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『プリズム』

『プリズム』17*あなたに告げる。

女の感は、鋭い、のです。




「こんにちはー。」
「いらっしゃい。」
半袖だと風が涼しいけど、陽射しはまだ夏の名残りだ。出迎えてくれた和美さんは、七分袖の服を着ていた。
「こっちでのいいかしら?」
そう言って通されたのはキッチン。俺の相談もちょっとした事だから十分だ。

「あの。範裕さんとか、お父さんとか、は?」
もし範裕さんがいたら聞きにくいから、和美さんと外へでないといけないか、と思っていたから、家の中が静かなのにホッとして、でも確認する。
「ああ、お彼岸も近いでしょ?二人でお墓参りに行ってるわ。居た方がいいなら、そうねえ・・・」
「いえ、それならいい・・、っていうか、その方がいいんです。範裕さんに内緒のことなんで。」
掛け時計を見上げた和美さんに返事すると、
「なあに?サプライズするの?」
面白そうな顔をして麦茶を出し、俺の前に座った。
「そんな大したことじゃないんですけど。
範裕さんて、ベッドと布団、どっちがよく寝られるか、和美さん、知ってますか?」
「布団かベッド?」
「はい。以前(まえ)俺の部屋に泊まってもらった時、何にもなくて。だから今度来てもらったら、その時にはちゃんと寝てもらえるように・・・」
「崇さん。範裕さん、あなたの所に泊まったこと、あるの?」
話の途中、和美さんが驚いたように聞く。
「はい。・・二回くらい。」
「そう・・。」
何度か瞬きして、
「そうなの。びっくりしたわ。範裕さんが知り合いの人の所に泊まるなんて、久しぶりに聞いたから。」
「そうなんですか?」
「ええ。でも良かった、そんなお友達が出来て。」
ズキン、と胸が痛んだ。
俺とひろさんは、先輩後輩とか、友だちとかじゃない。
でも、他人には言えない・・、関係だ。それが和美さんならなおさら。

「あ、言わないから心配しないで。範裕さん、あれで結構恥ずかしがりなの。だから、崇さんも内緒よ?」
「・・わかりました・・」


「ねえ、崇さん。相談したいことって、それだけ?」
「は?」
「まだ何か、あるんじゃないの?」

ぎくっ。 とした。
「お・れは別に。。ただ、それだけ、聞きたくて」
「範裕さんがいるかどうか、気にしてたわね。居たら話せない事なんでしょう?」
「それ、は」
「・・・恋愛ごと、とか?」

心臓が止まるかと、思った。 和美さん、なんで・・?


「何でわかったんだろう? うふふ、分かるわよ。崇さんて、顔に出るもの。」

冷や汗が出てくる。このまま聞かれたら、ひろさんとのことが、ばれてしまいそうだ。

 女性に免疫の無い新井くん、白旗寸前。
バレたら、和美さんは・・?

 
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コメント

No title

今の所、ホントに今の所は女性との恋愛話と和美さんは思っていそう!
だけど・・・
新井君、自ら墓穴掘りそうな気もする~w
和美さんにも「わかり易い子」って認識されてるし
お母さんに話した時も流れに乗って自らカムアウトしちゃったし!
まぁ、苑田君の事考えながら喋ってるだろうから
どうしても方向はそっちに行っちゃうんでしょうけど。

色々抱えてきたご家族だから、
新井君がお母さんにカムアウトした時のようにはいかないような…?

とにかく、一度褌ギュッと引き締め直す気持ちでいた方がイイよ!新井君!!

あ~…神様仏様ますみ様~
危うい方向に行きませんように…

Re: No title

うさメリさま。 ようこそ。

>今の所、ホントに今の所は女性との恋愛話と和美さんは思っていそう!

普通それ以外思いつきませんよね。私たちならイザ知らず(・・え?)。内心ワクワクしてるでしょう、和美さん。
身近にそんな楽しい話なかったから。


>まぁ、苑田君の事考えながら喋ってるだろうから
どうしても方向はそっちに行っちゃうんでしょうけど。

ですです。何事にしても隠す必要がなかった新井くん。注意して見ていれば・・。和美さんも色々あった方なので、聞き出すのは得意なんです。


>とにかく、一度褌ギュッと引き締め直す気持ちでいた方がイイよ!新井君!!

出来るかなぁ・・。和美さん、たたみかけてきます。新井くんも可愛いけど、それ以上に苑田家が大切な女性なので守るとなったらすごい。   従姉妹の静代さんの、家族ですから。

あ、、なんか拝まれているような(苦笑)。
でも、いつかは判ることですし、乗り越えないといけない壁。挫けないでね、新井くん。



ありがとうございました。
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