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『プリズム』

『プリズム』*パラレル-4

こんばんは。今日が最後の、パラレル。
・・・本当は、終わるはずだったんです、けど。。なのでこちらは番外の番・外 あの方に来ていただきました。

楽しんでいただけるとうれしいなあ。





香川は、小さく舌打ちした。


現在(いま)、生業にしているのは個人での株取引だ。始めた頃は失敗もして野宿まで経験したが、経験を積み、自宅と、仕事用の部屋を借りられるようにまでなっている。
かと言って、一日中パソコンの画面を睨んでいるのは性に合わず、週二回ほど屋外で過ごす。

外にいれば自然と付き合いもできてくるもので、その中の一人に、付きまとわれるようになった。
どうやら株で大損し、必死になっているらしい。

(だが、俺が手を貸せるものではない。)

父親が親戚の連帯保証人になり、そのせいで家族崩壊した身としては、他人事の巻き添えを食うのはまっぴらだった。



「なあ、教えてくれよ。この通りだ。どの株なら必ず儲かるんだ?!」
「いい加減にしてくれ。’必ず儲かる’株なんて無い。」


何度同じ会話を繰り返しても伝わらない。
できるだけ関わらないようにしていたのに、今夜は折悪しく飲み屋街でばったり出会ってしまった。
しかも相手は酔っている。

舌打ちしてさっさと背を向け歩き出したが、相手は後をついてくる。
途中で息が上がるだろうとたかを括り、わざと最寄駅ではない方へ歩き出したのがまずかった。
通る人が次第に減り、逆に見つけられやすくなってどこまでも足音が聞こえる。
あの角を曲がったら待ち伏せして、話をつけよう。
そう決めて足を速めビルの角を曲った。


(こんな所に、バー?)
曲がってすぐにぽかりと出入り口があり階段が続いている。壁に埋め込まれた細い看板を見て咄嗟に飛び込み五・六段も上がると、バタバタ走って来る音が。
「・・・・っくしょう・・。どこ、行ったんだ・・・」
息を切らせながら男がそのあたりを探すのが聞こえ、そっと後ずさりに段をあがる。
しばらく立ちつくして俺を探していたようだったが、やがて諦め立ち去っていった。

ほう、と詰めた息を吐く。その背中に、
「君、もういいかね?」
穏やかな声をかけられ、驚いて振り返った。

相撲取りならやっと、と言う階段の上の方で紳士が、しゃがんで俺を見おろしている。
「済まないが、君の都合がいいなら外へ出てくれないか?じき迎えが来るのでね。」
「あ、失礼を。」
降りて外へ出、彼が来るのを待つ。
「ありがとう。助かったよ。」
「いえ。こちらこそご迷惑をおかけしてしまって。」
失礼を詫び、あの男と逆方向へ行こうとした。
「君」
「はい?」
「この上のバーは、居心地がいい。行ってみたまえ。」
目を丸くすると、
「時々、いるんだ。あそこに呼ばれるようにして来る人間が。きっと君もそうだと思う。」
静かに勧めてくれる。
「はあ・・。」
そこへ、車のヘッドライトが近付いてきた。
「・・来たようだ。では、私はこれで。」
滑らかに止まった車のドアを開けて乗り込み、帰途につく紳士は、俺にウインクして口角をあげた。

俺は、出てきた階段を見上げた。



「いらっしゃいませ。」
シャラ・・・ン、と不思議なドアチャイムの音色と、店主らしき男の声に迎えられ、中へ入る。

カウンターと、ボックス席の小ぢんまりした、バー。
(確かに、居心地は良さそうだ。)
せっかくだ、飲んでいこうとカウンターに座った。




ある時、ドアを開けたなり聞こえた声に動きが止まる。
苑田が、来ていた。

なぜだろう、咄嗟にマスターに視線を飛ばし首を横に振る。 彼も俺に判る程度の頷きをして、‘いらっしゃいませ’とは言わなかった。目の動きで隠れられるボックス席へ促され、滑り込む。


「香川さん、苑田さんとお知り合いでしたか?」
苑田が帰ったあとカウンターに座りなおし、いつものを俺の前に置いたあと、マスターが聞く。
「・・まあ、な。あいつ、・・・常連か?」
「私の先輩なんです。」
「なに?」
くくく、と、鳩が鳴くように喉の奥で笑い、
「香川さん、’信じられない‘って顔ですよ。」
「あんたの方が年上に見えるよ。  おかわり」
「はい」



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雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その49

5月の連休、この辺りの農家さんは、田植えに忙しい時。


耕運機が道路に跡を付け。 田んぼに水が入り、夕日が水に映る。
苗を乗せた軽トラが行き交い、時にカラフルなビーチパラソルをさした田植え機が、リズムを刻みながら苗を水田に埋め込んでいく。

気の早い燕が巣作りの泥を運んでいる。


車で通りながら、歩いて通りながら眺めていると、しみじみ「いいなあ・・。」と思います。


その横には、麦。
麦は、もう少ししたら収穫です。
青々として風にゆれる稲の葉と、直立して黄色く実った麦が隣り合わせ。

゜麦秋’って季語があるんですよ。初夏の季節を表す言葉。日本人って時の移ろいに敏感なんだ、、って言葉ですネ。
5月にはほかに、風薫るとか、風に関する季語も、多いです。

爽やかな季節ですもの。



そして私は、ちょっと実家へ行ってきます。

『プリズム』

『プリズム』について。

今日までG・Wでした。でも、私の仕事先(?自営です)は平日。いつものUPの時間が近づくと妙に落ち着かなくなって・・・。
とうとう時間外に書いてしまうことに。 貧乏性だ~。


とは言っても、おはなしではありません。
『プリズム』 は、新展開になると思います。あ、全然別ではなく引き続き、ですが、新たに出てくる人がいます。
女の人たちも。

恋人同士になった二人ですが、彼らの時間ではまだ1年経っていません。最初に出会ったのは2月後半。今は秋です。
リアルを追い越してしまったので、真夏に冬のお話をするかもしれません(汗)。  まあ、そのあたりは笑ってくださいね。

***   ***


「こんばんは、苑田です。
新井・・・、崇と、付き合うようになって、前を向く事が出来るようになりました。この先、まだ色々あると思いますが、手を繋いで歩いていきたいと思っています。よかったら、またしばらくお付き合いください。」

「こんばんは。新井です。
苑田さん、って呼ぶよりひろさん、って呼ぶ方が好きなんだけど、やっぱり公私はちゃんと分けないといけないので、気を付けてます。
あの、女の人が出てくるってあったんですけど。。  ひろさ・・、苑田さんにそんな人いるんですかっ?!」


さあ、それは。


「新井さん、一途ですねー。あれなら苑田先輩もよろめくこと無いと思うのですが、頼まれると弱いですから・・・。ねぇ香川さん。」
「あんまり坊やを脅かすなよ、子湖塚マスター。  だが、苑田、坊やといるとだだ漏れしてるな(笑)。」
「ええ。本人気付いてないようですけど(笑)。」


ふふ、今はアツアツですから。 ・・・試練に遭って、信頼も、愛情も、強くなると思いたい・・です。
では明日。







『プリズム』

『プリズム』19**新しいこと

今日から、あらたな出会いがいくつかあります。どんな人達でしょう。




「来月からしばらく、二課と共同で営業する。」
十月半ばになって、中島部長から通達があった。

年末年始はイベントが多い。
今までもプレゼント用に高級文具をアピールしてきていたが、個別に営業するよりは合同でした方が色々メリットがあるのではないか、と言う上層部の判断らしい。
今回は何もかも初めてなので、試験的なものだとも言われた。
勝手が違う一課と二課だけど、俺は、苑田さんと組んで仕事ができたらいいなとひそかに思い、どこかそわそわしていた。

発表されたのは3つのグループ。
三人一組で、その中に俺も苑田さんも入っていて。
(やった!)
同じグループに振り分けられて心でガッツポーズをとる。
「あと一人は・・市島さん、か。」
一課にいる人だけどほとんど接触が無い。


「私の仕事の、邪魔だけはしないでください。」
三人で初めての顔合わせ、市島さんが開口一番そう言って、呆気にとられる。苑田さんは、
「解りました。では、市島さんを中心に予定を立てましょう。今、差し迫ったことはありますか?」
と普通に話していたけど腑に落ちない。


それから苑田さんと一緒に営業に回りはじめた。
今は俺だけど、以前は苑田さんが回っていた取引先へ行くと、どこも、
「あれ?苑田さん?」
とか、
「やあ、なつかしいなあ。久しぶり、苑田さん。」
と、俺より先に声がかけられ、時には部長クラスの人が、
「苑田さんが来るなんて」
わざわざ席を立って挨拶しに来る。
ほんのちょっと悔しいけど、苑田さんが今まで積み重ねてきたことを教えてもらえるようですごく嬉しい。そして、

「新井はまだ勉強中なので、色々しごいてやってください。」

苑田さんがそう言って改めて俺の事を頼むと、どの人も、
「そうか、君、苑田さんの後を引き継いでるのか。・・じゃあ、頑張らないとね。」
期待するように言ってくれるから、俺としては嫌でもテンションあがっていく。

そんなこんなで忙しいけど、楽しみな年末になりそうだった。



ある日、昼の社食で空いてる席を探している時、
「市島さん・・」
一人で食べているのが見えた。盆を持ったまま近付くと、書類を見ながら半分うわの空で箸を口に運んでいる。
(あれじゃ、食べた気にならないよ)
そう思って声をかけようとした。でもその前に、
「よっ、新井。なにつっ立ってるんだ?」
「・・北森。おどかすなよ。」
「まあまあ。一緒に食おうぜ。」
後ろから声をかけられ、断る理由もないので手近な席に座る。

「おまえさ、今度実験台になってるんだっけ?どうよ。」
「じっ・・。せめて新企画って言えよ。」
「あ、そか。そうとも言える。」
二人でアハハと笑いだす。
北森は、同期の中で一番気が合った。俺より社内の情報通で、時には人間関係のレクチャーもしてくれる。

ふと思いついて聞いた。
「なあ、おまえ、社内の噂とか詳しかったよな?俺が今組んで仕事する市島さんの事、聞いてる?」
「市島さん?・・・市島さん、ねぇ。あのひと、真面目だからなあ。
苑田さんならたくさんあるけど。」

そっちはいい。

「あ、でも・・。市島さん、前の進藤部長を尊敬していたみたいだったぞ。」

え?

思いもよらない事を聞いて、箸が止まる。
「進藤部長を?」
「ああ。あの人、売り込み上手かっただろ?市島さん、そういうのなかなか出来ないからさ、よく相談してた。」
アクも強かったけど、一課で一番の成績だったもんなあ。京都で何してんだろう?

北森の言葉は、途中から耳を素通りしていった。

『プリズム』

『プリズム』19**新しいこと-2


市島さん、進藤部長を・・・・。

そうだな。確かに他社と競合している時、売り込みをかける進藤部長は凄かった。俺だって、苑田さんに会わなければきっと知らなかっただろう。
あんな事までして成績を上げてた、なんて。

「・・・、なあ、聞いてる?」
「あーっ、取るなよ俺の唐揚げ」

つい考えてたら、北森の箸が俺のおかずを強奪していく。
「うま。 でさあ、苑田さんなんだけど。」
「・・苑田さん?」
恨めしげに北森の口元を見ていたら、そう繰り返された。
「そう。あの人、この頃明るくなったって言うか・・、前向きなんだ。だから一之瀬課長も今度の実験・・じゃない、試みにいれたらしい。」
「前向き?」
「うん。元々できる人だったけど積極性が出たっていうか、新規開拓もしてさ、成績上がってるんだ。おかげで俺らも発破かけられて。」
「ふぅん。」

そっか。範裕さん、頑張ってるんだ。俺も負けないようにしないと。

会話は、天気やニュースに移った。あとは、面白い靴の話。
「へえー、そんな靴があるんだ。」
「詳しく知りたかったらネットで見れば?」
「ああ、そうする。」


午後、外回りの確認をして出かけようとしたら、市島さんが何だか肩を落として部屋を出ていくのが見えた。
気になって、エレベータ近くまで追いかけてしまった。

「市島さん。」
「新井くん?・・・なにか?」
「・・いえ、何か気になったんで。」
大丈夫ですか?とは言わなかったけど、そんな俺を見て、はあぁ・・っ、と大きいため息をついたから、
「あの。俺でよかったら話してみませんか・・?」
と言ってしまった。


「今行ってる取引先と、なかなか上手くいかなくてね・・・・」
自販機コーナーで腰をおろして、市島さんがぽつりと言った。

「自分が、融通がきかないのは、分かっているんだ。だけど、あからさまに言われると・・。」
「・・たとえば、どんなことですか?」
「コピー用紙。 『急に大量消費してなくなったんだけど、すぐ持って来てくれ。』 言われても、在庫が足りなかったりするだろう?
ほかに、サインペンの色間違いの発注訂正が納品後にあったり。出先で連絡があっても、その日のうちに行けない時もある。
担当者がのんびりした性格らしくって、今の今、って注文が多くてね。」
かと言って日を置かず連絡すると煩がられるんだ、と背中が丸くなる。

聞いてて、あれ?と思った。
(俺にもある。・・いや、あったな、そんな事。)

「市島さん。」
「うん?」
「俺にもありました、そんな事。それで・・、相談したんです、ある人に。そしたら色々教えてくれて。」
市島さんの顔が上がる。
「どんなこと?」
「ええと、たとえばボールペンなら、三本とか五本とかを纏めてタグをつけるんです。
‘無くなりそうなので、連絡をください’
みたいなことを書いて。纏めてあるのって、ばらすの面倒だから最後まで使わないですよね?だから向こうでも気がついて、注文が来るんです。」
「・・・いい。方法だね。」
「コピー用紙も、包装の部分に同じような事や、持っていくまでの日数とかメモっておくといい、って言われて、やったら確かに慌てる事が減りました。」
「・・聞かせてくれて、ありがとう。それくらいなら出来そうだ。私もやってみるよ。」
さっきより顔色まで明るくなった市島さん。一つ頷いて出かけていった。


雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その50

眼鏡、は、私の必需品です。

かけ始めは、小学生の頃。ご多分にもれず、TVと本の読み過ぎが原因(たはは)。
その頃の眼鏡はガラスのレンズ。 もう耳が痛くて鼻が妙に押される感じで、かけているのが煩わしかったのを覚えています。

でも、視界の変化は劇的でした。  しかめっ面をしなくても黒板の文字が、遠くがよく見える。
ラーメンの湯気や、冬、外から部屋の中に入った時に眼鏡が曇ろうと、うっかり眼鏡をかけたまま顔を洗おうとして水をかけたりしようと、(←おいおい)些細な事に感じるくらい。

今ではPC用と運転用、2つの眼鏡が手元にあります。


そう言えば、時代劇ではフレームでは無く弦のようなもので耳にかけてましたね。アルセーヌ・ルパンは目に嵌めこむような片メガネ(モノクル、と言ったそうです)。
ズ――ッと昔は高価なものだったそうですが、今ではファッション。

トンボ眼鏡からごく薄タイプまで千差万別。この頃は畳んで(?)も厚さが2mmのメガネまであるとか!
これ、ペーパーメガネ、と言うそうです。


私が使ったら、すぐ失くしそう・・・。


『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』*頼みごとー12

リアルは初夏ですが、お話はクリスマスから年末です。。
そして電話の会話が多いです。




手袋をはめてゴロゴロしていたら、着信音。
― もしもし?」
非通知だったから用心してたら、
― こんばんは。メリクリ。」
― 未遊?」
― なに、そのがっかりした声。」
― あ、いや。どしたんだ?」
― プレゼント交換したんだって?」
― ど・・どうして知ってるんだ?!」
― ふふん、教えなーい。  で?次の約束とかしたの?優奈と。」

あ・・。

― べ、別にいいだろ、そんなこと。」
― ま、私には関係ないからいいけど?優奈、がっかりしてるかもねー。」
― 『がっかり』?」
― お礼の電話もしてくれない・・とかね。女の子ってそういうの大事なのよ~」
― そうなのか・・?」
― そうよ。 優奈は大人しい子だからじっと待ってるんじゃない?能見くん、何とかしなさいね」
― 分かった。ありがとうな、未遊。」
― どういたしまして。お礼は‘シャルダン’のケーキでいいから。 バイバイ。」
― ちょ、・・・おい、み・・。。」
切れちゃった。  まじ?

でも、優奈ちゃん、待ってるんだったら、連絡しないと。

未遊に言われて、って言うのがちょっと癪(しゃく)だけど、うきうきしながらメールし
た。
(お正月なら、会えるかな?)




明後日がお正月、の夕方、実家へ行く電車に乗った。来月、いや、来年の楽しみは優奈ち
ゃんの着物姿だ。

「メールに、『着物を着るので見に来てください。』 なんてあったらどんな事したって帰
るよなあ。」
思い出しながら口元が緩む。きっとすごく可愛いだろう。浴衣だってあんなに似合ってた
んだから。
と、着信音。慌ててスマホを引っ張り出してOFFにする。以前は電車内の会話なんてよ
くあったらしいけど、今じゃほとんどメールかSNS,ツイートなどなど指先で喋ってる。
俺だって他人に筒抜けの会話なんてしたくない。
画面を見ればおふくろだったから、降りてから連絡しようとしまい込んだ。

― もしもし。」
― あら智?どうしたの?」
― どうしたの、じゃないだろ。電話かけてきたのおふ・・、母さんじゃないか。何の用?」
― あー、そうだった。でももういいわ。和弘さんに頼んだから。」
どきん、とする。
― 和叔父さん?」
― そうよ。加田浦、がまたお正月に来るらしいから、来てもらうことにしたの。智と同じ日に来るらしいから、ついでに頼んだ  のよ。」
― 母さん、和叔父さんこき使ってない?」
― そんなことないわ。家に来る途中だし。」

それをこき使う、って言うんじゃないか?
と思いながら出口へ向かう人波を見ていた。その一角に、
「あ!」
和叔父さん!
― 母さん、切るね。」
― 智?」
急がないと見失う。



『プリズム』

『プリズム』19**新しいこと-3


「さーてっと。俺も行こう。」

途中、検索かけて北森の言っていた’靴‘の情報をゲットし、タムラ文具へ向かう。
「ちょっと時期外れだけど、話題にはなるよな。」


タムラ文具にも情報通の人はいる。趣味を通じて社外の人と活動している・・、
「あ、倉持さん。 お久しぶりです。」
「やあ、新井くん。そうだねえ、半年ぶりくらい?」
「えー、そんなに(間が)空いてないと思いますけど。」
「そうか?」

倉持さん。この人は経理にいる人だ。俺が行く総務と直接関係ないけど、何度か総務の部屋で会うことがあって、
『君は話がしやすい』と気に入ってもらい、会えた時はこうやって話をする。
「今日のネタは何があるんだい?難しそう?」
「いいえ、簡単です。倉持さん、‘穴のあいた靴’*ってご存知ですか?」
「‘穴のあいた靴’ぅ?・・初耳だ。なに、それ?」
「ビジネスシューズです。ちょっと待ってください、確か携帯に・・・ほら。」
「・・・・へえぇ、面白いね。」
倉持さん、携帯に出た情報画面にじっと見入っている。 こんなに反応してくれるなら、ほかの営業先でも話題になるかもしれない。

「値段は高いけど気になる靴だね。」
の感想のあと、
「じゃあ、こっちからはリフォームのお知らせ。社内の一部を改装するんだ。」
情報をもらう。
「改装、ですか?」
「うん。パソコンとか色々替えるらしい。 ・・この頃はキカイの進歩が速いから、俺たちちゅーこー年は追いつけなくって大変さ。」
「そんなことないですよ。俺だってまだ携帯です。」
「ははっ。それはともかく総務で何気なく聞いてみるといい。要る物があるかもしれないから。」
「わ。聞いてみます。いつも情報ありがとうございますっ。」
「いいって。こっちもネタもらったし。じゃ」

総務に行く前に倉持さんに会えてよかった。

そして総務に行き、チェックを終えたあと‘ほかに、必要なものありますか?’って聞いたら。
「それじゃあ、頼んじゃおうかな。」
注文が入ったんだ。

「タイミング良かったね、新井さん。」
「はい。・・あ、いえ・・」
「やあね、どっち?」
対応してくれた女子社員がころころと笑う。
「新井さんって、面白い。」
「マメに顔を出すから、ウマい話にも当たるんだよな。」
係長の軒村さんからも声をかけてもらった。
「はい。ありがとうございました。」


タムラ文具を出て呟く。
「あとで北森におごらないと駄目かも。」
瓢箪から駒、でなければ海老で鯛、みたいな受注だった。

続けて二・三社回っているともう暗くなってくる。早いなあ。

「ただいま戻りました。」
「あ、新井くん。」
「市島さん?」
まっ先に返してくれたのは市島さんだ。
「さっきはありがとう。あの話、本当に役に立った。」
「そうでしたか。よかったですね。」
「それで・・。お礼が、したいんだけど。」
「あは。 大した事じゃないですよ。気にしないでください。」
「気にするよ。向こうだってちゃんと応対してくれたんだ。一つ気がかりが減っただけでも大助かりなんだよ。」

でも、あれは苑田さんの受け売りで・・。

「・・あ、じゃあ飲みに行きませんか?俺・・や、私も市島さんと話してみたいし。」
「それは、構わないが・・・」
「居酒屋は?」
「済まない、私は下戸で」
「焼き鳥屋さんはどうです?」
「な・なんとか。」
「よく行く店があるんですけど、そこでもいいですか?」
「あ、ああ。」
「でしたら、報告書書いたら行きます。市島さん、仕事終わってるなら先行って・・」
「君と一緒に行くよ。」
「分かりました。出来るだけ早く終わらせます。」

『プリズム』

『プリズム』19**新しいこと-4


「ここ、ですか?」
市島さん、年季の入っていそうな店の外観に早くも驚いてる。
「ええ。俺も最初は入るの勇気要りましたけど、その時はもう腹が減ってて。匂いに釣られたって言う感じで。」
そう言って先に暖簾をくぐる。
「こんばんはー。」
「っらっしゃい。やあ、新井さん。・・・あれ?今日は苑田さんじゃないの?」
「うん。でも、同じ会社の人。・・よかった、テーブル席空いてる。市島さん、こっちです。」
いつもの通り親父さんに挨拶して、店の雰囲気に慣れない市島さんを促してテーブル席に着く。


「新井くん。・・君、苑田さんと親しいのか?」
ビールをちびちび飲みながら焼き鳥を食べ、少し気分のほぐれてきた市島さんが切り出した。
「ええまあ。苑田さんは色々教えてくれて・・・・」
「止めた方がいいよ、彼と親しくするのは。」
‘仲いいんです’と言う前に強い口調で遮られる。
「市島さん?」
「君だって、彼の良くない噂を聞いたことがあるだろう?それに」
言葉を切って、俺から目を逸らし、
「私は・・、見たことがある。」
言い難そうに続けた。
「何をですか?」
「彼の・・、噂が、事実だった事をだ。
その手のホテルへ、男と二人で入っていくのを、偶然、見てしまったんだ。」
口にするのも汚らわしい、と、吐き捨てるような口調だった。

「それ・・、いつのことですか」
俺の声も少し強ばっていたんだろう。市島さんは同情するように一つ頷き、
「半年・・ほどか、もう少し前かもしれない。
確かに彼は仕事もできるようだが、あんな方法で売り上げを伸ばしている人間と一緒にいたらこちらまでそういう人間かと思われてしまう。
知らずに近づいたのなら、今のうちに離れる方がきみの傷が少なくて済む。」

・・・半年か、それ以上前。
ということは、俺が初めて進藤部長や苑田さんとエレベータに乗り合わせた、あの頃だろうか。

「進藤部長が、彼と同期だからとよく一緒にいるのを見かけたが、私にはあれも不満だった。だってそうだろう?あんなに出来る部長が、よりによって・・・」

「市島さん、やめてください。」
俺が心の中で記憶を辿っている間も市島さんの話は続いていたが、苑田さんの批判ばかりか、進藤部長のことまで出てきて、我慢できなくなった。
「確かに、進藤、全部長、は・・、すごかったです。俺も尊敬してました。でも、あの人にだって、他人に言わないことがあった・・と思うんです。
苑田さんも。

俺、誰かと組んで仕事するの初めてで、市島さんからもたくさん教わりたいと思ってます。
だけど、悪口言う市島さんは好きじゃありません。」

市島さん、ハッとした。

「わ・私はただ・・・」
狼狽えて言葉に詰まり、俯く市島さん。何だかこっちが苛めてるみたいだ。
「市島さん、顔、あげてください。俺、怒ってるんじゃないですから。」
「・・・私は、」

「・・・。聞いたんですけど、市島さん、しんど・・、前の部長の事、尊敬してたんだそうですね。」
北森が言ってた事思い出して、聞くと、顔が上がった。
「ああ。進藤部長は、すごい人だった。他社とのプレゼンでは一度も負けたことが無かったし、どこから情報を手に入れるんだろうと思うくらい、売り込み時期がてきかくだったんだ。行動力だって・・・。
私がくませてもらったていた時、どうやっても追いつけなかった。逆に足を引っ張って迷惑かけたのに、笑ってフォローしてくれた。

目標だった。 あの人が。」

熱く語る市島さんに圧倒される。
うん、気持ちは分かる。すごく分かるんだけど、俺は・・、知ってしまったんだ。
だから、同じ目線になれない。

『プリズム』

『プリズム』19**新しいこと-5

きゃー!すみませんっ!予約投稿、時間間違えましたーー!




「なあ、新井くん・・っ、君は、真っ直ぐ、だ。そのいい、ところを、っく、な・・さないで、くれ」
酔った市島さんが支えられながら、また言う。
「はい、ありがとうございま・・・っと、危ないですよ。」
「・・や、だ・・いじょ、ぶ」
あのあと一時間近く話し込まれ、市島さんは酔っぱらった。
行儀はいいんだ、けど、一人ではどうにも出来なくて、結局苑田さんを呼んで手伝ってもらっている。

「家は?住所とか聞いてるのか?崇」
反対側を支えている苑田さんが聞いてくる。
「・・いえ、ないです・・・」
「しょうがないな。おまえの所行くぞ。」
「え?俺の?」
「こんな状態じゃ置いて帰れないだろ。それに・・、市島さんは俺を避けてるしな。」
「範裕さん・・」
向こうを向いてタクシーに手をあげるから顔が見えない。
「・・・市島さん、前の、進藤部長のこと、尊敬してたって」
「そう、か」

俺のひと言だけで察したらしい。それから範裕さんはほとんど口をきかず、部屋に着いて市島さんを寝かすまで喋らなかった。

「じゃあ、行く。」
「あ・・ありがと、ひろさん。・・・ごめんね。」
「いや」

帰ろうとするのを玄関まで追いかけていき、靴を履いて背中を向けたひろさんの腕を取って振り向かせる。
「たか・・」
そのまま抱き寄せ、一度キスして、もう一度、深く合わせ、舌を絡ませ。
「・・・ん・・っ」
ひろさんの小さな喘ぎが聞こえ、体が熱くなった。もっと、と続けようとした時、
「う~~っ・・・」
市島さんの呻き声が聞こえた。

ドキッとして唇が離れる。

範裕さんが苦笑しながら俺の腕をほどいた。
「今日は、お終いだ。」
「・・・・うん。」
見つかったら何か言われそうだ。でも、最近泊まりにも来てくれないひろさんに触れて、欲しくなっている。
「今度・・・、いつ来てくれる?」
「分からない。・・・都合がついたらメール入れるから。」
くすくす笑いながら‘そんな顔でみるな’と耳元で囁き、ぎゅっと抱きしめてくれたあと、ひろさんは帰った。

ハァーーーッため息をついて向きを変える。
市島さんには悪いけど、兆しはじめたソコを大人しくさせるため、シャワーを浴びようと出来るだけ静かに着替えを出してそーっと風呂場へ行った。

自分の部屋なのにこそこそしてるのが可笑しくなって笑いながら体と頭を洗い、範裕さんとここでシタ時を思い出しながら一人で昇りつめた。


寝室に戻ると市島さんが起きていて、俺を見てほっとした顔になる。
「あ、すいません、シャワー浴びてたんで。起こしちゃいました?」
「そう言う訳でもないが・・。ここは、君の部屋だよね?済まない、酔っぱらってしまって・・・」
「気にしないでください。俺だって時々やっちゃって、気がついたら友達の家、ってことありましたから。
それより気分どうですか?」
恐縮する市島さんに、きにしないようにさらっと聞いたけど、
「もう、酔いも醒めたみたいだし、帰るよ。 悪いけど、タクシー呼ん、で・・」
未だ顔色がよくないのに無理して立とうとして、口を押さえた。
「市島さん?」
「・・ト・トイレは・・・・」
「こっちです」
吐き気をこらえる市島さんを急いでトイレに連れていく。

「・・・・ありがとう・・、何からなにまで・・・」
「気にしないでくださいって。誰だって経験するし、よくある事なんですから。」

無事間に会って、トイレで吐き戻した市島さんに、範裕さん未使用の衣類を出し、シャワーを勧めた。
多分服や体に残ったお酒の匂いが鼻についたんだろう。お酒苦手って言ってたし。
市島さん、しどろもどろになって謝っていたけど、諦めて(?)シャワーを浴びたら気分も浮上したようだ。

『プリズム』

『プリズム』19**新しいこと-6


「でも、この服のサイズは君と違うみたいだ。着ていいのかい?」
「そ・れは・・、時々、知り合いの人が泊まりに来て、その時用に」
範裕さんだと言ったらひっくり返りそうだから、名前は出さないでおく。
けど、意外に見てるんだ。 ひやっとした。
「本当に大丈夫?」
「ええ、気にする人じゃないですから。市島さんがいいなら着ていってください。」
「しかし」
「わ。もうこんな時間。寝ましょう。明日も仕事です。」
市島さんには、俺のベッドで寝てもらい、俺は、あの折り畳みベッドで寝た。

翌日、二人で出社する。
市島さん、こんな風に連れだって出勤するのは初めてらしく、どこか楽しそうだ。

「それじゃあ。新井くんも仕事頑張って。あと・・、服のこと、君の知り合いにお詫びとお礼を必ず伝えて欲しい。何だったら代金をはらうから、その事も」
「はい、必ず伝えます。でも本当にお金とかは気にしないでください。じゃあ、市島さんも頑張ってください。」

北森の言った通り、真面目な人だなあ。見習わないと。


昼休み、社食にして範裕さんにメール。
市島さんに服を貸したこと、次回の訪問予定の打ち合わせをしたいことなどを入れて送り、食事していると、声をかけられた。

「営業一課の新井さん、ですよね?」
「・・はっい、ふむませ・・っん。・・・そ、うですけど。」
口の中のものを呑み込んで慌てて返事すると、声をかけてきた女性が続ける。
「ふふ・・っ。あ、ごめんなさい。
私、総務の絹里、って言います。今回、チーム営業の皆さんのサポートをすることになりました。 何かあったら言ってくださいね。」
にこっと笑う笑顔が可愛い。
「こちらこそ。・・あ、食事、まだなんですか?よかったらどうぞ。」
「いいんですか?それじゃ、遠慮なく。」
お弁当セットを持ったままだった彼女を誘うと、ストンと目の前の椅子に座って広げだす。

見るともなく見ていると、彩りのいい中身が見えた。
「美味しそうだね。自分で作ってるの?絹里さん。」
「はい。ほとんど残り物です。」
恥ずかしそうだけど、でも、工夫している感じがする。
「全然そんな風に見えないよ。美味しそうだ。」
「ありがとうございます。そう言ってもらえると、うれしい。」
「毎日、つくってるの?」
「そうです。今住んでる所、ちょっと背伸びして決めた場所なので、ルームシェアしてて。同居している子が私と生活パターンが違うのでどうしても食材が残ってしまうので、
「「作ってる」んです」
最後のひと言をほぼ同時に言って声が揃い、おかしくなって笑い合う。
女の人・・と緊張しないで話が出来たのは、湯島課長さん以来だった。

デスクワークで午後が終わる頃、リメールが来た。苑田さんだ。
::仕事の打ち合わせは明後日。服のことは構わないか
「あれ?途中切れ?」
苑田さんらしくないなあ、と思いながら了解メールを送った。


◇  ◇  ◇


「・・・こんな感じで進めていけばいいんじゃないか?」
「分かった。これならあとで間違えたり、とか抜けたり、が無くなる。すごい、ひろ・・」
「こら」
「ごめん。苑田さん。」
社内での打ち合わせ。小さな会議室で、二人きりだとつい呼びかけてしまう。

話も終わって、コーヒーを飲みながら思い出す。
「あの、さ。・・市島さんは?」
「市島さん?まあ・・、向こうに合わせてやってるよ。」
「嫌なこと、ない?」
「今の所は。おまえは?何かあったのか?」
「ううん、無い。(一緒に飲んだ)あの時から、前より話をするけど。」

そっか。何も無い、んならいい。

雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その51


 母の日だった11日。カーネーションのほかに、色々な花がスーパーでも花屋さんでも飾られていましたネ。紫陽花・薔薇・百合

百合の花って、日本にたくさんあるんだそうです。鉄砲ユリやオニゆり、日光キスゲ、黒ユリ・・などなど。
世界にある百合のうち、日本原産(原種)は1/6もあるとか! びっくりです。

カサブランカ、という百合。これ、日本の山百合を品種改良したものだそう。ゴージャスになって逆輸入されたのは、有名な話なんですって。


日本の百合が外国に紹介されたのは、あのシーボルトさんが持ち帰ったから。鉄砲ユリを標本としたそうです(ホルマリン漬け~)。
その頃のヨーロッパの百合は、トルコキキョウのように小さなもの。
日本の百合は大きくてキレイで、球根は高値で取引され、明治初期には輸出までしていた、とか。。


そうそう、百合の根っこを食べるのは日本、中国、蒙古、旧満州およびシベリア の一部で、欧米人はほとんど料理には使わないんだそうですよ。
ほっくりして、味がよく 沁みると美味しいのに。
あ、でも、薬用効果があるのは世界的に知られていて、そちらの方面ではよく使われていた記録が。


じゃが芋も、最初は鑑賞用だった(!)事を思うと、なんだか不思議。
こちらはスペインがインカから持ち帰り、フランスの宮殿で花を愛でるために栽培されてたそうです。
食用になったのはやっぱりドイツから。フリードリッヒ大王さまのおかげでしたー。


食べても、眺めても良し、の植物。  私たちに二重の喜びをくれます。
・・・・そして、写真を貼り付けられなかった不器用な私  でした(凹)。



ところで、百合のめしべ。 なんだか男っぽいイメージですね♪

『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』*頼みごとー13

「和叔父さん、待って!」
改札を抜け、先に歩く和叔父さんを呼ぶ。
「智・・くん?」
呼ぶ声に気付いてくれたのか、立ち止まり、振り向いて俺を見つけてくれた。驚いた顔で待っててくれる。
「・・追、いついた」
「どうしたんだい?」
「なん、か、母さんに、頼まれた・・って」
はあはあと息をつきながら話す俺に、
「たいしたことじゃないよ。それに、行く途中だし」
「じゃ、家に来るの?」
「そうだよ」
和叔父さんが、正月も居る。
「なんか、うれしーな」
へへ、と笑うと和叔父さんが俺の頭をぽん、と叩いて。
「せっかくだし、一緒に行くかい?買い物」
「行く!」

「ただいまー」
「お邪魔します」
母さんに頼まれた買い物を持って玄関に入る。
「おかえりなさーい。・・・あら、一緒だったの?」
「うん。駅で会った」
「あ、枝里子さん、これ。」
「まあ、ありがとう。一人で持って帰って来るの重そうで、ずるずる延ばしていたらこんな日になっちゃって。ごめんなさい」
「いいんですよ。ここに置けばいいのかな?」
「ええ、その上にお願い」
和叔父さんが持ってきたのは鉢植えの花。加田浦さんが来るため用に欲しかったらしい。

荷物を置いて、また和叔父さんの部屋に行く。
「和叔父さん、着物って、着るの難しい?」
「いや、そんなことはないよ。着るのかい?」
「着たいけど、浴衣も母さんに着せてもらったし」
「・・・冬に浴衣は着ないよ?たしか袷があったと思う」
「袷(あわせ)?」
「冬用の着物。裏がついてるから、単衣より暖かいんだ」
「単衣(ひとえ)って?」
「夏用の・・・。ちょっと待って。」
和叔父さん、タブレットを出すと操作して、俺に見せてくれる。
「これが冬用。そしてこっちが・・・夏用」
「・・・ふーん。初めて見る」


『プリズム』

『プリズム』19**新しいこと-7

新井くんと苑田、小会議室の続きから・・・です。


「あ、それと、おとといのメール。切れてたけど」
「ああ」
答えて、頬に赤みが差す。なんでだろ?

「・・後で、おまえの部屋まで行って、服の確認と、買い足すものがあったら、と思ったのを打とうとして、電話がかかってきたからそのまま送ってしまったんだ。」
ちらりと上目遣いで言って顔を隠すようにコーヒーを飲む。

う・わ。・・・すごく、可愛い。

俺は急いで股間を宥めなければならなかった。
ひろさん・・、そんな風にされると、会社なのに押し倒したくなる。


「お、いたいた。
苑田、ちょっと来てくれ。」
いきなりドアが開き、中島部長が顔を出した。
「中島さ・・部長。ノックぐらいしてください。」
「何だ、俺にも言えない秘密会議だったのか?」
笑顔で文句を言う苑田さんに、中島部長も軽い口調で言い返す。
「とにかく頼む。電話を受けたはいいが、手に負えなくなったらしい。」
「わかりました。」

どうせ終わったし、と俺も一緒に会議室を出ると、’手に負えなくなって困っている‘のは。

「中島部長。・・あ」
市島さんだった。

苑田さんを見て露骨に眉をしかめたけど、仕方なさそうに受話器を渡す。
「済みません、お待たせしました。・・はい、お話を承ります。」
いたって事務的に受け取った苑田さんが話しだし、横にいた一之瀬課長が合図して、市島さんと俺達はそっと離れた。

「悪かったね市島くん。」
休憩コーナーまで来ると、一之瀬課長が慰める。
電話が鳴った時、条件反射で市島さんが取ってしまい、内容が二課に関する内容だったらしいのだ。
「私も少しは知っているんだが、応対しきれなくなってね。中島部長に、苑田くんを探して欲しいと頼んだんだ。」
「あいつは好きだから突っ込んで調べるし、実物を見に行ったりするからなあ。時々ビックリするものを持ってる。」
中島部長も頷いてつけ加えた。
「苑田さんて・・、そんなに凄いんですか?」
「おいおい新井、知らないのか?」
せっかくくっ付いてるんだ、色々勉強してこい。なんて発破までかけられてしまった。

今度行った時範裕さんの部屋、よく見せてもらおう。

ひそかに決心していた俺は、市島さんの忌々しそうな表情には気付かなかった。


「あ、一之瀬課長、ここでしたか。電話、終わりました。
市島さん、ありがとうございます。あなたが最初に対応してくださったおかげで話がこじれず済みました」
電話を終わらせた苑田さんが市島さんと一之瀬課長を探しに来て、市島さんに頭を下げる。
「やはり、ビンテージだったのかい?」
「はい、課長。その事で相談が・・・。いいでしょうか?」
「もちろんだ。向こうで聞く。
中島部長、市島くん、お手数をおかけしました。」
「いや、こっちこそ。」

「さて、俺たちも仕事に戻るか。」
「中島部長。」
俺たちを促した中島部長に、市島さんが声をかけて引き止める。
「うん?」
「新井くんを、あまり苑田くんに近付けない方がいいと思います。」
「市島さん?」
「・・・理由は?」
「部長だって聞いているんでしょう?彼の’噂‘。 新井くんが同じような目で見られたら・・・」
「市島」
「は・はい」
「苑田と新井を引き会わせたのは、俺だ。」
「え?」
「それに、新井は強いからそおのうち必ず苑田を引っ張っていくようになる。大丈夫さ。」
そう心配するな、と市島さんの肩をポンと叩いて席に戻っていく。
市島さん、大きくため息をついた。

本文

『プリズム』19**新しいこと-8

少しだけRな部分が・・・。でも、大丈夫かな?




「新井くん」
「は・い」
「きっと、中島部長は知らないと思う。私も言い触らすことはしたくないが、どうしても、という時になったら話をする。だから君も深入りするな。」

でも。

「でも、市島さん。苑田さんは」
「仕事が出来るのはよく分かったよ。一之瀬課長が頼りにしているのを見ればね。だが、私はだらしのない人間は嫌いだ。」
「市島さん・・・」

だらしないんじゃない。逆なんだ。


言い返す事もできず仕事に戻って何だかもやもやする。

「だめだ。集中できないや。」
こんなじゃ残業しても意味ないから、
::ひろさん、今晩行く」
そうメールして、明日に回せることは積み上げて帰り支度をした。



駅に着くと、
::帰りは遅くなるかもしれない」
と返事。
::待ってるから」
::食事、済ませていていいからな。出来るだけ早く帰る」
::わかった」

範裕さんのマンションの最寄り駅で降り、買い物をして部屋へ向かう。
まだ新しい合い鍵は、範裕さんが作ってくれたものだ。

「お邪魔しまーす・・・・・・ただいま?」

ひろさんの匂いがする。
玄関のドアを閉めて、いちど大きく息を吸った。

帰りを待ちながらバーガーをぱくつく。この間のキスから持て余している微熱のようなものが、この部屋に来てはっきりと形になって要求している。

ひろさんが欲しい。俺の下で熱くなるひろさんを感じたい。
ジン・・・、と腰の奥が疼いた。


「ただいま」
「おかえり、ひろさん」
「明かりがついている部屋へ帰るのは・・・いいものだな。」

帰って来たひろさんは、まだテーブルについたままの俺を見てそう言うと、照れくさそうに笑う。
気付いたら、ひろさんを抱きしめキスしていた。

「崇・・・っ、んっ、ふ・・・。んぅっ」
小さくもがいて、でも腕の力を強くしたら力が抜けて、俺に体を預けてくれる。
「ひろさん・・・。ひろ・さ・・・、俺っ」
感情が先走って言葉が出てこない。
だから、またキスをして薄く開いた唇の隙間から舌を入れて、今すぐ欲しいと言う代わりに絡ませた。

そ・・・っとひろさんの舌にも力が入る。でも、すぐするっと抜かれて唇まで離され、
「俺は帰ったばかりだぞ」
こつんと頭をたたかれてしまう。

「ひろさぁん・・・」
「おまえはよくても、俺が、困る。・・・シャワーくらい、させろ」
つい、と横を向いて言う頬がうっすら染まっている。
思わず腰を抱き寄せ、俺の昂ぶりを押し付けてしまった。
「・・・っ、分かった、から、放せ」
「うん。・・・待ってるから」


浴室から聞こえてくるシャワーの音を聞きながら、ベッドの端に腰をおろしてそわそわと待つ。

「崇、おまえはいいのか?」
「え・・・、ぁ」
声に視線を向ければ、腰にバスタオルを巻いた姿で頭を拭きながら尋ねてくる。
体に残った水滴が明かりを反射して、むしゃぶりつきたくなったのを気付いたのか、ひろさんはクスリと笑って近付いた。







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『プリズム』

『プリズム』19**新しいこと-9

昨日の追記でもお知らせしましたが、今日からR――R18?に入ります。年齢に達しない方、苦手な方はご遠慮ください。大丈夫なかた、スクロールしてどうぞ。






















「明日は遅刻出来ないから、あんまりひどくするなよ」
そして片手で俺の顎を取って上向かせ、啄むように唇を重ねる。
目を閉じ、与えられる、柔らかな刺激を追っていると、ひろさんの頭を拭いていたタオルがパサッと顔の両脇に落ちてきて幕のようになり、空気が濃密になる。

部屋に入った時よりひろさんの匂いが、濡れた髪の湿り気までが鼻腔に広がる。
(ひろさん)
伸ばした手で探りながら腰に巻いたバスタオルを引っ張った。
「! 崇・・・っ」
ビクッと反応したひろさんをそのまま引き倒し、二人でベッドに寝転がる。
「狡いぞ」
「だって、ずっとひろさんに触ってない。俺もう我慢できないんだ」
「だからって、俺だけ脱がせるのか?」
「あ」
組み敷いたひろさんに上目遣いで言われ、急いで服を脱ぎ捨てた。

肌を重ね、何度も角度を変えて唇を重ねる。
俺の舌が感じる場所を擦るたびひろさんのくぐもった声が上がり、体が震える。口腔への愛撫に満足して、やっと離した隙間に唾液が糸を引いた。
はぁ、と甘い息をついて閉じていた目を開け、
「崇」
ひろさんが名前を呼ぶ。ぞくぞくして本能のまま尖りだした胸の粒へ歯を立て、甘噛みすると、
「ぁ・・んっ、たか・・・っ」
上ずる嬌声が、もっとと俺を煽る。
咥えて、押し潰すように舐め転がすと背中が撓ってよけいに押し付けられた。
「た・かし・・・、あ・ぁ・・・。んぅっ・・・、っく、ふ・・・っ」
もう片方を手の平で撫で回せば、刺激にこっちもツンと硬くなる。指先で摘めば、びくん、と大きくひろさんの体が跳ねた。

その拍子に触れ合い、互いの体毛と雄が擦れ合う。

「っあ・・・っ、ひろさ・・」
「ん、ぁっ・・・、崇・・・っ」
ひろさんも俺を欲しがってくれてるのが、硬さで分かる。
でもその前に。

骨格を辿るように舌を這わせ、赤い痣をいくつも付けながら、
「ここ・・・、感じるんだったよね?」
「あぁっ。そ・こ、やぁ・・っ、・・・かしィ・・・っ」
シーツを握っていた手が俺の背中で爪を立て、小刻みに震える。
濡れて喘ぐ唇も、淡く染まった肌も、俺だけのものだ。

足を開かせ、白く滑らかな内腿に唇を押し当てる頃には、ひろさんの中芯は透明な蜜でアンダーヘアまで濡れそぼっていた。

「も・・・、もぅっ。たか・・・し、・・・っ」
「もう?」
赤くなって続きを言わないひろさんに、上体を起こして見おろす。密着して汗をかいていた肌が空気に触れ、て少しひんやりした。
「ひろさん、言って?」
ふいと横を向き黙ってしまうから、片手の指先でひろさんの雄を撫でおろし、きゅ、と根元を握った。
「は、んんっ」
「もう、・・・どうしたいの?」
「・・・・・・る」
「え? 何? 」
「いつも、俺に・・・言わせる」
小声で拗ねるのに顔が綻ぶ。
「そうだよ、だってひろさんの方が年、上じゃないか」
「そ・んなの、関係な・・・っ、あ」
これからを期待して、自分の露で濡れている俺の熱棒を蕾に向けて滑らせると、顎を反らして反応する。

一瞬見惚れてから膝立ちになり、ベッドサイドに置いてあったボトルを取った。
蓋を開ける音で気付いたひろさんに、
「聞きたいんだ、言うの。だから・・・ね?」
言って、中身を開けて指にまぶし、双丘の狭間に塗りつける。
まだ冷たかったのか蕾がきゅうっと縮んだけど、指を当てるとひくりと動く。

「ゃ・・・」
脚の間に俺がいるから隠せないそこを、それでも隠そうとして体に力を入れ、そこは逆に俺の指先を食むように受け入れてしまった。






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『プリズム』

『プリズム』19**新しいこと-10

さあ、今日も思い切りR18です。年齢に達しない方、苦手な方はご遠慮ください。大丈夫な方、スクロールしてどうぞ。




















「ぁぁ・・・っ」
「だめだよ、・・・力入れたら」
便乗して中へ押し込めば呼吸が荒くなって胸を喘がせ、そんなひろさんの体の脇に手をつき、もう一度胸に粒を含みながら指を抜き差しする。
「や・・・、ん、んっ」
「嫌じゃ、ないよ。こうされるの、好きだって・・・」
「ひ・・っあ」
咥えたまま喋ったら、二つの刺激に腰が跳ねた。
「ゃっだ・・。ぁ・・・たか・し・・・」
「言えない・・?」
「はぅ・・・ぅっ。そ・・」
指を増やされ、内部の小さなしこりを弄りながら出し入れされて、腰を揺らし身悶えるひろさんの声が俺を直撃する。
痛いほど張り詰めた自分の雄をひろさんのに触れさせたかったけど、そんなに体が柔らかく無かった、から、替わりに腹でひろさんの雄を擦った。
「やめ・・・っ、それ、音が、・・・恥ずかし・・・っ」
粘りのある水音が聞こえ、両腕で赤くなった顔を隠す。本気で言ってるのが分かるから喉が鳴る。
「でも、欲しくなってるんだよね?ここも熱くて、俺の指、締めつけてくる。」
入れた指をばらばらに動かし、くい、と曲げると、びくびく全身が波打つ。
「あ・ぁあっ、あ・・・っ。やぁっ・・・、」
腕が外れて上気した顔があらわれ、半開きの唇が濡れていて。目にしたとたんキスしたくなる。
すぐに重ねてムニムニ動かし舌を入れる。ひろさんの舌が迎えてくれて、絡ませあう。
「ん・・んっ。ふっ・・・、ん・ぅ」
鼻に抜ける声で、さらに体温が上がったようだった。
「『もっと』って言って。・・・『欲しい』って。」
顔を上げ耳朶を舐めて、息を吹き込むように耳元で強請る。
「・・・っと。ぁ、・・た・・・っし、欲し・・・、・・・っ、て」
「ん。」
「あぁあっっ」
動きを止めていた指全部を捻り、ひろさんのイイところを抉るようにして抜き出す。連動して蜜をとろりと溢れさせ、さらに淫らにぬめりを纏う雄を見てしまい、つい・・・。
「は・・!や・めェッ・・・、たかっ・・・!」
くっと握り、親指でぐりぐり鈴口を擦る。刺激が強かったのか背中が弓なりに反り、手の中で硬さと大きさが増していた。

すご・・・。エロスだだ漏れ。

堪え切れなくなった俺はひろさんの腰を浮かせ膝を入れて、湯気が立ちそうな肉棒をぐ・・っと押し込む。

「あっ・・あ。ああっ・・・、んあ・・・っ!」
「・・・っくう・・」
何度抱いても、そこはきつくて、でも、難関をこじ開けるとなかは蕩けていて、俺のモノを押し包み奥へと蠢く。
「――・・・っ」
やっと一番大きい場所を挿入したところで爆発しそうになり、奥歯を噛んで耐えた。

(前に一度、失敗したもんな)

ひろさんは笑ったりしなかったけど、、忘れられない。
その時、一度清めてくれたあと、ひろさんが口で勃たせてくれて、最後までしたのは、絶対に繰り返したくない。

時々息を吐きながら全部収めきり、体重をかけないようにしてひろさんを抱きしめる。
ゆっくり、ひろさんの腕が俺の背中に回され、抱きしめ返してくれる。
その動きに、敏感に反応して大きくなった俺の雄を感じ、悩ましい声を零した。
「・・・ぁ、たか・し・・・」


「・・・動くね」
頷くのを見て、腰を動かしはじめる。

「あ・・・んっ。は、ぁっ。・・・ぁあ・・・、っう、あ・・っ、ひあっ」
「こお・・・、だよ、ね?」
「や・・だぁっ。そっ・・・こは」
深く、長いストロークで。抜き差ししながらイイところを突く。リズムを変え、時々腰を回して穿つようにすると、つめが立てられたのか背中が痛い。








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雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その52

想像力。  これって、人間が持ってる特別なものだと思うんです。

経験したことや、自分以外の人間の言動、文字や映像から思うこと。
例えば、砂漠の砂の熱さなんて知らないけど、「真夏日のお昼のアスファルトみたい」なんて言われると納得出来たり(あ、これはホントに想像です。私も経験してない。汗)。

大切な事でもありますよ。
「私だったら」 あんなこと出来ない、とか、こうしてた、とか。考えられない! とか。そこからまた考え、世界が広がったりすることだって。

柔らかい物でもある、想像。
頭の中で、心の中で広がっていくから、どこまでも、どうにでもなる。
「私の足が自由に伸び縮みしたら、外国まで1歩ね」 なんてまさに想像! その後、なんて考えてもいない~。


さて、今夜は何処まで飛んで行けるかしら?









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『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』*頼みごとー14

前回に引き続き着物の話です。次回まで続く・・・と思います。


「それで、どうして着物なんて」
「実はさ。優奈ちゃんが着物着るんだって。だから俺も、なーんて思ったんだ。動機不純?」
「・・・そんなことないと、思うけど。でも」
「何?」
「智の着物は・・・、あ、兄さんのがあるかな?」

智。

家の中で呼び捨てにされるのは今までなかった。ドキンとしたけど和叔父さんは意識してないみたいだ。
首を傾げて考えていたあと、思い出したように指を鳴らして、
「枝里子さんに断って、和箪笥開けてみよう」
立ち上がった。
「ワダンス?何、それ?」
「着物を入れる箪笥。おいで智。合わせるだけでもしないと」
分かんない単語がでてくるけど、それより和叔父さんの、‘智’呼びが気になって仕方ない。

「枝里子さん、ちょっと和箪笥見たいんだけど、いいかな?」
台所で料理に忙しそうな背中に、和叔父さんが声をかける。
「あら和弘さん、着るの?」
「智くんがね。兄さんの着物、合わせられたらと思ったんだ」
「そうねえ・・。でも今手が放せなくって」
「うん。だから二人で見てもいい?ちゃんと片付けるし」
「和弘さんが一緒ならどうぞ。智一人だと散らかしちゃうもの」
母さんに言われて唇が尖ったけど、着物なんて触ったことないから言い返せない。
「部屋の中、寒いでしょうから、パネルヒーターでも持っていって」
「分かった。ありがとう」

二階の、三畳ほどの部屋。 そこは襖とタンスで仕切られてすぐ手前が六畳間だ。
今までここには入ったことが無い。

「寒っ」
「すぐヒーターつけるから」
灯りと電気ヒーターを点けて、変わった造りのタンスに、
「ねえ、和叔父さん、‘和箪笥’って、これ?」
指さす。
「そう。着物や帯とか、小物を入れるように造ってあるんだよ。・・・・・・ほら」
「わ」
両開きの戸を開けると、見慣れない、引き出し?
和叔父さんは躊躇いもなく一つづつ引き出しては、中を確かめてる。
「え・・・っと、これは違う。これ、じゃない。・・・あ、あった」
一つの引き出しを丸ごと出して六畳間へ。
畳の上に置いて、紙に包まれた着物を取り出す。

「これは、兄さんのだ。そしてこれが僕の。」
広げて見せてくれたのは、さっき見た袷、だ。父さんのは紺色と黒っぽい色、和叔父さんのは、緑と茶色。
「和叔父さん、緑好きなんだね。これも緑だ。」
「まあね。正しくは奥納戸色・墨色・深緑・栗皮茶、と言うんだ。」
「えー。面倒くさい」
「昔からの言い方だから、覚えておくといいよ」
「・・・う・ん」
「さて、合わせようか。立って」
「はーい」





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こちらのバナー、チロルさまから頂いた’智くん’です。 お友だちのひかるさんからまたもプレゼント!
ああ、なんて嬉しいっ!! よいですよね~!
え、と、チロルさまにはお許しを頂いています。 お二方、ありがとうございました(深ぶかお礼)。

本文

お知らせ。  改めて、ですが。

 先週から、バナーが変わりました。

きっかけは、リンクさせてもらっているお友だちの、ひかるさまです。
せっかくだから、と、ぶろぐのタイトルでもある”沈丁花”と、イラストを頂いた「智くん」の・・2つで、

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まさかこんなプレゼントを送ってもらえるなんて思ってもみませんでした!  嬉しい。
そして、そのままなんにも考えずペッタリ貼り付け。

説明もしなかったうっかりを、どうぞお許しください。





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これから、月~金は沈丁花を、土は智くんを貼っていきたいと思います。 よろしくお願いします。

チロルさま。  ひかるさま。
ほんとうに ありがとうございました。

『プリズム』

『プリズム』19**新しいこと-10

今日も続いてのR-18です。 年齢に達しない方、苦手な方はご遠慮ください。大丈夫な方、スクロールしてどうぞ。
新井くん、頑張りました(笑)。
























「んあぁっ・・・、あっ・・ぁ、し・・・、たか・し・・・っ。だ・・そ・こば・・っか、り・ィッ」
喘ぎが入り混じった嬌声が零れ落ちて、部屋の床を埋めていく。その声にも、全身の染まった色にも煽られて歯止めが効かなくなる。

「ひろさん・・・っ、だめだ、って、そんな・・・、エロい、顔っ」
「ぁ・あぁっ、ゃっ・・・、やぁ、んぅっ」
揺さぶられ、髪を乱して声が高くなる。そして、
「・・・めっ、たか・・・っ、もぅっ・・・、ぁ、はぅ・・・っ、かせ、て」
潤んだ目を開けて、強請ってくる。視線が合い、その瞳の色に腰の動きが止まり、俺の雄が反応した。
「ぁ、や・・・っ!」
嵩を増したのが分かったひろさんも、背中を撓らせる。
腹の間に挟まれている雄もびくびくと応えた。
「ひろさん・・・、達きたく、なった?」
くい、と腰を動かすと、
「動かす・・・っ、あ、ひぅっ・・・、」
また、逃げようとする。
腋の下から手を入れ、肩を捕まえて押さえ、片手でひろさんの雄を握りこんだ。
「すご・・・。手が滑る」
蜜を吐き出し続けているそれは硬く脈打ち、触られた刺激で、さらに上を向く。軽く扱くと、
「ゃああっ!・・・っく、ィク・・ッッ!」
顎を跳ねあげて高く啼き、熱い白濁を迸らせた。
「・・・く、っ・・・、ひろ、さんっ・・・」
手足まで突っ張らせて吐精し、奥まで入れた雄に密着している柔肉が締めつけてくる。歯を食いしばって両手で腰を支えなおし、振り切るように引いて、突きあげた。
二度めが、俺にも限界だった。
「ひろさ・・・っ!」
「んんー・・っ、あぁっ・・・っは、あ!」

どくどく・・・っと熱い飛沫を体奥へ放つと、ひろさんもまた体を震わせ、昇りつめたようだった。


荒い息遣いが治まるまではくっついていた。呼吸がととのってきてから、交替で汗を流す。
いつもひろさんが長いから、シーツ交換は俺の役目になっていた。



「大丈夫?」
「・・・何とかな。」

翌日、腰を庇いながら出社するひろさんを、横でさり気なく支えながら、立ち食いで朝を済ませる。
「おまえも一度で済ませたから・・・、酷くは、ない。」
しつこかったけど、と呟く苦情は、でも、俺をにやけさせる。
「だって、久しぶりだった・・・・って」

爪先で足を蹴られる。
「行くぞ」
「ちょっ、待って。まだ残って・・・っぐ、ゴホッ、み・水・・・」
目元をほんのり染めたひろさんが背中を向ける。蕎麦の残りを流し込んで、急いで後を追いかけた。


師走に入って、苑田さんの取引先にも同行するようになった。
相手はほとんどが肩書きのつく人だ。
(苑田さんに恥をかかせちゃいけない)
という思いが先に立って、ぎごちない態度になってしまう。
「そんなに緊張しなくていいんだから」
訪問先を出てから苦笑交じりに言われたけど、なかなか直せなくて。
とうとう、ドジを踏んでしまった。







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『プリズム』

『プリズム』20**大島ビルの、影

訪ねた先は、ある会社。
今まで事務用品を仕入れていた取引先の一つと何か揉め事があったらしく、一度社長に会った。苑田さんを通じて、名賀都商事からも仕入れることになったらしい。
苑田さんを見る目がたまにねっとりしていて、好きになれない。

「それでは、この条件でよろしいですね?」
「ああ、十分だよ。それに、君の会社と後輩くんだ、何も心配していない。
ええ・・と、新井くん、だったね?これからも頼むよ」
「は、はい。こちらこそよろしくお願いします」
最初から同席していた社長が、担当者を押しのけるようにして話を進め、俺たち・名賀都商事に分のいい契約になってしまっている。
ワンマン社長で、反対できるほど力のある人がいないらしい。

つまり、この会社は、社長が『うん』と言わないと何も進まないのだ。

(いやな気分だけど、契約内容が大きいんだよなぁ)

もし自分の勤める会社だったら、そのうち嫌気がさして辞めてるかも、と思いながら契約書を交わし、差し出された手を握って握手しようとした時。
「あ・・っっ」
「新井!」
「・・・え?」
「うぉっ・・・」
「す・すいませんっ!」
袖口がテーブルの隅にあったコーヒーカップの取っ手を引っかけてしまい、横倒しになった。
あっという間に契約書が茶色くなり、向こう側に座っている担当者と社長の方にまで広がってこぼれ、ズボンを濡らしてしまう。
「き・君!」
「相沢社長、大丈夫ですか?」
「あ、ああ、心配ない。」
「すぐに、着替えを」

社長と担当者が急いで出ていき、俺は・・・、
「苑田さん・・・。済みません、でした・・・」
謝ることしか出来なかった。

「大丈夫。相沢社長だってわざとじゃないのは分かっているはずだ。」
苑田さんはそう言って、下げた頭をあげられない俺を促し座らせる。

「苑田さん・・、ちょっと。」
少しして、担当の相馬さんがもう一人連れて来て呼びに来た。
「はい」
「あのっ!謝りになら俺も」
「いえ。苑田さんに来て欲しい、と」
「分かりました」
立ちあがる苑田さんへ、
「こちらの朝井さん、が、ご案内させていただきますので」
「お願いします」
どこか嫌そうに言う相馬さんだったが、苑田さんは頷いて立ちあがり朝井さんと出ていった。

「本当にうっかりしてしまって・・・。済みませんでした」
相馬さんが持ってきた布巾でテーブルを拭いたり、濡れてしまった書類などを一緒に片付けながらもう一度謝る。
「いいえ、こちらこそ社長がつききりになってしまって・・・。申し訳ないと思ってます」
「相馬さん?」
怒ってもいいはずなのに、逆に気を使われてどきまぎする。
「社長は・・、なんと言うかハッキリしすぎていて、嫌いな社員には目もくれないんですが好みの社員には・・・」
そっと周囲を見回して、
「苑田さん、気をつけていたみたいです。」
こっそり続ける。
「『気をつける』?」
新井さんも気に入られたみたいですから、気をつけてくださいね」
「はあ・・・。気をつけます」
訳が判らないけど心配してくれてるのは伝わったから、そう答えた。


契約書を作りなおしても、苑田さんが来ない。ちらっと腕時計を見たら、ここを出る予定時間を結構過ぎている。相馬さんも気付いていてそわそわと落ち着かない様子。

「あのう・・・」
「はっ、はい」
「苑田さん、まだかかるんでしょうか?」
「あ、そう・・、そう、ですね。遅い、ですね・・・」
呼びあがるようにして答え、しきりにドアを見る相馬さんに、こっちも急に気になりはじめる。
「呼びに行き・・・」
「駄目です!そんなことしたら・・・私は」
「~~~・・・。それじゃあ、俺がします」
「新井・さん?」
相馬さんの態度が俺の不安の芽を育てその場で携帯を取り出しコールする。
・・・出ない。
(何をして・・・苑田さん?)








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『プリズム』

『プリズム』20**大島ビルの、影-2

今日は、苑田からの視点でお話が進むところがあります。 ~~ から ~~までです。明日も続きます。
最初は、電話から、ですね。




― ・・・はい、苑田です」
出た!

― 苑田さん、何かあったんですか?」
勢い込んで尋ねると、
― 今からですか?」
―・・・苑田・・さん?」
― 分かりました。新井も連れて戻ります」
― 戻る、って?苑田さ・・、あ」
切れてしまった。何がどうなってるんだ?でも、こっちへ戻ってくることだけは理解できた。


「新井、書類は出来あがったか?社の方から連絡が入った。戻るぞ」
「っはい。じゃあ相馬さん、後はよろしくお願いします。」
足早の靴音を立て、手荒にドアを開けた苑田さんが俺を呼ぶ。急いで立った俺につられて立ちあがった相馬さんを見て、ふわりと笑い、頭を下げてすぐ背中を向けた。


「電話、・・助かったよ」
逃げるようにエントランスを出て信号を渡る。角を曲がり会社が見えなくなってから、ほーーっと息を吐いて苑田さんの足が止まる。並んで立ち止り、聞いた。
「嫌なこと、された、の?」
「いや・・・」
否定したけど、よく見れば髪が乱れネクタイもいつもの位置からずれている。
「殴られたりした?!」
「まさか。それは向こうだってやらない。」
苦笑を浮かべ、髪をかき上げるようにしてさっと整える。

けど、それならどうして向こうを向いて言うんだ?

「苑田さん」
踏み出そうとした腕を掴み、こっちを向けさせた。
「何をされたの?」
「それは・・・」
「言えない事?・・・俺の、所為?」
「大したことじゃ・ない」
「ひろさん!そんなこと言ってるんじゃない!」
思わず腕に力を込めて振る。
「崇」
強く窘められて、ハッとして手を放した。

「・・・ごめん」
「とにかく、済んだ、ことだ。 次(の取引先)、回ろう」
「はい、・・・苑田さん」



~~ 崇には絶対に知られないようにしないと。
苑田は内心ため息をついていた。


朝井さんについて行った先は、やはり社長室だった。
「では、私はこれで」
ドアをノックし、入室を促す声が聞こえた後、不快感を隠そうともせずそう言うと、彼はすぐ廊下を引き返す。 俺は少しほっとした。
おそらく中では人に見られたくない事が起こる。知らない人間は少ない方がいい。

「失礼します」
中へ入るのは初めてだ。
「ようやく、来てくれたな、苑田くん」
相沢社長の声と、意外なことに香り高い珈琲の香りが届く。
「いい匂い、ですね」
「そうだろう? 秘書がコーヒー好きで豆から仕入れてるらしい。これは何と言ったっけ?・・・あぁそうだ、・・カマタ、じゃない、カ・・、モカマタリ、だ。
 そんなとこに突っ立ってないで、座りたまえ。」
最後のひと声が身体にねばつく。
「・・・はい」
応接ソファに腰を下ろし、コーヒーに口をつける。
申し分の無い味わいに気が緩んで、唇に笑みが乗ったのを見られてしまったらしい。
ガチャッと乱暴にカップが置かれる音に、対面している男を警戒する前に、
「まえざ・・・んうぅっ」
コーヒーカップが指先からもぎ取られ、深く沈むソファにさらに押し付けられて唇が塞がれた。
厚めの唇が這うように動き、ただ苦しいだけの接吻。そして、
「これぐらいで済ませてやるんだ、もっと誠意を見せてくれないか?苑田くん。契約が全て無くなるぞ」
脅し文句とともに舌が耳をべろりと舐め上げる。

身震いが走った。 ~~






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『プリズム』

『プリズム』20**大島ビルの、影-3

今日は前半にRが入ります。R・・15?かな。 なので、年齢に達しない方、苦手な方はご遠慮ください。大丈夫なかた、スクロールしてどうぞ。













この男との取引などどうでもよかったが、新井の成績に響く、と頭の隅にちらりと浮かぶ。
抵抗が小さくなったのを見て取った相沢社長が、圧し掛かっていた体を起こし手苑田の前に立ち、テーブルを押しやると、スラックスのファスナーを下ろした。
派手めのトランクス越しでも分かる、既に形を成している雄が取り出され、
「咥えてもらおうか。」
腰が突き出される。
ぎゅ・・・と唇を噛んだ。
「どうした?以前はやっていたんだろう?‘大島ビル’で」
ビク、と肩が震える。
「知らないと思っていたのかね?確かにあのビルは入るのに色々面倒らしいが、噂ってのは聞こえてくるんだ。もちろん君のこともな。
我が社を新規開拓に選んでくれたおかげで、イイ思いが出来る。儂の運もなかなかだ」
卑しい哂いで『早くしろ』と急きたて、そそり立つモノを揺らす。

こういう手合いは過去にもいた。一度要求を呑ませるとエスカレートする。だが、

(崇)

自分に迷惑をかけないよう努力し、それでも緊張してついてきているのに、些細なミスで台無しにさせたくなかった。

苦いものを押し殺し、顔を近付け。口の中を明け渡す。
「くぅ・・・」
頭上で呻く声が聞こえる。

形に沿って唇を前後させ、スロートする。根元近くまで含み、ゆっくり、括れた部分まで戻り・・・。
ぐい、と髪を掴まれ、強引な抜き差しが始まろうとした時。

スマホが鳴った。


着信音で崇だと分かる。
相沢を突き飛ばす勢いで押しのけ、会社からかかって来たように対応し、逃れた。
途中トイレに駆け込み口をすすぐ。
嫌な匂いが鼻に抜け、鳥肌が立った。 ~~



「苑田さん、明日、物品納めに行って来ます。」
俺の報告に、苑田さんは「え?」と言う顔で俺を見上げてきた。
「明日?」
「はい」
それを聞いて仕事の手を止め、椅子を回して体ごと俺の方を向き、
「・・・相沢社長のところか?」
頷けば眉を寄せる。
「俺は市島さんと予定がある・・・」
「大丈夫ですよ。持ちきれない程持っていくんじゃないですから」
「だが・・・」
「担当の相馬さんだっていますし」

「苑田さん、明日ですが」
後ろから声がかかった。
「あ、市島さん」
「やあ、新井くん。ちょっといいかい?」
「ええ。俺の方は終わりましたから。それじゃ。」
苑田さんに軽く頭を下げて場所を譲り、席に戻る。

机で事務処理をしていると個人の携帯メールが着信した。そっと取り出し名前を見る。苑田さんから。
休憩する振りで自販機コーナーへ。

::崇、気をつけていくんだぞ。

文面が相馬さんを思い出させ、笑いがこみ上げる。
::大丈夫だって。今度はコーヒーにも気をつける。
::  相沢社長とあまり会わないようにしろ。

相沢社長?

ああそうか、範裕さん、俺があの人に怒ったりしないか心配してるんだ。
そりゃ、あの時は凄くムカついたけど、もう三日も経ってる。

::わかった。気をつける。

「俺だって子供じゃないんだから」
メールを終わらせて呟き、どうせ来たから、炭酸を飲んだ。







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雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その53

。のお話をしたくなりました。
連休の頃、鞄を替えたので。

私の鞄の’衣替え’は年3回ほど。いずれもショルダーバックです。お出かけ用にはハンドバッグ・セカンドバッグ――あ、今はクラッチバック、と言うんでしょうか――も使いますが。

ブランド物は、2つくらいあったかなー。自分の欲しいものを探していると、有名なモノより使いやすいモノ、になる。んですよね。
他に良く使うのはエコバッグ。A4を縦に入れられるトートバッグ。

1・2回しか使っていないバッグも、もちろんあります。衣装ケースに入って。・・・・と。ところでいくつ持っていたかしらん?

数えてみました。
20といくつか。   結構持ってるもんですね。 

歴史は古い鞄ですけど日本に入って来たのは、もちろん外国から。大正の頃に流行り出したそうです。

いつか一生モノに出会いたいなぁ。

『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』*頼みごとー15

「やっぱり兄さんの着物がいいみたいだ。奥納戸色が似合う。」
少し寒かったけど、言われた通りセーターを脱いで、着物を着せかけてもらったあと和叔父さんが言う。
「そう?和叔父さんの着物も着てみたいけど」
「次にね。智が着るなら僕も着てみようかと思ってるし」
「え?和叔父さん、着られるの?」
背中越しの声に振り返ると、
「このくらいは、ね。」
にっこり笑う。
「’貝の口’は簡単な結び方だから一緒にやるかい?」
「うん、教えて」
和叔父さんと少しでも長く居られるなら何でもいい。
「じゃ、帯だけ持って下に降りよう。寒いから。」
「わかった」
ほかの小物も合わせて一纏めにし、部屋の隅に片付けて、帯を持って降りる。

「お、和弘」
ちょうど帰って来たらしい父さん。
「あ、兄さん、お帰りなさい」
「どうした?帯なんか持って」
「俺が着物着たいって言ったから。和叔父さんに帯の締め方教えてもらうんだ」
「締め方?結び方って言うんじゃなかったか?和弘」
「ああ、そうだね。帯は締めて、結ぶから」
和叔父さんにそう言われて、父さん、自慢げに言う

「おまえもちゃんと覚えとけ。・・・ところでおまえ、着物なんて持ってたか?」
首を傾げる父さんに、
「兄さんのを借りようと思うんだけど・・・。ごめん、聞いてなかったね」
伺いを立てるように聞く和叔父さん。
「ああ、いいって。それでどっちだ? 奥納戸か?墨色?」
「奥納戸の方。兄さん、もし着るなら・・・」
「おまえも着るのか?和弘」
「どうしようか迷ってる」
「着ればいいだろ?おまえ着物似合うから」
「じゃあ」
和叔父さんの顔がぱっと明るくなる。なんでだろう、ムッとした。
「和叔父さん、早く」
「ああ。兄さんの分も一応用意しておくから、もし着たくなったら言って。手伝う」
「頼むな」
和叔父さん、いっつも父さんには甘いんだ。

「それじゃ、もう一回やってみる?」
「うん、だいぶわかってきたから、覚えたい」
帯を結んだり、解いたりしてもう三回目。和叔父さんに教わりながら段々やり方が分かっ
てくる。何より、
「和叔父さん、着せるの上手い」
「着物は、体に沿ってぴしっと着るとかっこいいんだ。だからちょっと習ってみた。」
「じゃ、着る時も手伝ってくれる?」
「いいよ」




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