、どっちが寝やすい?」
― 特にどっちが、て事は無いけど。」
― ・・それならいいんだ。ありがと。」

「どっちでもいい、か。でも、買うなら寝やすいほうがいいもんなあ。かと言って他に・・。」
あ、和美さん。
「えーと、確かひろさんの自宅、聞いていた・・、あった。」

ひろさんの自宅も、固定電話がある。そこへかけたら多分出るのは和美さん。

― もしもし。」
― はい、苑田です。どなた?」
当たりだ。
― あの、俺、新井です。」
― あら。どうしたの?」
― ちょっと、和美さん、に、聞きたい事があって・・」
― なあに?」
― 出来たら、範裕さんに内緒で」
電話の向こうでくすくす笑う。
― いいわよ。そうね、来週なら。」
― はい、じゃあ、お邪魔します。」
― はい、お待ちしてます。」

よかった。和美さんなら多分知ってる、よな。

『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』*頼みごとー6

和叔父さん、やり方がスマート。



緑色のネクタイは数が少ない。選ぶのは楽だけど、
「うーんん・・」
「気に入らない?」
「・・うん。てか、想像できないから・・」
「じゃあ、こうしようか。」
和叔父さん、自分のネクタイを緩め、シュッと小気味いい音を立てて襟から抜き取る。次に、選んだネクタイの一つを取って結び目のような形を作り、襟元に当てた。
「まず、これ。それから・・・、こっち。どっちがいい?」
「こっち。」
そうやって選んで一つになった。

「はい。」
「ありがと。」
クリスマスラッピングされたネクタイを受け取る。中身が判っていてもうきうきする。
「さて、本題に戻ろうか。」
「あっ、そうそう優奈ちゃんの。ごめんね和叔父さん。」
「いいから。」

エスカレータで一階下に降りながら、
「無難なのは何だと思う?」
「・・・マフラー、かな?」
そんな会話をする。
「そうだね。あとは、店員さんに頼めばいい。」
「店員さん?」
「餅は餅屋、ってことだよ。」


何がいいのかも決められなかったさっきより、あげたい物が決まって足が動く。でもやっぱり赤とかピンクとかの色は慣れなくて居心地が悪い。
「何かお探しですか?」
見て回っていると、店員さんがにこやかな笑顔で近付いてくる。
‘ほら’、と和叔父さんに背中を押され、
「あの・・、クリスマスプレゼント、探してるんです・・けど」
「まあそれは。おいくつぐらいの方ですか?」
「あ、二十才(はたち)です。」

店員さん、一瞬顔が固まったけど、
「お相手の方は、学生さんですか?」
笑いを含んだ声で聞き返してくる。
あ!

「・・高二で、十七才だった、・・です。多分。」
「そうですか。では・・・・このあたりならよろしいかと思います。お決まりになりましたら、またお声をおかけください。」
「ありがとうございます。」
と、和叔父さんがお礼を言って。店員さん、離れていった。


『プリズム』

『プリズム』17*あなたに告げる。

女の感は、鋭い、のです。




「こんにちはー。」
「いらっしゃい。」
半袖だと風が涼しいけど、陽射しはまだ夏の名残りだ。出迎えてくれた和美さんは、七分袖の服を着ていた。
「こっちでのいいかしら?」
そう言って通されたのはキッチン。俺の相談もちょっとした事だから十分だ。

「あの。範裕さんとか、お父さんとか、は?」
もし範裕さんがいたら聞きにくいから、和美さんと外へでないといけないか、と思っていたから、家の中が静かなのにホッとして、でも確認する。
「ああ、お彼岸も近いでしょ?二人でお墓参りに行ってるわ。居た方がいいなら、そうねえ・・・」
「いえ、それならいい・・、っていうか、その方がいいんです。範裕さんに内緒のことなんで。」
掛け時計を見上げた和美さんに返事すると、
「なあに?サプライズするの?」
面白そうな顔をして麦茶を出し、俺の前に座った。
「そんな大したことじゃないんですけど。
範裕さんて、ベッドと布団、どっちがよく寝られるか、和美さん、知ってますか?」
「布団かベッド?」
「はい。以前(まえ)俺の部屋に泊まってもらった時、何にもなくて。だから今度来てもらったら、その時にはちゃんと寝てもらえるように・・・」
「崇さん。範裕さん、あなたの所に泊まったこと、あるの?」
話の途中、和美さんが驚いたように聞く。
「はい。・・二回くらい。」
「そう・・。」
何度か瞬きして、
「そうなの。びっくりしたわ。範裕さんが知り合いの人の所に泊まるなんて、久しぶりに聞いたから。」
「そうなんですか?」
「ええ。でも良かった、そんなお友達が出来て。」
ズキン、と胸が痛んだ。
俺とひろさんは、先輩後輩とか、友だちとかじゃない。
でも、他人には言えない・・、関係だ。それが和美さんならなおさら。

「あ、言わないから心配しないで。範裕さん、あれで結構恥ずかしがりなの。だから、崇さんも内緒よ?」
「・・わかりました・・」


「ねえ、崇さん。相談したいことって、それだけ?」
「は?」
「まだ何か、あるんじゃないの?」

ぎくっ。 とした。
「お・れは別に。。ただ、それだけ、聞きたくて」
「範裕さんがいるかどうか、気にしてたわね。居たら話せない事なんでしょう?」
「それ、は」
「・・・恋愛ごと、とか?」

心臓が止まるかと、思った。 和美さん、なんで・・?


「何でわかったんだろう? うふふ、分かるわよ。崇さんて、顔に出るもの。」

冷や汗が出てくる。このまま聞かれたら、ひろさんとのことが、ばれてしまいそうだ。

『プリズム』

『プリズム』17*あなたに告げる。-2

質問に応えているうちに。



気持ちを落ち着かせようと、出してもらった麦茶を飲む。
「でもねえ、範裕さんに恋の相談するのは無理かもしれないわ。範裕さんは・・、そういう事に不慣れだから。」
それで、どんな人なの、崇さんの彼女は。
和美さんは、俺の相手が女の人だと疑ってさえいない。
「あのー」
「幾つぐらい離れてるの?」
「それは・・、5つ・・・」
「会話に苦労したりとか、無いの?」
「無い、です。」
「それはいいわね。同じ会社の人?」
聞かれて目が泳ぐ。
「大丈夫。範裕さんには言わないから。営業先で見つけたの?」
「・・はい」
身を乗り出す和美さんにつられて、答えてしまった。
「いいなあ。私は違う出会いだったのよ。それで、どんな女性(ひと)?」
「・・仕事に、厳しい人です。でも、優しい人です。俺の事ちゃんと見てくれて、仕事のやり方を教えてもらってます。」

これは本当だ。

「そんな素敵な人ならちゃんと捕まえないと。他の人に取られちゃうわよ。」
「取られたりなんかしません」
からかうような口調にきっぱり返したら、目を丸くして俺を見る。
「・・・男の子ね~、言い方が。うん、崇さんがその気持ちならきっと相手の人もおんなじよ。」
「ほんとですか?」
勢い込んでしまう。ひろさんの答えはまだ、「嫌いじゃない」・・だけだから。
「崇さん?」
「あ・・。すいません。まだ、返事もらってなくて・・・」
まあ、と手で口を押さえる和美さん。
「どうして?もし私だったらすぐにイエスって答えるけど。
相手の人、何が嫌なのかしら?」
「嫌、って言うんじゃなくて、答えられないって言うか・・・」
「バツイチ?」
「いいえ」
「外国の人とか」
「日本人です。」
「あちらのお母さんが厳しい?」
「それは・・、無いと思いますけど。」
だって、目の前にいる和美さん、優しそうだ。
「納豆が苦手。」
「・・食べてるの見たこと、あります。」
「うーん、あとは・・」

考え込むのを見てると、訂正できなくなってる。
「・・分かった!犬が嫌い」
「残念です。手の平舐められて笑ってました。」
あの、波枝部長の飼っている犬が、ひろさんに尻尾振って懐いてた。
「そうなの?・・・そう言えば範裕さんもよく犬に懐かれていたわね」
「範裕さんが?」
「ええ。静代・・、あ、範裕さんのお母さん、犬が苦手で飼えなかったけど、代わりにご近所の犬を可愛がってよく遊んでいたわ。」
「そうですか・・・。範裕さん、犬にも好かれるんだ・・。」
想像すると和むけど、たまに俺にやるみたいに犬の頭を撫でていたのか、と思うと、何となく癪にさわる。

「・・・、崇さん。ちゃんと答えて欲しいんだけど。」
「え?・・は、はい。」
和美さんが低い声で聞いた。
目を合わせると、じっと見つめられて視線が痛い。

「もしかして、あなたの好きな人・・・、範裕さん?」

ギクリ。
体が、動かせなくなった。

『プリズム』

『プリズム』17*あなたに告げる。-3

心配な和美さん、新井くんに投げかけます。




和美さんは、俺の態度で知ったみたいだ。そして・・、返事を待ってる。
ぶるっと震えが走った。

俺の答は決まっている。ただ、そのあとどうなるかは、予想もつかない。

背筋を伸ばした。和美さんも真剣な顔で俺を見る。
「はい。俺、範裕さんが好きです。一生、一緒にいたいと思ってます。俺に、ひろさん・・・ください。お願いします。」

怒られるだろうと思った。
ひろさんのお兄さんの事を考えれば、ひろさんまで男と付き合う事になったら、お父さんも、目の前の和美さんも、悲しむ。
罵倒されるかもしれない。呆れられるかもしれない。でも、ダメなんだ。
ひろさんが、欲しい。

頭を下げながら色んな事を考えてると、ため息が聞こえた。

「崇さん、顔をあげて。」

言われて頭をあげ、和美さんを見る。
「隆裕さんのことは、知ってる?」
言葉が、矢のように飛んできた。
「はい。ひ・・範裕さんから聞きました。」
「範裕さんしかこの家を継ぐ人がいない事、浩司さんが、範裕さんが結婚して家族が増える事を心待ちにしていることは?」
「それは」
「確かあなたも一人っ子よね?ご両親は納得してくださったの?」
胸がズキリと痛んだ。

父さんには、話してさえいない。

「範裕さんだって、見合い・・・」
「やめてください!・・・・お願いです、せめて・・、せめて俺がひろさんに返事もらってからに、してください・・・」
和美さんの言葉に椅子を蹴って立ち上がっていた。
「範裕さんは、あなたに何も言ってないんでしょう?」
「・・・『嫌いじゃない』『すきだ』って、言って、くれました。」
「それは崇さんが告白したことへの返事じゃない。」
ぐっっ、と詰まる。返事はもらえたの、と重ねて聞かれ、
「・・・・もらってませ・・ん・・」
唇を噛んで答える。
「それなのに、『ひろさんをください』・・か・・・」

それなのに。
和美さんのその一言が耳に居座る。促されてまた座った膝の上に置いた手をぎゅっと握った。

「範裕さんは、一生答えをくれないかもしれないのよ?それでも待つの?」
「はい。」
「結婚しても?」
「返事・・、もらえるまで、諦められないんです、俺・・・・」
「・・・・厄介ね・・」
和美さん、ふぅ、と息を吐き出す。

厄介。・・どんなに想っても、男の俺では駄目なんだろうか。確かに、世の中では普通じゃないことだ・・な。

「崇さん?」
目を伏せてしまった俺に、和美さんが声をかける。
「俺、女の人が嫌いとか苦手とかじゃない、です。けど、ひろさんが一番で、考えられないんです、ほかの事。」
もしひろさんか俺が女だったら、いらない悩み事をしなくて良かった。
普通の、男女が悩むことだけで済んだ。

考えても仕方ないことを、頭を振って追い出す。

カタ、と音がして、和美さんが席を立ち、俺の前にある汗をかいた麦茶のコップを取った。
「ぬるくなってしまったわね。替えてくるわ。」

『プリズム』

『プリズム』17*あなたに告げる。-4

苑田家の悲しい過去を聞かされた新井くん。




戻ってきた和美さん、テーブルを拭いてコップを置き、また前に座る。
「・・・・ねえ、崇さん。
世の中はあなたが思っている以上に優しくないわ。それでもその想い、貫きたい?」

さっきまでと声音が違っている。
「私は隆裕さんが亡くなったあとの事を知ってるの。
こっちの親戚はほとんど事情を知らないけど、向こうのお家へ謝りに行っては罵られて帰って来たわ。静代も、浩司さんも、範裕さんもやつれてしまって、私は見かねて強引にこの家に来た。
心労で静代は亡くなり、浩司さんもこの間まで引き摺っていたのよ。

私はふたりに二度とあんな思いをさせたくないの。
・・・それでも?」

突き付けられた事実の重さと、諦めろと諭されているような声に、決心が崩れそうになる。
中島部長や、ひろさん本人から聞いたより哀しい話、それに、和美さんは本当にひろさんたちを心配している。

「ごめんなさい・・。それでも俺、範裕さんが、好きです。」
「・・ちゃんと振られないと、諦められないのね?」
「はい。」

「しょうがないわね。。ちょっと、待ってなさいね。」
また大きくため息をつくと、和美さんは立ち上がった。

しばらくして戻って来た時、地図帳と、筆記具を持っていた。テーブルに地図帳を広げ、略図にして写し取ると、ある場所に印をつける。
「ここが、浩司さんと範裕さんがお墓参りに行った場所。行って、答をもらっていらっしゃい。そして、取りあえず一緒に帰ってくること。」
驚いて目を合わせると、
「そこまで決心しているなら、結果は見届けないといけないでしょ?」
ほら、ぐずぐずしない。すれ違いにならないようにするのよ。
と急かされ、慌てて麦茶を飲んで家を出た。



「お墓の前で聞いて来い・・って、いう事なのかな・・・」
地図を片手に道を辿る。


和美さんの話は、重かった。
今も胃のあたりに溶けない塊りがあるみたいで、足まで重くなる。

途中迷って、目的地に着いた時には汗が流れていた。
「ここ、か・・。」
ふう、と一息入れて山門をくぐり、三枚目の地図を取り出す。それは、ひろさんの家の、お墓の場所を示したものだ。
お寺を回った裏手に墓地がある。回りかけて、お花や桶*(閼伽桶:あかおけ)、線香なんかが置いてある小屋のような場所が目に入った。
「持っていってもいいのかな?」
立ち止り、覗きに行く。

使い易いようにとそれぞれが丁寧に纏められ、脇にお金の入ったお盆があった。
「幾らくらいおけばいいんだ・・・?」
呟きに、近付いてくる足音が重なる。振り向けば父子(おやこ)がすぐそばに来ていた。

「あの・・」
「はい?」
見知らぬ人物に声をかけられ立ち止まる男性に、手をつないだ子供が父親を見上げ、俺を見る。にこっと笑って、あいさつ。
「こんにちは。」
「こ、こんにちは。」
「お墓参りの方ですか?」
「は、あ、まあ・・そうです。・・・あなたも、ですか?」
「はい。」
「そしたら、ここにあるものって、いくらぐらいかご存知ですか?」
「さあ、それは・・。気持ち、でいいのではないですか。私も適当ですから。」
そう言って、その人は一番大きい硬貨を出してお盆に置き、花と閼伽桶を持つ。
「では、お先に。」
「おさきに。」
会釈して、真似た子供へ笑顔を見せて墓地へ歩いて行った。

俺も同じようにして二つを持ち、お墓を探す。
「あ・・・」
範裕さんが見えた。水がこぼれない程度に早足で近付く。


*閼伽桶(あかおけ)・・・お墓参りなどで使う、持ち手のついた水を入れる桶。柄杓(ひしゃく)付き、です。

雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その44

「あ」の字を主役にすると。


いろんな場面が浮かびます。

「あ」
たとえば、忘れ物を見つけた。 した。
      思いだした。 ひらめいた。
      出会い頭にぶつかりそうになった。
      ふんずけた・・(笑)。             などなど。

 もちろん恋愛の最中にも引っ張りだこ。 文字や記号、の脇役が揃うと、

「あっ」
「ああ・・・ん」
「やあっ」
「んーー、ぁくっ」
「ああ~~ッ!」   ・・・。

意味不明なのになんか通じてしまう。 そして想像してしまうのです。
すごいなあ、たった1文字なのに。


そして、日本の(外国も?)赤ちゃんがよく口にするのも「あ(あー)」。楽しそうに。膨れた顔で。一生懸命に。
見ているこちらが思わず手を出したくなるひと声。



五十音の最初にいるだけのことはあります。 ね。



よく似てるのは、「ため息」さん。こちらも感情をとてもよく伝えてくれる。時には色付きで。
私が好きなため息は、 「はぁ~~・・、(美味しい。)」 です。 うふ。     今なら、焼き芋?




『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』*頼みごとー7

店員さん、この二人をどう見たんでしょうね?親子かな。




決まったのは、無地の、落ち着いたトーンのピンク。
「これなら春くらいまで使えるんじゃないかな。」
って和叔父さんのひと言で決まり。

ただ、そのあと・・・どっきりが。
和叔父さん、ふと気付いたようにもう一枚手に取って、
「智にもこの色は似合いそうだ。」
ふわりと俺の首に巻く。
「ちょ・・、和叔父さん、女物したって・・・・!?」
マフラーをくいっと引っぱられ顔が下がり、頬が触れそうなくらい近付く。でも気付かないで結び目を作って、
「ほら、ちっともおかしくな・・」
「 ! 」
顔を上げるもんだから、弾みで、唇が触れ合って・・。

「智?顔、ぶつからなかった?」
「ん・・・ぅん、へ・・き」
「そう、良かった。」
確かに唇が触れて、重なったあと離れたのに、和叔父さんは平気な顔で俺を心配する。だから俺も、
(今のは、気のせい。 気のせいだ)
と内心のオタオタをなんとか隠して、普通の振りをするけど。

「ありがとうございました。」
会計を済ませてプレゼントを入れた袋を持ち、一階まで下りてきてファストフードの店が目に入った。
(そういやお腹空いた)
「ねえ、和叔父さん。あそこ、寄っていかない?」
「・・・いいけど。」
「あ、嫌なら・・」
「嫌じゃないよ。」
ちょっと眉がよった顔になったけど、来てくれる。

「何にする?」
「なんでもいい。」
「でも・・、あ、メニュー見る?」
「智が決めていいから」
「和叔父さん?」
珍しく迷っている、と思ったら、
『こういうところはあまり来ないから分からないんだ。』
と小声で言われ、目が丸くなった。
「和叔父さん、・・・『やり方、知らないの?』」
きっと見られ、途中から小声にして聞いたら恥ずかしそうで悔しそうで、そっぽを向く。
「・・じゃ、俺、まとめて注文するね。」
「ああ」
席を取っておくから、と先に店の中へ。

意外。慣れてると思ったのに。
(でも和叔父さんのあんな顔・・、かわいい)

『プリズム』

『プリズム』17*あなたに告げる。-5



「良かった・・・、間に合った。」
「崇・・。どうしておまえがここに?」
俺がそばに行くまでひろさんはそこに居てくれたけど、問う声は、‘想定外’だとありあり伝わってくる。
「和美さんが教えてくれて・・・」
「和美さんが?」
「うん、聞きたい事があって連絡して。」
「家に来たのか?崇」
「あ・・、メールとか入れた方が良かった?」
「いや」
だからここに居ろって電話かけてきたのか、と呟く。
「ひろさん」
「何だ」
「俺もお墓参りしたいんだけど。・・やりかたとか、知らないんだ。教えてくれる?」
手に持った花束をみて、黙って横に動いてくれた。それから、ひとつづつ聞きながら花を供え、墓石に水をかけ、しゃがんで目を閉じ手を合わせる。

心の中で
(ひろさん・・、範裕さんのおかあさんとお兄さん。俺、範裕さんが好きです。断られても、多分、一生好きです。今から答えを聞くので、一緒に聞いてください。)
お願いした。


立ち上がり、ひろさんを見る。
「どうした?」
ひろさんもお墓に何か話していたんだろうか、すっきりした顔をしていた。
そう言えばひろさんのお父さんは? 見回したけど、いないみたいだ。
「範裕さん、お父さんは?・・一緒だ、って聞いたけど。」
「和美さんが電話入れてきて、買い物を頼まれて先に帰った。俺は、和美さんが来るような口ぶりだったからここで待っていて・・・、代わりにおまえが来た。」
話があるのか?と聞かれ頷き、一つ息を吸う。
「返事、もらいに来たんだ。」
「ここで?」
想わず俺を見返し、あたりを見回すひろさん。
「ほかの場所じゃ、駄目なのか?」
「・・・ここじゃないと駄目なんだ。  ひろさん。 
和美さんから聞いた話と、俺との事。どっちを先にした方がいい?」
「『和美さんから聞いた話』?」
そう、その話もあるからここで、なんだ。ひろさんに伝えないといけない話。


「おまえのことを・・、先にする。」
しばらく考えていたひろさんが口を開いた。
そうだね。俺たちの事をはっきりさせないと、どこへも進めない。

申し合わせたわけでもないのに、二人して背筋を伸ばす。
「ひろさん・・、範裕さん。俺はあなたが好きだ。
一生、愛していける。・・そう思ってる。だから、教えて。俺はどれだけ範裕さんのそばにいられるのか。
ダメならはっきり言って欲しい。

・・・・頑張って、諦める努力をする、から。」

よかった。最後までいう事が出来て。


範裕さんは、目を逸らさずただ、聞いていた。


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