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『プリズム』

『プリズム』5*ライバルと過去-10

ハードなRは終わりました。が、少ーしだけ緩くRが入りますので、15歳未満の方、お好きでない方はご遠慮ください。大丈夫な皆さま、スクロールしてどうぞ。





















立っている体力もない体を香川に抱き支えられ、そのまま担ぎあげられる。
「はな・・せ・・・・」
「立てないもん(者)がでかい口をたたくな。」
抵抗しようとしたが拳を握れず、平手で弱く背中を叩くことしか出来ない。

連れていかれたのは、ホテルらしい一室。広いバスルームの浴漕に座らされ、身につけている服を上着から順に手際よく脱がされていく。それらを手に持ち一度浴室を出た香川は、全裸になってくるとシャワーのコックを捻った。

「何を・・?」
「少し沁みるが我慢しろ。汚れを落とす。」

なりゆきに思考が追い付かずぼんやり見上げ、身体の傷に目が止まる。無駄の無い体つきにあるのは、右の肩近くにある傷と、左のあばら下から臍に向かって直線に伸びる、二つの傷だ。
 不思議に恐怖や不安は起きなかった。この男に似合う傷だと思う。

「俺の傷を見て驚かなかったな。 なぜだ?」
視線を外さずにいたら気付いて聞いてきたので、思ったままを口にする。
「なぜ、と言われても・・。ただ、似合う傷だと思っただけだ。」
驚いた表情を走らせ、喉の奥で笑った香川は、
「気に入った。」
顔を近付け、唇を押し当てた。
「・・契約の印だ。俺のアドレスを教えておく。必要になったらいつで使え。」




裏社会にも伝手があるらしい香川と言う男に、どういう訳か気に入られた。
しばらくはアドレスを見ることさえ無かったかったが、ある時、仕事で知らずにブラック系の会社と取引してしまい、思い悩んだ挙句連絡を取った。
彼のお陰で穏便に契約解消でき、以来、体を重ねることもなく付かず離れずの関係が続いている。



 だが、進藤とは、変わってしまった。


あの夜、進藤は最初から俺を取引の道具にするため連れ出し、クスリを混ぜた酒を飲ませて晒しものにしたのだ。
翌日、軋む体を宥めながら出社し、彼をミーティングルームへ呼び出して問い詰めた。

「進藤。昨夜のあれは、どういう事だ?」
「どういう事?決まってるじゃないか。男に突っ込んで欲しくてうずうずしているおまえに機会を提供してやったんだ、感謝しろ。」
「・・俺は抱かれる趣味など無い。」
「ふん、それなら女を抱かせてやる。俺の取引先にはおまえのような男を欲しがっている暇なばばぁがうようよいて、いつでもOKらしいからな。」
「そんな事を言ってるんじゃない・・・・っ」
体に力を入れたせいで局部に痛みが走り、思わず唇を噛むと、

「いい気になるんじゃないぞ。ホモの弟のクセに。」

冷たい声が浴びせられた。
「忘れるな。おまえの変態兄が、俺の叔父をころし、叔父の家族をめちゃくちゃにしたんだ。*車で心中した時、叔父の下の子は、まだ小学生だったんだぞっ!」
言われて、自分の顔が青ざめていくのが分かる。
「小母はあれから必死で働いて子供たちを育てた。俺はまだ学生で何も手を貸すことが出来ず、それがどんなに悔しかったか・・・。
そんな事をおまえの兄は叔父一家にしでかしたんだ。わかってるのか?!」
「俺の両親だって知らなかったんだ、隆裕の相手が男で、家庭教師をしている子の父親だったなんて!それに・・、事故の後何度も謝りに行ったし、援助を申し出て・・・」
「夫や父親を亡くす原因になった相手からの援助?受け取ると思ったのか?お目出度いやつらだな」
「違う。せめてお詫びをと・・・」
「だったら、少しぐらい俺の役に立て」
進藤の目がギラリと光った。

「しん、藤?」
「それとも、こいつをネットに流してやろうか?」
進藤が取り出したのはUSBメモリ。
「ゆうべのおまえが全部入ってる。変態の弟はやっぱり変態だったとタイトルをつけてやれば喰いつく連中も大勢いるだろうさ。」
「・・・やめろ・・」

そんな事になったら、詳しい事情を知っている人がいないとはいえあれから世間に身を縮めるようにして生きてきた父は、さらに打ちのめされてしまう。
同居してくれている母の従姉(いとこ)の和美さんだって、何を言われるか。

「どうするんだ、‘枕営業の苑田’。」

「・・・・わかっ・・た・・・」


それからは、専用の携帯を持たされ、言いなりに何人もと寝た。
順調にランクを上げた進藤は現在(いま)、部長になっている。




*車で心中。・・・苑田の家族も、進藤や彼の亡くなった叔父の妻もそう思っています。真実を知っているのは、苑田の母親の従姉、和美さんです。明らかになるのはずっとずーっと後になります。苑田のお母さんが出てこないのは近々分かりますので、しばらく、お待ちください。
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コメント

心中の裏には知られざる真実が!?

ますみ様 おはようございます\(^o^)/

苑田くん、相手家族への負い目と自分の家族を守るために
会社を辞める、この行為を止めるという事をしなかったのですね。


進藤も、この事が無ければ
此処までヤナ奴になりさがらなかったのかな?
進藤は彼なりに叔父の家族に心を痛めたのですもんね。。
でもこんな復讐めいたことは認められませんけど( →_→)

今はまだ和美さん以外知り得ない真実が有るのですね!
そして新井君が来たことで何かも動き始めた?!

待ちます待ちます!!
じっくり楽しませていただきますので、
ヨロシクお願いします(*v.v)。。。

Re: 心中の裏には知られざる真実が!?

うさメリさま。 ようこそ。


>会社を辞める、この行為を止めるという事をしなかった

はい。苑田だって家族を守りたいですもの。あと、仕事も好きなので。そして、新井くんに会う事が出来たのも会社を辞めなかったから・・・なんです(腐腐)。


>進藤も、この事が無ければ 此処までヤナ奴になりさがらなかったのかな?

・・・そう、かな?進藤、自分と違う苑田の仕事ぶりにひそかに嫉妬してもいました。「あいつには勝てない」と。だから逆らえないようにできて大喜びでしょう。


>和美さん以外知り得ない真実

種明かしをすれば、案外「なあんだ」となるかもですが。。
新井くんが来たことが、全て動き出す始まりです。だって彼、一応主人公(あはは)。ガンバレ新井くん!

それと。
この話、結構長くなります。退屈したら言ってくださいネ。別テイストの息抜きも考えてみますので。


ありがとうございました。

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Re: タイトルなし

鍵コメしーさま。 ようこそ。

そっこーチェックしました。いつもすみません(汗)。


ありがとうございました。

No title

こんなシリアスな展開…
始まった時は思いもしませんでした。
過去や、しがらみが見えて来て、引き込まれますっ(>_<)

でも、新井君ごめん。
私、香川×苑田に激しく萌えてしまいました…。

リアルタイムの更新では、次は苑田さんのお部屋からという事で…♥
頑張れ新井君(>_<)!!

Re: No title

チロルさま。 ようこそ。

>こんなシリアスな展開…

そ・そうですか・・?もうちょっとソフトにしておいた方がよかったでしょうか。
ですが、この先まだ山、いえ、山脈があって・・・ごにょごにょ。
あ、でも、「引き込まれる」・と言ってくださってホッとして、嬉しい!です。


>でも、新井君ごめん。   私、香川×苑田に激しく萌えてしまいました…。

香川は苑田より大人で(新井くん25~27才、苑田30~35才、香川40才代を考えています)、アブナイ橋も渡ってきているのでそういう魅力を感じられたのでしょう。
彼はまた絡んできますから、お待ちくださいね♪


>頑張れ新井君(>_<)!!

はい、頑張りますよ。ちょっと方向ズレマますが・・・(苦笑)。


ありがとうございました。

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Re: No title

鍵コメ❀さま。 ようこそ。

お知らせが遅くなってしまったお咎めも無く、嬉しいお言葉、感謝です。
新井くん、ワンコタイプ。これからも色々やってくれますので、お楽しみに。

苑田は・・。素質(??)あったかも、ですが、進藤に捕まってからさらに否応なく磨かれて、今では。。
の状態デス。
この先まだまだ(ムフフもたくさん)ありますが、ゴール目指して頑張ってほしいです。

あ・・、❀さまの息子さん達もイイ男揃いだ!と思ってますよ~~。



ありがとうございました。
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