FC2ブログ

『プリズム』

『プリズム』21**ガール・フレンドー8



昼食を早めに社内で取り、席を立とうとした時、
「新井くん」
「あ、市島さん。これからですか?」
トレイを持った市島さんが俺の前に。
「ああ、そうなんだが」
「・・?」
座りながら何か話したそうで、言葉を選んでいる様子だ。
「・・・さっきの、苑田くんには・・驚かされたね」
「はい。ほんとびっくりしました。あんなに慌てるの、見た事なかったですから」
「うん・・・」
「市島さん?」
「いや・・・。彼もミスをする事があるんだな、と思って。
仕事中は、隙の無い完璧な人間だったし」
「そう、ですね。俺はあまり感じなかったですけど、教わる時はすっごく厳しかったです。」
「・・君たちは、仲が良いから。 ただ、あんなミスをするなんて、何か合ったんだろうか?少し気になったんだ。
新井くん、知ってるかい?」
「え?・・いえ、それは・・・」
聞かれて初めて、気になった。

苑田さんのお陰(?)か、外回りは無事に終わる。雑用ができて一度社に戻ることになり、電車に揺られながらぼうっとしていたら、市島さんんの言葉を思い出した。

そういえば、この頃苛々しているみたいだった。
俺には話してくれないけど・・・、聞いてもいいのかな?



「たまにはおまえのミスもいいもんだ。お陰で営業部全体が締まった」
「何です?それ。  俺は気つけ薬かショック療法ですか」

電話の直後すぐ行った事もあり、どうやら無難に収まって戻ってきた苑田は、中島に声をかけられて、社外でファミレスに座っていた。

笑いながらコーヒーを飲んだ中島が切り出す。
「・・・チームで営業するのは、疲れるか?」
「いいえ」
それには即答できたが、
「市島と揉めたか? それとも新井か? 」
続けられ、言葉に詰まる。

「・・・どちらでも、無いです。俺の、気持ちの問題ですから・・・」

目を逸らしてしまう。
「そうか?
ま、無理はするな。根を詰め過ぎて年末年始に休まれたら困る。
なにしろおまえは目上の連中に受けがいいからなあ」
「先輩・・。俺の心配してくれるのって、そんな理由ですか?」
「笑うな。俺に取っちゃ大問題だ。上の機嫌がいいとごり押しも効くんだよ」

軽い調子で気にかけている事を知らせてくれる。
苑田は、中島と笑い合って仕事に戻った。


◇  ◇  ◇


「ただーいま~」
「おかえり。あら、一人? 範裕さんは?」
「・・まだ。遅くなるって」
母さん、俺より範裕さん?コートを脱ぎながらそう思っていたら、

「お、崇だけか。範裕くんは?」

声を聞きつけて玄関まで来た、父さんまで。
「範裕さんは後から来るって。・・・・せっかくプレゼント持ってきたのに」
後半の呟きは聞こえなかったらしい。
「まあまあ。・・崇に聞きたい事があったからな。
あ、母さんお茶。崇と二つ」
「はいはい」

「何?聞きたい事って」
座卓のある部屋へ手招きされて座ると、父さん、にこにこしながら言いだす。
「どこまでいったんだ?」
意味不明な言葉に、
「どこまで・・・って?」
「だから、どこまで進んだんだ?もう、・・・キスとかしたのか?」
「キ !?」
絶句する。

「かわいい子だったじゃないか。会社の子なのか?」
はあ?

「と・・、父さん」
「照れなくったっていいぞ。それで、お正月には連れて来るのか?」
「ちょ、ちょっと待ってよ父さん。」
訳が分からず、話を進める父さんにストップをかけた。
「何の話か分かんないよ。最初から言ってくれない?会社の子、とか・・・・キス、とか」
最後のひと言は、口ごもってしまう。

ひろさんとは、それ以上をしてるのに。






にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ





 目撃者、その2.お父さんの攻撃に、新井くん、耐えられるのか(笑)?
お母さーん、ヘルプ!

関連記事
スポンサーサイト



コメント

No title

あれ~?市島さん♪
苑田君の事気になりましたのねヽ(^。^)ノ
ちょっと嫌悪感も薄れてきたし
それに、本音を言えばちょっと安心もしたでしょ?
苑田君でもミスをするんだって。。。
別に市島さんを攻めている訳じゃないわよ~
それである意味営業部全体が引き締まったんだもの
自分もそれで注意する事をすればいいんだから!
苑田君だってロボットじゃないんだから感情に流されて、
(今回は上流から下流に一気に流れちゃったけど(笑))
やっちゃう事もあるわよ~ww
大事に至らなかったから良かったけどネ!!

まさか原因が目の前にいる新井君だって事など、
苑田君しかわかって無いし
当の新井君は鈍くて言われて初めてジャジャジャ~ンになってるし・・・
まったくねぇ…
ヤキモチやき過ぎて中身すかすか外側バリバリよ~~ww

中島部長 フォロー あざーす!!!
新年会は3人で子湖塚barでやってあげて下されね♪
あ、途中から乱入しますから♪
マスター!キャベツのパリパリサラダお願いしま~す(^_-)-☆

新井父――――――――っ!
なんですかその先走り!?
先走り通り越して父の妄想、悦に入っちゃってませんかぁ?ww
ほんと、新井母さん事情を知っていて良かった…
新井君がいくら説明しても、父は納得しなさそうだもんなぁ…
新井母さん、口添えお願いしま~す!!
苑田君が来る前に~~(T_T)

Re: No title

うさメリさま。 ようこそ。


> あれ~?市島さん♪
> 苑田君の事気になりましたのねヽ(^。^)ノ

そうなんですよー。まだ打ち解ける、まではいってませんが、ずい分柔らかくなって。おそらく、
「記憶力は武器になるんです」 
言った苑田の言葉が効いているほではないかと。 自分のこと肯定してもらえるの、嬉しいですもんね。


> 苑田君だってロボットじゃないんだから感情に流されて、
> (今回は上流から下流に一気に流れちゃったけど(笑)

流されましたー♪ でも、戻ってくるのも早かった。まーね、トップクラスにいますから、一応。
相手先もきっとビックリしたことでしょう。 「あの苑田さんが」 て。

> まさか原因が目の前にいる新井君だって事など、
> 苑田君しかわかって無いし

言わないですよ、新井くんにも。 外でデートみたいなことしてるの見ちゃって、仕事ポカした、なんて。
「そんな、入社したての新人じゃないんだし言えないです!・・・でも、1社だけで良かった。。」

うん、そうだね。


> 中島部長 フォロー あざーす!!!
> 新年会は3人で子湖塚barでやってあげて下されね♪
> あ、途中から乱入しますから♪
> マスター!キャベツのパリパリサラダお願いしま~す(^_-)-☆

「ああ、苑田のツケで」
「それはひどいですよ中島さん。・・あ、子湖塚、何笑ってるんだ。よーそ、おまえの奢りな」
「え?」

支払いはじゃんけんにしてもらいましょーか?


> 新井父――――――――っ!
> なんですかその先走り!?

「いや、その。。崇には噂の一つも無いから、まさかと思うが恋愛できない体質なのかと心配してたんだ。そんな時デートしてるのを見たから・・・」
「デートじゃないって!」

噛み合ってませんねぇ、父子。


> ほんと、新井母さん事情を知っていて良かった…

「アラうさメリさん。ええ、息子は嘘つくの苦手なんですよ。うふ。範裕さんも気に入ってますし。
人生、何が起きるか分かりませんけど、いい男が側にいるのは心の栄養ですから。はいはい、範裕さんが来る前になんとかしましょうね♪」

新井母、達観してます・・・。



ありがとうございました。


トラックバック
コメントフォーム













管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

ますみ

Author:ますみ
FC2ブログへようこそ!
BLと、雑談をしています。週末オープン。

最新トラックバック
フリーエリア
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR
ようこそいらっしゃいました!
よろしければポチっとしてください(ペコ)。

Page Top