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『プリズム』

『プリズム』21**ガール・フレンドー2 


  
午前中から営業に出て昼になった頃、デパートの前を通りかかり、思いついて中へ入る。
実家へ帰るついでに、早いけどXマスプレゼントを買おうと思ったからだ。おふくろは図書カード、父さんには趣味のDIY用のエプロンと決まり、
「ひろさんにも何か買おう」
として、困ってしまった。
ひろさんの好みって、よく知らない。

思い出してみたら、仕事や家族の話はよくするけど、好きな事とか趣味とか、話した事がほとんど無い。


「新井さんじゃないですか?」

へこんでいたら声をかけられた。
「絹里、さん?どうしたの、こんな所に」
「私、今日は半休取ってて。ここは時々来るんです」
探し物ですか?と聞かれ、
「ちょっとね。プレゼント買おうと思ったんだけど・・・困ってさ」
「手伝いましょうか?」
「悪いよ。せっかく休み、取ったんだろ?」
「有休消化ですから。特に目的が決まってるんじゃないです。あ・・・、無理にとは言いませんし」
「・・・じゃあ、頼んでも、いい?」
一人だと決められそうもない、と気付きせっかくだから頼んでみる。少し不安そうだった絹里さんの顔がパッと明るくなった。
「もちろんです。それであの、誰へのプレゼントなんですか?」
「苑田さんなんだ」
「苑田、さん?」
「うん。いつも助けてもらってるし、教わること多いから。
けど、趣味とかほとんど知らないの、今気付いて、ちょっとへこんでた」
正直に言えば、くすりと笑う。

「何が良いかな―・・・」
「そうですねー・・・」
二人で腕組みしながら考えてて、
「そうだ、あっても困らないものにしましょう」
先に絹里さんがポンと手を打つ。

「あっても、困らないもの?」
「そうです。 ネクタイとか、ベルトとか。靴は・・サイズが判らないと駄目ですけど。ほかには・・・、時計?」
「あ、それ! 苑田さんいつも腕時計してるからそれにしよう。
ありがとう絹里さん、俺一人じゃそこまで考えがいかなかった」
ノリでつい手を握り、上下に振る。
「そんな。大したことじゃないです・・・あの、手」
「え?わっ・・・ごめん」
慌てて放した。

そのまま一緒に時計売り場へ足を向ける。
「苑田さんって、いつもどんな腕時計してるんですか?」
「どんなって・・・普通だよ」
「革のバンドとか、金属とか。私、昔金属のバンドで産毛が挟まって痛かったことあるんです」
「そうなんだ。えー・・と、苑田さん確か・・・金属の」
思い出してみる。

「文字盤は数字じゃなかったな・・・。全体にシルバーで、日付が付いてて、バンドは、・・・うん、金属だ。
文字盤のガラスに細かい傷が結構あったけど、大事に使ってるみたいだった」
「よく覚えてますね」
「まあね。しょっちゅう見てるし」
お風呂と、寝る時以外は着けてる。そう言えばこの間電池交換した、って言ってたな。

「じゃ、新井さんはどんな時計が似合うと思いますか?苑田さんに」
「うーー・・・ん・・・」
数があり過ぎて悩む俺に店員さんが。
「お客さま、何をお探しですか?」
「う・・、あの、ですね」
「プレゼントなんです、先輩の。ちょっと・・・、迷ってて」
側に来られて引く俺の代わりに、絹里さんが続ける。
「贈り物ですか?」
「はい」
「よろしければ男性か女性か、教えていただけますか?」
「男性です。仕事が出来て、私たちが尊敬する先輩なんです。Xマスに腕時計を贈ろうと思ってるんですけど、あまり高価(たか)くなくていいもの、ありますか?」
「それはそれは。素敵な方なんですね。では少々お待ちください」
絹里さんと店員さんの滑らかな会話に口が出せず、俺はただぼーっと立っていた。







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救いの女神、絹里さん。新井くんは単純に喜んでるけど、苑田はどう思うのかな・・・。
今日はデスクワーク?営業?


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コメント

No title

苑田君にどんな時計が似合うかって?

そりぁ、「新井君」でしょう♪
新井君の心臓の音がトクトクと秒針となって
新井君のムスコが天高く12時を刻み時に3時、時に9時と回転し
苑田君を楽しませたら6時に萎える

ワワッ!私ったら早朝からエロモードになってしまった(^_^;)


新井君マズイなぁ…そりゃマズイなぁ…
苑田君は君の為に山の事とか調べたりしてるよ~
仕事でも言われてるでしょ?
雑談から色々相手の事を知る事が出来るって~
市島さんに言ったばかりじゃない!
ましてや好きな人の事は何でも知りたいはずでしょ~
減点だよ~マイナス100点!!


今日はデスクワーク!
絶対デスクワーク!!
何が何でもデスクワーク!!!
やだよ~(T_T)こんな所見られたら…
程良い嫉妬は良いスパイスになる(By カノーキョウコ)と言うけれど
変に誤解されるようなシーンは見なくていいよ~~

ハッ! ここはデパート
もしかしたら香川さんに見られてるかも!?ww
香川さんが高松さんにクリプレ買ってたら… 
キャ──(#゚ロ゚#)──!☆゚。+。。+.゚゚.+。~

Re: No title

うさメリさま。 ようこそ。


> そりぁ、「新井君」でしょう♪

うさメリさま~~、それは分かりますけど。んなことしたら、苑田が持ちませんよ。笑。
「そうです。たまには一人でゆっくり休みたいことだってあるんです。疲れてる時は特に。・・・側にいてくれるのは嬉しいし、癒されるんですけど・・・」
「ひろさん・・。俺、、邪魔?」
「そんな事は言ってない。ただ、毎日は・・・(ポッ)」
「ひろさん・・・!(抱きつきっ)」

仲がよくって良いですネ。


> 新井君マズイなぁ…そりゃマズイなぁ…
> ましてや好きな人の事は何でも知りたいはずでしょ~

「はい。。反省してます(凹)。今度チャンスがあったら必ず聞きます!」
そうねー。苑田も喜ぶかも。


> 何が何でもデスクワーク!!!

それがですね、うさメリさま・・・モゴモゴ。


> ハッ! ここはデパート
> もしかしたら香川さんに見られてるかも!?ww

「それは無いぜ、うさメリさん。高松なら酒の1ダースでも投げときゃばんばんさ。
・・・薫がいた時なら吟味しに行ったかもしれないが・・・。思いだしたら会いたくなった。行ってくるか、墓参り」
「あっ、おい、香川! 酷ぇぞ俺にタヌキどもの守りを押しつけて逃げるなんて~~~!」

あらら、うさメリさま、あっちでなんか吠えてますよ?



ありがとうございました。
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