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『プリズム』21**贈りものー14

「返してくれ」
捨てたものなんだ、要らないだろう?
そう言いたげに手を出す。
「俺に、くれたものなんだろ?」
「・・・・・」
「ひろさん?」
唇を噛んで目を逸らすひろさん。
「最初に・・・デートしたのは、おまえじゃないか・・・」
「え?」
そっぽむいたまま、
「・・絹里さんと、コーヒーまで・・・。俺に、内緒で」
「ひ・ろ・さん。俺、父さんにも言ったけど、彼女は仕事仲間だとしか思ってない。それに、俺はひろさんに愛の告白してるんだぜ。 それを疑う?」
「それ、は・・・」
パジャマ代わりのスエットを着て黙りこむひろさんに近付き、俺より背の高い体を腕の中に収める。
まだ怒った顔をしていたけど、腕に力を込めると、ぽす、と肩口に頭をもたせかけた。

「欲しいんだ、これ。いいよね?」
小箱を持った手を振る。背中でそれを感じたひろさん、
「・・・・好きにしろ」
まだぶっきらぼうに答える。
「うん、そうする」
ひろさんの顔見て、開けたかったんだ。そう囁いて、頬を染めたひろさんを見ながら蓋を開け、良く見えるように顔のそばへ持って来る。

石がふたつ嵌め込まれた、タイピン。

「・・・俺、こんなのもらうの、初めてだ。すっごく嬉しい。
大事にする」
もう一度、ぎゅう、と抱きしめた。
「ありがとう。それと・・・ごめん」
俺の言葉に、ひろさんが首を横に振る。

「でも。許せないから。あんな事もう二度としないで」
びく、と竦んで、そのあと、
「・・・悪かった」
小さく返事がある。
耳元で、息と一緒に届いた声と、髪油の杏の匂いに感じてしまって、
「ひろさん、こっち向いて」
空いてる手を回してひろさんの顎をとり、唇を重ね。

「ん・・・」
互いの唇を挟むようにそっと力を入れ、角度を変えて同じことを繰り返す。何度目かにひろさんが誘うように舌で舐めてきたから、俺も舌を伸ばしてひろさんの口の中へ。
「ぁ・・・っふ、・・ん・んっ」
舌下の筋や頬の内側、上顎と歯の境と弱い所を舐め回す。
鼻に抜ける声が甘くなってくる。もっと、と続けようとしたのに、内ポケットで携帯が鳴った。
「・・・なんだよ~・・」
渋々体を離し、取り出せば小野山課長からだった。

「あーあ、いいところだったのに」
「仕事中に変な気を起こすおまえが悪い」
「そんなこと言うと押し倒すよ?」
電話を切ったあと、普通に話が出来るようになってて、それがうれしい。
「まだ就業時間なんだ、仕事してこい」
「はーい。 終わったら・・、ここへ来て良い?ひろさん」
「・・・ああ」
やった、とまだ少し赤い頬にちゅっと音を立ててキスすると、
「ば・・馬鹿!さっさと行け!」
「へへ、行って来ますっ。
ちゃんと寝ててね、ひろさん」
来た時とは全然違う気持ちで、足まで軽くなって靴を履いた。


会社に戻ると、
「おー、新井。連絡あったぞ。ご苦労さん」
「新井くん、悪かったね。苑田くんから連絡があった」
中島部長、一之瀬課長から声を掛けられる。
「いえ、俺の方こそ、ありがとうございました」
仲直りも出来たし、と、それは言葉にせず頭を下げ、仕事に戻った。






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そして、犬も食わない○○・・、は、無事解決。
悶々とした年末にはならずに済みました。 火種はまだ残ってますけどね。


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コメント

No title

これにて一件落着!
助さん(絹里さん)格さん(中島部長)もようやってくれましたな! フォッフォッフォッ(笑)
って、黄門様は誰?ww

ずっと燻ってたんだなぁ…コーヒー事件ww
これは暫く女性と一緒の現場になった場合は逐一メール入れた方が良いのかも?ww
残った火種は一滴ずつでも水を落として消して行かないとね。
とにかく今日は絹里さんが作ってくれた雑炊を食べて、体力回復させないと
新井君が今晩ムフフ出来ないからね❤
あ、間違っても雑炊の中にキムチは入れて食べないように!
絹里さんの中に新井君が浸透して行ったように感じちゃうからね←妄想し過ぎww

さぁこれで楽しい年末年始を迎えられそうだわね。
その前に、新井君もプレゼント渡さないと!
それと、子湖塚barで、忘年会と新年会両方入れておいたから、ヨロシクね♪♪
皆さま!29日の夜7時に集合ですからぁ(*^。^*)
新井君の奢りなので手ぶらでオ~ケ~ですよ~~ww

Re: No title

うさメリさま。 ようこそ。


> これにて一件落着!

はは~ッ、どうぞご安心をーー(とか言いつつ。腐)。 黄門さまはたくさん居るので数えませんでした(え?)。


> ずっと燻ってたんだなぁ…コーヒー事件ww

ええ。・・・・’コーヒー事件’は収まりましたが、絹里さんはもう少し・・・・あ、わわ、内緒、ないしょ。。


> これは暫く女性と一緒の現場になった場合は逐一メール入れた方が良いのかも?ww
> 残った火種は一滴ずつでも水を落として消して行かないとね。

それが消えないんですヨー。継ぎ足す人がいるので。一度ボウボウしないと駄目なようです。


> あ、間違っても雑炊の中にキムチは入れて食べないように!

「それはしません。・・・雑炊は本当に美味しかったんです。胃に優しい味で、絹里さんの性格まで伝わって来る味でした(だから気になるんです。by苑田)」


> 絹里さんの中に新井君が浸透して行ったように感じちゃうからね←妄想し過ぎww

それ、あり得るかも。。?! 絹里さんの方が好意持ってますから。  あぶない。


> さぁこれで楽しい年末年始を迎えられそうだわね。
> その前に、新井君もプレゼント渡さないと!
> それと、子湖塚barで、忘年会と新年会両方入れておいたから、ヨロシクね♪♪
> 皆さま!29日の夜7時に集合ですからぁ(*^。^*)

「・・ひろさん、忘・新年会のお知らせ、ってチラシが入ってたんだけど・・・」
「29日?仕事納めじゃないか。・・・まあ、行きたいなら行って来い。俺は仕事が残ってるから欠席だ」
「えー、ひろさん行かないの?それなら俺も止めとこうかな・・・」
(休憩時間に、苑田、子湖塚さんに電話~)
ー 子湖塚、どう言う訳だ?俺達が忙しい29日におまえのところで忘年会とは」
ー え?・・・どうして知ってるんですか?」
ー 崇の所にチラシが入ってた」
ー (あっちゃー)ま・まあ、その通りです。苑田さんも時間があれば・・」
ー 無い。 崇は行くかもしれないが、いいか子湖塚、飲ませすぎるなよ」
ー はい、分かってます」

「(ふぅー)うさめりさん、ますみさん、気を付けてくださいね」

・・・ごめん、子湖塚さん(笑)。



ありがとうございました。

No title

苑田君欠席~~~?!
チョット!新井君どーなってるのよー
あり得なーい信じられなーい
どんだけ心配したと思ってるのよぉ~も~!
(↑ホントか?楽しんでただけという話も…)
あ~そ、苑田君てそーゆー人だったんだ
なんか悲し~な~…(と、背中を向けてニヤリとしてみる)

Re: No title

うさメリさま。 ようこそ。  ・・・っと。


> 苑田君欠席~~~?!
> チョット!新井君どーなってるのよー
> あり得なーい信じられなーい
> あ~そ、苑田君てそーゆー人だったんだ
> なんか悲し~な~…(と、背中を向けてニヤリとしてみる)

「まぁまぁうさめりさん。 大丈夫ですヨ、新井さんがちゃんと来てくれますから。 そうしたら苑田さんだって必ず来てくれます。・・・・あ、ほら。いらっしゃい、新井さん(にーーっこり。by子湖塚)」
「こ・こんばんは~・・。すみません遅くなって。あの、これ」
「おや、わざわざこんなものを。うさメリさん、フグの糠漬けと粕漬けですよ。
珍しいものをありがとうございます、新井さん」
「いえ・・。あ、と、苑田さん、間にあったら顔出しくらいは、って言ってました」
「そうですか。  はい、どうぞ。まずは温まってください」
「いただきます」

ほらね♪


ありがとうございました。
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