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ssもの

子湖塚さんのバー、名前は?

明日は成人の日。 お酒が堂々と飲める人が増えますね。 子湖塚さんのバーにも・・・? 


シャリン・・。とドアチャイムが鳴る。
子湖塚はカウンターを磨く手を止めた。

「今日はまだお休みです。 ・・・と言っても聞かないんでしょう。
どうぞ。 ドアのカギはかけてません、私が店にいる間は。 え? もちろん帰ってますよ。ここは仕事場で、家ではないですから。

いつもの? おや、お正月らしいものをお持ちですね。わかりました」

金箔の入った酒は緩やかな温もりで、グラスとグラスを持つ手を温めてくれる。 


「いい香りがします。お正月な気分になります。

どうしたんです?
は? 今になって投げ出すのは止めてくださいね。 ラストが決まってるならなおさらです。 愚痴をこぼしたいなら聞きますが、済んだら続きを始めてください。
イベントに乗れなかった? 次があるじゃないですか。思い出話ならいつでも再現できますよ。悩むくらいならやってしまったほうが」

シャリ・・ン。
 
「おやおや、今日は千客万来」
「マスター、看板がついてないぞ」
「明日まで休みなんですよ、香川さん」
「休み休み、っていつ来ても店の灯りはついてるじゃないか」
肩をすくめる子湖塚に、香川はニヤリと笑う。
「お客様がいらっしゃいます。ドアを開けるか閉めるかしてください」
「こりゃ失礼」

「じゃ、またな」
「ええ、またどうぞ」


「・・・笑いましたね?
ええ、香川さまは刺激的な方ですから、お帰りになると気が緩んでついため息が出るんです。・・・内緒ですよ。
気が晴れました?
ではお気をつけてお帰りください。 またどうぞ」


帰りがけふと見れば、看板がついていた。
流麗な墨文字で  手あわせ  と書かれていた。




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『プリズム』

『プリズム』33*夜から朝までー9


あけましておめでとうございます  今年も1年 よろしくお願いいたします 

ひとつ前に、子湖塚さんのお話があります。子湖塚さん、’私は年中無休なんです’ って言いたかったらしく、こっそりやってきたみたい。 明けましておめでとう くらい言えばいいのにね。
新井くんたちは夏休み(?)最後の日曜です。



ふと目が覚めて横を見る。薄暗がりの中でも見えるひろさんの顔は、少し疲れてるようだ。(やりすぎちゃったかなあ・・)
最後は声も掠れてたし、明日はマッサージもしてあげたほうがいいか。
ひろさんの額に張り付いた髪をそっとかきあげ、もう一度寝ようと目を閉じた。


「・・・。おはよう・ございます」
「おはよ。この状況を、説明できるな? 崇」

はい、でき・ます。
ひろさんの目が笑ってない・・。 怖い。

「なぜ俺はこんな格好をしてるんだ? 」
「あの・・」
唾をのむ。
「俺が、、ひろさんを ぎゅっ ってしたかったから、こうなりましたっ」
ごめんなさい! と頭を下げる。
ひろさんはベッドに寝たままで、同じくベッドに正座して謝る俺に呆れ顔。 そうだね。
二人してパンツ一丁で、俺はひろさんに頭を擦り付けまるで胸枕してもらってるように寝てたんだ(しかもよだれつけて)。
「寝る前は服を着てたはずだな? 崇」
「・・うん」
「(服)どこへやった? 」
「・・洗濯物に、しました」
「寝てる俺の服を、脱がせたのか? 」
「・・・はい」

眠ってるひろさんを抱きしめ、胸に耳を当て心臓の音を聞いてたら、やっぱり直に聞きたくなって。
「ひろさん。服、脱がせてもいい? 」
ちゃんと聞いたよ? 返事は、曖昧だったけど。
Tシャツを胸までまくって、両腕に手を添えて上にあげ、ゆっくり脱がせていく。目が覚めてしまったらこんなこと絶対にさせてくれないから、どきどきしながら脱がせた。

「俺が起きたら、どうする気だったんだ」
「謝って・・」
「て? 」
「も一回寝なおす」
ひろさんの横が一番安心できるから、と言うと目が見開かれ、
「・・子供じゃあるまいし」
俺は母親か? と呟き、ぷい、とそっぽを向く。 
どう謝れば機嫌を直してくれるかと悩みはじめた時、

きゅるる~~っ。 俺の腹の虫が鳴いた。ひろさんの腹も、くぅーーぅっ、と続く。









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『プリズム』

『プリズム』33*夜から朝までー11

「っ、おまえのせいだからなっ。さ・・っさと何か作ってこい! 」
背中を向け、足元あたりにくしゃくしゃになったタオルケットを手繰り寄せて潜ってしまったひろさん。
「はい、作ってきます。 持ってきたほうがいい・・よね? 」
「着替えもだ! 」
「はーい」
腹の虫、グッドタイミング! 
ベッドを降りた時もグルグルーって鳴ったけど、ひろさんに問い詰められなくて済んだし、腹が減ってるのは事実なので考えるのやめた。


休み明け、社内では各階にお土産コーナーができる。苦手なものをもらい、こっそり処分したはずがバレて、白い目で見られた人が過去に何人もいたためだ。
(社内のゴミ箱に捨てたら、そりゃあバレるよな)
大きな箱にはお菓子やつくだ煮などのおつまみ、おかずになりそうな食品からキーホルダーまで、いろんな物が並んでいた。
食べるのはもちろん、話のネタにもなるから、と持っていく人もいてだいたい一週間くらいで無くなる。

「おー、高塚、焼けたなー」
「まーな。おまえも焼けてるじゃないか」
「おまえよりは白いぞ」
焼けた腕を見せ合い、休みの間でかけた場所などを言い合う。そして、外回りへ。

「こんにちは。名賀都商事の新井です」
「やあ、新井さん。いつも悪いね」
「いえ。十月に創立四十周年なんておめでたいじゃないですか。お手伝いできるの、嬉しいです」
そう言って、色見本を取り出す。
「専務なんかは『五十周年のほうがキリが良くていい』とか言ったらしいけど、今のご時世じゃそれまで続くか分からんし」
「そんな。俺、五十周年の時も手伝いますから続けてくださいよ」
「ははっ、じゃあ、頑張るか」




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『プリズム』

『プリズム』33*夜から朝までー12

軽口を言いながら会議室へ向かう。

野々村運輸さんは、今年の十月、創立四十周年を迎える。
その話を聞いてから行くたび、記念誌を作ったりはしないのか、もし作るなら名賀都商事を使ってほしい。と、笹本さんに話をして、サンプルを持っていったりしてた。

今回は、記念誌作成メンバーのうち笹本さん、企画部の竹花さん、経理部の相庭(あいば)さんが表紙の候補を選ぶことになったらしい。
最終的に中間色の若草色、若藤色、スモークピンクが残った。
「この三色うちどれかに決まると思う。あと表紙のデザインなんかは、また連絡するよ」
「はい。よろしくお願いします」
俺にとっても初めての仕事だし、提案できることがあればいいな、と思う。

「さて、次は・・、廣済堂さんか」


「ただいま戻りました・・~~」
「お疲れさま」
小野山課長の労いが笑いを含んでいるのは、俺がヘロヘロになって帰ってきたからだろう・・な。
休みの間の暑さはそれほど堪えなかったのに、仕事で外歩きをするとどうしてこんなに消耗するんだろう。
鞄を置き、自販機で栄養ドリンクを飲んで気合を入れる。
「さて、もうひと仕事だー」

「うわー、暑っちい」
鍵を開けて部屋に入ると、熱気がものすごい。疲れた体に汗が吹き出し、追い打ちをかけられた気分で冷蔵庫に直行。
ビールを半分も飲んでようやく一息ついた。





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雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その201

今年初めてのビックリ箱。 しかも201回目! キリがいいですね(*^_^*)
さて、こちらでは・・が降りました。 いつもと違っていたのは、、量
ちゃんとわかる写真を撮りそこなったので、わかりづらいと思いますが。。

時間通りに来ないバスを待つ高校生(?)たち。


風で玄関の風よけ窓に貼りついた雪、とそこから見た外。 


ビュービュー風と、ピカゴロドカーン! の雷付きで降った(吹雪いた?)雪は珍しく軽い雪で、除雪作業は重労働にならなくて済んだのが良かったことでしょうか。
今日は晴れてくれ、それでも長靴でないと外に出られない高さに積もり、雪かきの1日になりました・・・ハッハッハ💦💦

予想外だったのはエアコンの室外機。強風で雪が入り凍り付いてストップ。 使えなくなりました。 ファンヒーターと併用してて良かったー! 
明日には回復して・・、くれると思いたい。


でも、雪は好きです。  いつか北海道の雪まつりに行きたいなー。  




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『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』*思い出してー72

「え~~」
「どうした? 智」
スマホの画面を見てへこんだおれに内海が声をかけてくる。
「ん? 優菜ちゃん、明後日歓迎会なんだって」
「あー、俺たちフィールドワークだ」
しかも片道一時間かかる場所へ行くんだ。 ごめん、優菜ちゃん。

当日は天気まで俺に意地悪するみたいに、雨。
雨合羽を着て森の中を歩き回り、グループに分かれて森林デザインや生態のための資料作りをしてたら、
「ぅわ・・っ! 」
「智?! 」
ずるッと足を滑らせドサーッと転んでしまった。しかも仰向けで。
「大丈夫か? 」
「能見、怪我は? 」
「資料無事? 」
メンバーが口々に言う。
(中内~、俺の心配より資料かー? )
と思いながら、
「頭は打ってないからへー・・っつ」
立とうとして左足首に痛みが走る。

「もう終わったのか? 」
今回のワークリーダー、安江教授が、集合場所に戻った俺と大窪を見て早すぎないかと言いかける。
「いいえ。能見がねん挫したみたいで」
「能見君が? 」
「・・・すみません、安江教授」
足を引きずりながら謝る俺に、
「仕方ないね。能見君はここで時間が来るまで休んでなさい」
「・・・はい」


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『プリズム』

『プリズム』33*夜から朝までー13

九月にはいって社内メールに・・、号外が出た!


「おはようございま・・す」
出社したら、俺より先に仕事場にいる人たちの視線が痛い。しかもその視線に俺がそっちを向くと目を合わせてくれない。

俺、また何かしたのか?

「新井くんっ」
「あ、市島さん。おはようござ・・」
「社内報、見て」
エレベータを降りたら、俺を見つけて一直線に来た市島さんがせっつく。
「あ・・、はい」
座る間もなく電源を入れ、社内報を出す。と、

【中畝さん、ゴールイン! お相手、絹里さんと十月に挙式予定を報告】

号外、と銘打って画面に出てきた社内報はこの記事だった。
「これ、本当なのかい? 」
「はい」
答えた俺の顔をまじまじと見て、
「それなら、いい」
自分に言い聞かせるように言って俺の肩を叩き戻って行った。

席に座り、ゆっくり記事を見直す。
「・・・一ノ瀬課長が仲人すると思ってたけど、中島部長になってる」
あまり詳しいことは書いてないけど、式まであと一ヶ月くらいあるから、二人とも話を聞かれるんだろうな。
(お祝いとか、あげられるかな・・・)
絹里さんには迷惑かけたし、幸せになってもらいたい。

ひろ・・、苑田さんに相談してみよう。







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『プリズム』

『プリズム』33*夜から朝までー14

結婚式は秋晴れの良い日だった。
神前では和服で(打ち掛けっていうんだ)三三九度、式場ではウエディングドレス。
どっちも絹里さんに似合って今まで見た中で一番きれいで・・、なんだろう、輝いてみえる。
中畝さんもいつもよりキリッとしてる。絹里さんを絶対守ってくれそうだ。
料理も、ふたりの心尽くしだ・・ったらしい。

俺は、式には呼ばれなかったんだ。
もし、招待状が来ても、振った(?)俺が顔を出すのはよくないだろうから断る、と相談して決めたことだ。
行ったのはひろさん・・、苑田さん。と二課の人たち何人か。一ノ瀬課長と中島部長。
ひろさんが写真を撮ってくれ、内緒で通話して式の様子も教えてくれた。

電話口でお祝いも言えたし、良い式だったのは伝わってきた。


「ただいま」
「おかえりなさい」
ひろさんの部屋で帰りを待ってた俺に、
「料理、食べるか? 」
手提げの中から食べ物を入れた包み(折り、って言うんだって)や引き出物を出してくれる。
「うん、もらう」
着替えに行ったひろさんも少しは食べるだろうと、取り皿を出して並べた。

「ひろさん、ありがと」
式の様子を撮るの、疲れたんじゃないかと聞けば、
「慣れないことをした、と自分でも思ってる。けど、二人とも幸せそうだった」
ひろさんも嬉しそうに話してくれた。






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『プリズム』

『プリズム』33*夜から朝までー15

月曜、営業のフロアに中畝さんはいない。土曜日に結婚式を挙げ、そのまま一週間有給を取ったからだ。
「あー、中畝さんは今頃ヨーロッパかぁ」
高塚が椅子をきしらせながら伸びをする。
「イタリアだったな」
「そう! 親戚がいるんだってさ。 俺も欲しい・・」
「お前の場合、行ってもサッカー場しか行かないだろ? 」
「ったりまえ。練習でも試合でも見に行きたいよー」
「はいはい。お金貯めて行ってくれ」
おまえ、サッカー好きだもんな。
「ちくしょ。向こうで彼女ゲットしてきても知らないぞっ」

外国旅行か。
俺はひろさんと行けるなら国内旅行でも嬉しいけどな

っと、仕事しごと。


翌週、中畝さんは一日中二課の仲間たちに囲まれていた。
「え~~、ビデオ取ってこなかったのか? 」
「それが、充電器の変換用タップ忘れてしまって」
「なんだよ、イタリアをバックにした絹里さん見たかったのに」
「とい、もう‘絹里さん’じゃないぞ」
「あ・・っ」
しまった、という顔をする同僚に中畝さん、
「いえ、彼女も一人っ子なので、名前は変えないでおこうかと相談中なんです」

社食で偶然背中合わせに座ってるときに聞こえてきた。





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『プリズム』

『プリズム』33*夜から朝までー16


そうか、‘絹里’ってなかなか聞かない苗字だ。残したいと思うの、なんとなく分かる。
俺は、大丈夫だな、うん。

「新居は? もう落ち着いたのか? 」
「まだ。明けてない箱もあるから」
「年内に一度くらい俺たちを呼べよ」
「うん、相談してからね」
「かーーっ、 ‘相談してから’ か。尻に敷かれちゃってんなあ」
「羨ましいぞー」
なんだかんだ言っても、中畝さんの結婚を喜んでるらしいのが感じられる。
「ごちそうさま。 じゃ、お先」
「おー、いけいけ」

外回りに出た時、後ろから肩を叩かれる。
「新井さん」
「あ、中畝さん」
ちょっと、と言われ、角を曲がった先にある立ち飲みのコーヒーショップに連れていかれた。

「会社じゃなかなか話せないんで」
「はは、しばらくは目立ちますもんね」
俺も言いそびれていた ご結婚おめでとうございます。 を言えてホッとする。
「お祝い、ありがとうございました。すごく助かってます」
「いえ」
ひろさんと相談して決めたのは、珪藻土のマットだ。
「浴室の出入りがすごく楽になったよ」
俺たちも使って、便利だったから。 とは言わず
「役に立ってるなら俺も嬉しいです」
と返した。




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雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その202

今日は、風が冷たい! 日でした。
冷風どころではなく、’身を切るような’ という表現がピッタリの、それはそれは冷たーい風。

家の中に入ってホッとして・・、しばらくぼ~~ッとしてました。

ふと我に返り、やらなきゃいけないことを始めたのですが、どことなく気持ちがふわふわ。
楽しいなー、な気分で過ごしました。

一仕事してちょっと甘いものを食べた時、や、
好きなことをやってあっという間に時間が過ぎたあと、とは違う幸せ感。
聞くところによると、
「脳内において意識的課題を行っているときの15倍にもおよぶエネルギーが使われている」
らしいのです。  ビックリ!! ですね。

確かに、1日中休む間もなく何かしてると、自覚してる以上にくたびれてやらなきゃいけないことを忘れ、バタンキューで寝てしまう。
休憩があると、効率があがったり、セーブできたりしますよ。
ぼんやりしている姿は、周囲の人から「仕事や作業をなまけている」「集中力を欠いている」と見られがち。
ところが、そんな「ぼんやり時間」にこそ、脳は大量のエネルギーを投入して重要な活動を行っていた・・・というわけで。
嬉しいですねー、そんなことが実証されて、本にまでなってるの。

あ、もちろん仕事ややるべき事の手抜きはよくない。 でも、休んだ方が結果良くなるなら、 「あー、あいつサボってる」 とかの冷たい目線は控えてもらえそう。

『ぼんやり/脳! /上手にボーッと/できる人は仕事も/人生もうまくいく』  というタイトルの本。  著者。西多昌規(2016) 飛鳥新社

・・ただ、買っても積ん読になりそうな予感もあるんです。 💦
どうしましょう・・・

ぼ――っとして、考えよう! 




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『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』*思い出してー72

「飲むかい? 」
「あ・・」
マイクロバスの中で時間を持て余してた俺に、安江教授が紅茶を出してくれた。
「いただきます」
湯気の立つ紅茶は良い匂いでへこんだ気持ちをフワッと包んでくれる。
「何があったか知らないけど、落ち込まないように。
君の笑顔は伝染するから笑っていてもらわないと困るんだ」
「・・なんですか、それ」
真面目な顔で言われ、思わず吹き出してしまう。
「そうそう、その調子。
これは、内緒だよ」
ポケットから取り出した小さな瓶。蓋を開け、紅茶に・・、
「きょ、教授っ、これ」
しーっと人差し指を立てて悪戯っぽい顔になる。
「だから内緒。いいね? 」

安江教授、お酒なんかいつも持ち歩いてるのか!?
確かに、ブランデー入りの紅茶は美味しかったけどさ。

時間になって、みんなが戻ってきた。
「全員そろったかい? 」
「はい、教授」

大学に戻ってレポート提出。
「智、足、挫いたんだって? 」
「うん、ちょっと油断した」
「一応医者に行っとけ。捻挫ってクセになるから」
内海が心配そうに言う。
「大げさだなあ」
「捻挫ってバカにできないんだぞ。ちゃんと行けよ」
「はいはい、分かった」



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『プリズム』

『プリズム』33*夜から朝までー17

野々村運輸さんの記念誌づくりもどうにか終了。見せてもらった編集後記には笹本さんのコメントもあって、
『社内外の皆さんのおかげもあり』
の一文を指して、
「この中には新井さんも入ってるからな」
なんて言ってもらえて嬉しいやら恥ずかしいやら。

十一月に入るともう忘年会のお知らせが来たり、いろんな場所のディスプレイがクリスマスに変わったり。
去年はひろさんにペンをもらった。俺がプレゼントしたテラリウムは、少し育ってひろさんの部屋の窓辺にいる。 今年は、何にしようか?

昼休み、自分のスマホをチェックしてたらメールが来ていた。
「・・織部さんだ」

::クリスマスの予定は決まっていますか? もしまだなら前の週の土曜日、付き合っていただけないでしょうか」

「なんだろ? 俺の予定・・は」
手帳で確認すると、一応空いてる。迷ったあと、
::前の前の土曜日なら時間があります。どのくらいかかりますか? 」
と返事した。


「姉さん、新井さん、大丈夫そう」
「ありがとう、穂乃花。あなたは? 」
「うん、あてがあるから大丈夫」
姉の心配そうな顔に笑顔を作る妹。
「それにしても・・。懲りないやつね。接触禁止のはずなのに」
「・・ごめんね、私のせいで」
「違うわ。姉さんのせいじゃない」




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『プリズム』

『プリズム』33*夜から朝までー18

十二月、約束通り空けておいた土曜日の待ち合わせ場所。

「新井さん」
「こんにちは。・・っと、綾乃・さん」
電話で話していたのは、確か穂乃花さんだったと思うんだけど。それに、
「咲也くん、一緒じゃないんですか? 」
「え・え。今日はちょっと」
答える綾乃さん、笑顔だけど表情が硬い。
「行きませんか? 咲也のクリスマスプレゼントを一緒に選んでもらいたいんです」
ああ、それなら、と連れ立って歩きだす。

そんな俺たちを見つめる二組の視線には全く気付かずに。

「クレヨン? 」
「ええ。あの子、いろんなものを描くのが好きで。今はヒーローものや動物をよく描いてるんです」
「そうなんですか」
特定の色が減るのでその補充とプレゼントを買うんだそう。
「それなら、ボードみたいな文具も買いませんか? 」
「ボード? 」
「お片付けマット、ってやつです。スマホに入ってたかな・・」
取り出し探してみて、
「あ、あった。こういうやつです」
「わあ、便利よさそう。後で詳しく教えてください」
画像を見せると覗き込む。




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『プリズム』

『プリズム』33*夜から朝までー19


急に、何かに気づいたようにハッとして離れる綾乃さん。
「ごめん・なさい。つい夢中になっちゃって」
「いえ。俺もよくやってますから気にしないでください」
俺の方こそ馴れ馴れしかったかも。

クレヨン売り場には、いろんなメーカーの物が置いてある。一緒に見てるうち、
「へえ、野菜でできたクレヨン、か」
初めて見る種類に立ち止まった。
「綾乃さん、これ、見ててもいいですか? 」
「ええ、どうぞ。私もここで見て回っていますから」

「・・廃棄される、皮や規格外の食品を使って作られた、かあ。(値段は)高めだけど口に入れても安心なら。
あ、蜜蝋からできたものある。
こっちはお風呂場でも使えるクレヨン・・・?! 」
見たこともないクレヨンに、店員さんを呼び止め、カタログをもらったりして、とうとう一つ買ってしまった。

「ずいぶん熱心に見てたんですね」
俺が手にしてる袋を見て、からかうように言う綾乃さん。
「すみません、見慣れないものがあると気をひかれちゃって。職業病かもしれないですね」
「新井さんにも収穫があったのなら誘ってよかった。
お礼にコーヒーでもどうですか? 」
「そんな。俺も楽しかったですから」
「じゃ、割り勘で」

コーヒーチェーン店に入り、ひと息。
思っていた以上に目が疲れていたらしい。目を閉じるとジーンとする。
「今日はありがとうございました。
おかげでクリスマスプレゼントのあてもできたし、本当に助かりました」
丁寧に頭を下げる綾乃さん。
「あの俺も楽しみましたから」




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『プリズム』

『プリズム』33*夜から朝までー20

文房具の世界もアンテナを張っておかないとすぐ乗り遅れる。 自分に関係なさそうなクレヨンだって、あんなに種類があるなんて知らなかったし。

ひ・・、苑田さんはいつもどうやって情報を仕入れてるんだろう? 情報誌のチェックだけじゃむりだろうな。仕事で培った、人脈?


「・・・いさん、コーヒー、こぼれますよ? 」
「え・・、ぅわ」
考え込んでたら、手が止まってた。綾乃さんに声をかけられ、慌てて傾きかけたコーヒーカップを元に戻す。
「新井さん、だんだん話すテンポが遅くなってきて、黙ってしまったんです。ついでに。手も」
「う・・。すみません」
クスッとわらった綾乃さん。少しして、
「新井さん、聞いてもいいですか? 」
コーヒーカップを見た投げかける。
「答えられるものなら」

「・・・男の人って、仕事は家庭より大事ですか? 」

「む・・、難しい質問ですね」
想定外の質問に面食らう。なぜこの質問なのか疑問がわいたけど、綾乃さんは真剣だ。

「俺の、個人的な意見でいいですか? 」
頷く綾乃さんに、続ける。




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雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その203

以前、 ’あなたはあなたの 好きなもの で、できあがっている’ みたいな台詞の広告を見聞きしたことがあります。
最初は、「そっかー、私は読書が好きだから、半分くらいはそこから得たものがあるのかな」と思ってました。
でも。

好きなものだけだったら、コンプレックスや劣等感なんて無い! と思いません?
もうちょっと背が高かったら。積極的になれたら。運動神経が良かったら・・・。  他人と比べてあーでもないこうでも無い。
比較してしまいます。
これ、人間だけが持つのでしょうか。
 
人間以外の生き物も、優劣を競ってますよね。ただ、個人的意見によると、最終的に自分のDNAを残せるかどうか、のため、、に見えます。
そこに「あいつに負けたのはあの時医師に蹴躓いたからだ」 「俺の背が高かったら勝てたのに」 なんて感情は・・あるの?
私はまだその答えを見つけてません。


劣等感やコンプレックスは、ベクトルが変わるとものすごい力にもなる。
これもちょくちょくあります。 スポーツ、芸術、文学。 いろんな所で数えきれないくらい。

私の場合、歯が弱いのがコンプレックスの一つ。 歯磨きしてても虫歯になってしまうんです。  。゚(゚´Д`゚)゚。
もっと強い歯だったら、おせんべいだってバリバリ。リンゴの丸齧りもドンと来い! なのに。。
だけど、自分の歯を大切にすること、覚えました。 歯磨きを忘れることもありますけどね(笑)

見方を変えれば諦めていたことにも手を伸ばせる。 そう気づけるのは嬉しいことです。
そして、それを身近な人から教えてもらえるのはもっと嬉しい。  「私のこと、そんな風に見てくれてるんだ」 と思うから。

私も、そんな風に人に喜んでほしい。  




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『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』*思い出してー73

捻挫して二日目。

「えっ、優菜ちゃん、飲み会に行くの?」
― はい。あ、いえ、飲み会じゃなくて女子会です」
「でも飲むんだよね? お酒」
電話が来て喜んでたら、いきなり爆弾落とされた気分。
― 先輩たちは。私はまだ未成年だから」
あ、そうか。だけど、
「勧められたら断れないんじゃない? 」
― それは・・」
優菜ちゃん、優しいから断れないだろうし。 そうだ。
「優菜ちゃん、あの時の、名田・・って先輩は? あの人なら優菜ちゃんのこと守ってくれそうだし、一緒に行くか聞いてみれば」
女子会だったら俺は入れない。ふっと思い出したのがデートの時会った人。真面目そうだったからきっと・・・、
― ダメなんです」
「ダメ? 」
― 先輩、お酒苦手で一度も参加したことないって」
「お願いしてみなよ! 何なら俺からも頼むからさ。 だって明日なんだから」
そうなんだ。もう少し後なら俺が行く・・、行きたい。
「今、先輩・・、名田さん、居るの? 」
― 居ると思います」
「通話、そのままにしてて。俺も頼むから」


「良かった~~」
ベッドにどさりと倒れこむ。
緊張しながら優菜ちゃんが名田さんと話すのを聞いていたから、

「能見さんが私に? 」
って名田さんの声が聞こえた時は、
― 優菜ちゃんっ、俺からも頼むから話させて! 」
なんて思わず割り込んじゃったし。
結果、
― 名田さん、優・・、新村さんのこと、お願いしますっ」
見えないけど頭を下げて頼んで、
「いいわ。一緒に行ってあげる」
「先輩! 」
― ありがとうございます! 」
OKをもらえた。

これでひと安心。 あとでお礼言わなきゃな。



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『プリズム』

『プリズム』33*夜から朝までー21

「男は、仕事が出来て、社会に評価されることが自分の基準になる。と思うんです。
俺も同期は仲間だという意識があってよく飲みに行ったりします。
けど、やっぱり、一人でも肩書がつくと自分と比較して納得したり、俺の方が頑張ってるのに何で? となったりします。
家族に 「よく頑張ってるよ」 「必ず追いつけるから」 って言われるより職場の先輩や上司に、「お前に任せる」 「よくやったな」 って言われる方が嬉しかったり。
もちろん家族が大事じゃないわけじゃないんだけど・・・。

あ~、うまく言えないっ」

久しぶりに頭を使ったせいか何だか顔まで熱くなった気がする。自分で頭をかき回し、わしゃわしゃしてたら、
「やだぁ」
と、綾乃さんが吹き出した。
「新井さん・・っ、そんなマンガみたいなことするな、って・・」
「綾乃さん。。」
体を曲げて笑ってるよ。

「・・っ、すみません」
「いいえ」
やっと笑いを止めた綾乃さんがハアハアしながら目元をぬぐう。
「こんなに笑ったの、久しぶりです」
にっこり笑う。明るい笑顔だったので、
「お役に立ててよかったです」
俺もにっこり。

「・・新井さん。私、お詫びしないといけない」
「ハイ? 」
セットで頼んだチーズケーキを食べ終わってから、綾乃さんが口を開いた。



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『プリズム』

『プリズム』33*夜から朝までー22

「私、夫のDVで離婚したんです」
いきなり告白されて目が丸くなる。
「殴るとかもあったんですけど、精神的な方が酷くて。穂乃花や友達の助けがあって別れられたんですけど、ストーカーされて」
「あ、あの。
いいんですか? 俺に話して」
さらっと言われたけど、ハードすぎてこれ以上聞いてもいいのか・・、と聞き返したけど、
「これから話すことに関わるから。
色々あって警察にも相談したり。でも効果なくて」
「離婚したら他人になるんじゃ? 」
「私以上に咲也に執着してるんです」
「・・・ひょっとして、跡取りだからよこせ、ですか? 」
ため息つきながら頷く。
「彼の家、旧家だったんです。
あ、と納得した。
そういう旧家とか自営の家とか、後継ぎ欲しがるからなあ。   あれ?
「それと俺に会うの、何の関係が? 」
「それは」

いきなり後ろで大声が上がった。



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『プリズム』

『プリズム』33*夜から朝までー23

男女の声が入り乱れ、放せ、という声、止めろ、という声。そして、
「綾乃っ! その男は何だ! 」
と男の声。
「あの女より咲ちゃんよっ! あの子はどこなの! 」
と年取った女の声。
綾乃さんの顔がこわばった。
「こんな所まで来るなんて・・・・」
まさか、今話してた元ご主人? 
俺が振り返って見たのは。

穂乃花さんと男の人がもう一組の男女をこっちに来させないようにともみ合ってる。
あれが、元ご主人と・・、そのお母さんだろうか。
「あ! 」

「お放しなさい! 」
「きゃ」
穂乃花さんが押さえてる女性が振り回したバッグが、穂乃花さんの顔に当たる。
「穂乃花! 」
綾乃さんの声と俺が飛び出すのがほぼ同時。
「織部さんっ! ・・うわっ」
男の人が気を取られた隙に、元ご主人が彼の腕を振り払ってこっちへ。
「綾乃! 」
思わず身構えた。
「駄目っ、行かせない! 」
年寄りの女性を放さない穂乃花さんに、またバッグが振り上げられる。
「穂乃花! 逃げて! 」

間に合わない。 そう思った時、

「・・穂乃花さん?! いったい・・」
「い・痛いじゃないの! 放しなさい! 」
別の男性が年寄り女性を押さえ、穂乃花さんを助けていた。




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