FC2ブログ

ssもの

中秋の名月を見に

今日からSSが入ります。
新井くんたちは、ベッドインの前で一旦停止(ゴメン)。 まあ、最中よりはいいでしょう。

出てくるのは香川さんと高松さんと、苑田。 季節に合わせてお月見です。





ホテルのラウンジでコーヒーを飲んでいると、着信音がした。

「はい」
― 悪かったな。待たせたか? 」
「いいえ。ここのコーヒーは美味しいですから」
くすくす、お互いに笑い合う。
― 無理なら断っていいんだぞ」
「そんなことはありません。ですがこのお天気では・・」
外は傘をさす人ばかりだ。
九月に入ってから連絡があり、明日は休みを取った。誘われた行事は野外で、雨が降っては中止せざるを得ないはずだから、と思っていたのだが。
― 中止は無い。それと、悪いが移動してくれ。場所が変わった」
「変わった? どこです? 」
― 今から迎えに行く。高松の車、覚えてるか? 」
「高松さん・・。ああ、青い車でしたね」
― そうだ。玄関に着けるから」
「わかりました」


「よお」
「・・お久し振りです高松さん」
「早く乗れ。目立つ」
エントランスの中からでも分かる真っ青な車。近付けば助手席の窓が開き、高松が笑顔で出迎える。運転席には香川。
応えてすっと車に乗り込んだ。

「まさかほんとにあんたを誘うとはね」
俺は会えて嬉しいが、と続ける高松。
「しょうがないだろ。そこらの女じゃ連れていけん」
不機嫌そうな声の香川。
「あの」
「ああ、済まん。喉が渇いてるならそこらに何かあるはずだ」
苑田の呼びかけに、香川は優しい声を出し、バックミラー越しに目を合わせた。
「まったくなー。この差だよ。
俺達には容赦ねぇんだからこの男は」
「なんだ、優しくして欲しいのか? 」
「ブルルッ、そりゃ’猫なで声‘ってんだ。 やめろ、背筋が寒くなる」
わざわざ体を震わせる真似までして高松は言い返した。
「場所が変わったと言いましたね。どこなんですか? 」
苑田の問いかけに、間が開く。

「国内だ」
「国内? 」
答えた香川の含みのある言い方に引っかかる。
「あー・・、済まねぇ、俺のせいなんだ」
「高松さん? 」
「俺がつい口を滑らせちまって」
「雨が降ったら中止のはずだ、なんて安請け合いするからだぞ。次は無いからよく覚えとけ」
「分ぁかってるって」
「今夜の’月見‘、中止にならなかったんですか? 」
会話からそう察した苑田に、眉を下げた高松が振り返る。
「そうなんだ。俺もまさか飛んでまで見に行くなんて思わなかったから・・」
「金持ちの酔狂を見くびるな」
香川が言ってハンドルを切った。


訳も分からず、車から降ろされた先にあったのはセスナ機。
「どこへ行くんですか?! 」
「晴れて、月が見える場所だとさ」
香川が、もう諦めた口調で教えてくれるが。
「月・・。まさか、’お月見‘のために、晴れている場所まで移動って」
「心配するな、アシ代は向こう持ちだ」
「そういうことを言ってるんじゃありませんっ」
「頼むよ苑田さん。俺もまさかここまでやるたぁ思わなかったからよ・・」
「馬鹿馬鹿しいにも程がある。遠すぎると言って、断って帰れ」
「香川~! 」
「・・・無理でしょう、今さら。行きますよ。
ですが、場所ぐらい教えてください」
「・・北海道の山荘、だ」
「ほっか・・」
驚きで言葉が続かない。
「あのう、もうよろしいでしょうか? 」
おどおど言ってきたのはどうやらパイロットらしく、帽子を被っている。
「そ、そろそろ行かないと、天気が・・」
「分かったわかった。
香川、苑田さん、頼む」
「・・わかりました」
ため息をついた苑田が一歩踏み出し、高松がホッとして、香川は無言で最後に乗り込んだ。

◇  ◇  ◇


「香川さんが着ると、映えますね」
「おまえもなかなかだ」
「そう言ってもらえると少し安心します」
あてがわれた部屋で着替えた二人。
香川は、裾に薄と白萩を描き、羽織で隠れてしまうが右の肩甲骨あたりに月が浮かぶ着物。
苑田は細く銀糸を織り込んだ蒼のグラデーションカラ―スーツに、品のいい茜色のネクタイ、ポケットチーフ、深い赤のカフス。
並べば、夕暮れから夜にかけての風景が浮かぶ組み合わせだ。

「支度、できたか? 」
ノックがして、高松が顔をのぞかせ、ヒュッと口笛を吹いた。
「絵になるなァ、お二人さん。もう始まってるからそっと潜りこんでくれ。美味いもんもあるし、腹が膨れたら適当に帰りゃいい」
「そんなに簡単でいいんですか? 」
「顔を出した、のが分かればいいのさ。じゃあな」




 リアルはそろそろ中秋の名月。
なので、香川さんが苑田を、 「お月見に誘った」 のですが。 ただそれだけで終わらない♪
どうなるんでしょうねーー。
そして、無事終われるのか? ワタシ。。 汗、出てます・・・。
関連記事
スポンサーサイト



コメント

一気に秋模様ですね。

うふふ某CMのように「チロリンチョ~」何が出るでしょうね!(^^)!

Re: 一気に秋模様ですね。

nichikaさま。 ようこそ。


> うふふ某CMのように「チロリンチョ~」何が出るでしょうね!(^^)!

何が出るんでしょうかねーー。美味しいモノがあるといいナ―。 ・・・ではなくて。
高松さんがカッコイイとこ、見せられるといいですね。


ありがとうございました。

No title

中秋の名月~~
雨だ!強風だ!!
高松さん見えないよ~~(+_+)

香川さん!!
「そこらの女」
居る居る!!ここにいるじゃん
何で誘ってくれないのよ~~
私と香川さんの仲じゃぁあ~りませんか!?
もう~イケズ~~

って言っても、どちらにしろセスナなんて
怖くて乗れないからダメだったけど…
飛行機類案外苦手なんです(^_^;)

なので高松さん。香川さんのカッコいい姿
実況中継お願いします ペコリ
あっ!高松さんもメッチャカッコいいですよ♪
イエイエ 取ってつけたようなのでは無く
ホント~にカッコいいですから❤

Re: No title

うさメリさま。 ようこそ。


> 中秋の名月~~
> 雨だ!強風だ!!

> 何で誘ってくれないのよ~~
> 私と香川さんの仲じゃぁあ~りませんか!?


こちらも同じ。今夜の名月、見られそうにありません~。 ええ、誘って欲しかったです私も。
「おいおい、無理言うなって。うさメリさん、あんたは『そこらの女』 じゃないんだから。 ほら、コイツで機嫌直してくれ」
え・えーーっ?!
香川さんッ、そんなお土産いつの間に。うわ、3つも! って私の分は?


> って言っても、どちらにしろセスナなんて
>
> 飛行機類案外苦手なんです(^_^;)

あ。。うん、プロペラ機だと風でゆれたりしますもんね。
鳥にしたってお天気には勝てない。カラスが風に飛ばされるのも見た事あります。 ほんとに 「あーれ~っ」って感じで流されて行った(笑)。
ましてや飛行機・・。パイロットさん、無事目的地に着いてくださいね。


> なので高松さん。香川さんのカッコいい姿
> 実況中継お願いします ペコリ
> あっ!高松さんもメッチャカッコいいですよ♪

「おう、分かってるって。今回、ちびっとだけ俺のオトコマエな所が出てるから、忘れず見てくれよ、うさメリさん♪」
高松さんもあちら系なので、決める時は決めてくれるんです。 まあ、メインでは無いので少々扱いが・・。
うさメリさまの伝言に、喜んでますよ!



ありがとうございました。

ありがとうございます!

初めまして 耕作さま。
こちらからのお礼ですみません。

タイトルの番号ダブリ、お知らせいただいて確認、訂正しました!
時々やってしまうんですよね。。

もし、また見つけたらお知らせください。


ありがとうございました。
トラックバック
コメントフォーム













管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

ますみ

Author:ますみ
FC2ブログへようこそ!
BLと、雑談をしています。週末オープン。

最新トラックバック
フリーエリア
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR
ようこそいらっしゃいました!
よろしければポチっとしてください(ペコ)。

Page Top