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『プリズム』

『プリズム』34*風が吹くー76

「絵は詳しくないので」
「ならば見せてやろう」
結構です。・・は言えないか。諦めてまたエレベータに乗り移動する。今度は下へ。
出た場所は、
「・・・美術館ですか? 」
廊下に彫刻や絵画、美術工芸品が並んでいる。
「似たようなものじゃ。ここなら安心して預けられるからの」

ここなら?

今更ながら疑念がわく。
「ここはどこか、お聞かせ願えますか? 」
「おまえもよく知っておる。出入りもしていたビルじゃ」
俺が、よく知っているビル? 
「佐々木様。この方はご存じないのですか? 」
驚いた様子の紀里さん。
「いいや。忘れておるだけじゃて」

忘れて・・・、?! まさか

「これが紀里の絵」
ハッとして立ち止まった俺の左側に、大きな墨絵がかかっていた。
思わず一歩下がる。
描かれていたのは、見上げて描いたらしい散りはじめた桜。色は何も無いのに、夜の気配や温かな風が吹いているのが想像できてしまうほど、素晴らしい絵だった。
「どうじゃ? 」
「・・・。桜の匂いがしそうです」
ほう、という顔をする佐々木翁。が、
「紀里の真骨頂は別にある」
にや、と黒い笑みを浮かべた。



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コメント

No title

出入りしてたわけじゃないわい!
無理やり来ざる得なかっただけだわい!!
忘れてるだけじゃないわい!
もう覚えてる必要ないから記憶から消してただけだわい!!

モーーーー怒💢思い出させないでよーじい様ーー😤💢😤
苑田君も、そんな風情ある感想言わなくていいのにーー
じい様が感心しちゃったじゃないの〜〜(><)

描く前から予約が入るほどの逸材が
別の真骨頂を持ってる⁉️
や、ヤバイ…
芸術家ならではのヤバイ感じがする…(芸術家が全てそうだと言っているわけではありません🙇‍♀️このビルに通っている芸術家に限りということです。)
どんな要求されるのか…心配だよ〜(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

(まさかとは思うけど、進藤には会いませんように)

Re: No title

うさメリさま。 ようこそ。


> もう覚えてる必要ないから記憶から消してただけだわい!!

お怒りはごもっともです、うさメリさま。私も、思い出させたくはなかったんですよ~。でも、マンソンの現オーナーが阿呆で、、結果こうなってしまったんです。


> 苑田君も、そんな風情ある感想言わなくていいのにーー

「いや全く、儂が気にいっただけのことはある(by佐々木)」 ←え?!
じい様に気に入られても、苑田は嬉しくないと思う、けど。。


> 芸術家ならではのヤバイ感じがする…(芸術家が全てそうだと言っているわけではありません🙇‍♀️このビルに通っている芸術家に限りということです。)

そうなのですよ。信じられない絵を描くのです。もう、熱狂的なファンがいて、紀里さん大変なんです。
あー、まともな方もいらっしゃいますよ(←?!)
紀里さんのような方もいる、だけのことです、ハイ。


> どんな要求されるのか…心配だよ〜(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
>
> (まさかとは思うけど、進藤には会いませんように)

「うさメリさんが思い出して売れたんだから、俺も出せ! 」
あんたは京都で佳奈子さんとヨロシクやってればいいの! 出てこなくていい!



ありがとうございました。
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