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『プリズム』

『プリズム』21**ガール・フレンドー5

― 母さん、助けてくれない?」
― あら、どうしたの?」

結局おふくろに電話をかけ、無難な、ハンカチとストラップに決まる。

― でもさ母さん、どうして苑田さんに断られたんだか、分かる?」
― 崇・・・」
電話の向こうでおふくろが大げさにため息をつく。
― 説明するのが疲れるけど・・・。
  崇、範裕さんの事、好きでしょ?」
― 当たり前じゃないか」
― 好きな人に、女の人へのプレゼント買うの、付き合わせるの?」
― でもさ、絹里さんは休みなのに俺に付き合ってくれて、悪いなって思ったから」
― 範裕さんもそう思ってくれてるといいけど?」
― 思ってる・・・かな」

別に、悪い事したわけじゃない。

― それに、絹里さんは範裕さんともよく会ってるし、俺、話しやすくて助かってるんだ」
電話の向こうで、また特大のため息。
― 範裕さんの苦労が分かるわ・・・。
  とにかく、お礼なら早めに渡してあげなさい。それと、何を手伝ってもらったか、なんて言っちゃ駄目よ。」
― ・・・・全部は、言ってないけど・・・」
― 話したの?」
― うん」

― 母さん?」
― 我が息子ながら、ってやつね。顔を見て話していたら、頭を叩いていたわ。
  帰ってきたら理由を説明してあげるから、ちゃんと範裕さん、つれてくるのよ?」
― あ、うん・・・。分かった」

半分は理解できない話だった。 俺、やっぱ鈍いのか?



「母さん、今日は意外なものを見たよ」
「お帰りなさいおとうさん。なんです?意外なものって」
息子からの電話の後、うきうきと帰って来た夫にそう声をかけた妻は、次の台詞を聞いて、電話が先でよかったと心の底でホッとしていた。

「崇のガールフレンドを見たんだ。」

「ガールフレンド?」
「そう。
後輩の船橋と会いに出かけたろう?そのあとデパート散歩をしていたら見かけたんだ。崇とお茶をしていた。
少ししか見えなかったけど、可愛い子だったよ」
「そう・・・」
「あれ?喜ばないのかい、かあさん」
「い、いえ、そんな事は無いけど」
息子は現在、進行形で恋愛をしている、とは言えない。
(話したら、ひっくり返るかもしれないわね、お父さん)

息子の将来に夢を持っている夫を、今はそっとしておこうと思った。


絹里さんに‘お礼’を渡し、仕事と飲み会が続いたまま、十二日。

残業中に、苑田さんも席に座っているのが見えて、傍へ行く。
「苑田さん、明後日、大丈夫ですか?」
「・・ああ」
「あの、都合がつかないなら・・・」
「そんな事はない」
けど、視線はPCのディスプレイを見たままだ。気になってそこにいたら、一つため息をついて、
「ちゃんと行く。 約束は守るよ」
俺を見る。
「・・・約束だから、来てくれる?」
「言い方が悪かったな。
行くよ。約束、じゃなく、おまえの家だから」
「うん。 ・・・一緒に、行けそう?」
「まだ詰めないといけない件があるから、確約は出来ない」
「俺のほうから、連絡入れる」
「分かった。 ほら、仕事片付けて来い。俺はもう終るぞ」
「は、はいっ」
今夜は、範裕さんの家に行く予定だった。急がないと。






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 新井くん、母に助けてもらいました。
家に帰ったら、詳しーく教えてもらいなさい、ね。 そして明日は腐の予感。  ふっふっ腐~~。




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No title

うん!ハッキリ言ってチョー鈍い!!
新井母じゃなくても頭叩くww
香川さんなら失笑・子湖塚さんなら出したカクテル下げる
中島部長なら無視して電話をかける 位の(笑)

でもまぁ、疑問形だけど自覚はあるし
母という頼もしい理解者とアドバイザーがいるし
まだ良い方かな?ww

新井父はやっぱりガールフレンドで頭固まってたか・・・
言えないなぁ…と言うより
言って何かあったらまた苑田君が傷つくなぁ・・・
新井母、いざという時にはフォローを何卒宜しくお願いしますm(._.)m
新井君一人じゃ心もとない!ってか、不安で仕方が無いわぁ・・・

あら?お家には行ける状態なのね!
ヤキモチ過ぎて苑田君むくれちゃって
そんな事もないのかと思ってたわ!
腐!?デヘヘェ(*^。^*)
ヤキモチやきながらの腐は逆に燃えるんじゃな~い?
苑田君どう出るのかしら?
攻めの新井君にずっと『待て!』くらわして
尻尾も耳も涎も下がりっぱなしで待たせとくとか!
苑田君の逆襲(爆

そうと決まったら(?決まったのか?)
いつもの場所に行かなきゃ♪
今回は、商店街の福引で当たった高性能のオペラグラスを持って行かなくちゃ♪♪ww

Re: No title

鍵コメ❀さま。 ようこそ。

(クスクス)そうですよねぇ。ほんと天然。せめて恋愛に関してはもうちょっと敏感になって欲しいものですが。。
でも、新井母がつおい味方。苑田も気に入ってますし、理解してくれてる。それだけでも心強い。

すれ違いはこれからもあります。そして山が・・・。ちょっとケンカになるかも。でもスパイスは必要ですよね?


あ、ブラインドパーティ。
私も、とある方のブログで見かけなかったらやらなかったと思います。その時の、「時間が来るまで名前伏せ」という企画でなかったら、飛び込むのに躊躇してたでしょう。
で、行って見たら! すごく刺激を受けました。  また機会があったら行って見る・・、かも?

椎名たちの話は、今、孵卵器に入れてあるので、いつか孵ると思います~~(いつかな?汗)。

再始動なさるんですね。 はい、楽しみにお待ちします♪



ありがとうございました。

Re: No title

うさメリさま。 ようこそ。


> うん!ハッキリ言ってチョー鈍い!!

「そんなたとえを出されても・・、なぁ?マスター」
「ま、そうです。目覚ましにハラペーニョ・カクテルを差し上げてもいいんですけど、苑田さんに睨まれそうですし(クスクス)」
「新井の鈍さは苑田に任す。仕事ならいくらでもしごいてやれるが、そっち方面は俺の経験じゃ役に立たんからな(笑)」

三者三様。なんにしても仕事以外は苑田に一任してますね、皆さん。笑。


> でもまぁ、疑問形だけど自覚はあるし

そう。自覚がないと、意識を持たせるところから始めないといけないので、大変・・・。新井くん、頑張れ。


> 新井父はやっぱりガールフレンドで頭固まってたか・・・

ええ。ゲイのことは風の噂に聞く程度の関心しかありません。でも、もう関係者なんですよ?お父さん。
アナタの妻は、覚悟が出来てます。だからきっと負けるでしょう・・・。お気の毒(?)


> あら?お家には行ける状態なのね!

はい~。新井家、苑田にとっても休まる場所なんです。母も呼んでますし♪ただ、今回は新井父が爆弾・・・っと、内緒でした。


> そうと決まったら(?決まったのか?)
> 今回は、商店街の福引で当たった高性能のオペラグラスを持って行かなくちゃ♪♪ww

はいはい。ご期待に応えられるよう、頑張らせます。腐腐。
「そ・・、範裕さん、頑張っていい、って(期待っ)」
「ばか、明日も仕事で、直におまえの家に行くんだぞ?頑張れなんて・・・っ」
苑田~、顔が赤いよっ。




ありがとうございました。
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