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雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その220

名前を書く。
一生の間にいろんな名前を書きます。 自分のから家族のから動植物に至るまで。
試験でもよく書きますねー。

名前が付くことで ’それ’ は明確に存在するものになる。 と思います。
たとえば埃だって、綿埃とか、土埃、って名前がある。 目には見えない匂いも音も、名前が付くと途端に想像できる。


では、自分の名前は、どれくらい書くのでしょう?

とある人が調べたところ、平均で6400回くらいだそうです。
そういえば銀行などへ行ってもATMを使うことが増えて、暗証番号で済んでしまう事が多くなっています。
ですが、どうせなら自分の名前くらいはきれいに書きたい! それにはやっぱり何回も書くこと。 なんだろうなぁ。。
・・・と。 横道に入ってしまいました。


時に、名付け親になることもあります。
ペットや、自分だけのお気に入りに。新発見などした時に。 最近では、 シライ○○、や、ニホニウム なんていうものもありましたっけ。
付ける方は悩んで悩んで、もしくはポンと浮かんで付けるのでしょう。ずっと、ずーーっと残るんですもの。
特別感、半端ない・・?


名前だけ残っているものも・・ありますね。
△△跡地。 とか。  名前がついていなかったら見つけられない?  ・・・可能性、大。
記録や記憶の中だけに残ってる、伝説になって伝えられる側は、知られずにいたいのか、知ってもらいたいのか。


何が最善かはわからない。 でも、名前を付けて、細かく分けていくのはきっと人間だけ。
名前 に、振り回されないようにしたいものです。


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『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』*思い出してー90

アルバムには、父さんと和叔父さんが小さい時の写真から貼ってある。
「・・父さん、小っさ。俺、あんまり祖父ちゃんのこと覚えてないけど、背高かったんだね」
「僕と兄さんが父さん、・・お祖父さんの伸ばした両腕にぶら下がっても、足が床に付かなかったんだよ」
「へー、いくつくらいまで? 」
「そう・・、小学校四年生くらいまでかな? 」
床に座り、ソファーを背もたれにしながら二人でアルバムをめくる。
昨夜の今日では座り・・たくなかったから。
「いいなぁ、楽しそうで。俺はそんなことしてもらえなかった」
「でも、肩車をしてもらっただろう? 」
ほら、証拠写真。と指さして教えてくれたのは、俺と父さんの写真。
「和叔父さん、こんな写真までとってあるの? 」
「二人ともいい顔で笑ってるから」

服も乾き、和叔父さんの家を出る。
「今回のBBQ、智の写真を撮れなかったから、あとで友達に頼んで写真をもらってほしいな」
「アルバムに貼るの? 」
「そう」
嬉しそうな顔で返事した和叔父さんの顔に、必ず持ってく! と約束した。


休み明けからどことなく俺たちの間にも‘就活’の雰囲気が漂い始める。先輩たちの話してるそばにさり気なく近づいて聞き耳を立てたり、大学の就活関係のHPを見たり。

知らないうちに誘いが来てることは、まだ気づかないでいた。




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『プリズム』

『プリズム』33*夜から朝までー87

翌朝はいつも俺が仕事する日。ただ、
「尻がもぞもぞする・・・」
「何か言ったか? 崇」
「別にー」
ひろさん、俺を使ってご主人さましながら食後のコーヒー。で、
「そろそろ出るけど、どうする? 」
「一緒に行く」

「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします、北野さん」
「明けましておめでとうございます、北野さん」
「おう、苑田さんか。新井さんも。今年もよろしく」
守衛の北野さんに挨拶して、フロアに上がる。 あれ? 
「おう、来たのか? 新年早々出てくるのはおまえらしいな苑田。新井も」
「新年おめでとうございます、中島部長、一ノ瀬課長、小野山課長」
「あ、明けましておめでとうございます。中島部長、小野山課長、一ノ瀬課長」
「おめでとう、新井く・・さん、苑田さん」
「おめでとう、苑田・さん、新井さん」
どうしたんだろう小野山課長、俺の呼び方、変だった気が・・。
「部長、社員の呼び方、変えるんですか? 」
気付いたらしい苑田さんも聞いてる。
「まあな。先ずは肩書付いてる上から始めよう、って年末に決まったんだ。いきなりは難しいからしばらくごっちゃになるだろうが、そのうち統一されるだろう」
「なかなか難しいですね、慣れた呼び方を変えるのは」
小野山課長、一ノ瀬課長と苦笑いしてる。

そうだな、俺も年下の同僚を呼ぶとき、気を付けないと。

PCを立ち上げメールを確認。取引先からの挨拶なんかを整理しながらファイルに振り分ける。
そうだ、部屋に戻って年賀状もチェックしとかないと。

「部長も課長も、海外はどうでした? 」
苑田さん、ひと段落したようで部課長三人に声をかけてる。
「おお、この季節に半袖で過ごした。あったかい所は違うな」
とは中島部長。
「外国の新年はパーティでスから賑やかでしたよ」
と一ノ瀬課長が続く。
「土産は全員が居る時にするから、今日はこれ」
小野山課長が近づいて渡してくれたのは、
「『黒い恋人』? 」
「面白いだろう? 黒豆のチョコレートをコーティングしてあるんだ」
さっそく口に入れると、
「どちらかといえば大人の味ですね」
「うん、、あ、はい、俺もそう思います」

包みは持って帰って、ネットで検索しよう。



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『プリズム』

『プリズム』34*風が吹く


ちょっと待て。

「小野山課長、正月休みは海外、って言ってませんでした? 」
「言ったね」
「これ、北海道のお土産ですけど」
「ああ。フェリーで行ってきたんだ。海を渡って」
「フェリー?! 」
驚く俺に、
「それなら海外ですね。一ノ瀬課長も? 」
笑いながら苑田さんが尋ねる。
「僕は伝手を頼って基地の中」
「俺は沖縄だ。海外だろ? 」

そんなのって・・、、あり~~!?

俺の顔を見た苑田さん、たしなめる様に、
「新井。部長も課長もも具体的な名前を挙げてなかっただろう? 質問もしなかった」
「そりゃそうですけど」
騙された気分満載なんです。。

でも、思い出すと部長も課長も海外、って言ってただけ。
俺たちが日本じゃない国で過ごすんだと思い込んでた。

「それなら、もし誰かが気付いて聞いたら、答えてくれたんですか? 」
「半々だ。俺たちも、たまには電話にビクつかない正月をしたかったのさ」

あ。

「では営業部は、この休み、ほぼ何事もなく穏やかだったんですね? 」
「そうだ。助かったよ」
中島部長、カラカラと楽しそうに笑った。



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『プリズム』

『プリズム』34*風が吹くー2

今年の仕事始め、社内は名前を呼ぶたびつっかえる人が続出。 ‘くん’ と ‘さん’ が入り乱れて、仕事以上に疲れる。

「明日、会社休みたくなるかも」
社食で北森が愚痴った。
「まだ一日目じゃないか」
「だってさ、一ノ瀬課長はさらっと話すけど、先輩たちは ‘北森く・・さん’ って呼ぶだろ? 一瞬、’北森くさい‘なんて聞こえて」
鶏のから揚げをブスッと箸で突き刺して言うもんだから、こっちはむせそうになる。
「・・それは大変だな。
でも、これからは日常会話が英語、なんて決まった会社もあることだしまだ良いのかもしれないぜ」
「・・・・。かもな」

北森にはああ言ったけど、俺もやっぱり言い間違えては言いなおし。
習慣はオソロシイ。

二葉工業さんに挨拶回りに言った時、西三階さんが、
「おーい、七塚。手伝ってくれ」
と部下の人を呼んでいたのを聞き、ちょっぴり羨ましく思う。


社内での呼び方のせいか、営業部の人間はよく外回りに出ていくようになった。特に先輩方が。
外に出て気合を入れなおして、戻ってくる。 そんな感じだ。

「おまえたちはいいよな。外に出られるんだから」
物品を取りに倉庫へ行ったら、宮本にも愚痴られる。
「俺たちみたいに外に出られないとストレス溜まるんだぜ。飲みに誘え」
「分かったわかった。付き合う」



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『プリズム』

『プリズム』34*風が吹くー3

二月に入って、また新しい社内通知が出た。
「あー、最後にバレンタインに関する通達があった。今回から義理チョコの配布は各個人に任せる。とのことだ」
月初めの朝礼で中島部長が発表した途端、男性陣からどよめきが起こる。
女性陣は・・、ざわめきがあったけど、それだけだ。
「静かに。撤廃ではなく、自由参加だ。男性諸君・・、おっと、男性諸氏は、今日からでも色々努力するように。

まあ、チョコが苦手な者もいるだろうから考慮しよう、ということらしい。
では解散」


「参ったなー。二月の楽しみが減るよ~」
「机の上にチョコがくるの、楽しみにしてたのに・・・」
「俺は煎餅の方が好きだから気にならない」
周囲の男どもの嘆き(ぼやき?)の中、
「女性の皆さーん、俺、大袋のチョコでもいいのでくださーい! 」
と手を挙げて大声を出す強者。つられて、
「俺も! お願いしますっ」
「甘党です! 俺もください」
「俺は乾き物でお願いしますー」
「焼きそばパン」
「それ、奢ってくれ、ってこと? 」
最後の会話で周囲のドヨーんとした空気が笑いに変わる。

俺は苑田さんに買おうかな・・、と思ってたから可もなく不可もなく、だった。
ただ、いったい誰が言い出したのかが不思議だった。



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雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その220

インターネットという情報の海の中に、私の好奇心をエサにして投げ込み、釣りをしています。
タイトルだけで記事を読みに行って(サイトに飛んで)みると、楽しいもの、次から次からサイト巡りをする羽目になるもの。眉をしかめて×ボタンを押すもの・・、本当に色々。

調べ物をするにも、便利なツール、インターネット。 調べたいもの、すぐわかる! 便利ですー。


今日見つけたのは、電車に動物が衝突して遅延した。 という記事。
海外でも良くありますが、この記事は国内。 一部を抜粋すると、、約2時間半の間に、鹿、鹿、猪、鹿と計4度、動物に接触したのである(三重県から和歌山県にかけて紀伊半島の海岸沿いを走るJR紀勢本線にて)。 ・・・。
地域の人にとっては、「あー、またか」 くらいの出来事なんだそう。
考えさせられちゃいました。

人と動物、どちらが文句を言えるのか、と言えば、おそらく動物たちの方でしょう。
「俺たちの生活圏に入りやがって」  かな?
人間には天敵がいませんから、人類全体で見れば増え方は右肩上がり。住む場所だって広がるばかりです。
結果、ほかの生き物たちを押しのけてしまうわけで。
そして人間は欲張りな生き物でもありますから、’もっと’というキーワードも大好き。 (私も含めて

鹿や猪だって、自分たちのテリトリーがあるんですもの、お互い衝突しないように専用道路なんかをを作って、事故が減るようにするのも策では?と思うんですけどねぇ(お金かかるか・・・)。


さて、私が思うネット検索で困ることの一つ、は、思い出せなくなる、ということ。
調べて、その時は満足して終わり。 でも~、 「あっ、○○の記事の中から飛んで見てたあの記事、なんだったっけー? えーとえーと・・・、(゚д゚|||)覚えてない 」 紙媒体なら記憶を辿れる割合いも多いのですが、ネットだと、私のキャパではハードル高。
それからしばらくは悶々・もやもや。。

便利だからと使い過ぎると、今度は目にキタり。 これも ’もっと’ ・・?
ほどほどは、難しい。


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『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』*思い出してー77

就活の話が入ります。
ただ・・、私の経験してないことが多すぎ、想像がたくさん入っています。どうかご了承ください。 それから、よろしければまた色々お教えください。よろしくお願いいたします




連休が明けると就活セミナーや合同説明会が活発に行われ始める。先輩たち四年生はもちろん、俺たち三年生も ‘(就職が)決まればめっけもん’ みたいな感覚で参加できるものには参加する。

「すっご」
メディアで見たことしかなかった会場に足を踏み入れた俺たちは、その雰囲気に圧倒されて立ち止まってしまった。
「おいおい、立ち止まるなら邪魔にならない所にしてくれ」
「そうだぞ。こんなとこで大学の株を下げて俺たちの足を引っ張るなよ」
先輩たちが冗談交じりに言って肩を叩き、内定目指して人の海へ飛び込んでいく。
「あ、はい。すいません」
「ごめんなさい。隅に行きます」
本気じゃない俺たちは慌てて出入り口から離れる。

「見ると聞くとじゃ大違い、って言うけど、ホントだな」
ここから見てるだけでも、ブースに何人も出入りして資料をもらったり座って話をしてる。
「ああ。気合入れて歩かないともみくちゃにされる」
「内海、行く気なの? 」
見学だけでいいや、と思ってしまった俺は驚いて内海を見る。
「ったりまえだろ? 何のためにスーツ着て来てるんだよ。就活だって場数だし、こんなに自分から会社訪問なんて出来ないじゃないか。行くぞ」
「ちょっ、、待てよ」
腕を引っ張られ通路を歩きだした。



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『プリズム』

『プリズム』34*風が吹くー4


外回りで社内のバレンタイン事情をネタにすると、様々な反応が返ってくる。

廣済堂の梨田課長は、
「そりゃあ独身には寂しい話だねえ」
と同情され、元やでは、
「いいなぁ。義理チョコだって悩むんですよ。どれくらい買うか決めるのに」
って、山中さんと岡田さんが言う。双葉工業だと、
「えーっ、じゃ本命以外はスルー、ってことっすか? 」
「いや、そういう訳じゃないけど」
「きつー。もし俺が(名賀都商事の)社員だったら、その日休んじゃうな」
義理チョコだってもらうと嬉しいのに。なんて五条さん、七塚さんがショックを受けてた。

そして、いつもよりざわつくバレンタイン当日。あちこちで、
「あっ・・た! 良かったー」
「・・うう、今年は少ない」
チョコに関するひとり言が結構聞こえる。俺は、
(あっても無くてもひろさんと俺の分、もう買ってあるからいいや)
な気分で、 去年振られて寂しい独り者です‘ の雰囲気を出してた・・つもり。
そしたら、
“元気だしてくださいね”
のカードが付いた大袋チョコが何個か置いてあって、ビックリ!
「・・・。ま、いっか。もらっとこ」

外回りに行く前にチェック。
書類なんかはもちろん、受け持ちの取引先からは、義理チョコをもらうこともあるから、そのお返しをちゃんと入れたか確認。
苑田さんに教わって、自分でもリスト作って考えた。



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『プリズム』

『プリズム』34*風が吹くー5

夜。部屋に戻って鞄からチョコを取り出す。
「誰のおかげか分んないけど、少なくなって良かった」
ひとつ口に入れ、ようやく慣れてきたLINEをする。
::苑田さん、今連絡しても大丈夫ですか? 
少しして、
::部屋に戻るまであと一〇分ほどだ
::その頃電話します
::了解
外で見てるはずだから迂闊なことはできない。部屋に戻るまで・・、我慢。

「ひろさん、お帰り」
― なんだ? 用事はそれだけか? 」
「うん。声聞きたかったんだ。あと、ポストに」
― ・・ああ、入ってた」
くすくす笑う声と、袋を破る音。
― うん、非常食っぽい。あとは楽しみに取っておく」
楽しそうな声に、選んだ甲斐があった・・、と思う。

― そうだ、今年のバレンタイン、首謀者は誰か知ってるか? 」
「首謀者って。え? ・・・ひろさん、知ってるの? 」
― おまえもよく知ってる」
ひろさんが振ってくるくらいだから、俺とひろさんが知ってる人だ。
― ヒント。全女子社員が反対してないだろう? 」
頭をひねって考えたけど、・・・ますます解らない。
「降参。教えてください」
― 絹里さん。 正確には中畝さんと絹里さんだ」
「えーっと、中畝さん夫婦、ってこと? 」
― そうだ。もし詳しく知りたいなら、中畝さんに聞けばいい」
「分かった。じゃあ、、おやすみなさい」
― お休み。・・崇」
「何? 」
― 明日、起こしてやるから一緒に行こう」
「うん! 」

ひろさんから誘ってくれるなんて滅多にない。やべ、顔が崩れそう。




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『プリズム』

『プリズム』34*風が吹くー6

「新井さん、良いことでもありました? 」
「え、いや、特に何も」
「ならバレンタインでイベントでもありましたか? 」
「話したじゃないですか。ウチ(名賀都)はチョコ配り、フリーになったんですよ? 」

今日は行く場所行く場所、そんな会話になる。

「顔が崩れてますよ」
「え? 普通です」
「またまた~」
言われた帰りがけ、駅のトイレで鏡を見たけど、
「変わってないよな」

ニヤけてるかもしれない、のは、ひろ・・、苑田さんのせい。
朝のラッシュの中、ドアが開いて人が出入りするタイミングを計りながら小さな声で、
「崇」
「はい? 」
「これ」
手に触れるカサカサしたもの。
「ポケットに入れとけ」

って、・・?!

ポケットに収まる大きさのそれ。中身を確かめられないまま出社、仕事。
午前中はデスクワークあったからもやもや。見ることが出来たのは外回りに出た時。

少し縦長の缶ケースの中に、フィルムで包まれた薄い板チョコが並んでる。
口に入れると桜の匂いと抹茶味。

それからは仕事してるのにどこか浮き足立っていた。
早くひろさんにお礼を言いたい気分がそうさせたのか、
「先ほどは急にお電話差し上げて申し訳ありませんでした。私、ムラタ文具からご紹介いただいた名賀都商事の新井と言います」
と、飛び込み営業までしてしまった。

ひ・・、苑田さんの影響力、恐るべし! だ。



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『プリズム』

『プリズム』34*風が吹くー7

今日は苑田視点、です。 ~~ から ~~ の間、です。




~~ さすがにバレンタイン当日には渡せなかったから、翌日。
以前から和美さんが行きたがっていた、桜をコンセプトにしたセレクトショップ。一緒に行った時、見つけたチョコをつい買ってしまった。
「崇さんに? 」
「・・・多分」
「多分、なら私がもらってもいいの? 」
ちょっと意地悪な笑顔で手を伸ばす和美さんに、
「駄目です」
即答して背中に隠したから大笑いされた。さらに、
「どうせなら口移しであげなさいよ」
とそそのかされ、言葉に詰まる。 やっぱり敵(かな)わない。


外回りから戻ってフロアへのエレベータが空いたら、
「お」
「中島部長、これから(外回り)ですか? )
「いや、おまえ待ち」
「はい? 」
「ちょっと来い」
腕を取られ、小会議室へ。
「今日の新井、少々浮かれてるんだ。どうやら彼女と上手くいってるらしい。ただ、俺にも写真とか見せてくれなくてな。おまえは? 見たことあるか? 」
「写真・・ですか? 」
「新井と彼女のツーショットとか」

俺と、新井の・・?
あり得ないと首を横に振り、そんな風に思ってしまったことに苦笑する。

「そうか、おまえにも見せてないのか」
「・・まあ」
「う~ん、気分転換にからかってやろうと思ったのになぁ」
「中島さん・・」
「仕方ない。仕事に励むか」

もし新井が俺の写真を持っていたら、そっちの方が問題だ。
が、ちらりとツーショット写真があってもいいか、と思ってしまった。 ~~



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雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その221

1週間ほど前、植木鉢で育っていた木を地面に植え替えました。 その時、
「あれ? こんな所に・・蛹? 」
プラスチックの植木鉢の側面に、蝶の蛹がくっ付いていたんです!

もー、吃驚しました。
その鉢、中身を取り出すのに、手で持ち上げたり揺らしたり叩いたりしてたんですから。
よくぞ剥がれ落ちもせずにいたものです。 &その場所を触ったりしなくてよかった~~。 あと少しで蝶々になれるんですもの。
しげしげ見たら、まだ一部分緑色。ひょっとして、蛹になったの、最近だったかも、です。
空っぽになった鉢。もちろん風で転がったりしないように重しを入れて元の場所に。

そして今日、 「どうなったかなー? (ワクワク)」 と見に行ったら、羽化して、破れた蛹の殻だけが残っていました。
実際に蝶になっていくのを見る言葉出来ませんでしたが、元気に旅立ったのでしょう。 良かった、と思うと同時にこの風の中、無事に飛んでいけたのか、心配にも・・・。

でも、昆虫やカエル。ほかにも、成体(人間でいうならオトナ)になるまで体の形を変える生き物たち。
本当に不思議ですね。あんなに外見が変わるのに本人? たちはそれが当然だと思ってる。
蛇や蟹も今までの自分から抜け出して新しくなる。
もし私がそんな形態の生き物だったら・・・。残った抜け殻の処分に困る? まさか、 「これが1回め、これが2回め、これが・・」 と保存しちゃったり・・!?

やっぱり、人間でいいわ。 と思いながら抜け殻を眺めたのでした。



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『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』*誘いの手

「・・・疲れた」
「あの熱気。・・・ってゆーか俺たちにまで声かけてきたもんな」
「うん。人手不足、実感した」
「特に製造業方面」

会場を出て、近くのファストフードで休む。なんでか喉が渇いてて、俺にしては珍しくLサイズを頼んでしまった。

初めて見た就活現場は想像してたより熱気があって、通路を歩いて会場を一周しただけで気圧された。
「けど、ホントにいろんな企業があるんだな。来てみて良かったよ」
「おー、内海、前向き」
「そうだ、これ」
テーブルの上にばさばさっと置かれたのは、パンフレット。
「・・貰ってきたの? 内海」
「参考になると思ってさ」
「マメだなー」
興味を引かれて手を出す俺たち。会場全部の企業を載せた案内本、企業案内、名刺まである。
「そう言やあ内海、誰かと喋ってなかったっけ? 」
「まあ。面白そうな企業があったから」

内海がブースに居た人と話をしていた、のはいくつかあったらしい。
全然気づかなかった。


履きなれない革靴で靴擦れを作ってしまった翌日。
「どうした? 能見君。集中できてないようだけど」
「えっ? あ、はいっ、すみませんっ」
安江教授が目の前に立つまで気づかなかった。慌てて謝り、背中を伸ばす。

昨日のことはまだ言ってないんだ。



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『プリズム』

『プリズム』34*風が吹くー8

年度末、どこも書類の整理でてんてこ舞いになる。こんな時ほどまめにチェックしておかないと、とんでもない事態になるんだ。

「こんにちは、名賀都商事の新井で・・・」
株式会社キタノ、の総務のドアを開けた途端、
「だからもう一度確認してください、って言ってるだけです」
「ちゃんと確認して出しました! 張本さんの数え間違いじゃないんですか?! 」
「自分のミスを人のせいにしないでください」
「~~~ッ」
総務の秋山さんが俺に背中を向けてる女性と言い合いしてる場面に遭遇。
「・・あ、新井さん」
相馬係長の声に振り向いた眼鏡の女性は、キッと俺をひと睨みして、
「また来ます」
怒りのオーラを放射しながら出ていった。

「ごめんね、驚いたでしょ」
「あの、・・まあ」
‘お茶、持ってきます’ と勢いよく部屋を出ていった秋山さん、戻ってきた時には興奮もおさまったよう。
「・・いただきます」
秋山さん達部屋の皆さんとお茶を飲み、気分もひと息したところで、備品のチェックに向かう。

「さっきはごめんなさい。・・それで」
何か言いたそうな秋山さん。
「いえ。クリアファイル、少し多めに補充しておきました。あと付箋も」
「新井さん」
「俺が来た時、女の人が入れ替わりに出ていった。ですよね? 私は何も聞いてません」
ニヤリ、にならないよう気を付けて笑う。
「・・・、そ、そうね」
「そうしてくれると助かるよ、新井さん」
相馬係長もホッと笑顔になる。
「なんだか行き違いが増えてね」
「そうなんですか。年度末で皆さん忙しいからですかね」
自分に関わりのないことだから、この日のことはキタノの仕事を終えたら忘れてしまっていた。



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『プリズム』

『プリズム』34*風が吹くー9

帰りがけ、三尾工務店(みつおこうむてん)へ。 ここは、飛び込み営業してからまだ四回くらいしか通ってない。やっと顔なじみになったばかりで毎回名刺を置いて帰ってる所だ。

「こんにちは。名賀都商事の新井です」
「よく来るねえ、名賀都商事の・・新井さん。この時期、忙しそうなのに」
「営業ですから」
総務の苗代(なわしろ。男性)さんが、机の隅に置いてある俺の名刺をちらっと見て言うのへ答え、
「今日はマスキングテープの使い方で面白いのを聞いたんで、来ました」
「・・へえ」
「いろんな大きさの書類を纏める時、コレを使うと便利なんですよ」
と見本を差し出す。

マスキングテープ、本来は塗装の時に使われてるテープだったんだけど、しばらく前から絵柄の入ったものが売り出され、爆発的人気に。今では文具店などでもコーナーが出来ている。これ、和紙を使ってるから透けて見え、いろんな使い方もできる、らしい。

俺が見せたのは、クリップで纏めた紙を、さらにマスキングテープで束ねたもの。

「ほう。面白いね」
「マスキングテープはセロテープより貼ったり剥がしたりが自由ですから、やり直しも出来ますし、上から字も書けます」
「見せて」
どうぞ、と差し出し、そっと反応をうかがう。
巻きつけてあるテープを剥がしたり貼り直したりする、苗代さん。
「今、持ってきてる? 」
「はい」
幅と色の違うテープをいくつか取り出し、机の上に並べた。



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『プリズム』

『プリズム』34*風が吹くー10


「ひとまずの足掛かりはできたかな」
三尾工務店から戻る途中、小さくガッツポーズする。
結局、苗代さんが個人的に買う、ということで今回は終わったけど、 『もう来ないでいいから』 とは言われなかった。次回も興味を持ってもらえるようなものを探して、持って行ってみよう。


「ただいま戻りました。・・? 」
フロアに入って妙な雰囲気に気付く。そっと見回すと北森が怒りのオーラを漂わせながら立っている。
(珍しい。あいつが怒るなんて)
小野山課長の所へ行きながらも、気になる。
「お帰り、新井・さん。飛び込み(営業)先、反応は? 」
「あ、はい。先方にマスキングテープ・・」
「だからっ、何度も言いましたけど、積み上げ過ぎです飯原さんっ。要らない書類処分してくださいっ! 」
北森の怒鳴り声に俺までビクゥッ、と体が縮む。
「小野山課長、北森、どうかしたんですか? 」
こっそり聞くと、
「うん・・。二課の飯原さんなんだけど、家庭の事情が仕事に影響してるらしいんだ。北森く、さん、向かい合わせで仕事してて、気になってしょうがなかったらしい。」
周囲に聞こえない声で教えてくれた。
「・・、あいつ、意外に几帳面なとこありますから」
「『以外に』は余計だと思うよ」
北森たちを気にしながらもクスっと笑う。
「すみません」
「今回はねぇ。どうも書類が混ざってしまったようで、北森さんも我慢しきれなかったようだ」

あらら。

「苑田・さんが居ると、ここまで大きくならなかったんだけど」
小野山課長、ため息ついた。
「苑田さん、仲裁してたんですか? 」
「そこまでいかないが、穏便に済ませていた。第三者が入るとお互い冷静になれるから」
「ああ、分かります」
俺の時も助けてくれたっけ。 思い出してたら、
「それなら積まなければいいんだろ! 」
怒鳴り返す声がして、バサバサバサッ、と書類の落ちる音。
思わず振り返った。



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『プリズム』

『プリズム』34*風が吹くー11

飯原さんの机の上がきれいになって、二人の足の周りに書類が散乱。
「これなら、文句ないだろうが。おまえの仕事の邪魔はしないからもう構うな! 」
「あ・・・、ありますよっ」
呆然としてた北森、食ってかかった。
「俺は散らかしてくれって言ってません。あなたの書類が俺のとこに混ざるからちゃんと分けてくれ、って言ってるんですっ! それに」
足元に落ちた書類を見て一部拾い上げ、
「これ、一昨年の書類じゃないですか。整理してないから増えて」
「うるさいッ! 」
書類を取り上げようとする飯原さん。揉み合いになり、互いに手が出そうに。近くで様子を見てた二課の人たちが止めようとしたけど、散らかった書類を踏めなくて、
「飯原さん、北森さんっ、止めてください! 」
「殴っちゃだめです! 」
「北森! よせ! 」
俺も止めに入ろうと、して。

「こんにちはー」

場違いなのんびりした声に、一瞬空気が固まる。
「ここでゴミが出た、って聞いて。どこですか? 」
コロコロとゴミ入れのカートを押しながら掃除のおばさんが入ってきた。
「あら? なんかありました? 」
とフロアを見回す。
「え・・っと。間違いじゃ・・」
近くにいた高塚に被せるように、飯原さんが手を上げ・・ちゃった。
「いえ、ここです。これ全部持ってってください! 」
「はいはい。ちょっと通してくださいね」
躊躇いもなくそばへ行き、
「あらまあ、すごいことになってますね~。これ、全部? 」
驚いた顔で聞く。
「はい、全部です」
「飯原さん?! 」
さすがに北森が焦って聞き返したけど、
「全部。持ってってください」
言いながら自分でばっさばさカートに放り込む。あっという間に床がきれいになり、紙の一枚も残らない。
「まー、手伝ってくれてありがとう」
おばさん、にこにこお礼まで言って、カートを押しながら・・、本当に全部持っていってしまった・・・!



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雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その222

時々、お天気に逆らいたくなります。
そんな時は、大きなドラム缶と雨樋で、豪雨の地方の雨を乾燥地帯へ。
熱波の空気を凍えそうな人たちの所へ。
扇風機で台風の進路変更。 などなどなど。 マンガのようなことを考えてみます。

人間も自然の一部で、コトが起こればただ過ぎ去ってくれるまで耐えて、待つしかない・・・のは充分に承知してはいるものの。
「どうしてこんな時に! 」 の気持ちは湧いてくるもので。
自分に都合の良い時は、「今日の天気は最高! 」 と浮かれるのに。。

感謝の心を疎かにしてしまってるのかしら・・・。 早起き、苦手になってきてるしなぁ。。


ほかにも、逆らいたくなるもの、逆らったもの、あります。
親に対して。耳に痛い、真摯な忠告をしてくれる友人たちに。 年齢や重力に。

最終的に和解したり受け入れたり。 納得は出来ないと思いつつ、 「あ、そうなんだ」 と胸にストンと落ちて、ちょっと世界が変わった気になる。  これって、成長してるってこと?


じゃあ、逆らわないのは?  「○○したーい! 」 でしょうか。リストアップすると辞書波にぶ厚くなってしまうのが難点。
美味しいもの、朝寝坊、エトセトラ・etc.。
でも、ぜーんぶ実行したら大変だろうな、時間とお金が( ´艸`)

夢は、見てる間楽しいから、それでもいいのかもしれない。  ・・と普段買わないお高めのヨーグルトを食べながら思いました。



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『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』*誘いの手ー2

梅雨時は服が汚れる。フィールとワークに出かけるからだ。
「全員居るかい? 」
「はい、安江教授」
今日も車に乗り合わせ、近場に出かける。教授の車は最大十人乗ることが出来るワゴン車で、大の男が九人乗っても空気に余裕がある。
「一応君たちはオトナだが、夜の移動だし、はぐれないように注意してくれ。
あ、携帯の電池は大丈夫だろうね? 」
エンジンをかけながら聞く教授にゴソゴソしてから、
「はい教授、俺は大丈夫です」
「同じく」
「60%以上あります」
順番に答えていく。
「では出発」

「都会でも蛍がいるんですね」
「ああ。環境にずいぶん気を使ってるホテルや生物館が主だが、郊外に行くと自然のままの生態が見られるはずだ。
今回はそっちへ行くから汚れてもいい服、と注意を補足して送信したけれど」
僕の方に視線を投げる。
「大丈夫だね? 」
「「「はい」」」
俺も合わせて複数の声が返事する。

蛍なんて生まれて初めて見るから、ドキドキ・わくわくしてた。



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『プリズム』

『プリズム』34*風が吹くー12

「これでおまえの邪魔にはならない。問題ないだろうが」
ふん、と鼻息も荒く言った飯原さん、もう用事は済んだとばかりにガタっと椅子を引いて、机の上に残ったノートパソコンを立ち上げ、仕事を再開させる。
「・・・俺は知りませんからね」
まだヒートアップしたままの北森も言い捨て、足音も高く自分の席に戻ってく。

ほんとに、大丈夫なのか?

北森と飯原さんを除く全員がついていけなくて、様子をうかがっている。
俺は、二人の方へ行きかけて止まった変な恰好で、おばさんが出ていった廊下の方を見ていた。
(追いかけたほうが良いのか? でも、飯原さんの書類だし見たら駄目かもしれないし)

「諸君、仕事の手が止まってる」
一ノ瀬課長のよく通る声が、モヤモヤした空気を払うようにフロアに響く。
スイッチが入ったように、みんな慌てて仕事に戻った。

「・・はい、お電話代りました、名賀都商事二課の北森です」
ざわついていたフロア内が一瞬静かになった時、その声が妙にくっきり聞こえた。
気になってレポートの手を止め、見ていたら、
「はい、その件は二・三日うちに候補を揃えてお持ちできると思いま・・?! 」
声が止まる。
「・・・・っあ、はい、大丈夫です。・・はい」
電話を切った後、すごい勢いで机の上を探し始め、ハッとして立ち上がり、
「飯原さんっ、あんた、最低だな! 」
言い放って飛び出していった。
「・・なんだって」
唖然とした飯原さん、視線が集中する中、小さめの声で姿の無い北森に反論してた。



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『プリズム』

『プリズム』34*風が吹くー13


その飯原さんも、
「あれ? 」
机の上、立ててファイリングしてた書類を引き出しては探す、を繰り返す。次に抽斗(ひきだし)を上から下まで開けて探して。
俺からは顔も見えないし声も聞こえなかったけど、横にいた香坂さんが、
「・・・まさか」
って言うのを聞いたそうだ。
そして飯原さんも、ガタン! と立ち上がり、
「おばさんー・・っ! 」
駆け出して出ていった。

「・・捨てちゃいけない書類があったんだ、きっと」
横の高塚がボソッと言う。
「俺も、そう思う。 間に合うと良いけど」
社内のゴミは日に二回くらい回収車に出している。二回めは終業間際で、つまりもうすぐ。

俺の仕事じゃないし、関わっても余計なお世話だろう。 けど。

「あ~、コーヒー飲んで来よっかなー」
大きなひとり言を言って席を立つ。


掃除のおばさんたちの休憩室は二階だ。階段を駆け下り、
「おばさん・・っ。北森と飯原さん、来ませんでしたっ!? 」
「あらまー、新井さんも? 皆さん、隣ですよ」
おばさんたち、お茶を飲みながらにこにこ。
「あっ、ありがとう! 」

皆さん? と思ったけど

「あのっ、ゴミは? 」
「ああ、持って行ったわよ、ついさっき」

・・間に合わなかった?

「最後の営業さんのゴミは、隣で分けてるわ」
「?? 分かりました」

「北森! 飯原さ・・、苑田さん?! 」
隣の部屋には、三人がいた。


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『プリズム』

『プリズム』34*風が吹くー14

おばさんたちの休憩室の隣は、用具室になってる。ドアを開けて見たのは、ゴミカートの上に板のようなものを乗せ、書類を仕分けしてた三人。

「・・やっぱり来たか」
「思ったより早かったですね、苑田さん」
「・・・ほんとに、来るんだ」
三者三様の出迎え? に、
「あの・・」
「手伝う気で来たんなら、ここに居る全員分の飲み物買ってこい」
少し呆れた苑田さんが指図する。
「はい。・・全員ですか? 」
「そう」
チラリと隣を見る。あ、おばさんたちの分もか。

ホットの缶をポッケにも詰め、手に持って戻ってくる。
「苑田さん、持って来ました」
「ああ、ご苦労さん」
書類はすでに分けられ、北森と飯原さんは何となく仲直りした様子。
「こっちは片付いた。
飯原さん、北森さん、どれか一つどうぞ。新井の奢りだそうです」
へ? という顔をした俺に、澄ました顔で、
「遠慮しなくていいですから」
先に一本取った。
「じゃ、俺も。新井、ありがとな」
「あ・あ」
北森が俺の好きな微糖の缶をポケットから抜き出す。苑田さん、続けて、
「飯原さん、遠慮しないでどうぞ」
「・・じゃあ」
「新井はこれでいいな? 」
「・・はい、苑田さん」
「あとは隣に持ってってから仕事に戻れ」
「はい」

苑田さん、いつから居たんだろ? それに北森も飯原さんも笑ってたよな。 ・・・苑田マジック、ってやつ?



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『プリズム』

『プリズム』34*風が吹くー14

北森たちの仲直りを目撃し、仕事の続きをしに戻る
(ご褒美が自分で買った缶コーヒー、か。
話は出来たけどなんにも解んなかったなー。 そういや、掃除のおばさんたち、苑田さんと仲がいいみたい。いつからだ?)


~~ 外回りから戻ってきた時、掃除のおばさんがフロアの入り口で中を覗き込んでるのが目に入った。
(珍しい。いつもならあんなことはしないのに)
悪戯心が湧き、背後から肩を叩こうかと思った時、騒ぎが起きた。
おばさん、一つ頷くと堂々と中に入っていく。 そのあとは・・。

たいしたもんだ。 と思った。
が、書類を確認したい。おばさんがエレベータに乗る横へ滑りこんだ。


「すみません。場所までお借りして」
「いいのよ。誰だってくしゃくしゃする時はあるんだから」
訳を話し、書類の確認をしようとすると、『ここなら邪魔も入らないし』と用具室にさっきのゴミカートごと入らせてくれる。
書類を仕分けだすと、やはり捨ててはいけないものが見つかる。
「あれ? 北森の書類もある」
無くなってるの分かったら駆け込んでくるな。と思っていたら案の定、本人が息を切らしながら飛び込んできた。
「お・・っ、おばさんっ! さっ、きの書る・いっ」
「ああ あれ。大事なものがあったの? もう持ってったわよ」
「えええ・・っ! 」
澄ました顔で言うおばさんと仰天した北森の様子が想像でき、吹き出してしまった。
可哀相なのでなので、
「北森、こっちに来い」
顔を出す。
「その田、さん?! 」
「おばさんに頼んで除けてもらっておいた。手伝え」
「は・・はいっ。ありがとうございます! 」
そして、飯原さんも、来た。

三人で黙々と仕訳けていたが、
「飯原さん。苑田さんにお礼、言ってないですよね」
北森が口火を切る。飯原さんは答えない。
「俺だけじゃなく、掃除のおばさんたちにも苑田さんにも迷惑かけてるんですよ? 分かってます? 」
「・・・わかってる」
「それなら」
「じゃあ、おまえは分かってるのか? 」
「飯原さんが謝ってないのは」
「俺の何が分かってるんだ、って言ってんだよ! 」
拙い、と思った。さっきの二の舞になる。
「大声は隣に聞こえます」
低めの声で言うと、二人はハッとして止まっていた手を動かしだす。 ~~



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雑談のビックリ箱

雑談のビックリ箱その223

計画通りにコトが運ぶと、達成感についニヤニヤしてしまいます。
普段は挫折したり諦めたり、邪魔が入ったりしてコンプリート出来ないことが多いので、余計に嬉しくなってしまうのでしょう。

チームを組んでやる時や自分以外の人が関わっている場合は、目標に向けて必死になりますが、自分の中で完結してしまう問題だと、とたんに怠け癖が強力になります。 「まあいっか。ここまででも」 という口癖とともに。
隣では、「ここまでが目標なんでしょ? 頑張りなさいよ! 」 とゴールで呼びかけてくる自分もいるのですが・・。

納得がいくまでやれなかったことは、心の片隅に埃をかぶっても残ってる。
思い出があって捨てられないもの。
いつかは思い切らないといけないんですけど、ね。

アスリートの皆さんを見て応援したくなるのはそのせいかもしれません。
自分がなかなかできない、目標を必ず達成していく人たちを見て自分にも「ガンバレ」とエールを送る。

目標や夢は多い方が良いのか、少なくてもOKなのか・・、は、分かりませんが、
何かを持ってる方が、人生楽しいかもしれないなー、と思ってます。



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『耳から始まる恋愛』

『耳から始まる恋愛』*誘いの手ー3


「きれいだったなー」
「あんなたくさん、初めて見た」
「生で見るとやっぱ違うよ」
言葉にできない幻想的な蛍の群舞。
何人もの人がカメラやスマホで撮影してたけど、俺たち ――少なくとも俺は―― 何の準備もしてなかったからただ見るだけ。

「都会で、イベントなどで放たれる蛍と違って数も多いだろう? 自然の一部になってるからなんだ。
そして環境にも気を配る。鮎なんかと同じように、きれいな場所でないと生きていけないから。
これも環境共生の一つだと思う」
車に戻り、教授の話に聞き入ってた、ら、光が一つ、ふう~っと社内を横切ってビックリ!
「教・・」
「教授っ、蛍が! 」
俺より先に大窪が手を伸ばして蛍を捕まえようとした。
「窓を開けよう。捕まえずに出してくれ」
「了解です・・っ」



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