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その他

明けまして おめでとうございます。 今日から始まります。


2017年もはや5日経ちました。早いですねー。
今年は日曜日から始まり、日曜日で終わる1年。  酉年って犬猿の仲にある猿と犬(戌)を仲裁するために間にいる、とか、もともとは酒つぼや、収穫、実りなどを意味する言葉から来た、とも言われてるそう。

自然も人の世も色々ある年が多いようです。 でも、腐の世界はかわらないでしょうね。


では 改めまして
今年もよろしくお願いいたします  




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『プリズム』

『プリズム』30*大きな壁-2


リアルでは1月ですが、新井くんたちはまだ年末です。




印刷所から戻ってきた苑田さんをエレベータの前で待ち伏せ。
「苑田さん」
「新井? どうした? 」
「俺も何か吉田さんたちにしてあげたい、と思うんですけど」
「なんだ、見てたのか? 」
苦笑しながらも、
「俺が渡したのは食べ物だから、何か飲み物を持ってくといい」
って教えてくれた。

吉田さんにコーヒーや甘酒の差し入れをして、ほっこりした気分で家に帰る。
「・・うーん。職場だとやる気も起きるんだけど、自分の部屋だと、なぁ」
埃で死ぬわけじゃない。と思うけど部屋の隅には薄っすら積もっていそうだし。
「ひとまず自分をきれいにして、明日にしよ」
お湯をためて、自分と浴室の目についた汚れを洗い落とせば、大掃除が終わった気になった。


大晦日、実家に戻ると
「崇、ちょうどいいところへ。買い忘れたものがあるの。行ってきて」
「・・はーい」
スーパー、明日だって開いてるけど。
(でも、母さん、元日からお金使うの嫌がるしな)
だからお年玉あげるのも三日からで、親戚が来るのもその日から。
で、二日は初詣で。 今年はどこへ行くんだろう?  ま、いいか。買い出し買い出し。

「あ~、終わったわ。ひと山超えたー。あと、来るのは・・・」
三日の夜、母さんが片づけを終わらせてコタツに座り込む。父さんは、残ったお節をつまみながら、
「坂井くんのところ。去年ああいうことがあったから、来にくいんじゃないかな」
「でも来るわよ。お年玉があるから」
そうだね、奈々枝ちゃんはきっと楽しみにしてるだろうから。
蜜柑を剥きながら思ってると、
「そう言えば崇は連れてこないのか? 」
父さんが体ごとこっちを向いた。
「へ?何を連れて・・? 」
「彼女だよ。 そりゃあ、おまえより仕事の出来る女性(ひと)だし、先輩でもあるから、呼びにくいとは思うが父さんも一度くらいは顔を見たいよ」
「・・・うん、分かるけど・・・」





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雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その159  

今年のお節。

相変わらず上手にUPできてなくて すみません (^^;)
右にあるのが煮物のお重。蓮根・梅の形に飾り切りした人参・里芋・油揚げ・コンニャク。 です。
下は、栗きんとん・お多福豆・チーズとサラミのテリーヌ・こぶ巻き・田作り。かまぼこ。伊達巻。板付きの3色かまぼこ(はべん、と言います)・黒豆。
毎年作っているのは、煮物・栗きんとん・黒豆・・です。

はべんの板、かまぼこの板よりとても薄く、ボール紙くらい(1mm?)の厚さです。これは、板を持てば手を汚さずたべられるから、らしいです。昔の人はよく考えたものですね。
そして下のお重の真ん中にあるのは、竹の形をした入れ物。真上から撮ったので、ちょっと分かりにくかったなぁ。。 反省



そうそう、こちらの鏡餅は白(下)と紅(上)のお餅を重ねます。皆さまは何色のお餅を重ねます?

では 今年もよろしく~


おまけ。
以前私の足の間で寝ていたニャンコ。この場所が気に入ったようで、夜ご飯の後、ひと寝入りしに来ます。






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『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』*思い出してー42

「そっか。女の子助けようとして転んだんだ。で、こうなった」
話上手な大久保店・・、拓也さん、は、聞き上手でもあって、和叔父さんには話してな
い事まで知られてしまう。
「和叔父さんには言わないでください。恥ずかしいから」
「どうして? 立派だよ。だって自分の彼女でもないのに助けようとするんだから」
いやそれは、だから、と自分でも訳の分からないことをブツブツ言いながらコーヒーを
飲む。
今座ってるのは店の隅にある応接コーナーみたいなところ。店長さん、と呼びかけたら、
ちっちっ、と人差し指を顔の前で振られ、
「『和弘の大事な甥っ子くん』て言われたくなかったら、拓也、って呼ぶこと」
と言われてしまった。
コートは、
「うん、穴が開いたんじゃないからなんとかなるよ」
汚れや傷を見た後断言してくれて、ホッとする。
「・・可愛いなあ。表情がくるくる変わって。俺の周りにいないタイプ。
どう? 俺と付き合ってみない? 」

ぶほっ、とコーヒーを吹き出し、噎せる。
「・・っ、ごほっ、すいませ・・、って、今なんて」
「だからさ、俺、ゲイなの。つまり、男が恋愛対象なわけ。智くん、こっちに来たらモ
テるタイプだよ」
「・・え・遠慮します」
顔を近づけて言われた言葉に瞬間フリーズしたあと、マッハで覚醒。体を引いた。
「おっと。コーヒー零れるよ」
咄嗟にカップを持つ手を掴まれる。 その手の指に変わった指輪。
「手、、放してください。俺、男の人も二股も嫌いです」
「二股? 俺はフリー・・、あ、これか」
気付いた拓也さんがクスッと笑う。
「何が可笑しいんですかっ? 」
「これはね、指ぬき、って言うんだ。針仕事に必要な道具だよ」

道具?

「おいで。見せてあげる」
怪訝な顔の俺に、拓也さんは掴んだ手を引っ張った。



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『プリズム』

『プリズム』30*大きな壁-4

渋る俺に、
「正月は、海外で過ごす人なのか? 」
「それは無いと思う、けど」
「だったら」
連絡して頼んでみなさい、と勢い込む父さん。たじたじとなってしまう。
「なあ、母さんもそう思うだろう? 」
「そうねぇ。そろそろ会ってみるのも、いいんじゃないかしら」

げ。 ・・嘘だろ?!

「おふくろっ」
俺の味方、してくれるんじゃないの?
母さんの言葉に勢いを得た父さん、
「かあさんもそう思ってるのか? 崇、今連絡がつくなら父さんから頼んで・・」
「冗談じゃないっ! 」
思わず、怒鳴っていた。
「・・・崇」
「ひろさんはたくさん傷ついてきたんだ。これ以上悲しい顔はさせない。父さんがそんな事するなら絶対会わせないからな! 」
「崇、興奮しないの」
「母さんも母さんだよ。だいたい、何で正月から」
「お正月に好きな人を連れてくるのは、母さんもやった事だから」
「へ? 」
さらりと、爆弾を落とす母さんはニコニコしてる。父さんが慌てて口を挟んだ。
「か・母さん、その話は」
「いいじゃないですか。父さんの話をしてあげれば崇だって連れて来やすいでしょう? 」
「いや、しかし」
「それとも、崇が決心するまで待ちますか? 」
「・・・・会いたい」
「じゃあ」
あのね、と俺の方を向いて話し始めた母さんに、
「わ・わしは出てるから、終わったら教えてくれ」
さっきまでの勢いはどこへやら、父さん、そわそわした挙句、立ち上がってそそくさと部屋を出て行く。

「どうしちゃったの? 父さん」
ハテナマークを頭の周囲に回らせながら聞くと、
「思い出しちゃったんでしょ、あの時のこと」
「あの時・・って? 」
ふふふ、と笑う母さんの顔が、とっても楽しそうだ。





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『プリズム』

『プリズム』30*大きな壁-5


これは、母さんが話してくれたとある正月のエピソード。 (新井母、佐奈恵さん。新井父、周作さん です)

玄関の呼び鈴が鳴る。
「はーい。今行きます」
佐奈恵は咄嗟に、また、時計を見た。
(約束より早いわ。 いいけど)
今日はもう何回時計を見ただろうか。一月三日は朝から親戚が次々やって来る。その日に、できるだけ多くの親族と顔を合わせてしまおうと、周作と計画を立てたのだ。
「今日はずいぶん出迎えるのね」
と温めたお酒を銚子につぎ足しながら母親が笑う。
「時計も気にしていたし。一体、誰が来るの? 」
「知ってるくせに。お母さんの意地悪」
「だって、佐奈恵ってば写真しか見せてくれないんですもの。実物、見に行きたいわ」
「すぐ会えるわよ。」
パタパタと玄関へ向かう佐奈恵に、背後から、
「せっかくの振袖なんだからおしとやかになさいよー」
と言う声が追いかけてくる。が、それより先に、
「あ・・。明けま して おめでと・・」
「周作さん、おめでとう! みんなお酒が入っているからきっと大丈夫よ。早く上がって」
始めて見る和服の彼女に目を丸くする彼。
その目の中に、惚れ直した、の色を読み取って佐奈恵は、
(これは絶対、みんなに認めさせないと! )
と意気込みを新たにする。

「おーい佐奈恵、誰が来たんだ? 」
父親が娘を呼んだ。

佐奈恵が周作を連れて居間に入ると、
「おー、イイ男が来たなー。佐奈恵ちゃん、誰だい? 」
「紹介するわ、とき(外喜夫・ときお)おじさん。お父さん。
新井 周作さん。
私の、、結婚したい人」
「さ・佐奈恵さんっ?! 」

十人は居た部屋がいきなり静かになった。




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『プリズム』

『プリズム』30*大きな壁-6

「きょ、今日は、挨拶に来ただけで・・」
狼狽える周作に、
「だって、結婚前提で付き合ってるでしょ、私たち」
「それは間違いないけど、僕はまだちゃんと君のご両親に話もしてないのに」
「えー・・っと、佐奈恵。
もう一回、言ってくれないか? お父さん、酔っぱらってるみたいだ」
父親が酔いがさめた顔で二人の会話に割って入る。
「佐奈恵おねえちゃん、けっこん、て、お嫁さんになるの~? 」
四月から小学生になる、隣の家の男の子が無邪気に尋ねた。
「そうよ、大和(やまと)くん」
「お年玉は? 」
「そうね、この家に居たらあげるわ」
「じゃあ、お正月には帰ってきて! 」
「こら! 大和、今からそんなこと言わないのっ。
でも、佐奈恵ちゃんも結婚するのねー」
おめでとう。幸せになってね。と早々に言われ、満面の笑顔になる佐奈恵。
「ありがとう、おばさん。またちゃんと、挨拶しに行くわ」
「楽しみに待ってるわね」
さて、それじゃ帰るわ。大和、行くわよ。とその母子が帰ったのを皮切りに、親戚も次々帰っていった。

「ひとまず片付けるから、座ってくださいな、新井さん」
客を送り出したあと、佐奈恵の母親が声をかける。
「あ、はい。ありがとうございます」
「お母さん、わしはまだ何も言ってないぞ」
「でも、お客さまなんだから、立たせっぱなし、って訳にも行かないでしょ? それともお父さん、立って話します? 」
う、と詰まる父親。
佐奈恵、あなたも片づけ手伝いなさい。 とちゃっかり座ろうとする娘を制し、女性二人がこまごまと立ち働く中、男たちは、黙ってこたつで向かい合わせに座っていた。

「はい、どうぞ」
「いただきます」
目の前に出されたお茶を飲み、ホッとした顔になる周作。
「・・美味しい、です」
「それで。話があるんだろう? 新井くん」
仕切られてしまった父親が少々苦虫をかみつぶしたような声で促すと、姿勢を正した周作は、
「新年明けましておめでとうございます。 佐奈恵さんを僕にください! 」
と頭を下げる。





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雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その160

私が新年に必ず見るものの一つ、富士山の初日の出。
何回見てもキレイです。


ところで、日本一低い山ってご存知ですか?
調べてみたら、国土地理院が発行する地形図に載る山・・、として最も低い山は、宮城県仙台市宮城野区蒲生にある「日和山」。標高は3m!   「丘」とも呼ばれないほどの高さ。
日和山は「築山」と呼ばれる人工的に作られた山でなんだそう。人工の山であっても地形図には山として載るんですねー。オドロキΣ(・□・;)
だって3mって、ビルの2階の床くらいの高さくらい。。

国土地理院が地形図に載せる条件としては、「地元住民が山と呼んでいるか」「地元自治体が公式名称としているか」「国土地理院が記載を妥当と判断するか」の3点。
人工であれば低い山は簡単に作ることが出来るため、古くから地元で「山」と呼ばれている必要があるんだとか。
地形図への掲載有無は別として、基本的には、地元住民が「山」と呼んでいれば「山」であり、「丘」と呼んでいれば「丘」ということなんですって。

ちなみに、自然の山として日本一低い山は、徳島県徳島市方上町にある「弁天山」で、標高は6.1m。
こちらになると、2メートルだいたい1階と考えて約3階分。
息切れせずに登れそう(笑)。


そういえば、山脈の中にある山って、見分けがつきにくい気がするんですよねー。
昨年、とあるグループで山の近くまで行ったのですが、ガイドさんに「あれが〇〇山、その隣が○○山です」 と言われてもはっきり区別できなかったんです。(;д;)

登山は難しそうですが、トレッキングやハイキングならやってみたいな、と思っています。(でも、いつになることやら・・・





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『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』*思い出してー43


洋服を作る仕事、って、初めて見る。

シャキッと気持ちのいい音がして一枚の大きな布が型に合わせて切られ、トルソーに着
せかけられる。
迷い無く布を切る拓也・・さん、は職人の顔で、さっきまでとは別人。
そして。
指ぬきを使って針と糸で布を服にしていく。

「・・こんなものかな」

一息入れて、拓也さんの動きが止まったのは、服がジャケットの形になってから。
「どう? これ」
「カッコイイ、です。俺、デザインとかよく解んないけど、着てみたい」
服も拓也さんも。
「嬉しいこと言ってくれるね。
そうだ、君もトルソー、作るかい? 」
「ト・トルソー? 」
「うん。カズ、和弘のはあるんだよ。 見たい? 」
和叔父さんの? 

俺が食いついたのが分かったみたいで、ちょっと待ってて、と言って、拓也さんは部屋
を出て行く。

「ほら、これが和弘の」
新しく部屋に置かれたトルソーは少し色が変わってる。
「これを作ったのは、カズ・弘が成人式のスーツを作ったころ。それから一回くらいは
手直ししたけど、ほとんど体型変わってないからなあ。ちょっと残念」
「残念? 」
「そ。俺の好みの体形なんだよね」
ギョッとするようなことを言われてまた、引いてしまった。



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『プリズム』

『プリズム』30*大きな壁-7

後半、苑田視点が入ります。 ~~ から です。



「おいおい、そりゃあないだろう? 」

台所から声がして、一人の男性がやって来る。
「あ~っ、ときおじさん! まだ居たの? 」
「まだ居たの、とは失礼な。 可愛い姪っ子が心配だったんだから。
さてと。 新井くん。説明してあげよう」
周作と佐奈恵の父の間に座り込む。
「新年、は、言葉通り新しい年、だ。で、明けましておめでとう、も、古い年・・、ま、旧年が明けてめでたい、ってことで同じ意味。
二つ重ねると、年が飛ぶ、って嫌がる人もいるんだ」
言われて、真っ赤になる周作。
「すす、すみませんでしたっ! あの、改めまして、明けまして新年 おめでとうございます! 」
「周作さんっ、それ、さっきとおんなじ! 」
佐奈恵まで赤くなりながら恋人の肩を叩く。
とうとう母親が吹き出した。


「・・って話」
「えー、それだけ? 」
「それ以上は何もないわよ。父さんも周作さんも仲良くなったし」
肝心な所、はぐらかされた。その先を聞きたかったんだけどな。
「だから明日、崇も範裕さん、連れていらっしゃい」
「明日? 」
「会社、まだお休みでしょ? 」
「う・ん・・・」
「大丈夫よ。範裕さん、崇のこと大好きだから」
「・・分かる? 」
「崇がいい顔で笑ってるもの」
「俺?! 」
そっちの方が意味不明。・・でも、
「母さん、俺の味方してくれるよね? 」
「もちろん。息子の幸せを願わないわけないでしょう」
断言されて、決心する。

「もしもし、ひろさん? 」


~~ 正月は、いつも二人。和美さんは四日くらいまで自宅に帰る。
今年は、家の掃除、正月飾りを済ませたあと、
「年越しは、風呂でしよう」
と父に誘われてスパリゾートへ行くことに。

「思っていた以上に賑やかだな」
「うん。家で過ごすより楽なのかもしれない」
友だち同士もいるが、家族連れも多く、俺たちも紛れて浮いて見えない。
ジェットバスや打たせ湯、ヒノキ風呂など、こういう場所でしか入れない湯に浸かり、心もじんわり温まってくる。





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『プリズム』

『プリズム』30*大きな壁-8

昨日の続き、苑田視点からです。


「今年も無事、一年が終わるな」
「そうだね」
車ではないので酒も頼み、年越しそばを肴に新年を待つ。
食事をしている広間には大画面のテレビもあり、そこから除夜の鐘の音も聞こえてくる。
「・・そう言えば、この鐘の音も、『うるさい』『騒音だ』なんて言う人もいるんだな」
ふと箸を止めた父が寂しそうに言う。
「・・うん。何故だろうね」
「昔からあるものに敬意をはらうことより、自分たちを優先するのかなぁ・・」
「父さん・・」

【・・では、カウントダウンにいきましょう!
10・9・・・・3・2・1・ゼロ!
新年、おめでとうございます!! 】

沈黙してしまった俺たちの間に、賑やかな声が新年を運んでくる。
「お・・っと、文字通りの年越しそばになってしまった。食べ切ったら初風呂に行こう」
「また風呂? 」
いいけど、と笑って残りの蕎麦をすすった。 


☆  ☆  ☆


三日の夜、崇から電話が入る。
「どうした? 」
― あのさ。お正月、どうだった? 」
「どう、って。普通だよ。あ」
― ど・どうしたの? 何かあった? 」
「いや、父さんとスパで年越ししたんだ」
崇の声が裏返ったのが可笑しくて、笑いながら説明する。
「おまえの方こそ、何かあったのか? 」
― あったって言うか、無かったっていうか。。 」
珍しく言いよどむ崇が、気になった。 ~~





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『プリズム』

『プリズム』30*大きな壁-9

電話に出たひろさんは機嫌がよさそう。でも、
「明日、家に来られる? 」
言い出した時は心臓ばくばく。
― 家・・って、おまえの家? 」
「うん。母さんと、・・父さん、が、会いたいんだ、って」
― そうだな・・。特に予定も無いし、新年の挨拶に行ってもいいな。分かった」
時間を決め、おやすみの挨拶をして、終了。

「あ~~っ、言っちゃった。とうとう言っちゃったよ・・」
ベッドで正座してた足を崩し、どさりと仰向けに寝転がる。
「明日、ひろさんが家に来る。俺の、大事な」
大切な人が。

守るからね、ひろさん。


翌日。
「こんにちはー。おめでとう」
「あけましておめでとうごじゃ、・・ございます」
まずやって来たのは、坂井家。
「いらっしゃい。奈々枝ちゃん、上手に言えるのね」
「うん! 」
「この子、一生懸命練習してたの」
「そう。偉いわね」
母さんに褒められて、うふふと笑う奈々枝ちゃん。それを羨ましそうに見る父さんに胸が痛んだけど、変えられないものは仕方ない。
それより俺は、心配になる。
(かち合っちゃっいそう)
ひろさんを、親戚の人たちに会わせたくない。

「じゃあそろそろお暇するわ」
「奈々枝、新井のおばさんたちにご挨拶しなさい」
「はーい。
あらいのおばちゃん、おじちゃん、お年玉ありがとうー!」
「どういたしまして。またいらっしゃいね」
ストレートなお礼の言葉に全員が笑う。
ようやく帰ると俺がホッとした時、ドアチャイムが鳴った。




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『プリズム』

『プリズム』30*大きな壁-10

ひろさんだ!

「ななえがいくー! 」
「い、いいよ奈々枝ちゃん! 俺のお客さんだからっ」
真っ先に反応し、駆け出す奈々枝ちゃんを追いかけ玄関へ。
「おかえりなさい! 」
戸を開け、出迎えの一声。見上げて初めて 自分の知らない人 だ・・、と固まる少女に、
「ただいま。それとあけましておめでとう。綺麗な着物だね。名前を聞いてもいいかい? 」
驚いた様子も見せず、しゃがんで笑いかけるひろさん。
(さすがだなぁ)
惚れ直して見てたら、奈々枝ちゃんがブルブルっと身震いして、
「おうじさま! ななえのおむこさんになって! 」
と、・・抱きついた!
「な、奈々枝ちゃん、その人は俺の会社の人だ。王子様じゃないよ」
「いーや! ななえのおうじさまなの! 」
「だから」
「たかしおじちゃんよりかっこいいからおうじさまなの」
「奈々枝ちゃん、ひろさんは」
「崇」
ひろさんにべったりくっつき、俺を‘おじちゃん’と言った奈々枝ちゃんに、ハンマーで頭を殴られたくらいショックを受けたけど、ともかく引き離そうとしてひろさんに止められる。
「ななえちゃん、て言うの? 」
「うん! おうじさまのおなまえは? 」
「苑田、って言うんだ」
「そのださん、ななえとけっこんしてください」
もう、頭の中はおとぎ話みたいになってる奈々枝ちゃん。
「ごめんね。それは出来ないんだ。俺にはもう好きな人がいるから」
ひろさん、優しい笑顔で答えた







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お知らせ

お知らせ。

わ~~!
出ましたっっ、 12345番!

踏まれた方、おめでとうございます!!
わくわく・ドキドキでリクエストお待ちしていますね!   あの、、お題は、3つくらいまででお願いいたします💦





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雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その161

外側に合った中身

食べ物の話から。  

中身が多くて困る場合は、お饅頭のあんこ。シュークリームやクリームパンのクリームなど。意味合いは少し違いますが、オムライスも。
もうちょっと増やして欲しかったなぁ、と思うのは、肉まんや市販のおにぎり🍙、春巻き。 
私にとっての適量と世の中の適量がズレてるのね、と思うのですが。
時に中身が片側に寄っていると、「ムムム・・」 の気持ちがさらに強くなるんです。
なので、ちょうど食べ切れるものに出会った時は感激です!(((o(*゚▽゚*)o)))  ただ、そういうのに限ってすぐなくなったりするんですよね・・・。

そんな時あると助かるのが飲み物。できればお水以外のもので、甘さ控えめが良いなあ。


中の見えない袋もそう。代表格は、福袋でしょうか。
今はそうでない袋もたくさん出てますけど、ワクワクして買って、「うわあ」なこともあり。あ、両方の意味で。
袋菓子にはそれぞれ理由があるそうですが、やっぱりたくさん入っていてほしいですね。

分からないから知りたいのはたくさんです。一番は自分のこと・・かな? 





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『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』*思い出してー44


そんな俺に気が付いてると思うのに、トルソーを撫でながら、
「あいつの体、今でも色気あるからたまには触ってみたいんだけど。
そうそう、智くんももうちょっと筋肉つければ? そしたらスーツが似合うだけじゃなく、俺好みになるよ」
すっと両手を伸ばして腰に触る。
「あああのっ、けっ構ですっ」
思わずその手を外したんだけど、いつの間にこんなに近くに来てたんだろ。
「そう?  俺の方はいつでもまってるから、気が向いたらおいで」
流し目でウインクされて、ドキマギしてしまった。 なんで?


「智、これ」
拓也店長さんにコートを預けた二日後、いきなり内海が差し出したのは封筒。
「何? 内海」
「コートのクリーニング代」
「い・いよ、もらえない」
「俺のせいだし」
「そんな事無いって言っただろ」
「だけどさ」
「大丈夫だって。拓也店長さんが『何とかなる』って言ってくれたし」
「拓也店長? 」
「あ、大久保店長。和叔父さんの友達の洋服屋さん」
「そんなところ行ったのか? 」
「うん、あのコート、和叔父さんのだったから」



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『プリズム』

『プリズム』30*大きな壁-11

奈々枝ちゃん、頭をぶんぶん横に振って、
「だめ! ななえのほうがいい子よ。ななえにしなさい」

どこから出てくるんだよ、その強気の発言。

俺の口がパカッと開いた。そこへ、
「奈々枝、一体何してるの? 」
救いの手・・、奈々枝ちゃんのお母さんがやって来る。
あらまあ、と一目見て状況を把握。
「奈々枝、知らない人にそんな事しないの」
「ちがうもん! ななえのおうじさまだもん! 」
「我が儘言ってると、おうじさまに嫌われちゃうわよー? 」
この一言が絶大に効いた。
パッと離れて、
「ごめんなさい。ななえのこと、きらいになった? 」
泣きそうな顔で上目遣いする。
「ななえちゃんは可愛いから、嫌いにはならないよ。でも玄関に居ると寒いし、中へ入っていいかな? 」
「うん! 」
たちまち元気になって、あらいのおばちゃん、おきゃくさまー! と着物の裾を蹴散らして知らせに行く。
「奈々枝―、もう帰るのよ。戻ってらっしゃい」
奈々枝ちゃんのお母さんも呆れ顔だ。でも、ひろさんをチラチラ見てる。
「元気なお子さんですね」
「ありがとう。こまっしゃくれてて。ご迷惑でしたね」
「いえ」
にこやかに受け応えるひろさん、やっぱり凄いと思う。俺だったらあんなに上手くあしらえない。

奈々枝ちゃんは、ひろさんに抱っこしてもらって車に乗せられて、ご機嫌で帰っていった。
も~~、つ か れ た。。






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『プリズム』

『プリズム』30*大きな壁-12


「ご苦労さまでした」
「いいえ。俺の家は親戚付き合いがほとんど無いので楽しかったです」
坂井家が帰り、和やかな空気になった居間。コタツに入って俺とひろさんが父さんと向かいあって座ってる。
母さんが用意してくれた熱燗をさしつさされつしながら、ひろさんは本当に楽しそうな顔をして話し。
なんだか家族のようでさっきの疲れが消えていく。

ところが。
「そうそう、聞いてもいいかな、範裕くん」
「はい、何でしょう」
「崇の彼女の事なんだ。いや、私もつい先ごろ聞いたばかりなんだが詳しくは教えてくれなくてね。年上で、仕事の出来る人らしい。君は知ってるかい? 」
父さんが爆弾を投下した。
「崇の彼女・・、ですか? 」
「父さん、それは」
ひろさんに変な誤解をされたくなくて割り込んだけど、
「今日、連れてくるはずなんだ」
期待一杯の顔をひろさんに向ける。
(だから父さん、違うんだって! )





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『プリズム』

『プリズム』30*大きな壁-13

「まあ、焦ることも無いんだろうが、早く孫の顔が見たくてね」
「・・そうですか」
ひろさんの顔が微妙に曇る。でも父さんは気付いてない。
「そういえば、範裕さんもそうね」
絶妙なタイミングで母さんが話に加わった。
「崇より年上で、仕事が出来て。奈々枝ちゃんが一目惚れするくらいハンサムさんだし」
「母さん、今はイケメンと言うんだよ」
「女性だけじゃなく、男性にも好かれそう」
「母さん? 」
不思議そうに聞き返す父さんをスルーして、ひろさんを見た。
「範裕さんも付き合ってる人がいるのよね? 」
「・・はい」
「そりゃ、いるだろうさ。これだけイイ男なんだから」
父さんが、まるで自分の身内のように自慢げに言う。俺は、ハラハラしながらも口を挟めない。
「範裕さんの好きな人って、年下だった? 」
「確か、・・五才ほど」
「仕事はどう? 」
「頑張ってます。きっとまだ伸びると思います」
初めてま正面から褒められて首が縮む。そんな俺を横目で見てフッと笑うひろさん。
「この子、何も話してくれないけど、範裕さんには相談してる? 」
「ええ、ある程度は」
「叱る時は遠慮しなくていいから。一人っ子だし、我が儘言ったりしてない? 」
「か・・、おふくろ、俺だって仕事の時はちゃんとしてるよ」
「うーん・・、ま、信用しましょう」





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『プリズム』

『プリズム』30*大きな壁-14

会話の成り行きに疑問を覚えた父さんがお酒を飲む手を止め、
「母さん」
「はい? 」
「何の話をしてるんだい? 崇の彼女じゃないのか? 」
「ですから、崇が付き合ってる人の事ですよ」
「付き合ってる人? 」
「ねぇお父さん。崇が言ったこと、覚えてますか? 」
にこにこと詰んでいく母さん。
「だから言ってるんじゃないか。今日、彼女を連れてくると・・」
「よーく思い出してください。
崇が付き合ってる人の事、なんて言ってたか」
「・・・正月に、海外に行くような人じゃない・・」
「ほかには? 」
自分でも言ってましたよ、と言われ、
「うーんと。・・ああ、思い出した。『年上で、仕事の出来る人らしい』だ」
「正解。
そしてここからが重要なの。お父さん、崇、女の人だって言いました? 」
え? と目を見開く父さん。腕組みまでして考え出す。

俺は、かたずをのんで続きを待った。
ひろさんはずっと、黙ったままだ。

「・・どうやら、聞いてないみたいだ。でも、あの娘(こ)は? 確か、絹里さんと呼んでた・・」
「絹里さんは崇より年下ですよ」
その名前を聞いて、ひろさんの周りの空気が硬くなる。
(大丈夫だよ、ひろさん。絹里さんには中畝さんがいるんだから)
口にすればややこしくなるのは察しがつくので、代わりに、手をぎゅっと握った。ハッとしたひろさんが手を握り返してくれる。
「あ! 崇がその人の事、『ひろさん』って呼んでたぞ」
どうだとばかりに父さんの鼻が膨らんだ。
「そうでしたね。でもフルネームはまだ知らないでしょ? 」
「母さんは知ってるのか? 」
「ええ」
その一言にノックダウンされた父さんは、見る間に情けない顔になる。
「わしだけ除け者? 」
「違いますよ。お父さんがショックを受けるだろうって、心配してたんですよ、崇」
「そんな事はない! たとえ相手がひと回り年上でもバツイチでも、崇の選んだ人なら
応援するぞ! 」
「本気ですか? おとうさん」
「もちろんだ!
・・だから教えてくれ。誰なんだ? 」
鼻息荒く宣言したあと、身を乗り出した。





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雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その162

寒いです。大寒(1/20)も過ぎてるし、冬真っ只中ですから仕方ないのですけど。
でも、気温は、いきなりプラスマイナスするんですよね。なので、天気予報チェックは毎日欠かさずすることに。

こんな時、そうでなくても、役に立ってくれるのがポケットです。
手袋、使い捨てカイロ、鍵、お菓子、恋人の手を入れてぎゅっと握る( ´艸`)。 なーんでも入れられる優れもの。

和服では、胸元や袖の袂(たもと)がポケットの代わりにもなっていたみたい・・です。
が、「服にポケットがついているか否か」 には政治や社会に大きく関わる、知られざる歴史があった様子。
では。


男性のスーツやジャケットには古くから目に見える形で大きなポケットがついていました。が、女性の衣服にはポケットがなく
ズボンやボクサーブリーフ、ネクタイ、スーツ以上に「ジェンダー(性の区別)」のはっきりしたアイテムだったのだそう。


中世、人々は腰回りにカバンをつけたり、ベルトから荷物をぶら下げたりしていたのですって。今でいう、ウエストポーチ?
しかし、都市化が進み、犯罪者の手口が巧妙化。
人々はスリ対策として、衣服の内側にポケットを作り出します。そして、男性のジャケットや女性のペチコートには大切なものを隠すためのスリットがつけられたわけです。
これが内ポケット発生、の理由か~~。泥棒対策。現実的だわ。

17世紀になると、男性服のポケットはコートやベストの外側に必ずついているアイテムに。
一方で女性服についているポケットはペチコートなどの下に隠されたまま。でも、当時の女性のペチコートやパニエの下についているポケットは巨大で、ソーイングキットや時計、香水ビン、くし、ノートやペン、お金など、あらゆるものが入れられていた! スゴイ!
あの広がってるスカートは、中身がそうなっていたのか。。 重かったでしょうね。

女性服におけるポケットのあり方が大きく変わったのはフランス革命期。
革命後は体に沿ったシルエットで、腰周りもすっきりとした衣服が着用されるようになり、衣服の下に大きなポケットを入れることができなくなった。Orz
その解決案として「ハンドバッグ」が生まれました。 なるほどー! 見せるポケット。  だから華やかなものも多いのね。

この流れの中で、女性の衣服にもポケットがつけられるようになり、同時に男性の衣服につけられるポケットの数も増えていき。
女性であってもプライベートなものや、秘密、ピストル(?!)といったものも運べるということの現れが「ポケット」だったわけです。


歴史を辿ると、ポケット一つにも色んなことが隠されて?いたのが解って面白いです。
まぁでも。 
欲しいと思うのは、♪ポケットを叩くと ビスケットが2つ(に増える)♪ のポケットとか、青いネコの4・次・元/ポケット だな。



久しぶりに文字がたくさんの記事になりました。 目が疲れたかもしれませんね。 すみません。
あーんど、猫頼み~~。






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『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』*思い出してー45

内海がしかめっ面になる。
「何であの人の? 」
「だって、スーツだけじゃ寒かったじゃないか」
「・・・。親は貸してくれなかったのか? 」
「親より和叔父さんの方が話しやすいし、何でも聞いてくれるんだ」
「・・それ、変だぞ? 普通相談するなら親だろ? 」
「そうだけど。
でも、親に言えないことだってあるし。内海は違うのか? 」
「そりゃ、・・あったけど」
「ほら見ろ。だったら人のこと言うな」
ムッとした内海。

「けど、あの大久保店長だってホモだ。あの人もそうかもしれない」
「内海っ」
「おまえ、隣にいるのがそういう人だなんて嫌じゃないのか? 」
「和叔父さんの事悪く言うな! 」
自分でも驚くほど怒りがこみ上げる。



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『プリズム』

『プリズム』30*大きな壁-15

新井父さん、とうとう、知ってしまいました。。


「ここにいますよ。崇の付き合ってる人は」
「ここに、いる? 」
頷く母さん。 
「だが、ここにいるのは家族同然の範裕くんだけ、で・・・」
見回し、誰かいないかと探す。
「え? 崇? 付き合ってる人、って。・・え、範裕くんが連れてきた、とか? 」
疑問だらけの顔を俺に向ける父さんに、
「ひろさんは誰も連れてこない。俺が頼んで来てもらったのは、ひろさんだけだ」
範裕さん、と言い繕うことはせず、二人だけの時に呼んでる呼び方をして、握ってる手に力を籠める。
「ひろさん・・ 」
それは女性の、と言いかけ、ハッとする。
「範裕・・、ひろ・さん? 」
「はい」
恐るおそるといかけたのへ、手を放し、正座しなおしたひろさんがはっきり答えた。

「俺です。崇と付き合いをしているのは」

「・・正月から、悪い冗談、だ。
範裕くん、崇の悪ふざけに合わせてくれなくても・・」
「父さん。
今俺が真剣に付き合ってるのは、苑田 範裕さんだ。女の人でも年下でもない。今、一番大事な人なんだよ」
堪らず割り込んだ俺に目を向けた父さんの顔が、泣きそうだ。胸がギュッと痛む。
「母さん。。違うよな・・? 」
「違いませんよ、お父さん」
静かに返す母さんに、
「知って、いたのか? 」
「ええ。相談されましたから」
「そうだん? 」
「去年、、一昨年だったかしら。好きな人ができた、って」
「反対はしなかったの、か? 」
「積極的にはね」

その答えに、父さんが爆発した。
「何故だ、母さん! 反対すれば崇だって道を誤らずに済んだんだぞ! 」
バン、と炬燵を叩いて立ち上がる。
「母さんだって、早く孫が欲しいと言っていたじゃないか。どうして男と付き合うなんてのに止めなかったんだ! 」
私だって夢見てきたんだ、孫に何でも作ってやるのを。喜ぶ顔を見るのを。
言い募る父さんは、だだをこねて泣いてる子供のようだ。だけど、その悲しみは容赦なく俺とひろさんを突き刺す。




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『プリズム』

『プリズム』30*大きな壁-16

「申し訳ありません」
ひとつ下がって、深々と頭を下げるひろさん。
「範裕くん、君だって家族に子供を見せてやりた・・」
「父さん! 
それ以上言ったら許さないから。
好きになったのは俺の方からだ。ひろさんが誘ってきたりしたわけじゃない」
「「崇」」
父さんの声とひろさんの声が重なる。考えるより先に、ひろさんを見ていた。
「いいんだ。おと・・、新井さんは何も間違ってない」
俺を見返す目の中に哀しい色が浮かぶ。そしてもう一度父さんに向き直りすみません、と頭を下げていた。

駄目だ。どうしてひろさんが謝るんだ。ひろさんは悪い事なんかしてない。

「あ・・、謝られても困る。それとも、崇と、別れてくれるのか? 」
びく、と、ひろさんの体が揺れた。
「そうだ、君が別れると言えば崇だって」
「お父さん」
俺が、止めろ、と叫ぶ前に母さんが遮る。
「それ以上言ったら、崇が家を出て行くかもしれませんよ」
ギョッとして、母さんを見下ろす父さん。
「ひとまず座ってください。話がしにくいから」
言われて、立ち上がってるのは自分だけだと気が付いたみたいだ。
「範裕さんも顔をあげて。謝りに来たんじゃないんでしょ? 」

お茶を淹れましょうね、と立ち上がった母さんが俺を手伝わせてこたつの上を片付ける。






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