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『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』*思い出してー29


「智・・、まだ? 」
「あ、ごめんッ」
何回もこすったせいで背中が赤くなってる。
「赤くなっちゃった。・・ごめんね」
「いや、嬉しかったよ。前は自分で出来るから」
また背中越しに手が伸びてくる。向こうをむいたまま。
「・・怒ってる? 」
「まさか」
「だって、こっち見てくれない」
赤くなった背中が本当に怒ってるみたいで、泣きそうになる。
「そんな顔をしない」

・・え?

「これでちゃんと見えてるから」
鏡を指さし、曇った部分に ‘泣かないで’ と指文字。
「あー・・っ、・・っず」
「『ず』? 」
「狡いっ! 」
俺、ホントに和叔父さんが怒ったのかと思ったのに!
悔しくて、シャワーを強にして背中に当てる。
「っっ、つ、智、熱い・・っ」
「ふん、だっ。俺、悲しかったんだからねっ! 」
「智、そんな大声で」
「どうせ和叔父さんはオトナで、俺は子供だよっ! 」
「智っ・・・ップ」
バシャーッ。
振り向いた和叔父さんの顔にシャワーがヒット。
「和叔父さん!? 」
慌ててノズルを放り出す。
「もう。
顔は洗いたかったけど、あれは無いよ、智」
「ごめんなさい・・・」




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ssもの

『プリズム』*ハイテンション・苑田ー5

苑田、本気モードになってきました。後半は、新井クン視点になってます。
そして、二人ともマッパなのでR-16?になるのでしょうか・・。 ムム
年齢に達しない方、苦手な方はご遠慮ください。大丈夫な方、スクロールしてどうぞ。




























~~ なんだろう。ぞくぞくするものが腹の中を熱くする。
裸になるのはいつもの事なのに。

見られている、のを自覚しながら脱ぐのは、こんなに刺激的なのか。

「こっち、来てよ」
目が合い、少し上ずる声で呼ぶ崇に背を向ける。
「どっ、どこ行くのっ? 」
「喉乾いた。何か持ってくる」
半分事実。

三分も経っていないのに、待ちくたびれた顔をして俺を見るのが可愛い。

「いらないのか? 」
ペットボトルをかざせば、
「ひろさんの方が欲しい」
正直。だけどそれが嬉しくてベッド脇まで行き、ドリンク系の中身を飲んで。
「ひろさんてばっ」
「わっ」
ぐい、と腕を惹かれ、ぎりぎり、蓋をしたペットボトルがベッドの下に転がる。俺は、崇の上に斜めに乗り上げていた。
「焦るな」
「早く、シよう。焦らさないでよ」
腰を揺らすから、足、それとも腹? に当たる崇のまでが、『早く、はやく』と熱を伝えてくる。
ようやく手をついて体を起こし、
「ちゃんとスる。まず、ここから」
不満そうに尖った唇へ、宥めるようにキスして、ペロッと舐める。
「ひろ・・・」
言わせず、もう一度重ねて舌で歯の裏側、口腔をなぞり、期待を込めて待っている崇の舌を絡めとった。 ~~


ひろさんが、攻めてきてる。
俺の上で四つ這いになって、深く、捏ねるように口の中を愛撫してくる。俺だってひろさんの後頭部に手をかけてるけど。
鼻から抜ける、呼吸か喘ぎか分からない音、湿った水音を発してるのがどちらか分からないまま、ただテンションが上がっていく。
「っは、崇。・・顔が、赤い」
「ひろ、さんだ・・って」
やっと口が離れ、二人して空気を貪りながら見つめ合う。眼の中に欲情が揺れてるのを確認して、また、興奮する。
ひろさんが、糸を引く唾液を舐め取り、薄く笑う。いつもと違うゾクゾクが背筋を走るり抜けた。




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ssもの

『プリズム』*ハイテンション・苑田ー6

今日はしっかりRです。R-17(?)あたりなので、年齢に達しない方、苦手な方はご遠慮ください。大丈夫な方、スクロールしてどうぞ。



























~~ 崇が、ほんの少し怯えを見せた。それが、俺の狩る本能を発火させる。
親指で顎を上げさせ、喉仏に歯を当て、ひと舐め。
ビクッと反応したのに気をよくして下にさがり、擦られて尖り始めた乳首に吸い付く。
「ん、はぁっ」
感じる場所だと思いもよらなかったのだろう、驚きの入り混じる、それでも快感の声を上げた。
もっと聞きたくて指と口で交互に二つの粒を転がし、弾き、押し潰す。
「ぁ。っ、やだ、ひっろさ・・」
「ココは喜んでるけど? 」
「そっ、喋んない・・っ、んっ」
口をつけたまま言えば、体を左右に振って悶える。
(おまえも、俺にこうしてるじゃないか)
俺が嫌だと言っても続けて、ひどいときは、翌日、絆創膏を貼りたくなるほどなんだぞ。
・・は、教えない。
「ひろさん・・、も、やだ。お願い、っ、やめ、て」
泣きが入った崇にずり上がって、
「やめて欲しい? 」
汗で額に貼りついた髪を払ってやりながら優しく聞く。頷くのへ、
「じゃ、止める」
ホッとした表情に、軽くキス。
「ほかの場所を可愛がってやるよ」
「・・ひろさんっ?!」
両膝と片手で体を支え、空いた手で崇の手を掴み指二本を含んだ。
驚いて抜こうとする前にべろりと舐める。 手首を離さず、音を立てて出し入れし、時に甘噛みしながら奉仕すれば息を詰め、腰を―― 揺らす。
咥えたままフッと笑いかけると、
「そんな、顔、しないでよ・・」
目を潤ませる。

おまえの方こそ、そんな顔をするな。 苛めたくなるじゃないか。

しばらく指をしゃぶってから、出す。べとべとしてるのを、
「ほら、口開ける」
と自分で咥えさせ、気を取られた隙に膝を持ってM字に開かせる。もちろん中芯は真っ直ぐ起立していた。
「ふぃ、ろさ・・、っつ! 」
咥えてない手で肘をつき、俺のするのを見ていたらしい。ブク、と滴が出来たそれを指先で押し広げるように撫でたら、崇の体が固まった。
最初は二本、次は三本と指の輪を増やし、扱きながら力加減も速さも変えていく。
「んっ。んぅ・・っ、ん、むぅっ」
どうやら、指を口から出すことも思いつかないらしい。よりダイレクトな刺激に、声を漏らした。




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ssもの

『プリズム』*ハイテンション・苑田ー7


今日はR-17いったかなあ。。なので下げています。年齢に達しない方、苦手な方はご遠慮ください。大丈夫な方、スクロールしてどうぞ。












































いつの間にか目を閉じ眉を寄せ、高ぶっていく表情を見つめてると俺も腰に熱が溜まる。
「んあぁっ、・・だめ、だっも・・っ、ひ・ろさ」
咥えていられなくなった指が落ち、顎が上がる。
「まだだ」
キュッと根元を締めたら、
「あぁっん! 」
と、聞いたことの無い甘い声を上げ、腰を突き上げた。自分で聞いて恥ずかしくなり赤い顔をしたが、
「ゃだ。イかせてよ、ひろさん・・っ。もぅ・・、限界っ」
そうだな。握っていてわかる。
手を放さず顔を近づけ、
「達きたい? 」
コクリ、と頷く。その拍子に涙がこぼれた。
「分かった。イカせてやる」
崇の足の間に体を置き、息を掛けたら声を上げて、ゼリーを塗ったようになっている
熱棒もふるふると震える。不意に、高松さんが、

「ぎんぽ*、って魚、知ってるか? 
鰻みたいな形なんだけど、全身ぬるぬるしてるんだ。こいつ、天婦羅にすると最っ高に旨いんだぜ」

と言っていたのを思い出した。
(・・魚はこんなにエラが張ってないけど)
「んっ・・は、っ、ひろ、さん、・・お・願い」
切羽詰まる崇に返事をする代わり、カタチをなぞりながら口に中に収めていく。
「あ・・ぁ・あ。・・っくう」
奥を突かれそうになり、片手に力を込めて押さえつける。
もう、一ミリの余裕もないほど膨れた雄へ舌と唇で撫でれば、二往復も持たなかった。

「う・あ。ひ・ひろさ、んッ。ダメっ・・、イ 」





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ssもの

『プリズム』*ハイテンション・苑田ー8

R-18です! 合体、あります。 年齢に達しない方、苦手な方はご遠慮ください。大丈夫な方、スクロールしてどうぞー。






























ブルルッッ・・、と胴震いして苦い白蜜を噴き上げる。口いっぱいに頬張り、溢れた分を手で掬うようにして零さないようにずるずるとまだ硬い肉の幹を出していった。
「・・っは、んあ・・っ。ひろさ、ん」
上目づかいに崇を見、ゆっくり首を横に振る。
(おまえは、動くな)
伝わったらしく、俺を捕らえようとしていた腕がゆっくり落ちる。
片足を跨ぎ、もう片足を寄せ、再度膝立ちをする。
「・・ひろさん? 」
俺が何をするか分からない、と疑問符を浮かべた顔が笑いをこらえる。リスかハムスターを連想したらしい。

笑ってればいいさ。
口から出して手のひらにあけたそれを、ゆっくり後ろに回し狭間に塗り付けた。
今までの行為で綻び始めていた後孔が、挿し入れた指を飲み込む。
「ん・・」
違和感はすぐ消え、肌に馴染んだ内側をなぞる感覚に顎が上がり、息を吐いた。そして指を増やす。クチュ、と水音が立った。
「は・・ァッ」
感じるポイントに当たり、自分の雄の蜜が、つー・・っと糸を引くのを感じる。
「ひろさん・・っ、まだ? 」
触りたくて、崇がもどかし気に問いかけてきたが、
「っ、ま・・っだ、だ。動いた、ら・・、ァ、やめる。・・ンッ」
答えたら、泣きそうになった。
ちらっと見たおまえのムスコは完全復活して、別の意味で泣いてるけどな。

もう大丈夫だろうと指を抜き、反り返ったモノに手を添え、ゆっくり腰を下げる。
先端が触れ、電気が走った。
「ァあっ」
「う、ひ・ろさんっ」
びくんっ、と俺も崇も体が跳ねる。
深呼吸してもう一度あてがい、そろそろと、身の内に埋め込んで、いく。
途中から一気に押し込みたくなるのを我慢して、少しずつ。

こんなに、感じる挿入は、初めてだった。 ~~


「俺に感じてる、おまえを、見せろ」
そう言って、ひろさんは密着していた結合をゆっくり離しだした。
「う・・、ああ」
俺の雄を包み込んでいる壁が動く。カリに引っかかるまで上がり、戻る。それだけなのに、もう射精感がこみあげ、歯を食いしばる。
次第に早くなり、かと思えば途中で止まったりされ、耐えるだけで一杯いっぱい。




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雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その148

勇気、あるなぁ。

とは、昨日見かけたオープンカー。
台風が行ったばかりとは言え、時おりパラッと雨が降ったり、風がビューっ吹いたりするのに、 「我関せず」みたいにブゥーン! と走っていきました。

私も、憧れたこと、あったんです。  彼の隣で、嬉しハズカシオープンカー・ドライブ。
でも。
四方八方から見られ、風はまともに当たるわ、排気ガス直撃だわ、ポップコーンは(多分)飛んでいくわ、髪は乱れるわ、その他諸々・・、を想像できる年になれば。   長時間は無理かもー、と思ってしまう。

さらにこちらは雪も降る。  雪が積もって屋根が凹んだ、万が一、吹雪にでもなって、幌? 屋根? が飛んでしまった・・、なんてオソロシイことを考えたら。。(まあ、あり得ないことでしょうが)
乗ってる人たち、すごーい。 です。

・・掃除も大変そうです。洗車とか、どうするんだろう?

見てるだけならいくらでも。
パレードなどは華やかでこっちも浮き浮きできます。

そうそう、オープンカーにも種類があるんですって。
屋根を開けることができるオープンカー:カブリオレ、コンパーチブル
屋根を閉めることができるオープンカー:バルケッタ、ロードスター、スパイダー  だそうです。


自分の中で、勇気がいった最新は、久々の階段3段跳び(くらいの高さからのジャンプ)! でした。  昔は、高い所から飛ぶのも平気だったんですけど最近は。 重力の法則を如実に感じまして、地面の上に着地したら、しっかり足跡が残りました。 (;´д`)トホホ



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『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』*思い出してー30


教えていただいたので。
智くんと優菜ちゃんがTV電話風におしゃべりする場面が出てきます。はじめはネットカフェを想定していたのですが、個人情報などが関わってくるので変更させていただきました。  UPした後の訂正になってしまい申し訳ありません。



「優菜ちゃんっ」
「本当に出来るんですね! こんな事」
「うん! 顔見ながら話が出来るの、やっぱりいいね」

俺たちが今いるのは、和叔父さんの知り合いの人の家。持ってきたノートパソコンにカメラをつけたり、色々操作してくれて、画面越しだけど顔を見て話が出来る。

「そっちはどう? 」
「はい、雪は何とかなったみたいで、明日には電車も動くそうです。私、自分の背丈より雪が積もってるのなんて、初めて見ました」
「TVなんかじゃよく見るけど、実際に見ると、違う? 」
「凄いんですよ、圧迫感が。それに寒いし」
「・・俺が横に居たら温めてあげるのに」
思わずそう言ったら、向こうで優菜ちゃんが赤くなる。
(ああ、可愛いぃ)
まだ話をしたかったけど、優菜ちゃんを呼ぶ声が聞こえた。
「あ。ごめんなさい智さん。行かないと」
「いいよ。話も出来たし。次は、帰って来てから」
「はい、じゃあ」

「和叔父さん、ありがと」
「どういたしまして」
カメラに映らないように部屋の隅に居た和叔父さんが近付いてくる。
「短かったけど良かったの? 」
「うん。帰ってきたらまた会えるし。それに和叔父さんの行きたい所もあるでしょ? 」
二人でお礼を言って、その人の家を後にした。


「す・・っごい。目眩しそう」
「はは、そんなことは無いよ。階ごとにジャンルが別れてるくらいさ」
「あっ、和叔父さん、待ってよ」
連れてきてくれたのは、本屋。ビル自体が本ばっかりのビル、ってどうなってんだ? とか思うけど、世の中それぐらい本があるんだ。
本棚が迷路みたいで迷いそうになり、慌てて後を追う。今日は派手な服を着てるから目立って、すぐに探せた。





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ssもの

『プリズム』*ハイテンション・苑田ー9

R-18です。年齢に達しない方、苦手な方はご遠慮ください。大丈夫な方、スクロールしてどうぞー。  今日、終わります。
お付き合いいただき、ありがとうございました。
























~~ 快感を引きだし、コントロールする側になるのは久しぶりだ。
ランダムに腰を動かせば中が捏ね回されて、小さかった音も、グチュ・・ッ、とはっきり聞こえるようになる。
見おろす崇の顔が、俺より先に達するまいと快感をこらえていて、煽られる。

もっと、見せろ。俺だけが知ることが出来るおまえの、顔を。

「崇」
呼びかけに目を開け、
「触らせて・・」
支配される側になった焦りともどかしさで、泣きそうな声を出す。それが、可愛くて、
「もう少し、したら」
俺の方に伸ばした両手に指を絡めて握り、ベッドに縫い付ける。
「腰を動かすなら、いい・・、っ!」
許可を出せば、即座に突き上げられて息が詰まり、くっ、と呻きが漏れた。
「ごめ・・っ、痛い? 」
「平、気だ。けど、いきなり、・・するな」
「ん・・。動いて、いい? 」
「ああ」

崇のリズムと俺のリズム。微妙に重なり、離れ、その分次がどうなるか分からないスリルも手伝って、いやが応にも反応が高くなる。
「ぅあ、あ。っひろさ、んく、ゥ」
「たっ、か、・・や、そこっ」
お互い、主導権を取りたくて体を揺らし、時には腰も回して快感を追う。

何度目か、リズムが合って深く挿し込まれ、イく寸前まで追い上げられる。奥歯を噛んで耐えていたら、不意に崇が体を強張らせた。
「たか し? 」
「ひろさん・・。狡いよ。俺、ひろさんの、汗まで感じてる」
どうやら、さっき耐えていた時汗が崇の体に落ちたらしい。その汗に、体の動きが止まるほど感じた、ということらしい。
思わずこぼれた笑みに、
「笑わなくたって! 」
と怒り、つられて中の雄がク、クッと角度を変え、嵩を増す。
「・・ん、っは。おこる、な、崇」
宥めるキスをすると、
「も、やだ。俺が、ひろさんをイか・・、気持ちよくさせたいのに」
横を向いて拗ねる。
手をほどき、汗で貼りついた髪を払って、
「今夜は、俺が、おまえをイかせてやりたいんだ。一緒に気持ち良くなろう。な? 」
言えばたちまち怒り顔が崩れる。
「うん。・・合わせて、動いて」
「おまえが、合わせるんだぞ」
「分かった」

再会した律動は、崇が俺の腰に手を添え、動きを助けてくれる。
「あ、ぁっ。ひろ、さ・・んっ、そ、な、締めたり・・しないっ」
「ん、なこ、と言う、ら・・、お・まえこそ、・・大きくする、あ」
息が喘ぎに代わり、声も艶やかになり、俺が自分の雄を包むのを見つけた崇が手を重ね。
「だ・・、も、だめ。ひろさ・・、ひ・ろさんっ、いく・・」
「お、れも。・・、たか、し、・・・ぁ、――っく! 」

ほぼ同時に達し、俺の中と、崇の腹の上に白濁を迸らせていた。 ~~



翌日、
「お。 苑田。狙ってたところ、落としたそうだな。オーラがみえるぞ。
新井。おまえもそのオーラ分けてもらって、もうちょっと色々開拓しろよ」
休憩してた俺と苑田さんを、通りかかった中島部長が見かけて、投げかけてくる。
「はい、ありがとうございます、中島部長」
「俺だって頑張ってますよ、部長! 」
「まー、二人ともしっかりな」
「「はい」」







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『プリズム』

『プリズム』29*すれ違う時間-11

キリ番リクエストが終わり、今日から本編に戻ります。
面白文具チーム(?)の新井くん、何してる?



机に戻ってリストを見ていたら思い出した。スケジュールを確認し、電話を入れる。
― はい、ムラタ文具総務課、長戸です」
― 名賀都商事の新井です。なが戸さん、少し前から、文具大賞の品揃えを始めたとか、カタログ作りを始めたとか言ってませんでしたか? 」
― はい、そうです。カタログはもうすぐ出来上がる予定で・・、少々お待ちください。えっと」
― あの、出来上がったら一部いただきたいのですが」
― それは構いません。大丈夫だと思います」
― では、よろしくお願いいたします」
やった。 これである程度は確保できそうだ。
ホッとすると、また‘ながとさん’に当たったな、とも思う。
最初電話口で、 『はい。ムラタ文具総務課、長戸です』 って聞いたときは、軽くパニック。
「あの、もう一度言っていただけますか? 」
「・・ムラタ文具総務課、長戸、ああ。名賀都商事さんでしたね。私、苗字が‘ながと’なんです」
って、笑ってたっけ。


それにしても。
今どきはいろんなマニアの人が堂々とその趣味を公表して、仲間同士で楽しそうにしている。文房具マニアの人たちもそうで、中にはTVに出る人もいる。
その人たちが発信する効果も凄くて、あっという間に品切れになる物もあるんだ。

あずま商店からも、そんな電話が来た。

「こんにちは」
「やあ、新井くん。済まんね」
「いえ。まさか、あずまさんからも注文が入るとは思いませんでした」
「ワシだってこんなもんが世の中にあるなんて知らなかったよ。だがまあ助かった。星里香の頼み事だからな」
「俺も、品物があって間にあって、良かったです」
封筒に入れて手渡したのは、*ウサギや亀、苺など、女の子が喜びそうな付箋。中味を取り出し、
「おお、これこれ。
星里香に言われた時は信じられんかったよ。ワシらの頃の付箋と言ったらほんとにそれだけの物だったからなあ」
「そうですね」
あずまさんが言ってるのは、俺もよく使ってる黄色い長方形のスタンダードなやつだ。
「今は付箋一つでも目が回りそうなくらい種類がありますから」
「うはぁ、知りたくないねぇ。。頭がパンクするよ。カタログ? いらんいらん」
慌てて手を振って、ついでに頭もブルブル横に振って苦笑い。
「じゃ、俺、行きます。また何かあったら連絡ください」
「おお、頼むよ」

ムラタ文具さんにカタログ貰ったら、見せに来ようかな。星里香ちゃん、喜ぶかもしれない。




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『プリズム』

『プリズム』29*すれ違う時間-12


十二月、師走。
俺たちも仕事を追いかけ、時間に追われ、日が経つのが早い。そして、忘年会が目白押し。

「こんにちは」
「ああ、新井さん。いつもありがとう」
「いえ、こちらこそ注文、ありがとうございます」
物品を持って入ったのは、元や。
社内の忘年会の景品も頼まれて、俺としては願ったり叶ったり。
「今回はどんなの? 」
担当の中村さんが興味津々で段ボール箱の中を覗く。
「中村さん、おもしろ文具って知ってますか? 」
「もちろん。 え? それ、入ってるの? 」
「はい」
いくつか出すと、二川(ふたかわ)さんも、
「えー、何なに? 面白いの? 」
と席を立って見に来る。
わ、これいい。可愛いわね。などと言いながら楽しそうに取っては見てる。
絹里さんもこんな感じだったと思い出しながら、
「納品書のサイン、お願いします」
「あ! ごめんなさい」

元やを出て、くすりと笑う。
「注文までしてくれるとは思わなかったな。おもしろ文具、恐るべし? 」
中村さんも二川さんもキャッキャして、本当に楽しそうだった。
「次は男の人たちにも見てもらいたいな」
目の前で反応が見られるとすごく参考になる。





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雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その149

楊枝・・いえ、用事があって郵便局へ。 (誰が予測変換の筆頭に、’楊枝’ を置いたんだろ??)

事を済ませたら、「年/賀は/がきは買いましたか? 」「貯/金の枠が~~」 なんて勧誘が始まり。
郵便局さんも必死だなー。

手紙が郵便になり、電子メール。さらに環境が整えば、リアルタイムで地球上どこでも話が出来るようになって。
何というか、言葉を吟味しないで、その場の感情のまま、外に出しているような言動が多くなってきてる・・・・みたいです。
言葉や文字は、時に致命傷を与える存在。 そして、自分の中から外に出たら二度と消えない。

私もたくさん失敗しました。
人は、自分から発信する時は、言葉や文字に6~7割くらい重要性を持たせるそうです。 
でも、受け取る人は7%くらいしか重要視しない、とか。 非言語 ―― 表情、仕草、声のトーンなど ―― の方に重きを置くようで、そこから行き違いが起こる。。

言葉はつい感情に走って出ることが多いけれど、文字は、手元にあるうちは修正が効く。

「夜に書いたラブレターは、朝、読み返してから出しなさい」 なんて言われるのもその一つでしょう。
  夜って、色々と壁が低くなりますもんね。


少し戻って。
年賀状、種類が増えましたね。ねずみの恋人同士たちや、地域版、色のついたものや、上下が判るようくぼみが付いたもの。
印刷してある切手? の部分だって、種類がたくさん! 見ると迷ってしまいます。
年々減ってるけど、もらうと嬉しい便りの葉書。

字は下手だけど、今年も買いに行きます。  年賀に書く、年賀状を。。  ・・・最初に書いたときは、7円。 今は52円か。





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『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』*思い出してー31


「ずいぶん買ったんだね」
「それほどでもないよ。今日は少ない方だ」
ええっと驚く俺を、可笑しそうに笑う。けどさ、本屋で本買って、手提げのついた紙袋に入れてもらうなんてしたこと無いよ! 和叔父さん。

一休みしようと入ったファミレスで、料理が来る前に中身が広げられる。本の山が三つに分かれ、次々に重ねられていく。そのうちの一つが俺の前に置かれた。
「え? 俺? 」
「そう。なにも買わなかっただろう? 少しづつでも読んでくれると嬉しいな」
「・・・読める、かな? 」
「難しい本は無いから、大丈夫」
和叔父さんは太鼓判を押してくれたけど、本よりネット見る方が多い・・、あれ?
「日本史? 」
「うん。新しい発見が次々出てきてるから、知っておいた方が良いと思うよ。僕だってちょっと恥ずかしい思いをしたんだ」
雑学みたいな本もあった。
「・・こんなにもらっていいの? 」
「お年玉の代わり」
「でも、服も買って・・・」
「お祝いとお年玉は別。智はパソコンの方が見慣れてると思うけど、本は思った時にすぐ読めるから」
「・・ん、分かった。もらってく。ありがと、和叔父さん」
俺の言葉に、本当に嬉しそうに笑う和叔父さん。お手もその笑顔、大好き。


結局、この日も和叔父さん泊まって、夜遅くまで喋って、寝た。



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『プリズム』

『プリズム』29*すれ違う時間-13


社に戻ったら、いつもより慌ただしい。どうしたんだろうと思っていたら、
「手の空いてるものだけでいいから、集まってくれ」
と中島部長の声が聞こえた。

「社内の印刷所が使えなくなった」

使えなく・・?

「年内は動かせないそうだ。各自、念頭に置いて仕事してくれ。詳しいことは後日伝達する。以上だ」
「部長、それって見本とかを印刷することが出来ないってことですか? 」
誰かの質問に、
「社内では出来ない。自分で作って外部の印刷所に回してくれ」
ええーっと声が上がる。印刷を頼んでいたのだろうか。
「事故なんですか? 」
「事故じゃないそうだ。老朽化と故障らしい。俺もその程度しか聞いてない。詳しくは明日にでも連絡する」
さあ、仕事だ。部長の一声でそれぞれが席に戻ったり外回りに出かけていく。
「どーしよ、俺、明日までに頼まれてるものがあんのに」
「俺はこれから頼むつもりだったのになあ」
また、誰かがぼやく。俺も頼みたかったんだけど、無理そうだ。
「どこか頼めるところ・・、あ」
苑田さん、確か知ってた。
ボードを見に行くと今日は自分のとチーム営業で一日外回り。それなら、とメールを入れて
返事を待つ間スケジュールをチェック。

社用のメール着信音がした。苑田さんだ。
::今話して大丈夫なら電話入れろ
「りょーかい」

― もしもし」
― 急ぎの印刷があるのか? 」
― すぐには無いけど、年末だと飛び込み、難しいかもしれないから、挨拶だけでもしておけば頼みやすいかな、と思って」
― そうだな。じゃあ、パソコンにメールするから行ってこい」
―うん、ありがとう」

仕事終わり、印刷所を見に行く。所内は、いつもより人が多くて大声があちこちから聞こえてる。
「吉田さん」
「何だい? 今日からしばらく印刷は無理なん・・、あんたか、新井さん」
主任の吉田さんを見つけ、声をかける。振り返った吉田さんは、苛々して、疲れているようだった。
「すまんな、忙しい時に」
「いえ。
吉田さんの方こそ大変じゃないですか。無理しすぎないでくださいね」
「・・ありがとな。そう言ってくれるのはあんたや苑田さんくらいだよ」






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『プリズム』

『プリズム』29*すれ違う時間-14

初めての場所は、緊張する。それが苑田さんの紹介してくれた所ならなおさらだ。気合を入れて、事務所に入った。
「こんにちは」
「はい」
「昨日、お電話させていただきました、名賀都商事の新井と申します」
「ああ、伺っております。どうぞ」
「失礼します」

最初の挨拶、間違ってなかったか、ドキドキする。
事務所の一角、応接のように仕切られた場所に通され、待っていると、
「やあ、どうも。苑田さんの紹介でいらした、新井さんですね」
笑顔で来たのは、・・確か、
「はい、長谷川さんですね。初めまして、新井です」
苑田さんに教えてもらった通りの、ちょっとふくよかな、眼鏡の男性。
驚いて、目を丸くしたけど、
「苑田さんから聞いたのか。じゃあ、堅苦しい挨拶は無しにしよう。用件は? 」
座りながら聞いてくれる。
「はい、図々しいお願いに来ました」

名賀都商事の印刷所が年内休止のこと、もしかしたら飛び込みで仕事を頼むかもしれないこと、を正直に話す。聞き終えた長谷川さんの反応は。

「それだけ? 」
「はい。私は自社の印刷所が使えなくなることを予測していなかったので、万が一緊急の仕事があった時、相手先にも迷惑がかかるのは避けたいと思ったんです。それで苑田さんにお願いして、コバヤシ印刷さんを紹介してもらいました」
姿勢を正し、
「改めてお願いします。私の仕事の依頼があった時、受けていただけないでしょうか」





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『プリズム』

『プリズム』29*すれ違う時間-15

頭を下げた俺に、
「今日は、その‘お願い’だけに来たんですか? 」
呆れたような声で言われた。けど、本当にそれだけだから、
「はい。出来るだけご迷惑をおかけしないようにしますので」
お願いします、ともう一度頭を下げる。
ふっ、と息を吐く音がした。
「頭、上げてください新井さん。ほんとにそれだけで来たんだったら、うちの仕事、見ていきますか? 」
「あ、はい。ぜひ! 」

驚いた。ここは、食品にも印刷できる機械や、3Dプリンターまで置いてある。

「凄いですね。お・・、私が初めて見る印刷機もあります」
面白くてずっと見てたら、
「はは、名賀都さんは文房具ですから、見る機会がないでしょ。時間があるなら近くに店がありますし、何か買ってきて印刷してみますか? 」
「いいんですか? 」
やってみたい、と食いついてしまった。

「ありがとうございました」
「こちらこそ。緊急・・が無いことを願いますが、その時はご相談ください」
「はい。その時はよろしくお願いします。」
手には印刷してもらったクッキーと煎餅。長谷川さんには、初めての顔合わせもあって手土産を持って行ったけど、物々交換みたいになってしまって、笑いたくなる。
俺がしてもらったようなことは、
「会社見学がある時など実演してるんで、慣れてますから」
と教えてくれた。


万が一の保険ができて気持ちが少し軽くなる。
「次は、・・あ、双葉工業さん」
そろそろ再開、と連絡が来ていたんだ。

「取引先やら、いろんなところから助けてもらった。恩返しもしないといけないからな。再開したら頑張るよ」

そんなことを言っていた。 うん、世の中、助け合いはどこにでもある。
って、俺も苑田さんにまた助けてもらった。ちゃんと返さないとな。




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『プリズム』

『プリズム』29*すれ違う時間-16

「ただいま戻りました」
「お疲れ~」
「ごくろうさん」
部内の誰かが返事をしてくれるなか、席に座ると
「はーーっ、参った~」
と隣の高塚がわざとらしく机に倒れる。
「何? 慰めて欲しいの? 」
「そ。ちょうど俺が頼んでる時に印刷所止まってさ、コピー機の前で一時間自前印刷」
「そりゃー、気の毒に」
ヨシヨシと頭を撫でてやったら、
「それよりコーヒーでも奢れ」
「ぜいたくな」
まあでも、俺も飲みたいし。
「休憩所まで歩いて行ったらゴチソウしてやる」

「・・いろんなことを予測して対策立てるのって、難しいな」
「どうしたいきなり」
ホットのポカリ系を飲みながら、高塚がぽつりと言った。
「だってさ、会社の印刷所がいきなり止まるなんて、想像もしてないだろ」
「そうだな」
「あっちの人たちが必死に仕事してるの見ると、気の毒で。けど俺たちだって納期は先延ばしできないしさ」
「うん。俺は今印刷の仕事ないけど、明日頼まれたりしたらマジ弱る」
「小野山課長とかも色々声かけてくれてるけどさ」
「年末だしな」
気落ちしてる高塚を見てたら、
「・・。あーっ、しょぼくれるの、やめ。まだクリスマスとかあるんだし、元気出そうぜ」
パシッと肩を叩いたら、
「あ・・っ、零したな! 俺のっ」
「おまえがちゃんと持ってないからだろ」
「持ってる方を叩いたの、おまえじゃないか」
お詫びに半分飲ませろ、やめろ、ってやってるうちに馬鹿馬鹿しくなって笑いだす。
「なんかスッキリした。仕事しよ」
「俺も」

仕事が終わり、鞄の横に置いてある紙袋が目に止まる。コバヤシ印刷さんで作ってもらったお菓子だ。
双葉工業に行った時西三階さんが気付いて、
「こんなの、あるんだ。迷惑かけたとこに持ってくのにいいかもな」
と言うのでサンプルにいくつか置いてきたけど、まだ半分以上残ってる。
(ひろさんと食べたいな)





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雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その150

今日も地震がありましたね。
これほど各地で揺れる年は、あまり無いのではないでしょうか。

ネットを通じて知り合いになった皆さまの地域が、何事もありませんように、被害が少なくて済みますようにと思います。
そして、今も不安な気持ちで過ごし、復興に向けて歩んでいる皆様が、1日でも早く安心できる日が来ることを願わずにはいられません。


さて。
今日は雑誌から見つけた方のお話を。
皆さま、カタログ雑誌、とっていらっしゃいますか? 私、定期購読しているものが一つあります。商品だけでなく、政治やとある職業の座談会など、色々載っているもの。
2・3日前届いた号には、癒されるような彫刻がありました。
作家さんと言っていいのかしら? 彫刻家と書いてあったけど。 お名前は、しま/だ・こう/いちろう さん。
馬やサイも彫っていたそうですが、今は猫が多いのだそう。
ほっこりします。
そして違うページには、懐かしのまいけるくんも。(ほわ/っつ・まい/ける。覚えてる方いるかなあ?)

犬も和むのですが、猫の和み方とは違うんですよね。 人間に似てるのも猫らしいです。
ワタシですか?イヌも猫も好きです。ただ、毎日散歩・・がきついかなあ、って。(単にナマケモノなだけ







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『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』*思い出してー32

翌朝は、
「智ごめんっ。出勤しないといけなくなった。着替えに一度戻るから、悪いけど朝ごはんは一人で食べて! 」
と大慌ての和叔父さんの声と、ばたばたして出ていく音で目が覚める。
「・・和叔父さん・・? 」
半分覚醒、寝ぼけまなこな俺はもぞもぞ起きだし、そういえば携帯が鳴っていたなと思い出す。
「あれ、和叔父さんのだったんだ」
仕事するって大変・・、とこの時は呑気に思っていた。

優菜ちゃんと会えないまま正月休みが明け、授業再開。
「また目を痛くした、か・・」
雪が珍しくて見て回り、‘雪目’のようになったのだという。自宅で静養すればよくなるとのこと。
「今度会う時、サングラスでも買って行ってあげようかな」
会いたいよ~・・、とテーブルに突っ伏し呟けば、
「どうした智。正月休み、彼女とイチャイチャしてたんじゃないのか? 」
もう補充したくなったのか? と、涼二が向かいから髪の毛を引っ張りながら突っ込む。
「止めとけよ。智、ほとんど会えなかったんだから」
内海が助けてくれたけど、微妙に傷つく。
「なんで内海が知ってるの? 」
「俺、智と一緒にスーツ作りに行ったから」
今度は和泉に聞かれ、ふ・ふーん、と二mmほど鼻を高くしながら、これも内海が答える。
「へ? 」
「スーツ? 」
「・・・就活用に、って行ってきたのっ」
二人に、おまえたちだけで行ったの?! と責められ、とうとう明日の晩めしを奢る約束をさせられてしまった。

「内海が口を滑らすから」
「ごめん。でも、へこむ智、見てられなくて」
店に向かう途中、内海に愚痴ると両手を合わせて謝られる。
「俺が、八、出すからさ」
「そんなこと言ってないけど」
言いあいながら近づくと、
「あっ、来た来た」
「寒いから早く中に入ろう」
待っていた涼二と和泉が俺たちの腕を掴んで、中に入った。



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『プリズム』

『プリズム』29*すれ違う時間-17

後半、少しだけ苑田視点があります。 ~~ からです。明日まで続く予定です。


ホワイトボードの前でため息。
ひ・・、苑田さんの予定はびっしりで隙間もない。
「直帰が多い。ってことはクリスマスや忘年会とかがあるんだろうな・・」
お酒も飲むはずだし、匂いをさせて会社へは来れない。
「営業マンとしては良いことなんだろうけど」
俺とひろさんの時間が少なくなるのはキツい。その分、夜が切なくなる。
(俺はたまに風呂で抜いたりするけど、ひろさんも、シてるのかな・・)
ぼんやり考えてるともやもやした想像が形を成していき、シャワーを浴びてる姿が頭の中に再生された。ごくっと唾を飲んだ音でハッとする。
(バカ! 仕事中だってのに、何想像してるんだ)
慌てて打ち消し、自分の頬をぴしゃりと叩く。
「気合が入ってるね、新井くん」
「っ、小野山課長っ」
ポン、と肩を叩かれ振り返れば、鞄を持った小野山課長が笑いながらそこに居た。
「君も今年は大変だっただろうけど、あと少しだ。収穫ある年だったと思えるように頑張ってくれ」
「はい。課長も外回りですか? 」
「ああ、お得意様にちょっとね」
「行ってらっしゃい」
行ってきます、と出ていく課長と入れ替わりに、北森・・たちが入ってくる。

「苑田さんっ」
「どうした? 新井」
最後に入ってきた苑田さんの腕を思わず掴んだ。
「あ、あの。・・ありがとうございました。教えてもらって助かりました」
「・・ああ、コバヤシさんのことか」
「はい。それで」
「苑田さん」
「今行く。じゃ、後でな」
もっと話したかったのに、北森と中畝さんが小会議室の前でこっちを見てる。
取られた感・満載で見送った。


~~ 崇が、目で訴えてくる。
二人の時間が欲しい。触れ合う夜が欲しいのだ、と。
俺にも、その思いはある。が、時期が時期なだけになかなか応えられない。目を合わせたらOKしてしまいそうで、悪いと思いながらも仕事を優先させていた。





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『プリズム』

『プリズム』29*すれ違う時間-18

今日の最初は苑田視点からです。


“これ、お土産です。”

付箋が付いて机の上にあったのは、小さな包み。チーム営業の打ち合わせが終わり、机に戻ったら置かれていた。
コバヤシ印刷を紹介したその後を新井本人の口から聞きたかったが、下手に社内で話をして、他の人間から頼まれるのも厄介だ。
窓口になっている長谷川さんは、見かけ通りの人ではないし、シビアだ。それにあそこは特殊な印刷や、今日依頼・今日が納期、な仕事も日常茶飯事だから信用してもらえるまで何度も通った。
新井は、気に入ってもらえたらしい。それが分かっただけでも十分励みになる。

「苑田さん、それ、何ですか? 」
「ん? ああ、差し入れ」
「食べ物ですか、いいなあ。・・腹減ったなあ・・」
打ち合わせが終わり、小腹が空いたのだろう、北森が指でもくわえそうな顔で包みを見る。
「これだけじゃ、かえって腹が空くと思うから止めておいた方が良い。社食、行くか? 」
「はいっ、行きます! 」 ~~


「ひろさん、食べてくれたかなあ」
スマホに向かってひとり言。画面は、
::コバヤシ印刷さんのこと、ちゃんと話したい。時間が空くのはいつぐらい? 」
LINEでもSNSでもすぐに返事は来ないから、やきもきするよりメールで送った。

缶ビールを飲みながら待ってたけど、空っぽになっても返信が来ない。
「今日の、あれだけじゃ足りないよー。せめて声が聞きたいよ~~。ひろさーん」
テーブルに顎をつき、呼びかける。

もう一回メールしようか。
そう思った時、音がした。ひろさんの返事だ!





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『プリズム』

『プリズム』29*すれ違う時間-19

「もしもしっ」
― 今、部屋に居る。差し入れ、うまかった。コバヤシ印刷の長谷川さんと話ができたみたいだな」
速攻で出た俺に、くすくす笑いながらそう言う。
「うん、ひろさんのお陰。それに、長谷川さんに案内してもらっていろんな印刷機見せてもらったんだ」
― ついでに印刷もしてきた? 」
「うん」
― あそこは忙しい所だから、よほどの緊急じゃない限り、頼むなよ」
「分かった。必ずそうする。・・・あのさ」
― 何だ」
「ひろさんて、一人でスること、ある? 」
― な・・」
「俺、あるよ。けど、やっぱり二人でちゃんとする方が・・」
― 崇っ! 」
「無いの? 」
大きく息を吸って吐く音が聞こえ、
― ・・ある  」
変な事言わせるな、と呟きが聞こえる。

「ひろさんの部屋に行って、待っててもいい? 」
― 年末の休みまで仕事だぞ」
「出来るだけ、ガマンするから」
― 食事の支度は」
「俺がする。 あ、先に帰っていたら、だけど。 ・・だめ? 」
― 合鍵、持ってるんだろ? 」
「うん! 」
― 遅くなる時は、お互いに連絡すること。守れるな? 」
「分かった」
モヤモヤした気分が吹っ飛んで、思わずガッツポーズが出た。





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『プリズム』

『プリズム』29*すれ違う時間-22


・・・ついてない。今夜からひろさんの部屋に泊まれると思ってたのに。

::たくさんもらったから崇の分、送ったわよ。夜に着くと思うから、よろしくね♡

「もー、おふくろ、一体何を、どんだけ送ったのさ。しかもハートマーク付きなんて」
昼間来たメールをまた見て、ブツブツ言いながら自分の部屋で待つことしばらく。
ピンポーンとチャイムが鳴り、受け取った荷物は重い。
「何入ってるんだ? 」
開けて・・、
「卵?! に、野菜ジュース、玉ねぎ、米、缶詰・・。野菜ジュースとかはいいけどさ、何で卵が二十個も? 」
俺、一人暮らしなんですけど。

「もしもし」
ー あ、無事届いた? 卵、割れてなかった? 」
遅くてもいいから、着いたら電話ちょうだい。とメモがあったので連絡を入れると、まず卵の心配。
「・・割れてなかった。でさ、あれ、何? 」
ー 各方面からの頂きもの。ハロウィンで地域でお祭りして、知り合いになった人たちからもらったのよ」
「ハロウィン? 」
「そ。今はそういう事もしないと、あなたたちみたいな若者が町内会に参加してくれないの」
分かる気はするけど。
「各方面って、母さん、何したの? 」
ー ん~、コーディネート? いろんな人に声掛けして、手伝ってもらったの」
ハロウィンの南瓜って、食べられないんですって。母さん初めて知って・・・、から、ハロウィンパーティーの話が続き、
ー それでお礼とかやり取りしてたらたくさんもらって。だから、消費するの手伝って」
「卵、どうすんのさ」
ー 生のままじゃ保たないけど、調理して、冷凍すれば持つわよ」
「目玉焼き? 」
ー 卵焼き。スクランブルエッグとか、だし巻き卵とか」
「俺にはハードル高すぎるよ」
ー それなら、範裕さんに作ってもらいなさいな。でなきゃ二人で作るのね」

ドキッ。

「ひろさん、出来ると思う? 」
ー もちろん。それに今はいくらでも調べられるでしょ? 頑張りなさい」
じゃあまたね。と、笑いを含んだ声を最後に通話が切れ、
「ひろさんと、料理・・・」





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雑談のビックリ箱

雑談のビックリその151

今日の新聞のコラムに、「生身の体に 歴史を刻む存在なのだ」 と言う一文がありました。

生き物はみんな、歴史を刻んでいますね。 自分を中心とした一生の時間、と言う歴史。
けれど、自分以外の、大きな時間の変わり目にその身を置く存在も。

作り手として名を遺す人。 生き証人として記憶に刻まれる人。 記録とともに伝説になる人。 実在しないのに、影響を与える人。
同じ人間なのに、その影響力のもの凄さ。

憧れや共感や、信じられない! と思ったり、怒りを向けたり。私たちはその人々に様々な思いを向けます。
まるで大きな金属の器の中に、四方八方から一斉に物を投げ込むように。
新しい事実が掘り返されるたび騒いで、なってみたい・なりたくないと心の振り子はランダムに走り回り・・、息切れて。
決めるのは自分、なんだけど。それは、重々承知しているんですが、ね。

電波がこれほど地球を覆うようになり、知ることも無かった人、物、場所まであっという間に情報として手に入る時代。
世界中に知られる存在になるのも簡単になり、それが良いやら悪いやら。

忘れられない出来事が自分だけの出来事ではない。 それって、息苦しくなったり重荷になったりもするのでしょう。その時、横に居る人がソウダッタラ、、私はどうするのでしょうか。。







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『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』*思い出してー33

時間制限、入れ替え制の食べ飲み放題。
その店は、隔週の週末、こんなやり方で客を呼ぶのだとか。
「一応、おまえたちの財布も考えて、ここにしたよ」
・・てか、一度食べてみたかったんだよね。と和泉。確かにオムライス専門の店は女の子向けの内装で男一人で入るのには勇気がいる。

「う~っ、甘そうな匂い・・」
座った途端、涼二が顔をしかめた。すきっ腹に、隣の女の子たちのデザートの匂いが堪えるらしい。
「さっさと注文して食べようぜ」

サラダ、飲み物を順番に取りに行き、喋ってるうちに頼んだオムライスが来る。

キムチ入り、卵とチーズのオムライス。
魚の角煮、大葉と卯の花が入った和風オムライス。
デミグラスソースがかかったオムライス。
そして、あんかけオムライス。

食べろ、寄こせと言いながら互いに味見しつつ食べてると、
「あれぇ、内海くん? 」
側を通りかかった女の子がひょいと俺たちを覗き込んで声をかけた。
「・・・葵」
嫌そうな顔で女の子に応える内海。
「私の誘いを断ったのは、男同士でここに来るためだったの? 」
「うるさいな」
「この間のチーズケー・・・」
「葵! 」
いきなりの大声に、俺たちまでビクッとする。
「なによ。自分の要求は通して、私との約束は破っていいわけ? 」
葵・さん、怒鳴られて泣きそうな顔になった。
「・・っ。ちょっと、来い」
内海が立ち上がり、彼女の腕を掴んで店の隅へ引っ張っていく。



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『プリズム』

『プリズム』29*すれ違う時間-23

じわじわと嬉しさがこみあげてくる。
二人で料理なんて、切って入れるだけのカレーや鍋、ホットプレートの焼肉がほとんど。
卵ならちょっとは手間がかかるだろうから、並んで・・、
「って、何考えてんだ、俺」
まずは片づけ、と中身を取り出した。

木曜の夜、一度帰ってからひろさんの部屋へ行く。
「卵持って会社には行けないんだし、母さんも送ってくる時は曜日とか考えて欲しいよな」
一応タオルにくるんだ卵のほかにも、玉ねぎや、買い足した野菜何かを入れた袋を持って駅に降りる。
ひろさんから帰りが遅くなるって連絡があったのは、駅に着いた時。仕方ないことだけどやっぱり淋しい。
「そして俺はひろさんの部屋に食料を持って行く、か。けど、泊まるもんね」

勝手知ったる冷蔵庫を開け、卵やらを入れる。
シャワーを浴びて着替え、ビールを飲みながらまってると、電話が鳴った。


~~ 忘年会に呼ばれ、少し、飲み過ぎた。
あの会社には飲ませ上手な広瀬さんが居る。気を付けないと、と思っていたのに。
電車に揺られ酔いが回る。タクシーに乗ったら逆に気持ち悪くなりそうで、ゆっくり歩きだしたのだが。

― ひろさん? まだ遅くなる? 」
電話の向こうで心配そうな声。
「崇、今、俺の部屋か? 」
― そう。ひろさん飲み会だって言ってたけど持ってきたい物もあったから」
俺の部屋に崇がいる。その言葉を聞いてホッとする。
「飲み過ぎた。帰る途中だけど・・」
― (迎えに)行くよ。どこにいるの? 」
「駅を降りて、もう少しでコンビニ」
― 分かった。そこで待ってて」 ~~




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ハロウィンSS

今年のハロウィン

去年はお誘いがあって出かけましたが、今年はそれぞれ、のんびりしているようです。


「あ、ひろさん、ここも南瓜のお化け売ってる」
足を止めた新井に苑田も立ち止まる。
「ん? ああ。ハロウィンが月末にあるから。 日本人は外国のイベントをお祭りにして楽しむの好きだしな」
本来は秋の収穫を祝い、悪霊を追い出す祭りだけど。日本のお盆に、似ていると誰かから聞いた覚えがある。
「去年は仮装したよね」
「あんなのは、一度で十分だ」
「今年は、地味にやる? 」
「・・・買いたいのか? お化け」
「へへ」
生の南瓜は食べられない物を使う、と聞き、飾り物を買い、ついでに、ひき肉入りの南瓜パイを買って帰った。



「和弘さん、見て」
買い物途中のデパ地下で、智が腕を引いた。
「・・。眼玉ゼリーか。去年も見たな」
「買ってもいい? 」
「少しなら。こっちのお化けのケーキのほうが可愛い。これも買うよ」
「今年、仮装する? 」
「女装以外なら、してもいいかもしれないね。智は? してみたいの? 」
「うん。仮装なら手を繋いで歩けるし」
可愛いことを言って上目遣いになる恋人に、和弘は抱きしめたくなる衝動を抑え込んだ。



「兄さん、今週着る衣装って・・、これ? 」
オレンジと黒の舞台衣装を広げながら舞人が言う。
「『ハロウィンだから』ってことらしい。三矢湖さんがそう言ってた」
「ハロウィンかー。去年は面白かったね」
久しぶりに、自由に外を歩いた。誰も自分たちを気にしない、声もかけられない。
自分たちの知り合いもいない場所と時間。
「楽しかったな、舞人」
「うん、また行きたい」
無邪気な言葉に、
「そうだな。三矢湖さんに頼んでみようか」
二度と叶わないだろう願いを口にして、翔一は弟の肩を抱き寄せた。


「いらっしゃいませ」
「・・、とうとうここもお化け祭りか」
入ってきた男は、うんざりした口調で、すぐそばにある作り物の南瓜と蕪のお化けシールを貼ったランタンを指ではじく。
「好きなお客さまもいらっしゃいますので」
マスターは澄ました顔で微笑むだけ。

「もう一杯もらおうか」
俺の声に、マスターはほんの少しだけ眉を寄せ、黙ってグラスを受け取る。
同じものを前に置いてくれたが、コースターに乗せていた。
妙な物を、と思いながらグラスを取れば、隠れていた部分に、

** キリンの被り物、今年は使いますか? 

ご丁寧にイラスト付きで書いてある。ムッとしたが、この一年、どんな顔であれを手入れしてたのかをふと想像し、可笑しくなった。




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