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『プリズム』

『プリズム』*エピソード

こんばんは。  もうすぐクリスマスですねー。
『プリズム』の中からもプレゼントが届きました。 誰からかは、読んでからのお楽しみ ♡



「では、行ってきます」
「はい。行ってらっしゃい」


久しぶりに一人で留守番。
浩司さんも範裕さんも居ない・・、静代の家。

仏壇から遺影を取り出しテーブルに置く。
「ケーキ、買って来たわ。貴女の好きなオペラ。紅茶はもちろんフレーバーティーよ。
・・・何を言いたいの? って顔ね。
昔話がしたくなったの」
静代はただ微笑んでる。私の気分で表情が変わってるように見えるだけ。 そうよね。写真が動いたらミステリーだもの。

しばらく黙って紅茶を飲み、ケーキを食べる。今日は、証拠隠滅もあって静代の分も食べるから小さいベリータルトを選んだ。



~~  『和美って、すぐウワキするのよね』
『いいじゃない。みんな美味しそうで決められないんだもん』
お菓子の前でよくそんな会話をしたわね。
でも、本当に好きなのはいつでも、いつまでも変わらなかった。


「あなたたち、本当に仲が良いわね」
親戚が集まると、よくそういわれたわ。
小さい頃は、仔犬か仔猫のようにふざけ合ってくっ付いていた私たち。それは思春期になっても続き、私は次第に気づき始めた。
好きな色、音楽、食べ物。みんな静代の好きなもの。
(本当に好きなのは、静代・・・? )
まさか、と思っていた。同性を恋愛対象にするなんて、あるはずが無い。と。

でも。

「ねえ、見て」
「なぁに? ・・・!? 」
放課後の図書室、仲の良かったクラスメイトからこっそり見せられたのは、同性愛のマンガ。
「どっ、どうしたのよこんなの! 」
「大声出さないで。買ったの」
「買っ・・・」
信じられなかった。
こんな物が存在する事が。商品になっていることが。そしてそれを、学校に持ち込んでくる、その神経が。
「先生に言うわ」
「止めてよ。やっと手に入れたんだから」
「だったら家で読みなさいよ。見せられる方だって迷惑だわ」
眉をひそめて言った私に、彼女は意味ありげに薄く笑い、
「いいの? そんなこと言って」
「な・に」
「私、知ってるのよ」

知ってる・・?

「あなたの、斎藤静代さんを見る、目」
ギクリとした私に、共犯者の笑み。
「貴女は隠してるつもりでも、見る人が見ればもろバレなの」
「言っ・・てる意味が、解らない、わ」
「声が震えてるくせに。
いいわ。違うって言うなら友井(苑田静代の旧姓)さんに彼氏ができたの、喜んであげられるわよね? 」

彼・・?!

「嘘 」
「本当。告白された時、私、居たもの」
静代に、‘彼’が? 
目の前がすうっと暗くなっていくのが分かった。
「・・大丈夫!? 」
「触らない・で」
倒れかかったのか、気付けば彼女が体を支えていたわ。
その手を振り払った、つもりだったけど。
「どうしたの? 顔色が悪いわ山部(和美)さん」
司書の先生が偶然通りかかって声をかけてくれたのが、意識が遠くなる前に聞こえていた。



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