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『プリズム』

『プリズム』24*それぞれ、一歩ずつ-27

「どのチームもいい経験になったようで我々も満足できる内容だった。今後については、君たちのプレゼンを元に検討させてもらう。ご苦労だった」

全てのプレゼンと質疑応答が終わり、ホッとした空気が流れる。田之倉専務の終了を告げる言葉で他のチームも俺たちも書類を纏め、部屋を出ようとしていた。

「市島くん」
「は、はい」
列席していた重役の一人、氏家常務が市島さんに声をかけてくる。
「よく、立て直して出来たな。立派だった」
「・・ありがとうございます」
「ところで、何かに躓いたようだったが、何だったんだ? 」
「あの・・」
市島さんも良く覚えてないらしい。すると、
「コンセントのようです、氏家常務」
そばにいた苑田さんが助け船を出す。
「コンセント? 」
「はい。あのあたりに埋め込み式のコンセントがあって、市島さんはそれに躓いたようでした」
指し示すあたりを見れば、確かにある。
「お、そうか。ふむふむ、今度はテーブルの配置も考えないといかんな。分かった」
「では、これで失礼します」

会議室のドアを閉め、エレベータで営業のフロアに戻って来て、やっと肩の荷が下りたようだ。期せずして三人ともため息が出る。
「市島さん。お疲れさまでした」
苑田さんがまっ先に市島さんを労う。
「いや、でも失敗したし・・・」
「全然じゃないですか! やっぱり市島さんにしてもらって良かった。俺だったら転んでます」
頬を赤らめる市島さんに俺も言うと、
「君たちの、おかげだ。
あの時、僕を励ましてくれたから、出来たんだ。

あ・・、ありがとう」
俺たちの方を向いてお礼を言われ、こっちがこそばゆくなる。


「あー、居たいた。市島さん、苑田さん、新井くん、どうしたんですかこんなとこで」
「中畝? 」
「早く来てください。みんな待ってますよ」
エレベータの前で語り合ってた俺たちに中畝さんが声をかけ、市島さんと苑田さんを引っ張っていく。慌てて後に続いた。
「みんなって? 」
「みんなですよ。 ・・苑田さんたち、戻りました」
「おー、戻ってきた。ようしこれで全員だ。ほら、何してんだおまえたち。そこへ並べ」
待っていた顔の中島部長に急かされ、他のチーム営業をしていた人たちと一緒に並ばされ、

「それじゃ。 チーム営業、お疲れさん! 」
「「お疲れさまでしたー!」」
お祝い? の言葉と拍手が。
「ありがとうございます、皆さん、中島部長」
お辞儀をする苑田さんに、俺も、
「あ、ありがとうございますっ」
「あ・・」
市島さんは感極まって言葉が出てこない。ちらっと見たら涙目になってる。





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 半年の苦労や疲れが消えていきそうな、営業部みんなからの『@お祝い』。
市島さん、花丸をもらった気持ちでしょうね・・・。
新井くん、あなたの頑張りも誰かが見てるよ。 苑田も嬉しそうな顔してるし。。  良かったね♪

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コメント

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No title

おぉ!やっぱり苑田君の判断は間違ってなかった!!
見てる人は見てて下さるのよねぇ
常務が声をかけて下さるなんて、市島さん気持が高ぶってるでしょう!

あのまま、進藤を崇拝したまま下でこじんまりしていたら
この市島さんにはお目にかかれなかったことと!
市島さんを引き出した苑田君もさすがです♪♪
市島さん自身も、こんな自分がいる事に驚きを隠せないかもしれないですね

本当にお疲れさまでした。
今日はお疲れ様酒とホッとしました酒を楽しく飲めそうですね

次に飛躍は新井君の番
負けてはいられないよ~(^◇^)

Re: No title

鍵コメうーさま。 ようこそ。


市島さん、新井くん、苑田。それぞれに収穫のあった彼らも新年度を迎えます。 新しい出会いや始まりがきっとあることでしょう。

そして・・・、うわわっ、ホントです!  直しました―(汗)。
油断大敵 火がぼうぼう。。  気を付けてはいるんですが。



ありがとうございました。

Re: No title

うさメリさま。 ようこそ。


> 見てる人は見てて下さるのよねぇ
> 常務が声をかけて下さるなんて、市島さん気持が高ぶってるでしょう!

「そうなんですようさメリさんッ! まさか氏家常務に『立派だった』なんて言われるなんて・・・」
思い出してまた興奮?してますよ、市島さん。


> 市島さん自身も、こんな自分がいる事に驚きを隠せないかもしれないですね

「・・はい。私は人前に出る事なんて無くてもいいと思ってました。でも、苑田くんのことも思い込みで接してはいけないと気付かされたり。まさか後押ししてくれるとは・・」
「市島さんはもっとできると思いますよ。アドバイザーなんか向いてるかもしれませんね」
「そ・苑田君。。ありがとう。 進藤部長にも見てもらいたかったよ・・」
「・・・ええ」

うっ。市島さん、知らないから。


> 次に飛躍は新井君の番
> 負けてはいられないよ~(^◇^)

「分かってます、けど。どうしていいのかさっぱり分かんないですよ、俺。また実家に行ってお袋の本棚でも探そうかな・・・」
早めに決めて行動しなさいね♪



ありがとうございました。
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