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『プリズム』

『プリズム』17*あなたに告げる。-6

答えを待つ新井くんに、苑田は・・?
少しだけ、苑田の視点で進みます。~~ から ~~ の間です。




~~ 崇の言葉が、体に沁みていく。
最後の言葉を言う時、一度唇を噛んだ。 そんなに辛いのに言えるのか、おまえは。

「俺には、受け止められない・・・。おまえだって知ってるだろう?俺がしてきた事を。俺が、汚れている事を。
おまえまで汚れる。・・それくらいなら俺は」

おまえを手放す。  と。

言えたらどんなによかったか。だが、崇の視線がそれを止める。真剣な目が、隠せない想いを引きずり出す。

「・・・酷いな、俺に・・選ばせるのか・・?」
苦しくなって、呼吸が荒くなる。
すう、と目の前が暗くなった。 ~~


「ひろさん!」

『俺に、選ばせるのか』
そう言ったあと、ひろさんは苦しそうに顔を歪めた。そして片手で顔を覆い、ふらっと体がかしぐ。
急いで抱き支えた。


震えている。
ひろさんの体の震えが伝わってくる。



ひろさん、俺に答えるの、倒れそうなほど苦しい?
それならもう聞かないから。こうしているだけでもいいから。

しばらくして、ひろさんの体の震えが治まってきた。
ほっとする。
抱いた腕を解こうとして、それがぎゅ、と掴まれる。
「ひろさん?」

「・・・・好きだ・・・」
え・・・?
「おまえと・・、離れたくない。ずっと、傍にいて欲しい・・・。」

範裕さん――――― !

「ひろさん・・。
俺がいるから。ずっと・・・、ずっとそばにいるから。」
「・・崇・・・」
抱き寄せたひろさんの、額が俺の肩に埋まる(うずまる)。
「崇・・、ありがとう」
それは、俺が言いたいよ。それに、今すごくキスしたい気分。で、こっそり周囲を見渡したら。

さっき話をした父子が、お墓参りを終えたらしく歩いてくる。
見られてるみたいなんだけど。
まあ、いいか。


「ひろさん」
そう、と呼びかける。
「ん・・」
急に恥ずかしくなったのか、顔を上げてくれない。
「ねぇ、範裕さん。俺、今すっごくキスしたい。」
な・何を? と言わんばかりに顔をあげたひろさんに、すかさず顎に手を添えて、ちゅ、と軽く唇を重ねる。
「・・・ば・・っ」
抱きしめられているから腰から下は動かせない。その分上半身を大きく離して口に手を当てて、まっ赤になる。

目じり、さがっちゃうなぁ、そんな顔。


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『プリズム』

『プリズム』17*あなたに告げる。-7

「も、もういいだろ。放せ」
うん。

自由になったひろさんは、二・三度肩で息をして気持ちを落ち着かせ、空咳をして甘くなった空気を散らし、
「和美さんの話って・・、何なんだ?」
と聞いてきた。

話したいけど、大丈夫かな?ひろさん。さっきみたいに、また苦しそうになったら・・・。

「崇、もったいつけるな。」
イラッとした声に、
「違うよ。・・・あの、さ。座って話聞いてくれない?」
こう返し、お墓に背を向けて、段がついている縁石のような場所へ腰を下ろした。
「?・・・ああ。」
横並びに座り、顔を向けあう。

「和美さんの話・・、ひろさんのお兄さん、隆裕さんの事、なんだ。」
ひろさんの顔が強張る。
「和美さん、(隆裕さんが)亡くなった日に、電話受け取ったんだって。」

「和美さんが・・・・?」

「もっと早くに話す事ができれば良かったんだけど、ひろさんのお母さんも亡くなったりして、和美さんも立ち直るのに時間がかかって、それで言えなかった・・。そう話してくれた。」

血の気が引いた顔を見ていられなくて前を向く。
「続けても、いい?」
目の隅に、ぎゅっ、と両手を握りしめ、小さく首を縦に振るのが見えた。

「電話の向こうで、

『好きな人ができたんだ。今、その人と海外へ行く話をしてる。日本だと色々迷惑をかけるから、外国で二人で暮らすつもり。
帰ったら父さんたちにも話すけど、最初に和美伯母さんに言いたくて。』

幸せそうに、聞いてる和美さんまで嬉しくなる声だったって。」

地図を作りながら、俺の顔は見ないでぽつりぽつりとひとり言のように、話していた。



~~ 崇の声が聞こえる。何か話し続けているようだったが、頭に入って来ない


海外・・・
二人で暮らす・・・
迷惑がかかるから・・・?

単語がぐるぐる頭の中で回っているだけだ。


隆裕・・・兄さん。
本当なのか?
あの人と、そんな将来の夢を持っていたのか?

幸せになろうと、していた、のか――― 。



「ひろさん、大丈夫? 顔色悪いよ。」
はっ、とすれば、崇が覗き込んでいた。 ~~



やっぱり、だ。
ひろさんの顔色がまた悪くなってる。
来る途中コンビニだってあったのに、俺は何も買わずにここへ来てしまった。
「ひろさん、俺、何か飲む物でも買って来る。ちょっと待ってて。」
「崇」
立ち上がったデニムの腿のあたりを掴まれ、不安そうな顔のひろさんが俺を見上げている。
「すぐ戻るから。」
ひろさんの手を軽く叩いて笑いかけ、そこを離れた。


『プリズム』

『プリズム』17*あなたに告げる。-8

和美さんからの課題、無事終了しました。



早足で歩きながら思う。話さない方が良かったかもしれない、と。
今のひろさんは、罅(ひび)の入ったコップみたいだ。これ以上水をいれたら壊れそうなくらいの。
「・・和美さんは、『大丈夫。範裕さんはちゃんと受け止められるから。』・・って言ってたけど。」
早く戻ろう。コンビニのドアを開けながら呟いた。


~~ 一人になって、崇の言葉をもう一度頭の中で繰り返した。

『好きな人ができたんだ。今、その人と海外へ行く話をしてる。日本だと色々迷惑をかけるから、外国で二人で暮らすつもり。
帰ったら父さんたちにも話すけど・・・・』

そうか・・・。
兄さんは、好きになった男性(ひと)と暮らす夢を描いていた。海の向こうで。
心中じゃなく、本当に事故で死んだんだ。

ゆっくり立ち上がり、墓に向き合う。
側面に彫られた二人の名前の前に回って、手を当てた。
「隆裕兄さん。母さん。 崇の話、聞こえていた?・・・・間違いなく事故だったんだね。
俺たちが誤解したままで、ちゃんと伝えられなくて悲しかった?
 でも、もう分かったから安心していいよ。多分父さんも、和美さんから聞いてるはずだ。 これからは・・・」
涙がこぼれて、言葉に詰まった。

崇が戻ってくるまで、泣いた。 ~~


範裕さんと一緒に、和美さんの待つ家へ帰る。
玄関で靴を脱いでいると、音に気付いたのか範裕さんのお父さんが来た。
「お帰り。・・おや、崇くん。範裕と一緒だったのかい?」
「こんにちは。」
「ただいま、父さん。
崇、一度家に来たらしい。和美さんから伝言を預かって、俺に会いに来た。」
「・・・・そうか。」
お父さんはそれ以上言わず、静かに微笑う。


◇ ◇ ◇

「あーーーっ。」
自分の部屋でベッドに体を投げ出し、大きく伸びをした。
「疲れた・・」
ひろさんの家での夕食を断り、帰ってくる。
やっぱり、居づらかった。
その代わりと言っては何だけど、俺としては普段入らない店で、高めの食事をする。お祝い、だ。すぐに何かが変わる事は無いだろうけど、とにかくうれしい。
「今頃、何話してるのかなあ。」
範裕さんのお兄さんのことも話題になってるのかな。

「あ・・、」
肝心の、寝具の話をし忘れたの、思い出した。
「・・・もう、和美さんには聞けないよな。しかたない、母さんに聞こう。」

― もしもし、母さん?」
― はい。あらどなた?」
― 俺だよ、崇。」
― わかってるけど。この頃詐欺の電話が多いって聞くから。」
― 母さんが相手なら、逆に詐欺の人、改心させちゃうんじゃない?」
― それは無いと思うけど。 ところで何の用?」
クスクス笑ったあとの質問に、
― 布団とベッド、どっちがいいと思う?」
― ・・・・いきなり寝る話?旅館にでも泊まるの?」
― 違うよ。ひ・・範裕さんの事。」
真面目に聞いて、と切り出す。
― 前、範裕さんに泊まってもらった事があるんだけど、俺のとこ、ちゃんとした布団とかないからさ。また泊まってもらう事があったら・・」
― 崇。」
― 何?」
― 範裕さん、おまえの部屋に来た事あるの?」
― うん、酔っぱらった時と怪我した時。だから」
― 何でそんな大事なこと言わないの・・っ。 全くもう~。」
え? 大事なことなのか?

母さん、電話の向こうで何だか唸っていたけど、
― それで?布団かベッド?」
― そう。どっちがいいかな」
― ・・・。折り畳み式のベッドがあるから、それにしなさい。部屋、狭いんでしょ?」
― ああ、そっか。うん、わかった。ありがと。」
― 範裕さんの苦労が判るわ。。次に来る前に準備しておくのよ。」
― はいはい。」
何で怒られたのか理解らなかったけど、決まってよかった。

雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その45

検定

星の数ほどありますね~。漢字検定などの、社会的にメリットがあるものから、ご当地検定、B.B.Q(バーベキュー)検定(?!)なんて言うものまで。

ある事を行うために必要な条件・能力、が要る資格・・とは意味合いが違いますが、試験があって取得するもの、という点では同じでしょうか。


やってみたいなー、とおもうもの。そんなのあるの??って思うもの。


字を書くのは上手くなりたいけど、ボールペンがいいのか、筆ペンが良いのか。教える先生によっても多生の差があるみたい・・。とか。


・・そう言えば車の免許も’検定’があったっけ。 あれは、資格じゃなかったんだ!!

今初めて気がついた。。 

『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』*頼みごとー8



俺が和叔父さんに教えられることがあるなんて、気が付かなかった。
順番待ちしながら口が緩む。和叔父さんの事だから、すぐやり方終えて次は普通の顔で注文するんだろうけど、今は俺に・・頼ってる。
(・・は、おおげさか。)

「お次のお客様、どうぞ。」
「あ、はい。」

トレイを持って和叔父さんを探す。  いた。窓際の席に座ってる。
「おまたせ。」
前に座ると和叔父さん、頷いて、
「何を買ったんだ?」
「これ。和叔父さん、ひとつで足りる?」
「ああ。それで・・智、注文は」
「ん?簡単だよ。メニューがカウンターにも置いてあるから、指させばいいだけだよ。」
「・・トッピングがどうとか言ってたけど」
「いらなかったら断れば?文句なんか言われないって。」
「そうか」
「今度また、一緒に来よ?」
「ああ」
やっと笑ってホットサンドを手に取る。食べてる口に、つい目が行った。

「あのさ・・、和叔父さん」
うん?と首を傾げ、‘ちょっと待って’と食べているのを飲み込んで
「何?」
「さっき・・・」
俺にキス、と聞こうとしたら、着信音。
「あ、ごめん。ちょっと待って。」
和叔父さんのスマホだ。
「もしもし・・・、ああ、倫太郎くんの。どうかしました・・・・ええっ?!」
な、なんだろ。
「はい・・・、はい。それじゃ、怪我は大した事が無かったんですね。・・よかったです。え?車椅子が?分かりました。明日にでも。・・・いえ、大丈夫ですよ。それでは。」
話し終えてポケットにしまい、
「それで、何か聞きたいの?智。」
何でも無かったように続きを促す。
「あ、うん。。・・・それより、聞いてもいい?今の」
怪我、とか車椅子、とか、気になる。『倫太郎くん』も。
和叔父さん、困った顔で迷ったあと、
「誰にも言わない、って約束できる?」
「うん、する。誰にも言わない。」
俺の表情を見て、話してくれる気になったようだ。身を乗り出し、顔を近付けるから、俺も真似して顔を寄せる。

『プリズム』

『プリズム』17*あなたに告げる。-9

・・・新井母、なにか気付いたようです。 息子、自爆。




― あ、それと」
― 何?枕とかなら範裕さんの好みがあるから勝手に決めない方がいいわよ」
― ・・・やっぱいいや。おやすみ。」
― 崇。」
― だから、いいってば」
― 男らしくないわね、はっきり言いなさい。」
― 母さんが喜ぶようなことじゃないし」
― ・・まさか、告白でもしたの?」

ごとっ。  と、携帯が手から落ちる。 ど・どうして、知ってるんだ!?
頭が真っ白になった。

我に返ったのは電話の音だ。
見れば・・、おふくろ。

― ・・・・は、い」
― やっと出た。いきなり切るんだから。
  もう一度聞くわよ。範裕さんに、告白、して来た?」
― ・・うん・・」
― YESの答え、もらったのね?」
― なんで、分かるの?」
― そりゃあね。」
向こう側で、苦笑いしたような間があく。
― 振られたら、ベッドの心配なんかしないでしょ?」
―あ・・」
言われて、顔が熱くなる。

― ・・うん。ひ・・範裕さんに、『ずっと傍にいて欲しい』って言ってもらった。」
― はいはい。・・・・聞くんじゃなかったわ。」
― だから喜ぶような事じゃないって・・・」
― 息子から、惚気を聞くとは思わなかったの。 ま、一応、おめでとう。」
― うん。」
おふくろからそんな言葉を言われると思わなかったから、ぐっときたけど、
― どこでしたの?」
と聞かれて、このままだと洗いざらい言わされそうで‘ありがと。おやすみ’と慌てて言って電話を切った。

水を飲んで気持ちを落ち着かせてからノートPCを立ち上げる。
「折り畳み式のベッド・・・と。出た出た。うわ、たくさんある。えーっと・・・」


◇ ◇ ◇


天気が周期的に変わり、雨が降ったり止んだりの週。
PCで見ただけじゃ判断つかない、寝心地とか大きさを知るために外回りの合間に寝具を見て回る。
「届いてすぐ使える方がいいな・・」
それに、できあがってる物がいい。組み立てるのも手間取りそうだし、大きな音になって迷惑がられるのも嫌だ。

ひろさんとは、あれからも何も変わらない。ただ、目が合うと、ふわりとした笑顔が返ってくる。
疲れたり、へこんだりしてる時、それは俺を元気づけてくれた。



::ひろさん。栗ご飯食べに来ない?」
メールを出して、ドキドキする。

::『食べに来ない』?」
::母・・おふくろから『栗ご飯作るから、範裕さんの都合を聞いて、来てもらえるようなら来てもらいなさい。』って、連絡あったんだ。明日なんだけど」
::都合は悪くないけど、行っていいのか?」
あ、そうか。ひろさん、お見合い話の時帰っちゃって、それきりだった。

::大丈夫。お詫びもしたいし、ひろさんに合わせるって。」
::それならいいが。」
::じゃ、明日(金曜)の夜、一緒に帰ろう?」
::駅で待ち合わせの方がいい。」
::了解。」


『プリズム』

『プリズム』17*あなたに告げる。-10





「いらっしゃい、範裕さん。」
帰って来た俺たちを、特上の笑顔で出迎えた母さん。俺たちの関係を知られてる、と言うのを知っているひろさんはぎごちない笑顔で挨拶する。
「すみません、いつも押しかけて。」
「いいえ。こちらこそお世話かけてばかりで済みません。崇の暴走には遠慮なく叱ってやってください。」
取りようによっては意味深な言葉を言って、さあどうぞ、と・・・、
「母さん?」
「今日はこっちで食べることにしたの。」
台所ではなく、畳の居間に俺たちを連れていく。既に父さんが座って待っていた。
「お、範裕くん。おかえり。崇も。」
父さんまで俺より先にひろさんを見て言う。
「あ・・、はい。」
「ただい・・ま?」
返事しきる前に座卓に目が行って、変な発音になる。

「ああ、これか?範裕くんが来るんだ、と、母さんが張り切ってな。どういう事かわからないんだがこうなった。」
多分、いや、本当に訳が判らないんだろう。 ごめんね、父さん。
教えられない。

「範裕さんと崇はこっち。今、お茶持って来るから。」
うきうきと台所へ向かう母さん。

「なんか・・・すごいですね。」
範裕さんも座りながら感想を述べる。 確かに。
「栗ご飯・・って聞いてただけなんだけど、どーしちゃったの?」
鯛の塩焼き、紅白膾(大根と人参の酢和え)蛤の吸いものにサラダ。

「はいお待たせ。じゃあ冷めないうちにどうぞ。」
それぞれの目の前に置かれた湯のみは二つ。片方には、花が入ってる?
「これ、何?」
「‘さくら茶’と言うんだそうだ。桜の花を塩漬けにして使うらしい。」
どうやら買い物に行かされた父さんが、教えてくれた。
「ふーん。」

揃って‘いただきます’をして、箸をつける。
さくら茶は、ちょっと塩味。

「・・・母さん。そろそろ訳を教えてくれないか。」
食事がほぼ終わった頃、父さんが聞きはじめる。母さん、にこっと笑って、
「嬉しい事があったから、お祝い。それだけよ。」
う・うれしい・・・って。間違い、じゃないけど。母さんは知ってるからいいけど。
問題は、父さんだ。

「お祝い?今日は何かの記念日だったか?」
「今日じゃないけど、範裕さんが崇の面倒を見てくださるのが決まった、お祝いの記念。」
か・あさん。そんな風に言っていいの?
思わずまじまじ見てしまう。けど、母さんは涼しい顔。そろりと横を見ると、範裕さんの頬がうっすら赤くなってる。何も知らない父さん、目を丸くしながら、確認するように聞いた。
「範裕さんが崇の世話を?」
「・・はい。私の方が教えられる事もあると思いますが。出来る限り伸ばしてやりたいです。」
範裕さん、はっきり答えてくれる。心の中でガッツポーズした。
「それはそれは」
父さん、嬉しそうに笑って、
「母さん、お酒。乾杯しよう。」
「はいはい。私も少しいただくわ。」

静かに盛り上がる酒盛りだった。ひろさん、楽しそうにお酒を飲んで、話して、笑う。

ひろさんが俺の傍にいる。父さん、母さんも笑ってる。俺はそれを見て、その雰囲気に酔う。

『プリズム』

『プリズム』17*あなたに告げる。-11

少し苑田視点が入ります。 ~~ から ~~の間です。


 
「崇?」
「んあ~・・、ひろさ・・・っく」
座卓に顔をけて火照りをさましているとひろさんが俺を呼ぶ。声の方を見上げてにへら~、と笑う俺に、
「もう酔ったのか?」
「お父さんより弱いのねー。誰の遺伝子もらったのかしら。」
「部屋まで歩けるか?崇」
「わかんな・・~~」
「動かさない方がよさそう。
範裕さん、ここを片付けて布団持ってきますから、少し手伝ってくださいな。父さんもお願い。」
頭上で三人の会話が続き、
「わかりました。」
「ああ、いいよ。」
立ち上がり、動き出す気配。
「らいりょふ・・、おれ」
「おまえはそこを動くな。それが一番だ。」
「・・ぁいー・・・」
起き上がろうとした俺に、ひろさんがぴしりと言う。そのかけ合いに父さんが笑った。
「これからは、崇に言う事を聞かせるのに、範裕くんを出すのが一番効きそうですね。ご存知かもしれませんが、これ(崇)は、なかなか頑固なところがありましてね。」
「ええ。・・知っています。」

俺が半分以上夢の中にいる横で食器類を片付けながら、男同士の会話が続いていた。
「範裕さん。」
「はい。」
「あなたの目から見ても、崇はまだ子供だと思いますが、気長に付き合ってやってください。
・・・いや、あなたの話をする時、目が輝いているというか、生き生きいしているというか実に嬉しそうでね。
いい人に出会ったんだと分かります。
「・・それほどではありません。それに」
「崇を好きでいてくれるんでしょう? だったら問題ありませんよ。」
「ですが」

~~ 焦った。
崇は、母親には俺たちの間柄を話している(うっかり話してしまったらしい)が、父親に公開しているとは聞いていない。
しかし、今の話し方では、自分が誤解してしまいそうだった。
何も知らない父親は、
「これ(崇)は案外人見知りをするんです。最初から警戒せず近付く相手はめったにいません。それだけあなたが特別なんでしょう。
この先も、宜しくお願いします。」
食器を持ったままとは言え、丁寧に頭を下げて締めくくる。
「・・分かりました。こちらこそ、よろしく、お願いします。」
同じように、ただ頭を下げて答えるしかなかった。 ~~



「・・ん~~・・・っ」
ぱち、と目が開いた。

「・・・ぁ、そっか。」
見あげた天井に違和感を覚えて嫉妬見上げて、居間に寝ている事に気付く。
横には範裕さんが寝ている。

俺が酔って沈没してから、父さんと範裕さんは何か話していたみたいだったけど内容は知らない。
(喉渇いた・・)
音を立てないよう起き上がり、部屋を出る。

「あら、崇。」
「母さん。・・どうしたの?」
「久しぶりにお酒飲んだから、目が冴えちゃって。崇は?」
「ん・・、喉渇いて」
椅子に座ってのんびりした雰囲気の母さんの横を通って、冷蔵庫を開け、氷を取り出す。手に乗せてからコップを取り、氷水を作った。
「・・・はあぁ~~」
「おじさんみたい。」
その仕草を見て母さんが笑う。
「やめてくれよ。まだ二十代なんだから。」
それにもくすくす笑ったあと、じっと俺を見つめてくる。

『プリズム』

『プリズム』17*あなたに告げる。-12



「なに?母さん」
「範裕さん・・、楽しそうだったわね。」
「うん・・。」
「ちゃんと、幸せにしてあげるのよ?」
「わかってる。」
「今まで、辛いことが多かったはずだから、範裕さん、きっと今日みたいに笑う事が少なかったと思うの。
 あなた達のこの先がどうなるか判らないけど、もし別れたとしても『良い思い出だった』と振り返ることができる時間を過ごしなさい。
でないと和美さんがお気の毒よ。」

ええッッ!?

驚いて、いつもなら避けている角に思い切り足の指先をぶつけて、痛みと痺れが頭まで来る。
「イッ・・・・!」
コップを持ったまま、不自然な格好で固まった。
「なにやってるの?・・・・大丈夫かなあ、範裕さん。おまえの子守りで若白髪になる、なんて、母さん嫌だからね。」
「いや・・、だから。・・・じゃなくて。
どうして母さんが和美さんの事、知ってるんだ?」
俺は、喋ってない。大急ぎで記憶を点検したけど、一度も言った記憶が無い。
いったい・・・。
「ふふ。知りたい?」
知りたい。コクコク頷くと、

「文明の利器のおかげ。」
母さんが取りだしたのは、
「スマホ・・・」
俺まだ携帯なのに、スマホ?母さん、ちゃんと使えるのか・・・?って、違うダロ。
「だいぶ前に和美さんからお礼の電話頂いたの。範裕さんのことで。それからたまにお話しするようになって、メールとかもしているお友だち。
顔も知らない女性(ひと)なんだけど、なんだかすごく気が合って仲良くしてるのよ。」
「そ・・そう・・・」

顔が、引き攣ってる気がする。

「ああ、範裕さんは知らないから内密にしておくこと。いいわね?」
・・・・言えません、そんな恐ろしい事。

「さて、母さんは布団に戻るわ。おやすみ。」
「おやすみ・・なさい・・」


俺、寝られるかな。。

階段まで行って、寝床は居間だったと思い出して後戻り。布団に潜るけど眠気は全然来ない。
隣にはひろさんがぐっすり寝てるから、できるだけそっとあっち向き、こっち向きして。

雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その46

 
 ・・・ふと、思いました。 ワタシは ’弱い’がたくさんあると。


歯が弱い。昔は固焼き煎餅なんか平気だったのに、今では冬の板チョコも手で割って食べてる。加えて丁寧に歯磨きしても虫歯になる。
爪が弱い。気が付いたら親指以外は柔らかくなってて、2枚爪になったり、シールを剥がそうとして爪の先が剥がれたりする。

寒さに弱い。もー、すぐ手足冷えちゃってその分が顔に集まって、’冷えのぼせ’になる。顔だけ赤い。小学生なら可愛いのに。
乾燥に弱い。体内にアブラは一杯あるのに、にじみ出てくれない。。冬も、今の季節も、ハンドクリームやリップクリームが欠かせません。

誘惑に弱い。特に文字。新聞でも本でも、何でも。国会図書館に住みたい・・・。
      あとは、布地。作りたいものがたくさんあるのにそれ以上購入して、収納ケース(大)にぎっしり。5年以上寝かせてる物がいるな―(汗)。


最後は、意志。・・いえ、やる気はあるんです。やり遂げたい。気合も・・あるはず、です(あ?)。が、いかんせん集中してる時間が、、短い場合がとーーても多い。 家族がいるのも原因??なのでしょうか・・・(聞こえたら怒られる)。

あ・・、小学生くらいまでの子供にも弱いかな。 構ってもらって、遊んでもらって、喜んでます。スーパーでは、子供に笑いかけてるヘンなおばさん、です、はい。



強いものは・・。 好奇心?






『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』*頼みごとー9




「僕の・・、お客さんの一人なんだ、倫太郎くんは。 今、高校生。
車椅子を使っているんだけど、転倒したらしい。」
「てんとう?」
「車椅子ごと転んだそうだ。」
「ええっ!」
思わず大声になった。
「智」
「・・ごめん。それで怪我は?」
「それは、大丈夫だったらしい。でも、」
「『車椅子が』・・壊れた、とか?」
「うん。倫太郎くん、車椅子が無いと動けない子だから、悪いけど今から会社に戻って調べてくるよ。」
「・・・そうだね。その方がいいと思う。
俺の頼み事は終わったし、和叔父さん、行っていいよ。今日は・・、ありがと。」
「智は優しいね。倫太郎くんの心配までしてくれるなんて。ありがとう。」
そう言って、和叔父さんは俺の頬を撫でて温かな笑みを見せて、行ってしまった。

なんか、変。
急に寒くなった気分。
『行っていいよ』 って言ったの、俺からなのに。

「帰ろ。」



部屋で、どこか納得いかない想いを抱えながら優奈ちゃんにメールを入れる。
::こんばんは。優奈ちゃん、クリスマスに会えるの夜になるんだけど、大丈夫?」
すぐに返事が返ってくるかはわからないから、スマホをポケットに入れたまま和叔父さん
からもらったネクタイを取り出し、白のトレーナーを着て鏡の前で当ててみる。

・・うん、いけそう。

「就活で使おう。」
と、リメール。 ネクタイを箱にしまって、
「なになに。
::夜の九時までなら大丈夫です」
か。そしたら・・。あ、パソ起こさないと。時刻表。それとバイト・・どうなってたっけ。」


『プリズム』

『プリズム』18*ベッドを買って。


・・・・何だろう?・・・まわりで音がする。まだ、眠いんだけど・・・・。

「崇」  

範裕さんか・・。もうちょっと寝かして・・・・。

「帰るから。ご両親にご馳走様でした、と伝えておいてくれないか。」

帰る?・・何で?朝ごはんも食べてくって・・・帰る?!
「ま・・待ってよひろさん!俺、予定立てて・・」
がばっと起き上がれば父さんの吹き出す声か聞こえる。
「ほら、言った通りでしょう?」
「・・・・ですね。」
ちょっ、 ひろさんまで、笑って。
「ほら崇、後はあなただけよ。目玉焼き作るの待ってるんだから、もう起きなさい。」
目をこすって見上げれば、俺の周りでみんな笑いを噛みころしてる。

あれ?・・俺、いつの間にか寝てたんだ。眠れないと思ってたのに。ぼんやり考えてたら、
「昨夜、おまえが何度も寝がえり打っていたから目が覚めて。気になったし、つい背中を叩いて寝かせてやった。」
範裕さんが真面目な顔で、目だけ笑わせて言う。

背中叩いて・・・?

「すいません。。」
「そう思うなら起きてちょうだい。早くしないとお昼になっちゃう。」
は、母さん。
昼って・・。俺、どんだけ寝てたんだ?


ともかく顔を洗って身支度して台所へ行けば、
「ちょうど間に合ったわね。」
母さんがテーブルに目玉焼きを置いたところだった。


「それなら父さんも行こう。」
「父さんも?」
今日の予定を聞かれて、範裕さんと買い物に行くつもりを話したら、父さんが乗り気になった。
二人で行ける、と思っていたから、口が尖る。
「ほう?大蔵大臣から資金をもらったのに、いらないのか?」

資金・・?母さんを見たら、

「崇が寝てる間に範裕さんと話してたの。今日、予定があるのかしら、って。それなら父さんも買いたい物があるって言うし、ばらばらで行くよりいいからすぐ決まったのよ。」
車も出してもらえるし、いいでしょ? と俺には事後承諾を求める。

「決まった事ならいいけどさ。」


父さんの車で出かけたのはショッピングモール。入ってすぐ地図を確認し、よそ見しないようにして、まず衣類を見て回る。

「ひろさん、Yシャツはどうする?」
「ああ、セミオーダーしてるからいい。」
「セミオーダー?」
知らない単語に、
「市販のYシャツでも、体型に合わせて調整してくれるところがあるんだ。袖や首回りを直してもらってる。」
「それって面倒じゃない?」
「まあな。けど、自分に合った服を着ると気持ちいいから。」
「ほう、範裕さんはそんな事も?」
父さんが会話に混ざってくる。
「ええ、まあ。」
「崇、おまえも教えてもらってやってみろ。そうすればちょっとは男前があがるぞ。」
「そうなの?ひろさん。」
「それは分からないが、勝負服にすると気合も入る。俺はプレゼンの時とかに着ている。崇にその気があるなら、今度連れていってもいい。」

そんな風にこだわりを持つと、意識も変わるんだろうか?
と、小さく小突かれた。  え?なんで?
「外では言うなと言ったぞ。」

『プリズム』

『プリズム』18*ベッドを買って。-2



 
あ!

「ごめんなさい。」
小声でたしなめたひろさんに謝る。
「崇、どうした? ぼうっとして範裕くんの足でも踏んだのか?」
先を歩いていた父さんが振り向く。
「っち、違うよ。」
うっかり‘ひろさん’と呼んでいた。この呼び名は二人だけの時、と決めていたのに。
父さんに気付かれなくて、よかった。


そう何軒も見てないのに目と足が疲れて、休憩できる場所を探す。
「女の人ってすごいなあ・・。」
吹き抜けのような場所のベンチに座り、通る人たちを見ながら自然に口に出る。
踵の高い靴を履き、紙袋をいくつも持った女性グループが楽しそうに喋りながら、俺たちの前を歩いていく。
まだ買い物するのかな・・。すッごいエネルギー。

俺なんか、もう帰りたい気分なのに。

「そろそろ引き上げるか?崇。」
ダウンしかけてる俺に気付いたひろ・・、範裕さんの声に、首を横に振った。
「もう一つだけあるんだ、欲しい物。買わないかもしれないけど、見に行きたい。」
ここには、寝具を扱う店もある。もし、気に入る現物があったら。そう思っていた。
「それは、なにか軽く食べてからにしないか?」
父さんの提案で地図を見ながら店を決め、腹ごしらえした。

「それでどこへ行くんだって?」
食べ終わったテーブルで地図を広げながら範裕さんが聞く。その手元をのぞき、
「ちょっと待って・・・。あった。ここ。」
指さした場所に、父さんが、
「布団屋じゃないか。ベッドを壊したのか?崇。」
おまえは時々無茶をするから、とからかう。
「サブベッド買うつもりなんだ。母さんに聞いたら、布団よりそっちの方がいい、って言われたし。」
「サブベッド?」
「そう。前範裕さんが来た時予備が無くってさ、それで」
「なんだ、子守りしてもらったのか?」
「父さんまでそう言う?」

「・・・・崇。」
低い声で範裕さんが俺を呼んだ。
「・・・な、に?」
「サブベッド、って?俺は聞いてないぞ。」
う・・。範裕さん、眉が寄ってる。
「その・・。怪我したときとか、泊まってもらったけど、布団とか無かったよね?ずっと気になってて、調べて、折り畳み式のベッドがいい、って決まったから、ここにも店があるし、見ていきたいなぁ・・、とか・・」
言いながら、なんとなく気恥ずかしくなってくる。つい上目遣いになって、ひろ・・、範裕さんを見ると、ちょっと怒った顔で、でも頬が薄く赤い。

「なるほど。それで母さんが軍資金を出してくれたのか。」
合点がいった、と父さんがポンと手を叩いた。

布団屋で一番楽しんだのは父さん。
枕、ベッド、布団。店員さんをつかまえていろいろ聞いたり、頚椎の窪みを測る器械に座って、
「崇、父さんは3・5センチだ。」
と自慢したり。
「いやぁ面白かった。今度は、母さんと来よう。 それで、崇は決まったのか?」
何も買わず、手ぶらのまま俺に聞いてくる。
「決まった。ただ、足りないものがあったから、時間かかるらしい。」
範裕さんが使うベッドだから、好きな色を選んでもらい、宅配の手続きと代金を払う。
「それくらいならあるから」
と言った父さんの申し出をありがたく断り、でも、親孝行だと思って三割くらい出してもらう。
「届いたら連絡入れるし、見に来てよ、範裕さん。」
「分かった。」



家へ戻って、荷物を交換する。 俺の服はひろさんに。ひろさんの服は、俺の部屋へ。
これでいつでも泊まりに行ける。

『プリズム』

『プリズム』18*ベッドを買って。-3



「お帰りなさい、範裕さん。今夜は軽いものだけど、いい?」
帰ったなりそう言った母さんが用意していたのは素麺だった。ほかに薬味やら何やら、テーブル一杯に並んでいる。
「あの・・」
「明日は日曜だし、もう一晩いいんでしょ?」
「そうか、範裕くん泊まってくれるのか。聞きたい事もあったし助かるよ。
あれ?母さん、素麺だけかい?」
「おかずがたくさんあるわ。それに買い物、頼んであったわよ、お父さん。」
「ああ、忘れていた。」

「ひ・・範裕さん、(泊まるの)駄目?」
父さんたちが先に台所へ入るのを、玄関で見送りながら聞く。この間は‘お見合い’話で帰ってしまったから。
「おまえの家でも、二晩は迷惑じゃないのか?」
食事の支度だって。それに他人で、親戚でもない。そう続けて躊躇う。が、それを打ち消すように、
「範裕さーん、ちょっと来て。」
と、母さんが呼ぶ。
俺は空いてる手でひろさんの手を取り、
「ちっとも迷惑じゃないみたいだよ。」
引っ張って台所へ行った。

「よかった。やっとお揃いが使えるわ。」
母さんが嬉しそうなのは、四組ひとセットの食器の事だ。
「範裕さんが来てくれるなら、一度食器を整理しておかないと。」
「それなら棚を作り変えるかい?範裕くんに手伝ってもらって。」
「いいわね。 あ、崇、その茗荷の小皿取って。」
「・・・はい。」
「ありがと。」

素麺を食べながら、母さんの話はどんどん進んでいく。
「あの・・・」
「あ、範裕さん、足りない?」
「いえ、そうじゃなくて」
「男の人の食欲ってわからないから遠慮しないでね。」
「・・・迷惑じゃ・・」

「我が家は、入れたくない人は玄関までなの。」

その言葉を聞いて、思い出した。

「そう言えば母さん、絶対中に入れない人、いたね?」
「あら崇、覚えてるの?」
「うん。」
「父さんの上司もいたんだぞ。」
「ええっ、ほんと?」
「そうよ。来るのは勝手だけどこっちだって選ぶ権利はあるんだから。
範裕さん、ならいつでも。連絡なしでも大丈夫ですから、来てくださいね。」
母さん、にこにこ・にこにこ笑って。
「ありがとう・ございます・・・。」
ひろさん、そう答えるしかなかったみたいだ。


食後、寝床の中でひろさん、俺の方を向いて話しかけてくる。
「おまえのお母さん、和美さんにどこか似てる。」
「ひろさんもそう思った?・・・そうだよね。和美さんもしっかりしてる、って言うか芯が強いって言うか・・」
「怒らせたら恐い女性(ひと)なんだ、和美さんは。」
俺と同じ感想を持ってるみたいだ。

今夜は俺の部屋で、ひろさんにベッドを譲って俺は床に布団で寝ている。布団を敷くと長さがきつきつで、俺よりは背が高いひろさんに寝てもらう訳にはいかないし、万が一夜中に起きてひろさんを蹴飛ばしたりしたら目も当てられない。
ひろさん、
「おまえの匂いがする。」
なんて笑ってベッドに潜った。


日曜日。俺はちっとも構わなかったけど、範裕さん、あんまり長居するのも、と言って、朝食のあと、帰っていった。また、
「お土産。」
と言う名目のおかずやら何やら持って。
父さんは父さんで、
「息子がひとり増えたみたいで、いいなあ。」
と喜んでる。俺は内心、
(そのほいがいいかも)
って知らん顔。少し、後ろめたいけどさ。

『プリズム』

『プリズム』18*ベッドを買って。-4

後半、とても緩くRが入ります(R15?)。なので記事を下げました。大丈夫な方は、スクロールしてどうぞ。














寝具屋から連絡があり、次の日曜の午後に配送してもらう事になった。

昨日と当日の今日、久しぶりに大掃除していると、聞き慣れた着信音。
― ・・・・っいはい!・・もしもし!」
― そんなに慌て無くてもいいから。」
クックとひろさんの笑い声がする。
― ご、ごめん。今、掃除してて。どこにいるの?」
外出は出来ないけど、と思いながら聞くと、答の代わりにドアチャイムが鳴る。

うっそ。。 でも、外に待たせておくなんて出来ない。
散乱している物を跨ぎながら玄関へ。

「ごめんひろさん。中、散らかってる。」
「いいから。届くの、いつ頃だ?」
「午後。何時になるかはちょっと・・」
ドアを開ければ、荷物を持ったひろさんだ。
「どうせ掃除してるんだろうと思ったから、ついでに買ってきた。」
「うわ・・。ありがと、ひろさん。」
差し出されたのを受け取る。中身はランチセットその他色々と組み立て式の収納BOX、それと、
「CD?」
「聞きながらしようと思ったんだ。」
「・・手伝ってくれる、の?」
「『俺のベッド』だと言ったのはおまえだ、崇。」
一人で頑張って、出来あがってから見に来てもらおうと思ってたけどそう言われると嬉しくて飛びあがりたくなる。
部屋へ入るひろさんは、汚れてもいい感じのデニムとポロシャツ。それでもかっこいい。
我慢できなくて、頬に軽いキスをする。
「崇」
「誰もいないし、ひろさんが来てくれるとそれだけで嬉しいから。」

食料やBOXは、唯一きれいな台所へ置き、二人で掃除を続ける。
想っていたよりゴミが出て、その分部屋がすっきりし、ひと段落した時にベッドが届いた。


家具や何かも配置替えをして、全部終わったのはもう夕暮れ時だった。
「秋の日はつるべ落とし、って言うけど本当だな。」
「うん、あ・・、一番星。」
二人で窓の外を見ていると、ふ、とひろさんの髪の匂いが。
「崇?・・・んっ・・」
肩を抱いて、驚いてこっちを見たひろさんに唇を重ねる。上と下を順にそっと舐めて様子を窺うと、口を開けてくれた。

「ん、ん・・・っぅ、・・っふ、ぁ・・・」
頬の内側、歯の裏側をなぞり、角度を変えて舌を絡ませ吸い合ううちに、それだけでは物足りなくなってくる。

「・・いいだろ、ひろさん・・・」
いつの間にか抱き合って、息が苦しくなって離した唇の隙間で、声に出して強請る。
「明日、会社だ。」
「ここから行けばいいよ。」
「スーツまで持って来てないから駄目だ。」
ひろさんは、ちょっと冷たい。でも、
「・・・・ほんとに、だめ・・?」
ウィークポイントの腰を撫で回して聞くと、
「・・、一回だけ・・っ、なら」
びく、と体を震わせ、目を逸らして赤くなる。
「うん。それでいい。」
ぎゅう、と抱きしめ、頬にキスした。

このままベッドに行きたかったけど、ひろさんに、
「埃っぽくてやだ。」
と言われ、俺の腹の虫も鳴いて気分が台無し。 仕方なくシャワーをさっと浴びて晩飯を食べることに。


「ひろさん、なに見てるの?」
「スポーツ用品。気になってるのがあったから。」
「ふーん。」

食べてすぐ、はさすがにその気になれず、丸林くんたちの話をしたり服の話をしていたら、ひろさんが思い出したようにパソコンを見たいと言いだして、俺のノートパソコンを立ち上げる。
なにを熱心に見ているのかと背後から覗き込むと、画面に出ていたのは。
「これ、山登りの・・・?」



雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その47

キ―ン・・と言う沈黙。

記事を書いている時は、静かです。TV・ラジオ・歌のある楽曲はだいたいOFF。  時には見聞きしたいものもあるので完全に無い、とは言えませんが。

そんな時耳の中で五月蠅くなるのは’キ――ン’という音。耳鳴りなのでしょうが・・・しつこい。
無視しようにも耳栓したらその中から聞こえてくるものだから、効果なし。そのうちキ―ンとキンキン・・の二重奏。
「ああもぅっ!あっち行って!」
と叫んでも居座って~。


でも。
いなくなるんです。時々。静かにフェードアウトする、もしくは気付いたら音がしない。  となると。妙に腹立たしく。
さっきまでの私の、’気にしない、気にするな。’呪文や、努力は何だったんだ―!


怒る筋合いはないんですけど、ねぇ。
退治法は無いかと検索旅をしてきたら・・、有りました(苦笑)。  私の場合、聴力の衰え(つまり、年とともに高い音が聞こえなくなってますヨ、です。ガーン!)らしい。。

寝不足や、眼精疲労、肩コリ、ストレス、それから、耳への血行不良なんかが原因になるそう(あくまで私の場合)。

良く寝て、体を温めれば改善するの??
アイマスクして昼寝・・・が効果あるのかしらーーー。




『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』*頼みごとー10

初めての、デートです。




待ち合わせは、俺の実家に近い駅。優奈ちゃんの家に近い方が・・、と思ったけど、
「『誰かに見られたら恥ずかしいから いや。』・・だって。あー、なんかすっごく可愛い。
・・・・あれかな?」
改札を入って電車を待ってると、降りた人たちをかき分けるようにしてやってくる女の子が。
「・・・っご、めんなさ・・、お・そくな・・・」
「いいから。まず深呼吸して。時間はまだたっぷりあるから。  はい、これ。」
ほかの人たちの邪魔にならないよう隅に避けて、待ってる間握っていた缶コーヒーを差し出す。
「ゆっくり飲んで。まだ熱いから。」
「・・は、ぃ・・・」
はあ、はあ、と息をしていた優奈ちゃん、言われた通りに深呼吸して、缶を受け取る。指先が触れ合いどきっとする。

「・・ごちそうさまでした。」
「うん。
じゃ、出ようか。すぐそこに美味しいお店があるんだ。」
「はい」

駅前にはスーパーも入っている雑居ビルがあって、その二階に俺がよく行ってたコーヒーショップがある。
「こんばんは。ほら、優奈ちゃん入って。」
「はい、いらっしゃい。・・・やあ、智くん久しぶり。」
「えー、夏には来てたよ、ただマスター。」
「え・・?」
ドアを開けて挨拶した俺とマスターの会話に、優奈ちゃんの目が丸くなる。
「ほう、これは可愛いお嬢さんだ。彼女かい?」
「うん。」
「あの・・、能見、さん」
鼻高々で自慢する俺の横で、そっとジャンパーのすそを引っ張る優奈ちゃん。
「どうかした?」
「マスターさん・・・」

マスター?  ああ。

「マスターの呼び方の事?」
「そんな、大声で」
「大丈夫。あれ、名前なんだ。ね、ただゆきマスター。」
「名前・・なんですか?」
「そうだよ。最初はみんな名前を全部呼んでくれたんだけど、いつの間にか縮まっちゃってね。」
ただマスターがウインクしておどけると、優奈ちゃんの目がさらに丸くなったあと、笑いだした。

『プリズム』

『プリズム』18*ベッドを買って。-5

先週お知らせしましたが、今日からRに入ります。(R18)なので、年齢に達しない方、苦手な方はご遠慮ください。大丈夫な方、スクロールしてどうぞ。
































画面に出ていたのは山登りに適した服や靴、リュックなんかを扱ってる店のサイト。
「俺は、何も知らないから。けど、社内でおまえに聞く訳にも行かないだろ。」
本を買ってみたけどこっちのカタログは無いし・・、と呟くひろさんの横顔がほんのり染まってる。
「ひろさん・・!」
「うわっ・・、崇、急に」
覗いた姿勢のまま腕を回し項に口付け、舌でぺろりと舐め上げた。ぞく、と、ひろさんの体が震える。
「ありがと。すっごく嬉しー。・・・・で、もう、いい?」
「待て・・て、電源切って・・」
は、と息を吐くひろさんに焦らされながら、ノートパソコンの画面が暗くなるのを待った。



「ぁ、あ・・っ、たか・・」
「ん・・。ここ? こっち?」
「や・・んっ。はぁあっ」
急きたてるようにして俺のベッドへひろさんを連れ込み、ささやかな抵抗をする体からちょっと乱暴に服を脱がせる。
さっきのキスで感じだし、存在を主張していた小さな粒を含み舌で転がすと、濡れた声が上がった。
つんと尖った片方を指で弄りながら、もう片方へと頭を動かす。待っていたそこも、もう立ち上がっていた。
軽く歯を立てtり、吸ったりすると腰を浮かせて喘ぐ。
俺の腹の下でも、動くたびひろさんの雄が硬さを増していて。わざとそこを擦りあげるようにしてキスする。
「ん・・んんっ、んぅ・・っ、はっぁ」
ぞくぞくする声を耳のそばで聞いて、また熱くなっていく。
「・・っあ、崇。・・ゃだ」
見あげるひろさんがいやいやと首を振り、逃げようとしたのは、俺が手足をついて蜜を零す雄を握り、先端をくるっと指でなぞったからだった。
「ひろさん・・。範裕さん、そんなことないよね?ほら」
「あ・ぅっ・・、・・・っぁ。。くぅん・・っ」
きつめに握ったままクチュクチュと音をさせてスライドすれば、喉を反らして声を放つ。
見おろしながら、噎せかえるほどの色香に、ごくっと唾を飲んだ。

昼間、仕事をしている時の、穏やかだけど厳しい営業トップクラスの顔なんてどこにもない。

上気した肌が与えられる快感に震える。
キスを誘うように開いた唇から、止めようもない喘ぎと声が聞こえてくる。
潤んだ瞳は、涙がこぼれそうだ。


全部、俺のもの。 誰にも渡さない。


紅い痕をいくつもつけながら下へ降りていく。そして、臍の周囲にも痕をつけ、硬く、今にも弾けそうな手の中の屹立に顔を近付けた。
「た・かし・・?やめっ、・・おまえがそんなことしなくて・・・」
息がかかり、気配にひろさんが身じろいで俺を押しのけようとする前に、尖端を口に含んだ。
「・・・・っぁあッ」
腰が跳ね、勢いで俺の口の中に脈打つモノが押し込まれる。
う、と呻いて思わずえづき、喉奥が閉まるとその刺激に、ひろさんは限界を越えた。

「―――・・・・っっつ、ぐ・・っ、けほっ」
爆ぜた雄から喉の奥へ迸った体液の、呑み込めなかった分に咳きこむ。
苦い味と青臭い匂いが鼻に抜け、白濁が顎を伝い落ちる。
「崇・・・。
ごめん。我慢、できなくて・・・。」
肩で息をしながら体を起こしたひろさんが開いた足の間にいる俺の顔を覗き込んで、口の端を手で拭いながら眉を下げて言う。
「いいんだ、ひろさんのだから。
・・気持ち良かった?」
「・・、馬鹿」
そんなこと、聞くな。
小さく呟いてキスしてくれた顔が赤い。
「ひろさん・・!」
押し倒し、唇を重ねると腕を伸ばして俺の首に回してくれて。
夢中になって舌を絡ませた。


『プリズム』

『プリズム』18*ベッドを買って。-6

R,続きます。年齢に達し無い方、苦手な方はご遠慮ください。大丈夫な方は、スクロールして、どうぞ。






















苦しくなるまでお互いの口の中を舐め、刺激し合う。角度を変えようと僅かに唇が離れるたび、湿った水音が聞こえ、唾液が顎へ伝い落ちていく。
やっと顔を離して息をつき、間近に見つめ合った時、糸のように細く筋を引いた。

「続き・・、してもいい?」
「・・・ん」
頷きを目にして、もそもそとベッドの端へ手を伸ばし、押し込んでおいたボトルを取りだす。 見ていたひろさん、
「崇、おまえ・・・」
どこからそんなものを、と言う表情をしたから、
「だって、ひろさん言ってたじゃないか。・・男は、準備がいる、って・・・」
「そっ・・、そんなこと」
封を切り、答える。
そしたら、覚えてなくていい、と、耳まで赤くして横を向いてしまった。

でもね、ひろさん。俺は、ひろさんに痛みを与えたくない。気持ちよくなって欲しい。だから、探した。探して、普通に見つかったことにちょっと驚いたけど。
それは、言わない。

ジェルを手にひらに垂らして、少しどきどきする。ひろさんと繋がるためにちゃんと準備するのは初めてだから。
今までは、成り行きまかせ・・、というか、勢いで、みたいな行為だったりしてた。だけど今日は。
「好きだよ、ひろさん。」
「俺も。・・好きだ、崇」

その言葉にテンションが上がった。
「ちょっと冷たいかもしれないよ。」
膝を立ててと促し、窄まりに塗りつける。十分には温まっていないジェルの冷たさに、きゅっと縮まったそこは、それでもすぐ力が抜かれ、俺の指が塗りこめるのを待ちわびて、柔らかくなっていく。

「・・ンぁっ・・、崇」
ひろさんの声が、悩ましげになった。

体重をかけないよう体を支えながら、胸の粒を含み、く・・、と指を入れる。
びく、とひろさんが小さく痙攣した。
「―――・・っ」
シーツを掴んで違和感に耐えているのが目の隅に入り、その様子にまで欲望が増す。
抜き差ししている指に添わせるようにして、もう一本。
「ん・・ぅっ、・・、っは、あ、」
指を曲げ伸ばし、内壁をなぞり。
「や、ぁあ」
あの場所を擦られて、また腰が跳ねるひろさん。感じて、溢れてくる色香と、息が、俺に染み込んでくる。

「ひろさん・・、ここ、あったかいね・・・」
もう一本指を増やし動かしながら、耳に息を吹き込むようにして囁く。
「っ、そ・・なこと、言う・・、あ、ゃだ・・っ、さ・・っきからそこ、ばっ・・か・・。・・んんっ」
喉を晒して声を上げる。

もっと、見せて。  俺だけに。

入口を拡げながら指を動かし、解していく。ひろさんは、一度達しているせいだろう、早くなんとかしてくれ、と言いたげに喘ぎ続ける。合わせていた胸を離し、見おろすと、勃ちあがってきているひろさんの雄と、反りかえり熱をもった俺の雄があった。
ジェルの滑りで滑らかに出し入れされる指が、内側の柔らかさを伝えてくる。
すぐにでも押し込みたいのを堪えて、透明な蜜を纏わせている肉棒どうしを、すり、と、擦り合わせる。

「ああァッ・・!・・・っ、や。・・しないで、くれ・・っ」
にちゃ、とねばつく音をたてて触れ合う雄に、言い表せない快感が起こり、ひろさんの切羽詰まった声までダイレクトにそこを刺激して、暴発しそうになるのを、奥歯を噛んで耐えた。

ありったけ、ひろさんの中に注ぎ込みたい。


『プリズム』

『プリズム』18*ベッドを買って。-7

今日も続いてのR。佳境に入りました。年齢に達しない方、苦手な方はご遠慮ください。大丈夫な方、スクロールしてどうぞー。



















触れ合う刺激に縮んだ蕾を広げるようにして、指を抜く。
「あァあ・・っ」
くん、と、ひろさんの雄が角度を上向ける。
俺は、張り詰めて熱をこもらせた剛直の切っ先を、誘うように綻び薄い桜色を見せる場所にあてがい、汗に濡れた腰を両手で掴んで、
「ひろさん・・・。なかに、挿れて?」
ゆっくりめり込ませていった。

はっ、はっ、と短く息を継いで力を抜くひろさんに合わせ腰を入れていく。大きく張り出した個所を呑み込んだそこから、内側が絡みついてきてフライングしそうになり、一気に奥まで突き進んでしまった。
「はぁう・・・っつ!」
背中が撓って、全身をびくびくさせるひろさん。どうしてそんなに、と思うくらいエロくて、俺の雄に密着した柔筒が収縮する。
「・・・ひろさ・・、ちょっ・・・」
締めつけられ、爆発しそうでじっとしていられない。
「・・ごめんっ」
馴染むまで待てず、焦って腰を引いた。逃がさないとばかりにざわつくのを振り切ろうと、突いて、また引く。
「あ・・んんっ。た・・・崇・・っ」
掴む物を探す手が俺の腕を握った時、カリが、ひろさんのポイントを偶然ひっかく。
「やあ・あっ
今度は狙って、突いた。
爪を立てて声を放つけど・・、ごめん。俺、もう限界。

擦り上げ、腰を回す。
「ひ・・っあ、・・ぁあっ。・・・あ・ふっ、・・ゃっ、・・やぁ」
髪を乱しながら揺さぶられるひろさんの声が、肌が打ちあわされる音の間に、悲鳴のように響く。
でも、まき散らされるフェロモンがもっとと俺にねだっているようで止められない。
「ひろさん・・っ、・・イイ・って・・・、言って。ねぇ・・、ひろさ・・」
「・・ぁ、・・い・・。・・・ィい・・っ。ん、ゃあ、たか・し。・・・も」
「も・・?もう、イきたい・・?」
「きた・・・、達きた・・っ」
いつの間にか閉じていた目を開け、潤んだ瞳で開放してくれと訴える。直撃され、思わず体を前に倒して唇を重ねていた。
「ん・・ふっ。は・・っ。ぁ・・た・かし・・。」
「いっしょに、達こ・・っ。ひろ、さんっ」
ぐん、と奥へ捩じ込む。
「・・っ。ぅあっ・・。ゃ、も・・もぅっ、く・・・、ィく―――・・っ」
最後の揺さぶりに滑り落ちた手が、シーツを鷲塚み、ぶる・・っと胴震いして二度めの精を吐き出すひろさん。
「ぅ・・、くうっ・・、出・・」
ひときわ強く絡んだ内壁の絞り取るような動きに俺も弾けて、熱い迸りを奥へ迸らせた。



荒い息遣いが二人分、ベッドの周囲におちていく。
体を重ねていた俺は、ひろさんの手がそっと背中に回されて、慌てて起きようとした。
「いいから・・。もう少し、こうして」
掠れた声が腰に来て、まだひろさんの中にいる雄がひくん、と動く。
かすかに声を上げ、眉を寄せた反則顔に、血のめぐりが速くなったけど、
「約束、したぞ。」
って言われたら続けられない。

「うん、、分かってる。」
でも、この格好じゃしょうがない反応なんだよ。口を尖らせ呑み込み、代わりに俺も、ひろさんの肩に手を回した。

背中をゆっくり撫でてもらって、気持ちが宥められていく。
ほうっ、と息を吐いて、
「ひろさん・・、ありがと。」
すぐそばにある耳に呟き、体を離した。
「シャワー、浴びよう。・・・立てる?」
「・・・多分」
腰を引いて、柔らかくなったモノを引きだす。
とろ・・、と俺の吐き出した体液が伝い落ちるのがヒワイで、唾を飲んで見てしまった。
視線を感じたひろさん、
「見るな。・・・先に行ってろ。」
恥ずかしそうに、言う。
そうだ、俺が動かないと、ひろさん、身動きとれない。
「うん。」

『プリズム』

『プリズム』18*ベッドを買って。-8




シャワーを浴びて、ひろさんと交代する。シーツはボックスタイプだから捲れたりはしてないけど、皺くちゃで、とてもじゃないが寝られない。ひろさんが戻って来る前に急いで取り替えて、ひろさんの折り畳みベッドも広げて寝る用意をした。

「スーツが無いと言っただろう?ここで寝たら明日・・」
「目覚ましかけるよ。携帯のアラームも。だから・・・お願い。」
浴室から出てきたひろさんが、準備万端の’自分の‘ベッドに少しおかんむりだ。このまま帰ってしまわないよう、両手を合わせて頼む。
「・・・・全く、おまえは。」
諦めたように、ひろさんはベッドに腰を下ろし、持ってきたポカリ系に口をつける。反らした喉に、赤い痣。
「・・ひろさん。。」
飛び付く前に、
「なんだ、おまえも飲むのか?」
と、ペットボトルを差し出された。
「・・もらう。」
内心、危なかった・・、と首を竦め、飲んだ。


煩い音が顔のそばで鳴り、夢から引き剥がされる。
「ん――・・・・、何だ、よ・・。いい夢、見てたのに。・・・・まだ五時半じゃないか。出かけるまで・・・・・あ。」

ひろさんは?

がばっと起きて見回せば、ひろさんの使ったベッドはたたまれ、部屋は静かだ。
「そっか。もう行っちゃったんだ。」
‘いってらっしゃい’くらいいいたかったな。けど、爆睡したからいいわけできないや。

「会社行けば、会えるし。」
もうちょっと寝よう。また綿毛布を被った。

今度は、着信音がした。
「何だよ、もう」

無視しようとしても、鳴り続ける。   ・・あ。この、音。
急いで携帯を取った。

― おはよう、崇。」

やっぱりひろさん!一遍で目が覚めた。

― ひろさん・・、どうかしたのッ?!」
― 寝てたんだろう?」
俺の慌てた声に、くすくす笑う。
― うん・・。(ばれてる)」
― 朝食、一緒に食べて(会社に)行こうと思って電話したけど、どうする?」

そのためにわざわざ?

― 行く!すぐ支度するから。」
― じゃ、駅に着いたら連絡しろ。」
― 分かった。」
笑いを含んだ声の電話が切れ、急いで支度した。

「・・っそ・その田さん、おは、よう」
「ああ、おはよう。」
スーツをぴしっと着た仕事モードの苑田さんは、改札口で待っててくれて走って来た俺を見て笑う。
二駅先で降りて、
「前から一度入ってみたかったんだ。」
と言う店で朝食を食べ、何だか幸せな気分になった。

これからこんな日が、たくさんあるんだ。  ずっと――――。

雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その48

  今日は本当に色々と雑談を。

はじめに。
ブログをOPENして、1年が経っていました・・(去年の4/22が初日)。  本人もびっくり!時の流れの早さに驚いてます。。

見切り発車もいいところで、勢いで始めてしまったものですから、
「拡張子」・・って何?とか 「写真のUP]はどうやるのー?!とか、今でも悩んで、うっかりキーを叩いて’全消去’!!の地雷を踏みまくり。
目標にしている、22時UPが遅れる事もたびたび・・・・(大汗)。

それでも続けてこられたのは、読みに来てくださる皆さまのお蔭です。 本当に感謝しています。


お話の方ですが、新井くんと苑田の『プリズム』は、一区切りになりました。
続きはあります。ただ、こちら(第2部?)はストックがあまりないので1回分が少なくなるかもしれません。
ごめんなさい。

智くんの、『耳から始まる恋愛』は。着地点が霧の中・・というオソロシイ展開です。一応の目的地は見えているのですが、辿りつけるかしら、と不安~。


でも、2組とも、幸せにしてあげたい気持ちはたくさんあります。

先が長くなると思いますが、よかったらこれからもお付き合いください。




さてさて。
消費税が上がったから、ではないけど、ホームベーカリーが復活しました。
パンや、パウンドケーキを作ってます、週1くらいで。

出来たてはほかほか、柔らかーい。そして最後の’焼き’の工程の甘く、香ばしい匂い。。ご飯とはまた違う、食欲を刺激する匂いです。

メニュー制覇に向けて頑張ろうと思います。・・・・飽きないように。










『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』*頼みごとー11



「へへへ・・」

ほとんど初めてのデート、優奈ちゃんをホームで見送り俺も電車に乗り込む。
家へは、戻らない。
「だって、煩いもんな、姉きも、おふくろも。」
絶対、根掘り葉ほり聞きたがる。窓ガラスに映る自分の顔に呟く。特に母さんは優奈ちゃんを見てるから、デートのことなんかうっかり洩らしたら、食いついてくるだろう。

今の幸せな気分をこわされたくないから部屋へ帰ってゆっくり味わいたい。それに。
手に提げた紙袋に目を落とす。
「優奈ちゃんのプレゼント、なんだろう?」


わくわくしながら包みを開ける。出てきたのは。
「手袋だ・・」
俺があげたのはマフラー。あのコーヒーショップでプレゼントを開けて頬を染めて喜んでくれた優奈ちゃんが、似たような物を選んでくれた。
「もしかして、運命だったりして・・・」
手袋をはめながらそう思って顔が緩んでいた。


俺は全然知らない事だったけど、優奈ちゃん、実は未遊に相談していた。
俺と別れたあと、報告していたんだ。

― もしもし、先輩?」
― あー、優奈? どうだった?デート。」
― ・・あの、その・・・、楽しかった、です。」
優奈ちゃん、赤くなっていたらしい。
― はいはい。聞いた私が馬鹿だったわ。それで?」
― プレゼント、喜んでくれました!」
― ・・良かったわね。」
― はい!先輩が教えてくれたおかげです。ありがとうございました。」
― お礼はいいから。次の約束、したの?」
― あ・・。まだ、です・・。どうしよう・・・」
未遊、ため息ついて言ったそうだ。
― お礼の電話、あると思うから、その時聞いてごらんなさい。」
― はい・・・」

『プリズム』

『プリズム』*パラレル

先週は1周年のお祝いをたくさん、ありがとうございました。
そして、今週はG・Wがありますね。  飛び石連休。   なのでちょっとお遊びを。

パラレルの『プリズム』。  苑田に襲われる新井くん、です(笑)。最初に少しRが入るので、年齢に達しない方、苦手な方はご遠慮ください。大丈夫な方、スクロールして、どうぞ。



















「あっ、範裕さ・・んっ」
「ふふ、おまえでも感じるんだ、ここ。」
壁に両手首を押さえつけて抵抗を封じた範裕さんが、胸を舐めてからかう。

(どうして、こんなことに・・・)

俺は男で、苑田さんも男。それなのに、素肌の胸の小さな粒を舐められて体がビクリと反応し、その刺激が熱になって下半身へ伝わる。
「ゃ・・。も、止めてくださ、ぁ、んっ」
「いいのか?やめて。」
普段と違う、地悪そうな笑いを乗せた唇から、囁きが聞こえる。
「だ・・て、社内です・・っ。」


そう、俺は、人気の少ない就業後、夜の会社で先輩の苑田さんにセクハラまがいの行為をされている。
なぜ遅くまで社内に居たのかと言えば、俺のミスで在庫確認や書類のやり直しがあったからだ。

「済みません、苑田さん・・。俺のせいで」
「いいから。誰だってやるミスだ。へこむ前に仕事しろ。」
「はい・・。」

そんなやりとりがあって、ようやく仕事が終わった。のに。
「パソコンのデータ、ちゃんと残しておけよ、新井。」
「はい・・・・、あ・あッッ!」
帰り支度をしながら最後の指示をした苑田さんに従って、キーを叩き、
「新井?」
頭が真っ白になる。固まった姿勢のまま悲鳴のような声を出した俺を見て、苑田さん、何かあったと側へ来て。
「・・・・」
何も映って無い画面を見たまま、
「・・まさかと思うが、全削除、しちまったのか・・?」
低い声で聞いた。




本文

『プリズム』*パラレル-2





言葉が出ない。
さっき見た時計は22時近くだった・・。

「新井、プリントアウトしたの、あったよな?」
「あ・の・・・」
「それも出してなかったのか?」
「・・・・すみません・・」
苑田さん、はーっ、と息を吐いて、ネクタイを緩めると、
「コーヒー、買ってこい。」
トン、と俺の胸を人さし指で突く。
「はぃ・・。」

缶コーヒーを買って戻ると、苑田さんは、時々自分のタブレットを見ながら俺のPCにグラフや数字、文字を打ち込んでいる。
(文字打ち、早っ。俺、ブラインドタッチやっとなのに)
そう思いながら近付いたけど、声をかけづらかった。
「後ろで立ちんぼしてるな。コーヒーは?」
「あっ、はい。」
気配に気づいたのか、苑田さんが手を止めて振り向く。差し出した缶を見て、ふっと口元が緩んだ。
「覚えたのか?」
「だって、苑田さん遅くまで仕事する時、これよく選んでるじゃないですか。」
出したのは微糖のボトル缶。夜だし、自販機は年中温かい物もあるからそれにしたのを喜んでくれたみたいでほっとする。
「・・あと少しで終わる。コピー機のところで出てくるの待ってろ。」
「はい。」


「ありがとうございました。」
プリントアウトした書類を綴じ、部屋の電気を消したのは日付が変わる少し前。もちろんデータは無事PCにファイリングされている。
「次からは、こまめにバックアップしておけよ。」
二度目は無いぞ、と頭を小突かれ小さくなる。
「すみません・・・」

「ほんとにすまないと思ってるか?」
重ねて聞かれ、目を逸らす。
「・・・思ってます。。」
「それじゃ、お詫びくらいしてくれるな?」
言った苑田さんの目が、キラリと光った。
「・・でも俺、酒は強くなくて・・・」
居酒屋に付き合え、と言われても、多分俺の方が先に酔ってしまう。続けかけ、苑田さんに肩を押されて壁に押し付けられ、訳も分からずにいたら、唇を押しあてられた。


「そ・・苑ださ・・、んぅっ」
開いた口から舌が差し込まれ鞄が手から離れて落ちる。
逃げたくてもこれ以上さがれない俺に、
「おまえのイク顔、見せろ。それでチャラにしてやる。」
そう息と声を吹き込みながら、耳を甘噛みする苑田さん。
「な・・・、なに・・」
ぞくんと妙なものが背筋を駆け上がり、押しのけようとしたがそれより先にシャツの釦を外され引きはだけられる。
「苑だ、さん・・・っ」
「名前で呼べよ、たかし」
「・・っ!」
頭が下がり、胸を・・。
「あ・・、ぁあ」
「声、出すなよ。守衛が回って来るかもしれない時間だ。」

それは、範裕さんが。

『プリズム』

『プリズム』*パラレル-3

昨日は、スミマセンでした。 リコメを見た方はご存知かと思いますが昨日29日は祝日。本来ならお休み!だったんです・・・。
UPしてしばらくたって気がついたので取り下げるのも気が引けて。結局明日の分が無くなってもう大慌てです。汗。

さて、襲われた?新井くん、どうなるのでしょう。 もちろんRが入っているので、年齢に達しない方、苦手な方はご遠慮ください。大丈夫な方、スクロールしてどうぞ。
























口の中と胸を弄られ、抵抗するより快感に体が反応しているのが分かったのか、範裕さんの手が俺のベルトにかかる。
「範・裕さ・・」
「だいぶ大きくなったろ?」
もう片方の手で布越しに股間をなぞられ、ブルッと震えた。
「・・や・・止めて、くださ・・っい」
「こんなにしてるのに?」
クスッと笑われ、顔が熱くなる。そこはもう熱を持ち、硬くなっているんだ。
「ついでだし、すっきりして帰れ。」
「だ・・・」
駄目だ、と言おうとして足音を聞きつけ、全身が強張った。
「・・守衛の、佐藤さんだ。・・・・ぉっと」
見られたら、ともがいた俺。ところが苑田さんは、スラックスの前に当てた手に力を入れると、内ポケットからスマホを取り出す。
「・・・ぁくっ・・」
「声、聞かれたくないだろう?黙って。」
急所を握られ、身動きできなくなった俺を眺めてニッと笑い、電話をかけはじめた。

― ・・もしもし。」
― はい、名賀都商事、夜間受け付け、佐藤です。ご用件は?」

息が止まるかと思った。
どうして・・・?

― こんばんは、佐藤さん。営業の苑田です。」
― ああ、苑田さん。どうしたんです?」
― 済みません、帰る途中で忘れものに気付きまして。今からちょっと戻ろうと思うんですが、いいですか?」
言いながらファスナーを下ろし、手を入れる。
「んぅ・・っ」
思わず自分の口を手でふさいだ。

― はは、構いませんよ。ただ、今、見回りの最中なんで」
― そうしたら、営業のフロアだけ飛ばしてもらえませんか?何度も鍵の確認をするの、面倒でしょう?」
苑田さんは会話を続けながら下着の合わせへ指を入れ、直に触れて撫で回す。
『あ・・っ、あ、はぁっ』
刺激が強く、雄が張り詰めひくんと動くのが分かる。そして、とろりと溢れるもの。

― うーんん・・。苑田さんなら大丈夫でしょうから、そうさせてもらいますかねえ。」
― 助かります、佐藤さん。」
何でもない風に話しながら、苑田さんは、俺の雄を引き出し空気に晒す。
『ぅあァ・・ッ」

― ・・苑田さん?」
俺の声が聞こえたらしく、佐藤さんが聞き返す。
― あ、聞こえちゃいました?横に、新井がいるんです。」
― なんだ、そうですか。じゃあ、早めに来てくださいね。」
― わかりました。無理言ってすみません。」

電話が切れてホッとする間もなく、雄を苑田さんの手が包み込み、上下に動きだす。
「あぁぅっ、・・ん、く・・。やっ、やめて・・」
「あんまり焦らさないでくれ、新井。でも、興奮したみたいだ。ここがもう
・・・」
「ひ・・・っ」
粘りのある水音をさせていた手の親指が、先端の鈴口を押しあける。
爪先まで電気が走ったような快感が、来る。
「ゃっだ、・・も、ダメ・・・な、るっ。・・はな・・・」
「もうか?早いな。」
ふふ、と楽しそうに笑う苑田さんがポケットに手を入れ何かを出して、俺の、限界な雄に被せた。
「ぁ・あ・・・・っっ!」
目の裏が真っ白になる。
どくどくっと解放された欲望の証が勢いよく放出され、あまりの快感に膝に力が抜けてがくがくする。
ずり下がりそうになるのを、苑田さんが股の間の足を入れ、抱き支えてくれた。

「・・良かったか?」
「あ・・・」
ぼうっとした俺を見おろし、笑う顔は満足そうだ。
「ほら、そろそろ行くぞ。歩けるか?」
出すものを出して柔らかくなった雄は近くの机の上に合ったティッシュでぬぐわれ、くいっと仕舞われる。
そのひとつひとつにも声が出て、
「敏感なんだな、新井は。」
知らなかった、覚えておこう。と言われ目眩がする。
(また、こんな事されたら、たまんない・・・。)

いつのより重く感じる鞄を持ち、苑田さんの後について夜間出入り口へ行きながら、
(もう二度と、今日やってしまったミスは繰り返さない。)
と心に誓った。

プロフィール

ますみ

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