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『プリズム』

『プリズム』32*指輪ー54

た・大変っ!!
今日もRが付くんでした! R-17くらいでしょうか? 年齢に達しない方、苦手な方は、ご遠慮くださいね。大丈夫な方、スクロールして、どうぞ。💦
























「ひろさぁん・・、」
まだ目じりに残ってるのを、そうーっと指で拭う。
「ごめん」
できるだけ優しくキスして言うと、
「何を、謝ってる・・? 」
薄っすら目を開け、不思議そうに聞く。
「だって、泣いてるみたいだった、から」
「・・泣いてなんか」

気が付いてない?

自分で触って、わかったみたい。
「嫌だった? 」
「・・嫌、ってわけじゃ。。ただ、腋の下、汗」
「別に気にしてないよ。ひろさんのだって口にしてるし汗くらい・・」
「馬鹿っ! 変なこと言うなッ」
見るみる赤くなり俺を睨む。
「それに、泣いてたんじゃないっ。感じすぎてたまたま・・」
ハッとして止めたのは、俺がデレた顔になったのが見えたからだろう。うん、自分でも解ったもんな。
「い・今の、無し・・、あっ」
泣き顔を見て反省モードになり、しょぼんとしてた俺の雄もひろさんの言葉を聞いて大復活。
硬くなった肉棒を、ひろさんの下腹とかぬるつく場所にぐいぐい押し付け、
「喜んでくれた、んだ。じゃあ、もっと、するね? 」
「ぁあっ、や、擦りつけ・・ッ。出したば・・か、んんっ」
うん、イッたばっかりだと、余計感じるのは知ってる。だから、感じて、顔を隠すの忘れて、声も出して。

「っ、も・・、入れ、ろ」
焦れて声を投げつける。声につられて俺の指を三本呑みこんだソコがきゅっと締まる。
「っく、締めたら、出せないよ」
「んあっ、触るぅ、っ」
さっきから弄ってた小さなしこり。指の根元を締められたら抜けない、とまた撫でたら、眉を寄せて声を出す。
フェロモンに耳を直撃され、唇を噛んで踏みとどまった。
「俺の、もう待てないし、入れたい。力抜いて、ね? 」
「お・まえが・・っ、大人しくしてれ、ば・・っいいだけ・・っはあ、っ」






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『プリズム』

『プリズム』32*指輪―54

やっと合体まで漕ぎつけました。 Rも16くらいにいったでしょうか? 年齢に達しない方、苦手な方はご遠慮ください。大丈夫な方、スクロールしてどうぞ。



























息継ぎに合わせて強引に抜いたら、ぶるぶるっ、って震えてはっ・はあっ、と全身で息をした。唇が乾くのか合間に舌で舐めて、それが齧りつきたいくらい色っぽい。
けど、それをやったら爆発しそう。
どうせ爆発するなら、ひろさんの中の方が絶対いい。

両膝の裏側を持って押し上げ、腰を浮かせて俺を受け入れてくれる場所を見る。
指を抜かれて綻んでるそこは本当に小さくて、
「頑張れ」
と呟いてしまう。
「・・、い・つまで、こんな格好、させてるっ」
「わ、足動かしちゃ」
踵で蹴られそうになってつい力を入れ、さらに体を折り曲げさせられたひろさんが、
「苦し・・っ」
ごめんっ。

角度を合わせ、グッと押し付けたらほとんど抵抗なく埋まる。そのまま腰を入れ、手の位置を変え腿の付け根から腰を持って引き付けた。
「・・っあ、く、・・んぅっ」
カリを抜けさせる時、勢いをつけて一気に押した。限界まで広げられた入口の急な収縮に、ひろさんが力を入れる。
「う・ぁ・・。ひろ・・さ、ん、も、おっきいとこは、抜け、たから。
そんな、締めない、で」
竿の真ん中へんがぎゅうっとなって、痛い。
「・・して、ない。・・・んあぁっ」
声を出したおかげで緩んだ隙に、根元まで突き入れアンダーヘアごとはだをみっちゃくさせたら、ひろさんが高く声を放った。

「ひろさん、入ったよ。俺の全部、ひろさんの中にいる」
「・・・ん」
夕方が近付いた部屋は赤くなってきて、その中のひろさんの顔は、俺が蕩けそうな顔をしてた。






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『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』*思い出して-66

優菜ちゃんから連絡が来た!

「もしもしっ。優菜ちゃん、引っ越し、きまったの?!」
着メロとディスプレイに名前が出て、それだけで嬉しくて、急きこむように話しかけた。
― ・・・ぁ、はい。それで」
「うん、手伝い行くよ? 頼りないかも、だけど」
数叔父さんの時はヨロヨロした、から、重いのは・・・、って内緒。
― あの」
「何? タンスとか運ぶの? 」
― タンスは無いです。あの、手伝いは・・・」
どうしたんだろう、黙ってしまう優菜ちゃん。
「ひょっとして、もう、終わっちゃったとか? 」
冗談ぽく言ったら、
― 半分は」
「ええっ! 」

ホント??! 
・・まさかあの先輩が強引にやって来たとか?

― 智さん? 」
黙った俺に、優菜ちゃんが心配そうに声をかけてくれる。けど、
「俺に黙って引っ越ししたの? 優菜ちゃん」
思わず低い声になってた。
― 違います! おかあ・・、母と両親が心配して、
『女子寮があるところじゃないと合格しても行かせない』 って。それで・・・」
「女子寮? 」
― はい。一人娘だか、らって。私、一人暮らししてみたかったのに」
電話の向こうで、唇を尖らせてそうな声。

なあんだ。そっか。

「それは、仕方ないよ。優菜ちゃん、可愛いもん。俺が親でも、やっぱり許さないかも」
― えー。それじゃ私、智さんを部屋に呼べないじゃないですか」

ドッキン。
いい・今、とんでもないこと聞いた気がする。


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『プリズム』

『プリズム』32*指輪ー55

今日もしっかりR-18desu. 年齢に達しない方、苦手な方はご遠慮ください。 大丈夫な方、スクロールしてどうぞ。






























ひろさんの中が吸い付くように密着してて、動けるまでもう少し。それまでは、とじっと見てたら、
「崇」
目を細めてひろさんが呼ぶ。
「何? 」
「・・おまえの、顔」
「顔? 」
「・・そんな顔して、俺を、抱いてるのか? 」
そっと手が伸びて、俺の首に絡む。
そっか、俺にひろさんが見えてるってことは、俺も見られてるんだ。 ・・って、恥ずかしくないか?
意識したら汗が出て、きた。

「赤くなった」
乱れてよれたシーツの上で、クス、と笑うひろさん。
髪が乱れて、汗で額や首筋に貼りついてるのがとっても・・、なんて言ったっけ?

・・・・、しどけない、だ!

「どうした? 」
「ひろさん、しどけなくてエロ過ぎ」
「・・・何、言って・・! 」
真っ赤になって目を泳がせるひろさんの内側が、くなりと解けた。さっきまでとは違う動きで俺の硬い熱幹に絡む。

引いて、突く。

「ぁ・・っ、あぁあっ」
いっぺんで空気が濃密になった。会話して、少し緩やかになってたカーブが急上昇する。

ひろさんの顔を見ながら、腰を動かす。
強く付き、内壁を擦りながら引き、奥まで。
じり、じりと全部抜けそうなほど引き出せば、放さないとばかりに止まるたび吸い付いてくる。
そのまま一気に音を立てて埋め込むと、
「あ・・、や! 擦りつけ・・っ、んはっ、た・・っか、あぅンッ」
俺と同じリズムで揺れながらシーツをきつく握り、感じてる顔を、声を、全部見せてくれる。

ひろさん、どうしてそんなにエロくて俺を煽る顔できるの?




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『プリズム』

『プリズム』32*指輪ー56

合体後の今日は、R-18・・までいったかな? 年齢に達しない方、苦手な方はご遠慮ください。 大丈夫な方、スクロールしてどうぞ。



























喘ぎながらも声を抑えたり、唇を噛んで耐えたりしてる。でも、
「ひろっ、さん・・っ。ここ、イイよ、ねっ」
「ひぅ、ッ、ゃ、あ。・・・っこば、かっ。ああ、あっ」
小さなポイントを何度もすると、声を聞かせてくれて。開いた口から舌先がチラチラするのが見え強く突き入れながら体を前に倒し、それを俺の舌で掬い取った。
「むっ・んぅ、んーーっ」
耳のすぐそばでくぐもった声。その、声にならない音がまた俺を興奮させる。

もっと欲しい。 もっと。

互いに絡ませ、吸い合ううちに唾液が溢れてくる。それでもはなさなかったけど、先に息が切れたのは、俺。

はーっ、はあっ、と空気を貪るひろさんの、内側が抗議するように、ぎゅう・きゅうっ、と収縮した。
「ぅあっ、ひ・ろさっ、・・・タンマ、それっ」
ばくはつする・・っ。待って。
歯ぎしりするくらいきつく奥歯を噛んで、こらえて。

「ちゃんと、俺で・・、イって」
「ぁ、んんっ。強・・っ、や」
「聞・かせて、よっ。イイ、って・・! 」
パン、と肌を打つ音を連打。
抜き差しに合わせて、ぐちゅっ・ずりゅ、と音が発生し、耳に届いたひろさんの顔がさらに赤みを増していく。
「ゃだ、崇・・っ。音が」
「俺と、ひろさんが、、一緒に感じてる、・・音だ」
「ァ、ンッ」
びくん、と大きく跳ねた。
「もう、ちょっと? 」
「あ・ぅ・・ん、ん。・・い」
「言って。聞きたい・・っ」
俺も、あと少し。
「ぃ・・ぃ・イ。たか・・し、い」
「もっと」
汗が、ぽたぽたひろさんの胸や腹に落ちてく。





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『プリズム』

『プリズム』32*指輪ー57

ようやく終わります。R-18,,なので、年齢に達しない方、苦手な方はご遠慮ください。大丈夫な方、スクロールしてどうぞ。


























ひろさんが上りつめていく。
時々開く目は潤み、額に汗が浮かんでくる。 息と一緒に吐き出されてくる声にはフェロモンが巻き付いてて、視覚と聴覚がバンバン刺激され聞こえるたび興奮度が増す。
「ゃ・・、も、ったか、しッ」
「うあっ」
「た・かし。・・い、から、お・・っく、欲し、っ、はぁっ」
ひろさんのリズムが変わった。俺が引くと引き、ぐっと奥まで入れるとひろさんも腰を。受け入れるだけじゃなく、自分からも攻めてあと少しを駆け上がろうとしてる。

負けられない。
もしかしてひろさんも、そう思ってるのかもしれない。それとも、もっと、寄こせ、とか?

「あ。・・っあ、い・・。も、ぃ、・・く、あ。 いぃ・・っ、・・かし、ったか、んっ」
「い・・っよ。イこ、ぅんんっ」
スパートをかけ、追い込む。
いっしょに・・、と甘い声が聞こえたような気がして、熱芯がボッと膨れたのが分かる。
「は・・っあ、だ、めェ、い ――く・・っ」
「ひろ、さ・・・っっ」
二度目の熱いものを腹に感じると同時に、俺もひろさんの内側を奥まで白く濡らしていた。


暗くなった室内で、汗やら何やら放出した体をゆっくり起こす。
「んっ・・」
抜け出ていく感覚に、ひろさんが掠れた声を出す。
(やりすぎちゃったかな・・)
いつもより掠れ具合が多いというか、酷いというか。
「・・ひろさん。
水と、体拭くもの、持ってくる」
ああ、と答えるこえも、ため息みたいだ。






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『プリズム』

『プリズム』32*指輪ー58


体を離した時、ひんやりした。けっこう汗もかいたらしい。
エアコンの冷気でひろさんが風邪ひかないように、と、タオルケットをかけバタバタ支度して部屋に戻る。電気をつけて、
「ひろさん。水」
「・・ん。さんきゅ」
ペットボトルに手を伸ばしかけ、眉をよせた。
「どしたの? 」
ムッとして、俺を睨む。

あ。

「体、先に拭く? 」
「飲む」
頭を動かして、こぼさないように二口、三口。
それだけでも違ったらしく、ほう、と息を吐いて、ぐいっと俺に返してきた。

「じゃ、拭いてくね」
ひろさんの体を拭くのは、ちょっと楽しい。 俺の付けた痕を、確認できるから。
更に今日は、電気で明るくてはっきりわかる。
いつものように肩から拭こうとして、
「崇。顔、拭きたい」
「あ、うん。じゃあこっちのタオル」
フェイスタオルを渡すと、スッポリ顔を覆ってしまった。
「ひろさん、息できなくなるよ? 」
「だ・いじょうぶ、だ。 ・・早く、拭け」
「はいはい」





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雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その193

日が暮れるのが早くなりましたね。
自宅に帰る途中夕暮れになり、街路樹が影絵のように見えました。

小さい頃、よく、狐や犬を作った影絵。
テレビでは落語家さんが鋏でチョキチョキ紙を切り抜き、影絵を作っていましたっけ。


影絵の歴史は古く紀元前からあったようで、世界の各国に固有の影絵があるそうです。
中国には古くは前3~2世紀にあったという記録が残っているとか。 当時は降神術の口寄せとして使われ、その後次第に雑芸の一つとして発達――現在も残っているそうです。
また、ジャワの影絵は芝居形式になっていて、代表的なワヤン・クリは,主として神話伝説に題材を取った物語なんだそうですよ。
バリ島,タイ,ミャンマーにも似たものがあり。

ペルシアの影絵芝居は,彩色したラクダの皮を用い、会風刺をこめ,イスラムの断食祭に演じられた庶民的娯楽。
ヨーロッパでは,18世紀後半,東洋からの影響で影絵芝居への関心が高まったんですって。 
シルエット、と呼ぶものは、肖像画がわりに横顔を切り抜いたものだそうです。


日本で影とは、イメージそのものと同一視する日本の伝統的な視覚や、
「面影」「花影」「お陰で」「陰膳」などの言葉からもわかるように、イメージそのものだったようです。 どちらかと言うと、ポジティブな捉え方ですね。 

インパクトがあったのは、手の影絵と体全体を使った影絵。
本当に鳥が飛んでいるような、人が何人も力を合わせて等身大の象を作り上げてしまうような・・影。
あれは、ストーリーにもなっていて、とっても衝撃的だった・・・!!


今度お天気の日に、猫を抱いてる影を、地面に写してみようと見ようと思ってます。 上手くできるといいなあ。






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『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』*思い出して-67


「ゆう・優菜ちゃん」
― なんですか? 」
あああ、自覚してない。
「えっとさ。
聞いてもいい? 」
― はい、どうぞ? 」
「え・・っと、優菜ちゃんさ、一人暮らししたら、俺のこと、部屋に呼んでくれるの? 」
― もちろんです! 最初に呼ぶのは智さん、って決めてるんですから。ご飯、作りますから、必ず来てくださいね」

わ・・、やったーー!!  こちら側でガッツポーズ!
歯、磨いておかなきゃ!

そのあと、お互いの好きな食べ物の話やお店の話で盛り上がった。
優菜ちゃん、キャラメルポップコーン食べてみたいんだって。 よーし、調べておいて連れて行ってあげよう!

― あ」
「どうしたの? 」
― はい、寮の門限の音楽が」
「門限か・・。 え? 優菜ちゃん、今、寮にいるの?! 」
― そうですけど」

どうしてもっと早く言ってくれないんだよ――。

「女子寮の優菜ちゃんと話してる・・・」
俺の話し方に、クスクス笑って、
― 智さん、言い方がやらしいです」
「えっ? ソ・そんな事無いよ? 」
ゼロとは言えないから焦ったけど、
― 冗談です。そろそろ消灯の時間になるので部屋に戻りますね」
「あっ、うん。また電話・・・・、してもいいのかな? 」
規則とか、煩そう。
― はい、大丈夫です。ただ」
やっぱダメかな。
― 音を消しておくので、返事が遅くなるかも・・・」
「それくらいならオッケー。じゃ、また連絡する」
―はい」



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『プリズム』

『プリズム』32*指輪ー59

最後の方、少しだけ苑田視点が入ります。 ~~ から ~~ の間です。


「暑っつー」
「走ってくるからだ」
「ひろ・・、苑田さんが待っててくれないからじゃないですか」
「そう何度もおまえと一緒に出社したくないからな」
「えー」
なに気にショックな事を言われ、やっと追いついた足が止まる。苑田さんは知らん顔ですたすた歩いてく。

ひどいよ。
慌てて後を追いながら、
(昨夜はあんなに俺にしがみついて、終わった後も俺が体を拭くたんびにビクッてしてたのに。・・・そりゃあ、それで盛ってひろさんに口でシてもらっちゃったのは、俺が悪いんだけどさ)
と思い出す。
タオルで顔を隠しても声までは隠しきれず、くぐもった声にまた火が点いて・・・。

ぶるぶるっと頭を振って脳内再生を中止した。今から仕事に行くんだ。思い出して顔ニヤけてる顔を誰かに見られたらマズいだろ、俺。

結果、苑田さんとは一本違いで電車に乗り出社、部屋を出たのが早かったから遅刻にはならず助かった。
でも、苑田さん、腰大丈夫だったのかな? 

~~ 新井は一緒に行きたがったが、無視して先に電車に乗った。
課も違うし、帰りに下りる駅だって違う。社内ではそう親しくしてないのに、二人で同じ改札を通るのを見られたら・・・、と思ってしまう。
気にしなければそれで済むのに。もし見られて、どう言えば自分も丸め込ますことが出来るのかが分からなくて。

こんな後ろめたさ、知らないだろうな・・。 ~~






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『プリズム』

『プリズム』32*指輪ー64

昼休み、社食の隅の方で女子たちが盛り上がってた。
「えー、見せてみせて! 」
「ホントだ。すっごーい! 」
「いいなー。私も彼と一緒に行って撮ってもらおうかな」
「でもさ、タイミング難しそうだよ? 」
「花火がきれいじゃないと意味ないもんね」
ちらほら聞こえてくる会話から想像すると、何かの写真で騒いでるらしい。

その時はただ、平和でいいな。としか思わなかった。

「こんにち・・は」
「やあ、新井さん」
午後の外回り、久しぶりにあずま商店へ。
「あの・・」
「ん? ああ、新井さん、前に来たの、いつだったっけ? 」
ニヤニヤしながら俺の様子を見てるあずまさん。
店の前にご主人が居たからよかったものの、出なければ素通りしてしまうところだった!

「お店、改装したんですね・・? 」
「ああ。すごい変わりようだろ? 」
「はい・・」
「こっちに前と後の写真がある。見るかい? 」






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本文

『プリズム』32*指輪ー66

話を聞くと、例の折り紙が星里香ちゃんたちの間でブームになって、あずま書店さんのところに集まるようになったらしい。
そこで善樹さん ――あずまさんの息子さん―― が、店をリフォームしたのだという。
店の一角に座れるほどの高さの段があり、畳敷きになってる。そこに小学生の子たちが何人か、折り紙したり本を読んだり。
男の子もいた。

「今どきここらでは外を走り回って遊ぶ子、あんまし居ないし、なにかと物騒だろ? ウチは自営で、ま、・・色々あってな。
結局こうなったんだ」
「そうですか・・」
「あ、ながとのお兄さん! 」
店の中に入って話してたら、星里香ちゃんが俺を見つけて呼んでくれた。 ・・ちょっと違うけど。
「ねぇ、今日はどんな折り紙? 」
わくわくした顔で見上げられ、見たらどんな顔になるんだろう、とこっちも期待度が上がる。
「じゃーん。 今日はコレ」
「・・・なあんだ。普通の折り紙じゃない」
「ところが、違うんだな」
「え? 」
がっかりした顔の星里香ちゃんに、見本の封を切って中身を見せる。
「うっそ。 全部ピンク?! 」
「そうだよ」
単色の折り紙、一〇色くらいを持って来たんだ。
「すごーい! 」
大喜びになった星里香ちゃんに俺も嬉しくなった。
「いつも悪いね」
「いえ。
そうだ、これ、*無料で柄をダウンロードできるサイトのURLです。よかったら見てみてください」
「・・・うん。善樹に渡しとく」
メモを渡すと、あずまさん、しばらく眺めてからポケットにしまった。

 *無料ダウンロード。ホントにあります。
興味があったら、折り紙や美しい千代紙を無料ダウンロードできるサイト、で探してみてくださいね。




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『プリズム』

『プリズム』32*指輪ー67

社に戻り、ひと息ついてから鞄を開ける。
「良かった。壊れてない」
「どうしたー? 新井」
「いや、外回りでこんなの貰って。指輪なんだって」
隣の高塚が俺の持ってるのを見てプッと吹き出す。
「指輪にしちゃ大きいが・・、かわいいな」
「だろ? 」
星里香ちゃんの友達が作ってくれたもの。好きな男の子にあげるための練習用を、一つ分けてくれたのだ。
確かに指にはめるには大きすぎ、どちらかと言えば腕輪のサイズ。
「でも、女の子ってませてるんだな。小学生なのに婚約指輪なんて言ってた」
「はは、女は小さい時からませてるもんだ。俺の親戚の子も、『もっくんとけっこんするの! 』なんて言ってる。 幼稚園児だけど」
「幼稚園児? 」

・・そう言えば、俺も体験したっけ、お正月に。奈々枝ちゃん、すごい勢いだったなあ。


次の日、ムラタ文具さんに行った時、また指輪が話題になった。

「こんにちは。名賀都の新井です」
総務に入った時、田畠さんは居なくて、長戸さんと脇坂さんが二人で盛り上がってた。
「やっぱり素敵ね」
「でもこれ、角度とかホントに難しそう」
「きっと、何回も撮ったのよ」
「・・あのー」
どうやら気が付いてないみたいなのでもう一度声をかけたら、二人してこっちを見る。
「は? え、新井さん?! いつからそこに居たんですかっ」
「今、です」





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雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その194

新聞を取ってない、呼んでない人が増えてるそうですね。

情報源としては鮮度が落ちてる。
新聞が溜まって、廃品回収なども来ないから面倒で嫌だ。
広告が多すぎ。
  理由はそれぞれ。

では、新聞を取るメリットは?
ニュース以外の情報がある。 ・・これは、我が家の場合ですが、冠婚葬祭の記事、よく見ます。
家庭欄、と呼んでいる、新聞の真ん中へんの去ったな情報。 たとえばキャラ弁の作り方とか、地域に関わりのある著名人のコラム。小説。 本の紹介や投稿記事。
ためになる、という訳では無くても文字を読んだり写真を見るのは楽しいもの。
自分と違う感性や発見。 「そうそう、分かる! 」 という具合。

時には音読をしてみたり。 もちろん初見ですからろれつが回らなかったりする事もありますが、一人で居る時は気にしない~。


それに、新聞紙、役立ちモノですから。
靴やコートなどに防水スプレーをかける時も、鍋敷きの代わりも、雑巾代わりも、保温するのだってしてくれますし。
非常事態にはタオルや汚れ拭き。 袋にだってなっちゃう。
幼い頃は、丸めて棒状にして遊んだり、適当に裂いてツリーにしたり紙鉄砲を作って誰が大きな音を出せるか競ったり。
(昭和の頃の遊び、今でも残っているのかな?)
防寒具にまでなってくれる。  そして、着火剤にも。 焚き付けって言葉、知ってる方もきっといらっしゃいますよね・・?


今はネットでどんな記事もどんな言語でも読めますけど、 最初に新聞を開く時の感覚は特別ではないでしょうか。
英国の上流社会では、アイロンをかけパリッとさせてから読んでいたとか。 手を切りそうですが、気持ちいー! でしょうね。
パリパリ音をたてながら新聞を読む。  私もやってみようか。焦がさないように気を付けて。

ほかに、どんな楽しみ方があるでしょう?






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『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』*思い出して-68

四月に入ってすぐこっちでの初めてのデート。 ってかホントのデート!
今までは優奈ちゃんを家まで送っていくデートが多かったからね。

ベタな場所で待ち合わせ。時間より三十分も早く着いちゃったけど、優菜ちゃんがちゃんと来られるか心配で、でも何度も電話したらウザいって思われそうで、スマホを取り出してはしまう、を繰り返す。

二十回以上見た駅の改札をまた見た時、やっと姿が見えた。もう待ちきれなくて、
「優菜ちゃん、ここ! 」
走って迎えに行く。
「智さん! 」
優奈ちゃんの顔もぱあっと明るくなる。ああ、可愛いなぁ。

「じゃ、新村さん、私はこれで」

俺にとって感動の再会、だったけど、突然女の人の声が割って入ってきて水を差された。
「あ、あの、先輩、ありがとうございました」
優奈ちゃんが慌ててお辞儀する。
「いいのよ。よさそうな彼氏じゃない。門限は守ってね」
「はい」
そして俺に、
「智さん、こちらは寮の先輩の名田さんです。私が電車に慣れて無いのを知って、一緒に来てくれたんです」
説明してくれる。
優菜ちゃんのことを心配してくれたのか。優しい先輩なんだな。俺のこともチラチラみていたから、
「名田さん、一緒に来てくれてありがとうございました」
聞いたばかりの名前を言って頭を下げた。

俺たちの事、微笑んでみてたし、本当に優しそうだったんだ、その時は。



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『プリズム』

『プリズム』32*指輪ー68

「もうっ、驚かさないでくださいよー。田畠さんかと思ったじゃないですか」
「そうです。もっとちゃんと声出してくださいねっ」
慌ててスマホを隠し席に戻る長戸さん。脇坂さんには文句を言われてしまった。 いや、俺普通に挨拶したけど。

「田畠さん、居ないんですか? 」
「そうなの。新井さんこそ、今日はどうして? 」
いつもなら、もう五日ほどあとに来るのに・・、と聞かれたので、
「もうすぐお盆休みになるのでその前に、と思って。ちょうど重なるんです、次回来るのが」
「ほんと? 」
カレンダーを確認した脇坂さん、
「でも、急には思いつかないわ。悪いけど任せてもいい? 」
「私は構いません。在庫、確認してきていいですか? 」
「はい、どうぞ」

戻ってきて、
「それほど減ってはいませんでした。もしお盆に行事があるのでしたら追加します」
「行事・・」
「お化け屋敷がありますよ、脇坂さん」
「ああ、そうだったわね」
私苦手なの。と苦笑いする脇坂さんに、
「だったら余計に行かないと。彼氏に抱きつけるチャンスじゃないですか! 」
「だ・抱きつく?! 」
力説する長戸さんに、真っ赤になる脇坂さん。
「いいなぁ。私なんか喜ぶ方だから、男より女友達のほうが『怖いから一緒に来て』なんて言うんです」
「・・あのー。それで、お化け屋敷に何か要るんですか? 」
「あ。ごめんね。えっと、模造紙とかいるかもしれないわ。あとは・・マジックとかかな? 明日か明後日には確認して連絡します」
「お願いします。では」
どんなお化け屋敷になるんだろう、と思いながら帰ろうとした。すると、
「そうだ。新井さん、花火とか見に行きます? 」
テンション高めの長戸さんが聞いてきた。
「行こうと思ってます。日にちは決めてないですけど」
「じゃあ、このアプリ、ダウンロードしておくといいですよ」
長戸さん、ノリノリでスマホを見せてくれた。
「アプリ? 」
「じゃん。‘*花火を指輪に出来る’アプリ」

花火を指輪に?


*花火を指輪に出来るアプリ。 は、私の想像の産物です。 どんなものかは次回に・・・。





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『プリズム』

『プリズム』32*指輪ー69

今どきのアプリって、何から何まであるんだな。

電車に揺られながら自分のスマホを取り出し、ダウンロードしたばかりのアプリを眺める。
調べてみたら‘花火をきれいに撮るコツ’なんてサイトもあって、それだけでも軽く一〇個は越えている。
「しょっちゅうスマホやタブレットを弄ってる人がいるけど、こんなにあるんじゃ しょうがないかも」
普段やり慣れて無いから首が痛くなってきて、お終いにした。


「新井くん、どうしたんだい? 」
休憩所でスマホと睨めっこしてたら声をかけられた。
「中畝さん」
「珍しいね、ここでスマホを見たるなんて」
「ああ。外回りで、面白いアプリを教えてもらって、今読み直ししてるところなんです」
「アプリ? 外回りで? 」
「そうです。見てみますか? 」
そう言って、スマホの画面が見えるようにして中畝さんの方に向ける。
「・・・花火を指輪に出来る’アプリ? 」
興味が湧いたようで俺の横に座り、画面を見る。
「はい。こんな風に作れるんだそうです」
サンプル画像を出すと、
「・・・すごいな」
「でしょう? アプリにいろんなのがあるのは何となく知ってましたけど、ここまでのがあるとは思ってませんでした」
「うん。・・・・新井くん、これ、僕にもダウンロード出来るかな」
「出来ますよ。タイトルとかをコピーして送りましょうか? 」
「いいのかい? 」
頷くと、自分のを持ってくる、と一度席を立つ。

「どうでしたか?」
「うん、出てきた。後は自分でやってみる。ありがとう」
「どういたしまして。でも、中畝さんが欲しがるなんて思いませんでした」
冗談ぽく言うと、
「絹里さんと、花火大会に行く予定があるんだ」
の返事。






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『プリズム』

『プリズム』32*指輪ー70

「へえ、いいですね。俺ももう一回ぐらいは行きたいと思ってるんです」
「その時、彼女にこのアプリで指輪を作ってあげようと思って」

そうか!

「世界に一つの指輪が出来ますね! 」
「新井くん、声が大きい」
「すいません」
「君も彼女に作ろうと思ってこのアプリを教えてもらったんだろう? 」
「それは、、まあ」
中畝さんに言われるまで思ってもいなかったけど、この際だし頷いておく。
「いい思い出作りになるよう祈っておくよ」
お互い頑張ろうね、と中畝さんが戻っていき俺も缶の残りを飲み干し立ち上がる。

ひろさんと出かけて、指輪を作ろう。 と決めて。


::ひろさん、お盆の休み、また花火を見に行かない? 
と誘いのメールを入れたのはあと二日もすればお盆の休みになる日。今年は土日も入って一週間という長さになってる。
::日にちが確定できないがいいか?
の返事に、
::俺は大丈夫。花火大会の日にち、調べておくから、行こう?
返した。






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拍手ポチ、14991になってました!

近々15000になりそうです。 キリ番踏んだ方、リクエストがあればお教えくださいませ。






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お知らせ。 拍手ポチが 15000 超えました。

22時半ごろ見に来ましたら、拍手ポチが 15000 を超えていました!
みなさま、本当にありがとうございましす。  嬉しい


キリ番踏まれた方、リクエストを承ります(3つまででお願いします)ので、お申し出くださいませ。 m(__)m





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雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その195

文具コーナー、本屋さんなどで、手帳が花ざかりですね。
自分で買うものもあれば、某ドーナツの手帳・・、に代表されるように’おまけ’として付いてきたり、「来年もどうぞよろしく」といただいたりすることも。

いつ頃からこんなにたくさん並ぶようになったのでしょう。

私が手帳を使い始めたのは、生徒手帳が始まりだったように思います。
あの頃は日記以外に自分のことを書き込める物がある、というのがすごく嬉しかったような。 そして、身分証明書を持ったのも初めてだったなあ。

社会人になってからは予定表も兼ねていた気が。 そして、色分けしたりシールを張ったりもするようになっていました。
仕事の用事、遊び、歯医者(!)など、同じ色だとちょっとね。。


日本では、明治のころから今の形態になったそうです。電話もメールも普及してなかったため、通信手段は葉書が主流。ビジネス手帳は葉書がぴったり収まるサイズ。
また、手帳の時間の区切りも段々細かくなっています。 曜日の並べ方も、日曜~ では無く、月曜~ が登場(とある手帳は1990年代からだそうです)

今では表紙の色もカラフルで、自分好みにカスタマイズもできる。
需要と供給がこんなところにもあるんですね。  それとも、日本人がより細かくニーズに応えていく気質を持っているから?


私は、頂き物の栞付き手帳です。
シンプルで使いやすくて、お気に入り。そして、4色ボールペンで書き込み。 スマホも使ってるけど、書く方が覚えてるんですよ、不思議な事に。
そして、字の大きさも 「私が書いたの? 」と驚くくらいちっさなちっさな字で書きこんであることもあります。

今年も、買わないのに眺めに行きます。 何故かワクワクするんです、手帳を手に取るのは。






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『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』*思い出して-69

「ほんとに歩いてすぐなんですね」
「お店自体が入れ物見たいだろ? 」
「はい。迷子になるかも、なんて思ってたのが笑えるくらいです」
店構えを見ながら話する。
俺だって最初は迷子になるかも、なんて思って、下調べをした。優菜ちゃんと行くのに俺がオタオタしてたら恥ずかしい。
優菜ちゃんの前では、優しく頼れる男でいたいんだ。 


で、やっぱり頼るのは和叔父さん。
内海たちにも見栄はって、 すぐ分かる店なんだから地図見るだけで十分さ。 なんて言っちゃったし。

「うっわー、誰でも分かるね、和叔父さんっ」
「そうだね」
ポップコーンの容器を貼りつけたようなオブジェが目に飛び込んでくる店の外観は、誰が見たって間違えようがない。
せっかくだからと、商品まで買ってくれちゃったけど・・。
「か、和叔父さん、いいの? 」
並んで芝生の上に座り、ポップコーンを口に入れる和叔父さんに今更気付く。
今日、平日なんだ。
「『いいの? 』って、ここは公園なんだから別におかしくはないだろ? 」
でも、スーツ着てるんだよ? お尻が汚れちゃわない?
俺の心配にあははと笑って、
「仕事で、床や地面に膝をついたりすることもあるんだから気にしなくていい。それよりここには食事ができるお店も多いんだよ。これを食べてから見て歩こう」
「だけど・・、仕事は? 」
「今日は半休をもらったから心配しなくて大丈夫」
智の頼みだし、とウインクする。

俺のため?

「そんな顔しない。ほら、行くよ」
「あっ、待って」
服の汚れを気にすることも無く立ち上がり、俺に手を差し出してくれる。
・・俺、和叔父さんみたいになれるかな。 



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『プリズム』

『プリズム』32*指輪ー72

「ひろさん、来たよー」
玄関を開け声をかけたけど返事が無い。もう一度声を出すと、寝室から声が聞こえた。

俺とひろさん、よく似た造りのマンションで寝室とバストイレ、リビングダイニング、の部屋割りになってる。
俺の方が狭いのは仕方ないけど、西日が当たる分家賃が安め。
紙袋を持ったまま寝室を覗くと、足がこっちを向いてる。
「何してるの? 」
「落としたんだ」
「『落とした』? 」
「うん・・・」
それきり何も言わずゴソゴソしてるから、
「手伝おっか? 」
「もう・・、ちょっと。あ」
コトッと小さな音。ため息。

「ひろさん」
「なんだ」
「ちょっとおりて。あと、懐中電灯とか、ある? 」
「ああ、ある」
「どこに落ちたか探そう」
持ってきてくれたのを床に置いて、ベッド下を照らす。
「え・・っと。あった」
薄く埃が積もった壁際に黒い物体。
「ひろさん、壁際にある。ベッド少し動かせば取れそうだよ」

床を拭いてベッドをずらし、取り出した獲物は、目薬。
「悪かったな手伝わせて」
「ついでに床掃除もしたしね」
こいつ、と頭を小突れたけど、ひろさんも掃除を手抜きすることあるんだ、って気づいてちょっと嬉しかったりする。





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『プリズム』

『プリズム』32*指輪ー73

「ね?これなら簡単だから着られるよ」
「・・どうしてそんなに浴衣が来たいんだ? 」
呆れながらもひろさんが手に取ってるのは、俺が持って来た浴衣一揃いの中の、帯。
マジックテープが付いてて、説明を見ながらすれば誰でもできる、ってやつ。
「だって花火大会だよ? 着物着て行かないと楽しくないじゃん・・、と」
軽く汗を流したあとプリントアウトした図解を参考に、それでも悪戦苦闘してる俺に、
「一回脱いでやり直せ」
ぐいっと襟を引く。

「出来たー。ありがと、ひろさん」
二人並んで一緒に着付け、帯まで仕上げた。クローゼットの姿見を見るとまあまあ形になってた。
「早く来て正解だったな」
時計を見ながら言うひろさんにつられて見れば、
「もう、こんな時間? 」
出掛けないと間に合わなくなる。
「昼飯、どうしようか? 」
「駅の立ち食いでいいだろ? それより、財布とか忘れるな」
「あ、うん」
そっか、着物はポケット無いんだ。
「懐にはあまり物を入れない方がいい。落としたりしないか、って余計な心配しなくて済む」
「けど、財布とか」
「袂に入れるか帯の間に挟んでおけばいいだろう? ・・・ちょっと待ってろ」
ひろさん、何か思い出したみたい。リビングに出て行く。しばらくして、
「崇」
呼ぶ声に寝室を出た。





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『プリズム』

『プリズム』32*指輪ー74


うわ、暑っ。
リビングのエアコン入れる間もなく寝室に行ったから、室温の差に汗が出てくる。
「炭酸、飲むか? 」
そう言ってくれたのはオレンジ色の炭酸飲料。
「ありがと」
ごくごく半分も飲んで、やっと少し涼しくなる。

テーブルの上を見れば、扇子、ハンカチサイズのタオルと紐・・、
「これ、何? 」
「根付けだ」
「『根付け』? 」
「これを使って、財布とか落ちないようにする」
「ふ~ん」
「見たこと無いのか? 」
「初めて見る」
クスッと笑って、まずは財布を手に取る。紐で財布と根付けを繋げて・・。
「・・そう使うんだ」
「ちゃんと帯に引っかかって落ちないだろう? 」
「うん。 俺もやってみよう」

ひろさんの部屋を出て、駅に着くまでに汗。立ち食い蕎麦で、汗。電車の中は涼しくて汗が引いたけど、出たらまた、汗。
すでにタオルは湿っぽく、花火の会場まで行ったら絞れるほどになるんじゃないか、ってくらい汗をかいてる。
(浴衣って、涼しいんじゃないの? )
洋服の方がまだ涼しいような気がして後悔したけど、ふと風を感じて横を見ると、ひろさんが扇子で風を送ってくれてた。

忘れてた。扇子。

袂から出してパタパタ扇ぎ、ホッとする。
人の流れに沿って歩いてると、ぽつぽつ屋台が並びだす。いい匂いもしてきた。
「崇」
ひろさんが袖を引いてとある屋台の前で止まった。
「いらっしゃい」
女の人?
「すみません、これ、ください」
「はい」
「すぐ使うのでそのままでいいですから」
「わかりました」
どうぞ、と手渡された手拭いの一つを俺の首にかけ、自分も。
ありがとうございました。花火、楽しんでください。の声に会釈する。
「ひろさん」
「うん? 」
「サンキュ」
「おまえは汗かきだからな」





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『プリズム』

『プリズム』32*指輪ー75

会場は、成木くんのところと同じくらいたくさんの人。映画館みたいに、指定席があったりする。
花火が始まるまであと一時間くらいあるからと、屋台を見て回った。
かき氷、焼きそば、たこ焼き。お面を売ってたり射的があったり、もちろん金魚すくいにスーパーボール掬い、風船売りも!

「あれ? 」
「どうした? 」
焼きそばの入った袋を持って立ち止まった俺に、ひろさんが止まるなと腕を引く。
「ん~~、なんかデジャブが・・・」
「成木くんの時に似てるからな」
そうじゃないけど、うまく言えない。

会場は、花火が始まるまでダンスや太鼓のパフォーマンスがあり、その間にも人が続々と集まってくる。
「うわ、急がないと座れなくなる」
俺たちは自由席(?)になってる芝生の土手に急いだ。屋台を見て回る前はまだ余裕があったのに、もう満員電車並みの人。

「場所取りしとけばよかったかなぁ」
結局地面の上に座ることになり、焼きそばをほおばりながら愚痴がこぼれる。
「おまえが一人で屋台を見に行く方が心配だ。それに」
言いかけ、フランクフルトを齧るひろさん。
「それに? 」
「・・、ああいうのは、一人で見てもつまらない」

あ。

「うん、そうだね」
さり気なく言われた言葉だった。 だから余計、すごく、嬉しかった。
ひろさん、どんな顔で言ったんだろう。暗くてよく見えなかった。





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