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『プリズム』

『プリズム』21**ガール・フレンドー9

「そ、そうか?・・・いや、二・三日前、おまえが女の子とコーヒーショップから出てくるのを見かけてな。ずい分親しげだったから・・・・」
残りはもごもごとお茶ごと呑み込んでしまったけど、やっと分かった

「それって絹里さんの事?」
「絹里・さん?きれいな名前だな。その、絹里さんが彼女なのか?」
「違うよ。彼女は、会社の・・・、チームメイトみたいなもん」
急いで否定した。
ここで誤解を招いたら困る。だって、本当に好きなのはひろさんなんだ。

「でもなあ・・。あの子なら」
「お父さん。
崇の人生は崇のもの。私たちは応援するだけよ。  ね、崇」
お茶を持って来て俺の隣に座った母さんが、父さんの勢いを持て余していた俺に助け船を出してくれた。
サンキュー。

どこか気まずい雰囲気を救ったのは、ドアチャイムだった。
「範裕さんだわ」
母さんがぱっと立って迎えに行く。

「今晩は。・・・すみません遅くなって。これ、少しですが」
「あらそんな。時間を決めていた訳じゃないし、いつでもよかったんですよ。崇もお父さんも待たせておけばいいんだし。
仕事、大変だったんでしょ? さ、どうぞ」
「おじゃまします」

話声が近付き、台所へ入って行く気配。
こっちに来ないのが分かってほっとした。父さんがひろさんにまで聞いたらどうしようと思ったから。

「お父さん、崇、できたわよ」
ひろさん、しばらく台所にいたようで俺たちの所に来なかった。母さんに呼ばれて行くと、テーブルの上はX‘マスに。
「どしたの? これ」
座りながら聞く。
「どうせ崇帰って来ないでしょ?だから、ちょっと早いけど作ったのよ。範裕さんが持って来てくれたものも足したから、豪華になって。
範裕さん、手伝わせちゃってごめんなさいね」
「いえ、楽しかったです」
母さんに笑いかけるひろさん、本当に楽しそうだ。
「お、シャンパンまである。気を使わせちゃったか?範裕くん」
「そんなことは。時期的に色々出てますから」

母さんの料理とひろさんの差し入れで、食事は楽しく美味しく盛り上がった。デザートにケーキまで出てくる。
これも範裕さんの手土産だ。
「それだけじゃないの。プレゼントまでもらったのよ」
ほら、と母さんが見せてくれたのは、可愛らしい花籠と、手袋。
「この花、プリザーブドフラワーって言うんですって。きれいでしょう?それとこの手袋はお父さんに。大工仕事にも使えるんだそうよ」
崇は持って来てくれないけど、なんて続けるから、
「そんなことないよ!俺だって用意したあるんだから!」
むきになって言ってしまった。

「そう言えばこの間、『絹里さんと選んだ』って言ってたな。それだったのか?」
範裕さんの声が低い。
「範裕くん、絹里さんを知ってるのか?」
俺より先に、酔った父さんが食いついた。

「え、ええ。最近・・、会うことが多いので」
戸惑う範裕さんに気付かないまま、父さんは話し続ける。
「なんだ、崇おまえ、父さんたちより先に範裕くんに紹介してるのか?」
「違うってば。さっきも話したろ?絹里さんはチームメイトで、範裕さんも一緒なんだ」
「範裕くん、君の目から見て、絹里さんは・・、絹里さんと崇はどんな風なんだ?」
聞こえてないし。
「さあ・・・。
確かに一緒に仕事をしてますが、崇はそのあたり、話してくれないので」

ひろさん・・・。






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 シャンパン飲み過ぎ?酔ったお父さん暴走中・・・。
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No title

ウニャァ~新井父さん、いくらシャンパン口当たり軽いからって
ピッチ早すぎるんじゃないのぉ?
さっきお口モゴモゴだったのに
喉ごし良すぎて言葉の通りが良くなったってか?!

も~……苑田君スネちゃったじゃない~(..)
苑田君がプラスされての華やかな早目のクリスマス食卓なのに…
暗くなっちゃうよ~(´д`|||)

さっき母さん、崇の人生応援するだけって言ったでしょ?
って、これには納得してなかったんだわね。。。
そんな言葉より、現場見ちゃったのだから
どうしても彼女にしたいかもしれないですね
事情を知ってる母はそんな風に言う苑田君に心痛めてるかも…

父の暴走止めるには、相方の母しかおりませんて!
ハリセンでもなんででも、止めて~ パコ~ン!

Re: No title

鍵コメうーさま。 ようこそ。  ・・とか言ってる場合じゃなくって!

わ、ほんとだ!見なおして即行直しました・・・。
ローマ字打ちしてると指の力加減で変な字になっちゃいますね(汗)。

苑田のセリフ、ヲイヲイ、になる所でした~~。



ありがとうございました。

Re: No title

うさメリさま。 ようこそ。


> ウニャァ~新井父さん、
> 喉ごし良すぎて言葉の通りが良くなったってか?!

「いやぁ、崇は言いたがらないし、範裕くんも、その、絹里さんを、だな、・・っく。知ってる風、だったからー、聞きたくなったんだよ、うん(by新井とーさん)」
酔っ払ってます・・・・。


> 苑田君がプラスされての華やかな早目のクリスマス食卓なのに…
> 暗くなっちゃうよ~(´д`|||)

だ・大丈夫だと、思います(多分)。新井くんにはチクチクしてますけど、おと―さんにはできませんから、極力外に出さないようにしてると・・・。


> 父の暴走止めるには、相方の母しかおりませんて!
> ハリセンでもなんででも、止めて~ パコ~ン!

「まあまあうさメリさん。私はもちろん分かってます。・・さすがに夜の事まで知りたいとは思わないけど、二人を見てるとねー。私たちには負けるけど♪
でも、試練の一つだと受け止めてもらわないと、この先何があるか。
崇、頑張んなさい(by新井かーさん)」

母、強い。。て、ついでにノロケましたね?



ありがとうございました。

少し ハラハラ?してます

お父さんの範さんい聞いた言葉にハラハラしたし 崇君の鈍感さにハラハラ で

も崇君はハラハラでなくヤキモキですね^^: 範さんが気が利きすぎるから 

崇君の鈍感さが丁度いいのかなv-410

Re: 少し ハラハラ?してます

mikenekoさま。ようこそ。


> お父さんの範さんい聞いた言葉にハラハラしたし 

はい、新井とーさんは親戚の子たちが羨まし。そしてやっと息子にも’春’が来たと思ってます。そのウキウキに水を差せない苑田。。だけどジェラシーがプスプスしてます(笑)。


>でも崇君はハラハラでなくヤキモキですね^^: 

とってもやきもきしてますよー。気を付けないとケーキを口に入れずこぼしそうなくらい。あはは。


> 崇君の鈍感さが丁度いいのかなv-410

だから苑田とつりあうのかも・・・。やっぱりイロイロ合うのでしょうね~~。心もカラダも。腐腐。



ありがとうございました。
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